JPH05300504A - 画像通信端末装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単なハードウェアと制御手順を加えるだけ
で相手端末と様々なアプリケーションに柔軟に対応でき
る画像通信端末装置を提供する。 【構成】 ＣＣＩＴＴ勧告Ｈ．２２１のフレーム構造の
データを送／受信し、勧告に基づいたＢＡＳ(ビットレ
ート割当信号)符号による多重化制御を行なう手段に加
えて、呼設定メッセージ内のユーザ・ユーザ情報要素を
用いて、相手端末のカメラ等を制御するための情報をや
り取りする遠隔制御部17，データ領域内の分割のしかた
を制御するための情報をやり取りするデータ領域分割制
御部18及び、前記制御情報に基づきデータ領域を分割し
て複数のデータの送／受信を行なう多重／分離部10，Ｂ
ＡＳ制御部13，データ領域多重／分離部19，制御情報処
理部20等を備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、映像，音声，データの
多重伝送機能を備えた画像通信端末装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】近年、国際電信電話諮問委員会(以下、
ＣＣＩＴＴという)においてオーディオビジュアル・サ
ービス用のビデオ符号化方式及び、多重化方式、通信手
順が正式に勧告され、それにともない各社からＣＣＩＴ
Ｔ勧告に準拠したＴＶ会議システムや動画ＴＶ電話など
の画像通信端末装置が開発されている。

【０００３】以下、図面を参照しながらＣＣＩＴＴ勧告
に準拠した処理を行う従来の画像通信端末装置について
説明を行う。

【０００４】図４は従来の画像通信端末装置の機能ブロ
ック図を示し、図４において、１は自画像を撮影するた
めのカメラ、２は相手からの映像あるいは自画像を表示
するモニタ、３はマイクロホン、４はスピーカ、５はテ
レライティングを行なうためのタブレット、６は電話番
号の入力、機能の選択を行なうためのキー操作部、７は
映像データ、音声データを圧縮・符号化(伸長・復号)す
るコーデック部、８はタブレットからのデータを変換し
てモニタ２に表示できるようにするテレライティング制
御部、９はモニタ２への映像の表示の切替え制御を行な
う表示制御部、10は映像，音声，タブレット(テレライ
ティング)データをＣＣＩＴＴ勧告Ｈ．２２１(オーディ
オビジュアルテレサービスにおける64ｋb/ｓから1920ｋ
b/ｓチャネルのフレーム構造)のフレームフォーマット
で多重化あるいは、相手から送られてきたフレームから
映像，音声，タブレットデータに分離する多重／分離
部、11はキー操作部６からの設定をもとに端末装置全体
を制御する端末制御部、12は総合サービス・デジタルネ
ットワーク(ＩＳＤＮ)21に端末を接続するための回線イ
ンタフェース部、13はＣＣＩＴＴ勧告Ｈ．２４２(1920
ｋb/ｓまでのデジタルチャネルを使用したオーディオビ
ジュアル端末間の通信を設定する方式)に基づいた通信
手順を実行するビットレート割当信号(ＢＡＳ：Ｂit-ra
te ＡllocationＳignal)制御部、14は発着呼，切断等の
呼の管理を行なう呼制御処理部である。

【０００５】また、図５はＣＣＩＴＴ勧告Ｈ．２２１で
規定されている多重化フレーム構造を時間Ｔと関係して
表した図であり、下記の表１はＣＣＩＴＴ勧告Ｈ．２２
１で定義されているＢＡＳ符号の数値表である。

【０００６】

【表１】

【０００７】以上のように構成された従来の画像通信端
末装置について、以下その動作を説明する。

【０００８】キー操作部６より相手端末の電話番号が設
定され、発信キーが押されると端末制御部11は呼制御処
理部14に通知し、呼制御処理部14は回線インタフェース
部12を介して相手端末との間でＩＳＤＮ21においてユー
ザが使用可能なＢチャネルの接続を行なう。なお、ＩＳ
ＤＮ21においてＤチャネルは交換接続に使用される。接
続完了後、Ｂチャネルを使ってＢＡＳ制御部13により前
記ＣＣＩＴＴ勧告Ｈ．２４２に基づいた通信手順によっ
てモード初期化手順が起動される。このモード初期化手
順においては、まず図５に示したようなフレーム同期信
号(ＦＡＳ：Ｆrame Ａlignment Ｓignal)でもってフレ
ームの同期確立を行ない、同期確立後、表１に示したＢ
ＡＳ符号の内オーディオ／転送レート能力、データ／ビ
デオ能力を用いて相手端末との間で端末能力の交換を行
なう。それから、自端末と相手端末の能力を考慮の上、
コマンドＢＡＳ符号を使って適切な動作モードに切替え
る。

