JPH0530500Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両用樹脂製燃料タンクの改良に関す
る。

（従来技術） 従来、第４図に示すように樹脂製燃料タンク１
の底面に、樹脂製チヤンバ部材（サブタンク）２
を取付け、該チヤンバ部材２内にフユーエルスト
レーナ３を配置したものが提案されており、燃料
タンク１にチヤンバ部材２を取付ける構造とし
て、第５図ａに示すように、チヤンバ部材２の下
面の突起４を燃料タンク１の底面に溶着するもの
（実公昭59−43131号公報参照）、あるいは、第５
図ｂに示すように、チヤンバ部材２の底部に挿通
したリベツト５，５を燃料タンク１の底面に溶着
するもの（実公昭59−43132号公報参照）が提案
されている。

ところが、前者のものではチヤンバ部材２を燃
料タンク１に直接溶着するので、自動組付機等で
燃料タンク１の上部開口１ａから真直ぐにチヤン
バ部材２を挿入して取付ける方法であるから、上
部開口１ａより大きなチヤンバ部材を取付けられ
ない問題があり、後者のものでは、チヤンバ部材
２の位置決めが困難で、取付後にがたつきが生じ
やすいという問題があつた。

（考案の目的） 本考案は上記従来の問題を解決するためになさ
れたもので、上部開口よりも大きなチヤンバ部材
を、迅速かつ確実に燃料タンクに取付け得ること
を目的とするものである。

（考案の構成） このため本考案は、樹脂製燃料タンク内に配設
されるチヤンバ部材と、上記燃料タンクの底面に
固定されるチヤンバ部材取付具と、上記チヤンバ
部材を該チヤンバ部材取付具に固定する固定手段
とを備えた車両用樹脂製燃料タンクにおいて、上
記固定手段は、上記チヤンバ部材取付具の両側に
形成されたガイド部と、上記チヤンバ部材の下面
の両側に形成されて上記ガイド部に摺動自在に嵌
合する摺動部と、上記チヤンバ部材取付具に設け
られて上記摺動部を上記ガイド部の所定の嵌合位
置に係止する係止部と、上記チヤンバ部材に設け
られて該係止部に係合し得る係合部とで構成され
ており、上記チヤンバ部材は、上記ガイド部によ
つて摺動方向と直交する方向の動きが規制される
とともに、上記係合部が上記係止部に係合するこ
とにより、上記所定の嵌合位置において摺動方向
と反対方向への移動が規制されることを特徴とし
たものである。

（考案の効果） 本考案によれば、燃料タンクの底面に予め固定
された取付具に、チヤンバ部材を固定するよう
に、したものにおいて、上記ガイド部と摺動部と
を設けることにより、チヤンバ部材を上記チヤン
バ部材取付具に対して摺動自在とするとともに、
上記係止部と係合部とを設けることにより、上記
所定の嵌合位置でチヤンバ部材をチヤンバ部材取
付具に対して係合固定できるようにしたものであ
るから、取付作業が迅速かつ確実に行なえるよう
になる。

さらに、横長のチヤンバ部材を燃料タンクの上
部開口から挿入することが可能であるから、チヤ
ンバ部材の容量を増加させることができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第１図〜第３図は、スライド式チヤンバ部材取
付構造の実施例である。

樹脂製燃料タンク１０には、上部開口１０ａが
設けられていて、樹脂製のチヤンバ取付具１１
は、自動組付機等で上部開口１０ａから真直ぐに
タンク１０内に挿入できる外形状に設定されてい
る。

該取付具１１の両側部にはフツク状のガイド部
１１ａ，１１ａが形成されるとともに、該取付具
１１の前部には位置決め部と係止部とを兼ねる立
上り部１１ｂが形成されている。

本実施例では、この立上り部１１ｂが、本願の
実用新案登録請求の範囲に記載された「係止部」
を構成している。

該取付具１１は、自動組付機等で上部開口１０
ａからタンク１０内に挿入され、該タンク１０の
底部１０ｂに、前面もしくは４箇所程度で溶着固
定される。

一方、樹脂製チヤンバ部材１２は、幅Ｗ及び高
さＨが上部開口１０ａから真直ぐにタンク１０内
に挿入できる外形状に設定され、長さｌが、幅Ｗ
や高さＨよりも長い横長状に設定されていて、従
来のものよりも容量が数倍に増加している。

