JPH05301800A - チタン酸バリウム単結晶の製造方法 - Google Patents

チタン酸バリウム単結晶の製造方法

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JPH05301800A
JPH05301800A JP4108235A JP10823592A JPH05301800A JP H05301800 A JPH05301800 A JP H05301800A JP 4108235 A JP4108235 A JP 4108235A JP 10823592 A JP10823592 A JP 10823592A JP H05301800 A JPH05301800 A JP H05301800A
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彰治 味村
Haruo Tominaga
晴夫 冨永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホール支配で大きな光屈折効果を安定して示
すBaTiO3単結晶を製造する。 【構成】 二酸化チタンとバリウムの酸化物又は炭酸塩
との混合物に、V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni及び
Cuからなる群から選択された1種又は2種以上の元素
からなる遷移金属元素を、その総含有量で2ppm以上添加
したものを出発原料とし、この混合物を所定の温度に加
熱して溶融させ、融液6を得る。次いで、酸素分圧が0.
02気圧以下の低酸素分圧雰囲気中で融液6にBaTiO
3の種結晶7を接触させた後に前記融液を徐冷して種結
晶の表面上に単結晶を育成する。その後、得られた単結
晶を酸素分圧が0.02気圧以上の酸化性雰囲気中で600℃
以上の温度に加熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は位相共役鏡、レーザー共
振器及び光学画像解析機器等の光学応用機器に使用さ
れ、高い光屈折性効果(Photorefractive Effects)を
有するチタン酸バリウム(BaTiO3)単結晶を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】BaTiO3単結晶の製造方法として、
フッ化カリウム(KF)又は塩化バリウム(BaC
2)等をフラックスとして使用するフラックス法が知
られている(J. P. Remeika et al.;J. Am. chem. So
c., 第76巻、1954年発行、第940頁)。この方法により
製造されるBaTiO3単結晶はバタフライ型結晶とい
われるものであり、最大厚さが約1mmの三角形状の薄片
である。この製造方法においては、光学応用機器に使用
可能な大型で厚さが厚いBaTiO3単結晶を製造する
ことができない。
【0003】その後、BaTiO3組成よりも二酸化チ
タン(TiO2)が過剰な組成の原料融液を徐冷しつ
つ、種結晶(BaTiO3単結晶)にBaTiO3を晶出
させることにより、BaTiO3単結晶を製造する溶融
引き上げ法(T.S.S.G法;Top Seeded Solution Growth
法)が開発された(A. Linz et al.;J. Electro. Chem.
Soc., 60C, 1965年発行、第112頁)。
【0004】この方法によって製造されたBaTiO3
単結晶は、その形状を所望のバルク状にすることが可能
であると共に、フラックス等からの不純物による汚染も
少ないため、フラックス法に比較して良好な光学的特性
を有している。このため、BaTiO3単結晶を光屈折
性(Photorefractive)結晶として光学応用機器に利用
するための研究が活発に行われているようになった(北
山、応用物理学会結晶工学分科会第95回研究会テキス
ト、1991年発行、第13頁)。
【0005】近時、この種の光屈折性結晶を利用する側
の分野から、BaTiO3単結晶の光屈折性効果をより
一層高めることが要望されている。このBaTiO3
結晶の光屈折性は、酸素欠損等の単結晶中の結晶欠陥、
又は単結晶中に不純物として存在する遷移金属元素等の
不純物元素の含有量に依存すると考えられている。そこ
で、従来、BaTiO3単結晶の光屈折性効果を高める
方法として、大気中で育成したBaTiO3単結晶を低
酸素分圧又は還元性雰囲気中で加熱処理する方法(P.
