JPH05304704A - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガス絶縁開閉装置の種類や接続ケーブルの引
出し方式が異なる場合でも、それに合わせて特殊な形状
のガス容器を製作する必要のない経済性に優れた組立て
作業効率の高いガス絶縁開閉装置を得ること。 【構成】 実質的同一の形状を有する標準化されたガス
容器をその内部に収納される機器の機能別にユニット化
して、ガス絶縁開閉装置の種類に応じて前記ユニット化
されたガス容器を組み合わせ、各種ガス絶縁開閉装置に
対応するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電路の開閉に用いられる
ガス絶縁開閉装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図６は、従来のガス絶縁開閉装置の受電
盤の内部構成を示す側面図であり、接続ケーブル10の床
引出し型を示す。図６に示されているように、このガス
絶縁開閉装置の受電盤内部には、絶縁性ガスが満たされ
たガス容器１が配設されており、このガス容器１の内部
はガス遮蔽板1aにより母線側断路器室2aと遮断器・ケー
ブル側断路器室2bとに分割されている。絶縁性ガスが封
入されている母線側断路器室2aには、母線３に接続され
た母線側断路器４が収納されており、遮断器・ケーブル
側断路器室2bには、一方の端子が前記母線側断路器４に
電気的に接続された遮断器６が設けられている。また、
遮断器・ケーブル側断路器室2b内には遮断器６の他方の
端子が電気的に接続されたケーブル側断路器７が収納さ
れている。前記ケーブル側断路器７はケーブルヘッド８
を介して接続ケーブル10に電気的に接続されている。図
６に示す従来のガス絶縁開閉装置の受電盤において、ガ
ス容器１の外壁面には母線側断路器４の操作機構4a、遮
断器６の操作機構6a、ケーブル側断路器７の操作機構7
a、 ＣＴ11、ケーブルブラケット12等が取付けられてい
る。以上のように、従来のガス絶縁開閉装置の受電盤
は、ケーブルブラケット12に支持された接続ケーブル10
を介して受電し、前記ケーブル側断路器７、前記遮断器
６及び前記母線側断路器４を介して母線３へ配電するよ
う構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のガス絶縁開閉装
置は以上のように構成されているので、断路器と遮断器
等を一緒に収納するガス容器は大型となり、このガス容
器の製作時等における搬送や取扱いが困難であるという
問題があった。また、ガス絶縁開閉装置の種類、例えば
前記受電盤やトランス１次盤等のように種類が異なるご
とに、それらに用いられるガス容器の形状や構造が異な
り、また、同一種類の装置であっても接続ケーブルの引
出し方向、例えば床引出し型か、天井引出し型等によっ
てガス容器の形状が異なっていた。従って、従来のガス
絶縁開閉装置においては、ガス絶縁開閉装置の種類や接
続ケーブルの引出し方式に応じて形状等の異なるガス容
器を製作しなければならず、製作時間を短縮し、製作費
を低減することは困難であった。この発明は上記のよう
な問題を解決するためになされたもので、ガス絶縁開閉
装置の各種装置に対応することができ、搬送や取扱いの
容易なガス容器を有するガス絶縁開閉装置を得ることを
目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明に係るガス絶縁
開閉装置は、絶縁性ガスが封入され、収納機器の機能別
にユニット化されたガス容器を具備しており、各ガス容
器が組み合わされるようにガス気空間の連通開口部及び
これらを貫通接続する連結手段を有するものである。

【０００５】

【作用】この発明におけるガス絶縁開閉装置において、
接続ケーブルより入力された電流は、絶縁性ガスが封入
された第１のガス容器内に収納されたケーブル側開閉器
モジュールの一方の端子へ入力される。前記ケーブル側
開閉器モジュールの他方の端子は、前記第１のガス容器
と実質的に同一形状を有する第２のガス容器内に収納さ
れた遮断器モジュールの一方の端子に電気的に接続され
ている。前記第１のガス容器と前記第２のガス容器は、
四角フランジにより連結されており、第１のガス容器内
部と第２のガス容器内部は連通されて一つの密閉容器が
構成されている。