上記チヤンバ部材１２の下面の両側部には、上
記取付具１１のガイド部１１ａ，１１ａに摺動自
在に嵌合する摺動部１２ａ，１２ａが形成される
とともに、該チヤンバ部材１２の下面の前部に
は、上記取付具１１の立上り部１１ｂに弾性力で
乗り上げた後、スナツプ状に立上り部１１ｂの肩
部に係止される係止部１２ｂが形成されている。

該係止部１２ｂは、チヤンバ部材１２の摺動部
１２ａの前端が取付具１１の立上り部１１ｂに当
接した嵌合位置で立上り部１１ｂに係止されるよ
うに設定されていて、これによりチヤンバ部材１
２は取付具１１に位置決めされた状態で抜脱不自
在に固定されることになる。

すなわち、本実施例では、チヤンバ部材１２に
設けられた上記係止部１２ｂと摺動部１２ａの前
端とで、本願の実用新案登録請求の範囲に記載さ
れた「係合部」を形成している。

しかして、上記のような構成であれば、まず、
タンク１０の上部開口１０ａから取付具１１を挿
入して、タンク１０の底部１０ｂに溶着固定す
る。

ついで、チヤンバ部材１２を長手方向から上部
開口１０ａに挿入して、タンク１０内で横向きに
し、取付具１１のガイド部１１ａにチヤンバ部材
１２の摺動部１２ａを嵌合させて、チヤンバ部材
１２を前方へスライドさせると、チヤンバ部材１
２の係止部１２ｂが取付具１１の立上り部１１ｂ
に係止される。

これにより、チヤンバ部材１２は取付具１１に
位置決めされた状態で固定されることになる。

したがつて、タンク１０に衝撃が作用しても、
取付具１１はタンク１０に狭い面積で溶着固定さ
れ、チヤンバ部材１２は取付具１１に広い面積で
固定されているので、取付具が剥離されにくくな
り、チヤンバ部材１２やタンク１０が破損される
ことがなくなる。

これは、チヤンバ部材を燃料タンク底面に前面
で溶着すると、燃料タンク底面の変形等により溶
着端部に応力が集中し、チヤンバ部材が剥離しや
すかつた問題点をチヤンバ部材より小型の取付具
１１をタンク１０に溶着し、この取付具１１にチ
ヤンバ部材１２を固定することで、チヤンバ部材
１２の剥離をしにくくしたものである。

また、チヤンバ部材１２の取付けも、スライド
させるだけであるから、取付作業も迅速に行な
え、取付け時の位置決め、抜け止めも確実であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスライド式取付構造を採
用したタンクの正面断面図、第２図は第１図の側
面断面図、第３図は第１図の分解正面図、第４図
は従来の燃料タンクの斜視図、第５図ａ及び第５
図ｂは、チヤンバ部材取付構造の正面断面図であ
る。 １０……樹脂製燃料タンク、１０ａ……上部開
口、１１……取付具、１２……チヤンバ部材、１
１ａ……ガイド部、１２ａ……摺動部、１２ｂ…
…係止部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 樹脂製燃料タンク内に配設されるチヤンバ部材
   と、上記燃料タンクの底面に固定されるチヤンバ
   部材取付具と、上記チヤンバ部材を該チヤンバ部
   材取付具に固定する固定手段とを備えた車両用樹
   脂製燃料タンクにおいて、 上記固定手段は、上記チヤンバ部材取付具の両
   側に形成されたガイド部と、上記チヤンバ部材の
   下面の両側に形成されて上記ガイド部に摺動自在
   に嵌合する摺動部と、上記チヤンバ部材取付具に
   設けられて上記摺動部を上記ガイド部の所定の嵌
   合位置に係止する係止部と、上記チヤンバ部材に
   設けられて該係止部に係合し得る係合部とで構成
   されており、上記チヤンバ部材は、上記ガイド部
   によつて摺動方向と直交する方向の動きが規制さ
   れるとともに、上記係合部が上記係止部に係合す
   ることにより、上記所定の嵌合位置において摺動
   方向と反対方向への移動が規制されることを特徴
   とする車両用樹脂製燃料タンク。