G.Schunemann et al.;J. Opt. Soc. Am. B. 5巻、1988
年、第1702頁)及びBaTiO3単結晶中にFe及びC
r等の遷移金属元素をドープする方法(D.Rytz et al.;
J. Opt. Soc. Am. B. 7巻、1990年、第2234頁)が提案
されている。このように、大気中で育成されたBaTi
3単結晶を低酸素分圧又は還元性雰囲気中で加熱処理
することは、単結晶中の酸素欠損をより一層増加させる
ことを目的とし、Fe及びCr等の不純物元素をドーピ
ングすることは、単結晶中の遷移金属元素含有量の増加
を目的としている。これらの方法によって製造されたB
aTiO3単結晶は、比較的大きな光屈折性効果を示
す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来方法で製造されたBaTiO3単結晶が示す光屈折
性効果は、実用上、依然として不十分である。また、上
述した還元性雰囲気中での加熱処理及び遷移金属元素の
ドーピング量と、BaTiO3単結晶の光屈折性効果と
の関係については、いまだに不明な点が多い。このた
め、上述した従来の方法では、大きな光屈折性効果を示
すBaTiO3単結晶を安定して製造することが困難で
ある。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、優れた光屈折性効果を示すBaTiO3
結晶を安定して製造することができるチタン酸バリウム
単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るチタン酸バ
リウム単結晶の製造方法は、二酸化チタンとバリウムの
酸化物又は炭酸塩との混合物を出発原料とし、この混合
物を加熱して溶融させる溶融工程と、得られた融液に酸
素分圧が0.02気圧以下の育成雰囲気下でBaTiO3
種結晶を接触させた後に前記融液を徐冷して前記種結晶
表面上に単結晶を育成する育成工程と、育成後の単結晶
を加熱処理する加熱処理工程とを有することを特徴とす
る。
【0009】
【作用】本願発明者等は、優れた光屈折性効果を示すB
aTiO3単結晶を開発するにあたり、下記(1)乃至
(5)に示す事実又は知見を基本とした。 (1)BaTiO3単結晶の光屈折性効果に寄与してい
るのは、ホールとエレクトロンから構成されているフォ
トキャリアである。 (2)BaTiO3単結晶の光屈折性効果を高めるため
には、先ず、単結晶のフォトキャリア密度を高くする必
要がある。 (3)更に、BaTiO3単結晶の光屈折性効果を支配
するフォトキャリアがホールの場合、光屈折性効果をよ
り一層高めるためには、(ホール/エレクトロン)の比
を大きくする必要がある。逆に、光屈折性効果を支配す
るフォトキャリアがエレクトロンの場合、光屈折性効果
をより大きくするためには、(ホール/エレクトロン)
の比を小さくする必要がある。 (4)フォトキャリアを構成しているホール又はエレク
トロンの種(species)となっているのは、酸素欠損等
の結晶欠陥である。従って、フォトキャリア密度を高く
して、結晶欠陥を多くするためには、従来行われてきた
大気中での育成よりも、低酸素分圧で育成することの方
が酸化物の酸素欠損が多くなるため、より効果的であ
る。 (5)更に、育成工程後に、育成雰囲気中の酸素分圧と
異なる酸素分圧下で加熱処理することは、BaTiO3
単結晶中で酸素還元反応(例えば、不純物の遷移金属元
素がMn-又はM(n-1)+等になる価数変動が生じる)が生
じる可能性があり、フォトキャリアにおける(ホール/
エレクトロン)の比を変えるために有効である。
【0010】以上の考え方に基づき、本願発明者等は、
二酸化チタン(TiO2)と、BaO等のバリウムの酸
化物又は炭酸塩とによって構成されている融液から、大
気中の酸素分圧よりも低い0.02気圧以下の酸素分圧の雰
囲気中で、BaTiO3単結晶を育成したところ、この
低酸素分圧下で育成した単結晶(as-grown;成長のまま
で熱処理なし)は、大気中で育成した単結晶(as-grow
n)よりも大きな光屈折性効果を示すこと、更にこれに
加えて、この光屈折性効果がホール支配であることを知
見した。この場合に、低酸素分圧下で育成した単結晶を
育成雰囲気の酸素分圧よりも高い酸素分圧下で加熱処理
すると、ホール支配の光屈折性効果がより一層高まるこ
とも見い出した。このように、本発明は育成雰囲気等の
条件を適切に設定することにより、本発明の目的を達成
したものである。
【0011】次に、本願発明の特許請求の範囲にて規定
した製造条件の限定理由について説明する。
【0012】 育成雰囲気中の酸素分圧(PO2)を
0.02気圧以下にする 0.02気圧よりも高い酸素分圧雰囲気下で育成されたBa
TiO3単結晶は、従来から製造されている大気中で育
成された単結晶と同レベルの大きさの光屈折性効果しか
示さなかった。このため、育成雰囲気中の酸素分圧は、