【０００６】

【実施例】〈第１実施例〉以下、この発明のガス絶縁開
閉装置の第１実施例を図を参照して説明する。図１は、
ガス絶縁開閉装置の第１実施例である受電盤の接続ケー
ブル床引出し型の内部構成を示す側面図である。図１に
示されているように、この受電盤の内部には、第１の架
台36aの上に載設された第１のガス容器41と、第２の架
台36bの上に載設された第２のガス容器42と、第２のガ
ス容器42の上に載設された第３のガス容器43が設けられ
ている。前記第１のガス容器41内には、ケーブル側開閉
器モジュールが収納されてケーブル側開閉器ユニット41
bが構成されており、前記第２のガス容器42内には、遮
断器モジュールが収納されて遮断器ユニット42bが構成
されている。前記第１のガス容器41と前記第２のガス容
器42は四角フランジ５により機械的に連結されており、
絶縁性ガスが封入された第１のガス容器41の内部と第２
のガス容器42の内部空間は連通状態となっている。ま
た、ケーブル側開閉器ユニット41bと遮断器ユニット42b
は、前記四角フランジ５を貫通する連結手段である接続
導体により電気的に接続されている。第２のガス容器42
の上に設けられて絶縁性ガスが封入された第３のガス容
器43は、第２のガス容器42とは連通しておらず、ガス遮
蔽板40により第２のガス容器42と第３のガス容器43との
間は遮蔽されている。第３のガス容器43には、母線側開
閉器モジュールが収納されて母線側開閉器ユニット43b
が構成されており、遮断器ユニット42bの遮断器46から
入力された電力は母線側断路器44を介して母線53へ配電
されるよう構成されている。

【０００７】図２は第２のガス容器42を示す斜視図であ
り、側面に接続手段である四角フランジ５が設けられて
いる。ガス気空間連通開口部を有する四角フランジ５に
はネジ穴5aと貫通穴5bが交互に形成されており、同じ構
造の２つのガス容器の一方を上下方向にひっくり返して
も、四角フランジ５のボルト止めにより接続して連通で
きるよう構成されている。また、この四角フランジ５に
はパッキン用溝5cが形成されており、四角フランジ５に
よる接続時のガス漏れを防止している。図２に示されて
いる第２のガス容器42の上下両面には貫通孔42aとその
回りに複数のネジ穴42cが形成されており、第３のガス
容器43に接続できるよう構成されている。

【０００８】図３は第３のガス容器43を示す斜視図であ
る。図３に示されているように、第３のガス容器43の下
面には貫通孔40aを有するガス遮蔽板40が設けられてい
る。このガス遮蔽板40には、絶縁性ガスのガス漏れを防
止するためのパッキンが装着される２重のパッキン溝40
b、40cが形成されている。この２重のパッキン溝40b、40
cの間には、第２のガス容器42等に接続するためのボル
トが挿入される複数の貫通穴40dが形成されている。ま
た、この第３のガス容器43には、その側面に丸フランジ
35が設けられており、前記母線53が貫通するよう構成さ
れている。以上のように、本実施例のガス絶縁開閉装置
の受電盤においては、図２に示した第２のガス容器42
と、この第２のガス容器42と同じ構造の第１のガス容器
41、及び図３に示した第３のガス容器43を図１に示すよ
うに組み合わせて一体のガス容器として用いている。

【０００９】図１に示すガス絶縁開閉装置の一種である
第１実施例の受電盤において、床下から導入されてケー
ブルブラケット12により支持された接続ケーブル10は、
ケーブルヘッド８を介してケーブル側開閉器ユニット41
bに電気的に接続されている。このケーブル側開閉器ユ
ニット41bには、ケーブル側断路器47、ケーブル側断路
器付属の接地装置47a、ケーブル側断路器付属の接地ス
イッチ47b及びこれらを駆動操作するための操作機構等
が設けられている。前記第２のガス容器42内に配設され
た遮断器ユニット42bには、遮断器46及びこの遮断器46
を駆動操作するための操作機構等が設けられている。こ
の遮断器ユニット42bの第２のガス容器42の側部外面に
は、遮断器46を操作するための遮断器操作部46aが取付
けられている。