【０００９】図５のフレーム(ア)，(イ)を２つまとめた
ものをサブマルチフレーム(多重化フレーム構造)と呼
び、ＢＡＳは１つ目のフレーム(ア)の８ビットで表され
るＢＡＳ符号と、２つ目のフレーム(イ)の８ビットで表
される誤り訂正符号からなる。また、動作モードの切替
えはコマンドＢＡＳ符号を受信した次のサブマルチフレ
ームから有効となる。

【００１０】図３(a)は２つのＢチャネル使用時のフレ
ーム内の分割例を示し、このとき第１Ｂチャネルでは音
声(Ａ)が16ｋb／ｓ、低速データ(ＬＳＤ)が40ｋb／ｓ、
またビデオ(Ｖ)が第１Ｂ，第２Ｂチャネルで68.8ｋb／
ｓで伝送される。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の画像通信端末装置では、ＢＡＳ符号を使ってデ
ータのために割り当てることができる領域は低速データ
領域と高速データ領域の２つであり、タブレットを使っ
てのテレライティング時の座標データ、蓄積されている
静止画データ、相手端末のカメラ等の制御データなどを
一度に送る必要が生じた場合、送ることができなかっ
た。

【００１２】また、高速データ領域は複数のＢチャネル
あるいは、Ｈ０チャネルでの通信時のみ使用可能である
が、64ｋb／ｓ単位での割り付けしかできないため、64
ｋb／ｓ未満の低速で送ればよいデータに割り付けるに
は効率が悪く、また通信全体の伝送容量が小さい場合
(例えば２Ｂ伝送時)、ビデオを送るための領域をほとん
ど取ることができなくなるという問題があった。

【００１３】これを解決するために各データの伝送速度
が低い場合、低速データ領域、あるいは高速データ領域
を複数に分割して使用することが考えられるが、勧告で
規定されているＢＡＳ符号による制御手順では実現する
ことができなかった。

【００１４】本発明は上述したような問題点を解決し、
様々なアプリケーションに柔軟に対応できるようにする
ことを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、呼設定メッセージ内のユーザ・ユーザ
情報要素を用いて、夫々相手端末のカメラ等を制御する
ための情報を相手端末との間でやり取りする手段、デー
タ領域内の分割のしかたを制御するための情報を相手端
末との間でやり取りする手段及び、前記制御情報に基づ
きデータ領域を分割した複数のデータの送／受信を行な
う手段を設けたものである。

【００１６】

【作用】本発明によれば、映像と音声の通信を行ないな
がら同時に静止画データ、タブレット(テレライティン
グ)データを送る必要が生じた場合、呼設定メッセージ
内のユーザ・ユーザ情報要素を用いて相手端末にデータ
領域を２つに分割することを通知することにより、低速
データ、高速データの２つの領域を使うことなく、低速
あるいは、高速のいずれか１つの領域で２種類のデータ
を送信できるものである。

【００１７】また、相手端末のカメラ等を制御する必要
が生じた場合、他のデータの送／受信で使用中の低速／
高速データ領域を使用することなく、呼設定メッセー内
の情報要素を用いて相手端末に通知することができるも
のである。

【００１８】

【実施例】図１は本発明の一実施例における画像通信端
末装置の機能ブロック図であり、１はカメラ、２はモニ
タ、３はマイクロホン、４はスピーカ、５はタブレッ
ト、６はキー操作部、７はコーデック部、８はテレライ
ティング制御部、９は表示制御部、10は多重／分離部、
11は端末制御部、12は回線インタフェース部、13はＢＡ
Ｓ制御部、14は呼制御処理部であり、これらは従来例の
構成と同じものである。

【００１９】次に、15は静止画データを取り込むスキャ
ナ、16は静止画データの圧縮／伸長を行なう静止画制御
部、17はユーザ・ユーザ情報要素を用いて相手端末のカ
メラを制御する遠隔制御部、18は低速データ，高速デー
タ領域を複数に分割するための制御を行なうデータ領域
分割制御部、19はデータ領域分割制御部18からの指示に
基づきデータ領域を分割して複数のデータの多重／分離
を行なうデータ領域多重／分離部、20は制御情報処理部
である。

【００２０】また、下記の表２は本実施例におけるデー
タ領域の分割制御、相手端末のカメラ制御を行なう際に
使用するユーザ・ユーザ情報要素の数値表(データ)を示
したものであり、(a)は制御情報、(b)はデータ領域の２
分割、(c)は相手カメラの制御を示す。

【００２１】

【表２】

【００２２】また図２は本実施例における制御情報をや
りとりする際のシーケンス図である。

【００２３】以上のように構成された画像通信端末装置
について、以下その動作を説明する。

【００２４】２つのＢチャネルを用いて通信する場合
で、低速データ領域を２つに分割するときについて説明
する。

【００２５】現在、図３(a)のように音声(Ａ)を16ｋb／
ｓ、タブレットデータ(低速データ：ＬＳＤ)を40ｋb／
ｓ、ビデオ(Ｖ)を68.8ｋb／ｓで夫々多重化して相手端
末と通信しているとする。このとき静止画データ(ＳＤ)
を低速データ領域の32ｋb／ｓを使って送るときを考え
る。