0.02気圧以上にすることが必要である。
【0013】 育成工程後の加熱処理雰囲気中の酸素
分圧を、育成雰囲気中の酸素分圧よりも高くすることが
好ましい 0.02気圧以下の酸素分圧下で育成されたBaTiO3
結晶(成長後;as-grown)は、ホール支配の光屈折性効
果を示す。また、育成雰囲気中の酸素分圧よりも高い酸
素分圧下でこのBaTiO3単結晶(成長後、as-grow
n)を加熱処理すると、BaTiO3単結晶中に含有して
いる不純物遷移金属元素の酸化反応(M(n-1)+→Mn+
が進行する。従って、育成雰囲気中の酸素分圧よりも高
い酸素分圧下で加熱処理されたBaTiO3単結晶(加
熱処理後)は、その成長後の(as-grown)単結晶に比較
して、(ホール/エレクトロン)比が大きくなり、ホー
ル支配の光屈折効果もより大きくなる。また、育成雰囲
気中の酸素分圧と同じ酸素分圧下で加熱処理されたBa
TiO3単結晶は、その成長後の(as-grown)単結晶に
比較して、同レベルの大きさの光屈折性効果を示した。
逆に、育成雰囲気中の酸素分圧よりも低い酸素分圧下で
加熱処理されたBaTiO3単結晶は、その成長後の(a
s-grown)単結晶に比較して、ホール支配の光屈折性効
果が小さくなった。
【0014】 加熱処理工程における加熱処理温度 育成工程後の加熱処理工程における加熱温度は、成長後
の(as-grown)BaTiO3単結晶中に含有されている
不純物遷移金属元素において、酸化反応の進行が可能と
なる温度とする必要がある。高温で加熱した場合には、
酸化反応が短時間で進行するが、加熱処理後の冷却過程
で単結晶にクラック等の欠陥が生じ易くなる。一方、低
温で加熱した場合には、冷却過程でのクラック等の欠陥
が発生する可能性は小さくなるものの、酸化反応を進行
させるための加熱処理時間を長くする必要がある。この
ため、好ましい加熱温度は、600乃至1250℃であり、こ
の場合には、加熱時間は1乃至24時間である。
【0015】 V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni及
びCuからなる遷移金属元素群から選択された少なくと
も1種の元素の含有量が総量で2ppm以上 育成時に生じる結晶欠陥と、加熱処理時の酸化還元反応
に対し、遷移金属元素は重要な役割を果たし、BaTi
3単結晶が示す光屈折性効果に対して大きな影響を及
ぼす。従って、BaTiO3単結晶中に一定量以上の遷
移金属元素を含有させることがより一層光屈折性効果を
高めるため好ましい。
【0016】通常入手できる出発原料の育成融液中に、
上記遷移金属元素を2ppm以上含有した場合、本発明方法
によって製造されたBaTiO3単結晶は、より一層高
い光屈折性効果を示す。
【0017】
【実施例】次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明においては、先ず、二酸化チタンとバリウムの酸
化物又は炭酸塩との混合物を出発原料とし、この混合物
を1330℃以上の温度に加熱して溶融させる。図1はBa
O−TiO2系相平衡状態図である(D. E. Rase and R.
Roy; J. Am. Ceram., 38巻, 110頁, 1955年)。この状
態図に示されているように、1330℃以上でないと、融液
を安定して得ることができない。
【0018】更に、TiO2:BaO=1:1の組成の
融液からは、六方晶が育成されるため、正方晶を得るた
めにはTiO2が過剰組成の融液とする必要がある。次
いで、得られた融液にBaTiO3の種結晶を接触させ
た後、前記融液を徐冷して前記種結晶の表面上に単結晶
を育成する。
【0019】次に、このBaTiO3単結晶(チタン酸
バリウム単結晶)の育成装置について説明する。図2は
この育成装置を示す断面図である。断熱材3にはその上
面中央から下面に向けて鉛直方向に貫通した加熱空間が
設けられており、この加熱空間の周囲にはヒータ2が断
熱材3に埋め込まれて配設されている。また、断熱材3
にはその上面の周縁部の適所から前記加熱空間の上下方
向略中央部に到達する観察用窓5が設けられており、こ
の窓5を介して単結晶の育成状況を観察できるようにな
っている。
【0020】断熱材3の加熱空間の下端近傍にはステー
ジ12が配設されており、このステージ12上にはマッ
フル10が断熱材3の加熱空間を挿通するようにして配
置されている。このマッフル10は石英ガラス等からな
る有底筒状の容器であり、その上端が石英ガラス等から
なる蓋11により閉塞されている。また、蓋11の縁部
にはガス送風口4が設けられており、マッフル10の底
部にはガス取出口14が設けられていて、このガス送風
口4及びガス取出口14を介してマッフル10内の単結
晶の育成雰囲気を調整するようになっている。
【0021】マッフル10内には、テーブル13が配置
されており、このテーブル13上には、原料融液6が貯