【００１０】前記第３のガス容器43内に配設された母線
側開閉器ユニット43bには、母線側断路器44、母線側断
路器付属の接地装置44a、主回路導体49a、母線53及び前
記母線側断路器44と前記接地装置44aを駆動操作するた
めの操作機構等が設けられている。この母線側開閉器ユ
ニット43bの第３のガス容器43の側部外面には、前記母
線側断路器44と前記接地装置44aを操作するための母線
側断路器操作部44bが取付けられている。また、この第
３のガス容器43の側部外面には、前述の第１のガス容器
41内に収納されているケーブル側断路器47とケーブル側
断路器付属の接地装置47a等を操作するためのケーブル
側断路器操作部47cが取付けられている。

【００１１】以上のように本実施例のガス絶縁開閉装置
は、同一形状を有する標準化された第１のガス容器と第
２のガス容器内に異なる機能を有する機器、例えばケー
ブル側開閉器モジュールと遮断器モジュール等を収納し
てユニット化して、第１のガス容器と第２のガス容器を
組み合わせるように構成している。従って、ガス容器を
分割して搬送及び取扱いができるため、本実施例のガス
絶縁開閉装置は組立て作業効率の高いガス絶縁開閉装置
となる。また、標準化されたガス容器を組み合わせて他
のガス絶縁開閉装置に流用することのできるため、経済
性に優れた装置を得ることができる。以下に述べる第２
実施例と第３実施例のガス絶縁開閉装置は、第１実施例
で説明したガス容器を他のガス絶縁開閉装置に用いた具
体例である。

【００１２】〈第２実施例〉以下、この発明のガス絶縁
開閉装置の第２実施例を図を参照して説明する。図４は
ガス絶縁開閉装置の第２実施例である受電盤の接続ケー
ブル天井引出し型の内部構成を示す側面図である。図４
に示す受電盤において、前述の図１に示した受電盤にお
ける機器と実質的に同じ構造、同じ機能を有するものに
ついては、同じ符号をつけてその説明を省略する。図４
に示されているように、受電盤の内部には、第１の架台
36aの上に載設された第１のガス容器41と、第２の架台3
6bの上に載設された第２のガス容器42と、この第２のガ
ス容器42の上に載設された第３のガス容器43が設けられ
ている。第１のガス容器41と第２のガス容器42の内部に
は、前述の第１実施例と実質的に同じ構成のケーブル側
開閉器モジュールと遮断器モジュールがそれぞれ収納さ
れている。ただし、この第２実施例の受電盤は、接続ケ
ーブル10が受電盤の天井から導入されているため、第１
のガス容器41は第２のガス容器42に対して、前述の第１
実施例の装置とは、上下方向を逆にして四角フランジ５
を介して機械的に接続されている。以上のように、前述
の第１実施例の接続ケーブル床引出し型の受電盤に用い
られていたケーブル側開閉器ユニット41bと遮断器ユニ
ット42bと母線側開閉器ユニット43bとは異なる位置の組
み合わせとするだけで、この第２実施例の接続ケーブル
天井引出し型の受電盤にも対応することができる。

【００１３】〈第３実施例〉以下、この発明のガス絶縁
開閉装置の第３実施例を図を参照して説明する。図５は
ガス絶縁開閉装置の第３実施例であるトランス１次盤の
内部構成を示す側面図である。図５に示すトランス１次
盤において、前述の図１に示した受電盤における機器と
実質的に同じ構造、同じ機能を有するものについては、
同じ符号をつけてその説明を省略する。図５に示されて
いるように、トランス１次盤の内部には、第１の架台36
aの上に載設された第１のガス容器41と、この第１のガ
ス容器41の上にガス遮蔽板40を介して第３のガス容器43
が取付けられている。従って、第１のガス容器41と第３
のガス容器は連通しておらず、別々の絶縁性ガスが封入
されている。