留されるるつぼ1が載置されるようになっている。ま
た、蓋11の中央には、種棒8が挿通する孔が設けられ
ており、種棒8の下半部はこの蓋11に設けられた孔を
介してマッフル10内のるつぼ1の直上域に位置され
る。種棒8は内管及び外管からなる2重管であり、その
上端部は上昇・下降ヘッド9に固定されている。そし
て、この種棒8には、外系から内管内に冷却ガスが供給
されるようになっており、この冷却ガスは内管を通流し
た後、その下端から外管と内管との間隙に入り、この間
隙を通流して外管の上部に設けたガス排気口8aから排
出される。これにより、種棒8が冷却されるようになっ
ている。
【0022】上昇・下降ヘッド9は駆動装置(図示せ
ず)により上下駆動し、このヘッド9の昇降に伴って種
棒8が上昇又は下降移動するようになっている。種棒8
の下端部には種結晶取付部が設けられており、この取付
部に種結晶7を取り付けるようになっている。
【0023】次に、上述の如く構成された育成装置を使
用して本発明の実施例及び比較例に係るBaTiO3
結晶を製造し、その特性を比較した結果について説明す
る。下記表1は、各実施例及び比較例の出発原料である
融液中の遷移金属元素含有量を示す。この含有量は融液
を室温まで冷却した後、サンプリングして質量分析によ
り測定した。なお、表1において、NDは、検出限界以
下の場合である。
【0024】
【表1】
【0025】次に、各実施例及び比較例の製造条件につ
いて説明する。
【0026】実施例1 先ず、TiO2粉末とBaCO3粉末とを65:35のモル比
になるように混合し、更に表1の実施例1欄に示す遷移
金属元素を添加し、得られた混合粉を出発原料とした。
次に、この原料粉末をるつぼ1内に装入し、このるつぼ
1をマッフル10内に配置した。そして、ヒータ2によ
り加熱して原料粉末を溶融させることにより原料融液6
を得た。この原料融液6はヒータ2により加熱して1400
℃の温度に維持した。
【0027】次に、種棒8の下端部にチタン酸バリウム
(BaTiO3)の種結晶7を取り付けた。その後、上
昇・下降ヘッド9を下降させて種結晶7を融液6に接触
させた。そして、融液6の温度を5℃/時の速度で下降
させ、種結晶7の表面上に結晶が晶出してくるのを確認
した後、融液6の温度下降速度を0.3℃/時に変更し、
種棒8を0.4mm/時の速度で上昇させた。
【0028】なお、結晶育成中はガス送風口4からマッ
フル10内にアルゴンガスを供給し、ガス取出口14か
ら採取したガスの酸素分圧(PO2)をジルコニア限界電
流式酸素分析計を使用して測定した。その結果、育成雰
囲気の酸素分圧は0.01気圧であった。育成後の結晶は、
大気圧中、1200℃で24時間の加熱処理を行った。
【0029】その後、加熱処理後のBaTiO3単結晶
を(100)面又は(001)面に沿って6面体に切断
し、この全ての面を鏡面研磨した。その後、単分域化処
理を施すことにより、1辺が3.5mmの立方形のBaTi
3単結晶を得た。
【0030】実施例2 表1に示すように遷移金属元素の総含有量が2ppmの出発
原料粉を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてB
aTiO3単結晶を製造した。
【0031】実施例3 育成雰囲気の酸素分圧を0.02気圧としたこと以外は、実
施例1と同様にしてBaTiO3単結晶を得た。
【0032】実施例4 育成後の加熱処理工程において、その加熱雰囲気をアル
ゴンガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気とし、酸素ガス
の分圧を0.1気圧に制限したこと以外は実施例1と同様
にしてBaTiO3単結晶を製造した。
【0033】実施例5 育成後の加熱処理工程において、その加熱温度を600℃
としたこと以外は実施例1と同様にしてBaTiO3
結晶を製造した。
【0034】実施例6 育成後の加熱処理を行わないこと以外は実施例1と同様
にしてBaTiO3単結晶を製造した。
【0035】比較例1 育成雰囲気を大気としたこと以外は、実施例2と同様に
してBaTiO3単結晶を製造した。
【0036】比較例2 育成雰囲気を大気としたこと以外は、実施例1と同様に
してBaTiO3単結晶を製造した。
【0037】比較例3 育成雰囲気の酸素分圧を0.1気圧としたこと以外は、実
施例1と同様にしてBaTiO3単結晶を製造した。
【0038】比較例4 育成後の加熱雰囲気中の酸素分圧を0.01気圧としたこと
以外は、実施例4と同様にしてBaTiO3単結晶を製
造した。
【0039】次に、以下に説明する二光波混合実験によ
り、各実施例及び比較例のBaTiO3単結晶の光屈折
効果を測定した。図3は二光波混合実験を示す模式図で
ある。長さがLであるチタン酸バリウム単結晶21は、
その分極の方向を矢印26の方向に向けて配置される。
そして、コヒーレント(干渉性)であって、波長が514.