【００１４】図５に示されているように、第１のガス容
器41には接続ケーブル10に接続されたケーブルヘッド８
が導入されており、第１のガス容器41内に収納されたア
ーシングスイッチモジュールに接続されている。第１の
ガス容器41内にアーシングスイッチモジュールが収納さ
れて構成されたアーシングスイッチユニット41bには接
地スイッチ67とこの接地スイッチ67を駆動操作する操作
機構が設けられている。このアーシングスイッチユニッ
ト41bは第１のガス容器41の側部外面に取付けられた接
地スイッチ操作部67aにより操作されるよう構成されて
いる。

【００１５】第１のガス容器41の上に載設された第３の
ガス容器43内には母線側開閉器モジュールが収納されて
母線側開閉器ユニット43bが構成されており、この母線
側開閉器ユニット43bには、母線53、この母線53と前記
アーシングスイッチユニット41bとの間を開閉するトラ
ンス１次電流負荷開閉器64、母線53とトランス１次電流
負荷開閉器64を電気的に接続する主回路導体49a及び前
記トランス１次電流負荷開閉器64を駆動操作する操作機
構64bが設けられている。この操作機構64bは、第３のガ
ス容器43の側部外面に取付けられた負荷開閉器操作部64
aにより操作されるよう構成されている。この第３の実
施例で用いられている第１のガス容器41と第３のガス容
器43は前述の第１実施例及び第２実施例において用いら
れた第１のガス容器41と第３のガス容器43と実質的に同
じ構成のものである。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば絶縁性
ガスが封入された実質的に同一の形状を有するガス容器
をその内部に収納される機器の機能別にユニット化する
ことにより、ガス絶縁開閉装置の種類や接続ケーブルの
引出し方式が異なる場合でも、標準化されたガス容器を
用いて製作された機能別のユニットを配置替えするだけ
で対応することができるとともに、当該装置の製作時等
におけるガス容器の搬送及び取扱いが容易となり、組立
て作業効率が高く、経済性に優れたガス絶縁開閉装置を
得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例のガス絶縁開閉装置の内
部構成を示す側面図

【図２】図１のガス絶縁開閉装置に用いられた第１のガ
ス容器を示す斜視図

【図３】図１のガス絶縁開閉装置に用いられた第３のガ
ス容器を示す斜視図

【図４】この発明の第２実施例のガス絶縁開閉装置の内
部構成を示す側面図

【図５】この発明の第３実施例のガス絶縁開閉装置の内
部構成を示す側面図

【図６】従来のガス絶縁開閉装置の内部構成を示す側面
図

【符号の説明】

５ 四角フランジ 40 ガス遮蔽板 41 第１のガス容器 42 第２のガス容器 43 第３のガス容器 44 母線側断路器 46 遮断器 47 ケーブル側断路器

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁性ガスが封入され、収納機器の機能
   別にユニット化されたガス容器であって、各ガス容器が
   組み合わされるようにガス気空間の連通開口部及びこれ
   らを貫通接続する連結手段を有することを特徴とするガ
   ス絶縁開閉装置。
2. 【請求項２】 絶縁性ガスが封入され、収納機器の機能
   別にユニット化された複数のガス容器が実質的に同一の
   形状を有することを特徴とするガス絶縁開閉装置。
3. 【請求項３】 絶縁性ガスが封入され、収納機器の機能
   別にユニット化された複数のガス容器を連通するように
   機械的に接続する接続手段を有することを特徴とするガ
   ス絶縁開閉装置。
4. 【請求項４】 絶縁性ガスが封入され、母線側開閉器モ
   ジュール、遮断器モジュール、ケーブル側開閉器モジュ
   ール又はアーシングスイッチモジュールが収納されて機
   能別にユニット化された複数のガス容器の少なくとも一
   つのガス容器を具備することを特徴とするガス絶縁開閉
   装置。
5. 【請求項５】 絶縁性ガスが封入され、収納機器の機能
   別にユニット化された複数のガス容器が、 遮断器モジュール、ケーブル側開閉器モジュール又はア
   ーシングスイッチモジュールを収納する第１ガス容器
   と、 母線側開閉器モジュールを収納する第２ガス容器の２種
   類の形状のガス容器により構成されていることを特徴と
   するガス絶縁開閉装置。