5nmである2本のレーザ光22,23は、分極の方向と
垂直の方向に対してθの角度をなしてBaTiO3単結
晶21に入射される。レーザ光24,25はBaTiO
3単結晶21を通過した光である。ここで、レーザ光2
3の強度はレーザ光22の強度の例えば約100倍であ
り、レーザ光22,23はS偏光である。
【0040】そして、レーザ光23を照射したときのレ
ーザ光24の強度I24及びレーザ光23の照射を停止し
たときのレーザ光24の強度I′24を測定し、この測定
値及び単結晶21の長さLから、下記数式1に示す増幅
係数Γを求めた。
【0041】
【数1】Γ=In(I24/I′24)/L
【0042】また、レーザ光22,23の入射角度θを
31°に固定し、格子間隔Λgが0.5μm(Λg=λ/2
sinθ=514.5nm/2sin31°)のときの増幅係数Γを求め
た。この増幅係数Γの値が大きい結晶ほど、光屈折効果
が大きい。
【0043】下記表2は二光波混合実験による増幅係数
Γの測定結果を示す。また、実施例1乃至6及び比較例
1乃至3はホール支配の光屈折効果を示した。一方、比
較例4は電子支配の光屈折効果を示した。
【0044】
【表2】
【0045】この表2から分かるように、この二光波混
合実験から、次のことが確認できた。先ず、実施例1と
比較例2の比較から、従来のように大気中で育成したB
aTiO3単結晶よりも本発明方法により還元性雰囲気
下で育成したBaTiO3単結晶の方が光屈折効果が大
きい。また、実施例1と実施例6、及び実施例4と比較
例4の比較から、育成後の加熱雰囲気の酸素分圧条件
を、本発明の請求項3に規定したように設定すれば、ホ
ール支配の光屈折効果が増大する。更に、実施例2と比
較例2との比較から、遷移金属元素の含有量が2ppm以上
であれば、本発明方法による効果を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、ホール支配の大きな光
屈折効果を示すBaTiO3単結晶を製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】BaO−TiO2系平衡状態図である。
【図2】本実施例にて使用する単結晶育成装置を示す断
面図である。
【図3】二光波長混合実験を示す模式図である。
【符号の説明】
1;るつぼ 2;ヒータ 3;断熱材 4;ガス送風口 5;観察用窓 6;融液 7;種結晶 10;マッフル 11;BaTiO3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/08 3/18 (72)発明者 味村 彰治 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉電 線株式会社内 (72)発明者 冨永 晴夫 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉電 線株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化チタンとバリウムの酸化物又は炭
    酸塩との混合物を出発原料とし、この混合物を加熱して
    溶融させる溶融工程と、得られた融液に酸素分圧が0.02
    気圧以下の育成雰囲気下でBaTiO3の種結晶を接触
    させた後に前記融液を徐冷して前記種結晶表面上に単結
    晶を育成する育成工程と、育成後の単結晶を加熱処理す
    る加熱処理工程とを有することを特徴とするチタン酸バ
    リウム単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱処理工程は、加熱処理雰囲気中
    の酸素分圧が、育成工程における単結晶育成雰囲気中の
    酸素分圧よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の
    チタン酸バリウム単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記融液はV,Cr,Mn,Fe,C
    o,Ni及びCuからなる群から選択された1種又は2
    種以上の遷移金属元素を総含有量で2ppm以上含有するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のチタン酸バリウ
    ム単結晶の製造方法。
JP10823592A 1991-10-08 1992-04-28 チタン酸バリウム単結晶の製造方法 Expired - Fee Related JP2833920B2 (ja)

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DE69201849T DE69201849T2 (de) 1991-10-08 1992-10-08 Verfahren zur Herstellung von Barium-Titanat Einkristallen.
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