【００２６】図１において、キー操作部６から静止画デ
ータ送信が選択されると端末制御部11がそれを検出し、
データ領域分割制御部18に通知する。それを受けたデー
タ領域分割制御部18は制御情報処理部20に対し、相手端
末に低速データ領域を２つに分割し、静止画データを32
ｋb／ｓで送ることを知らせる制御情報を相手端末に送
信するように指示する。

【００２７】これを受けた制御情報処理部20は、指示さ
れた情報を表２(a)にあるような制御情報識別子を用い
て、表２(b)のようなデータを作成し、呼制御処理部14
に通知する。呼制御処理部14は、このデータをユーザ・
ユーザ情報要素内のユーザ情報に挿入し、図２に示す呼
設定メッセージ(制御情報)Ｓ₁を作成する。この例で
は、図２に示すように相手端末に呼設定メッセージ(制
御情報)Ｓ₁を通知するために発呼し、データ領域分割制
御部18に制御情報処理部20を介して送出完了の通知を行
なう。

【００２８】送出完了の通知を受けたデータ領域分割制
御部18はデータ領域多重／分離部19に対し、低速データ
領域を図３(b)に示したようにサブチャンネ＃３〜＃６
を静止画データ(ＳＤ)に、残りのサブチャネル＃７をタ
ブレットデータ(ＴＤ)に割り当てるように指示し、それ
に基づきデータ領域多重／分離部19は静止画データとタ
ブレットデータを低速データ領域に多重化し、多重／分
離部10に送る。そして多重／分離部10からタブレットデ
ータが８ｋb／ｓ，静止画データが32ｋb／ｓで相手端末
へ送られる。

【００２９】逆に相手端末からの制御情報としてのユー
ザ・ユーザ情報要素を含んだ呼設定メッセージを呼制御
処理部14が検出した場合、制御情報処理部20においてそ
の情報を解析し、それがデータ領域の分割制御に関する
ものであったならばデータ領域分割制御部18に通知す
る。これを受けたデータ領域分割制御部18は相手端末か
らの指示通り、データ領域多重／分離部19を切り替える
とともに、端末制御部11に内部動作を切り替えるように
通知する。そして端末制御部11により静止画制御部16、
テレライティング制御部８が制御され、送られてくるデ
ータに備える。

【００３０】この際、図２のように、呼設定メッセージ
Ｓ₁を受信した相手端末は、解放完了メッセージＳ₂で応
答することにより、その呼を解放する。また、この時、
相手端末が何らかの応答を返したければ、解放完了メッ
セージ内にユーザ・ユーザ情報要素を含めて送信するこ
とにより、情報を伝達することが可能となる。

【００３１】また、相手端末のカメラ１をズームアップ
するキーが押されると、端末制御部11がそれを検出して
遠隔制御部17に通知する。それを受けた遠隔制御部17は
制御情報処理部20に対して、カメラ１をズームアップす
るように通知する制御情報を相手端末に送信するように
指示する。これを受けた制御情報処理部20は、指示され
た情報を表２(a)の制御情報識別子を用いて、表２(c)の
ようなデータを作成し、呼制御処理部14に通知する。呼
制御処理部14は、このデータをユーザ・ユーザ情報要素
内のユーザ情報に挿入し、呼設定メッセージを作成す
る。その後、図２のように相手端末に呼設定メッセージ
(制御情報)Ｓ₁を通知するために発呼する。

【００３２】逆に相手端末からのカメラ制御に関する制
御情報としてのユーザ・ユーザ情報要素を含んだ呼設定
メッセージを、呼制御処理部14を介して制御情報処理部
20を検出した場合、遠隔制御部17に通知し、それを受け
た遠隔制御部17では、相手端末からの指示に基づきカメ
ラ１を制御するように端末制御部11に指示する。そして
それを受けた端末制御部11により自端末のカメラ１の動
きが制御される。

【００３３】上記実施例ではデータ領域の２分割、相手
カメラの制御のみであったが、アプリケーションに応じ
てユーザ・ユーザ情報要素のデータを様々に定義するこ
とにより、細かい制御が可能となる。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように本発明の画像通信端
末装置は、ＣＣＩＴＴ勧告に基づいた多重化制御機能を
実現する機能に簡単なハードウェアと制御手順を加える
だけでよい。即ち、制御情報を送信するために発呼し、
その発呼時に呼設定メッセージ内のユーザ・ユーザ情報
要素を用いることにより、相手端末のカメラ等を制御す
る情報をデータ領域を使わずに送ることができ、またデ
ータ領域を任意の大きさの複数の領域に分割して使用す
ることが容易にできるので、データ領域の有効活用がで
き様々なアプリケーションに柔軟に対応できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に於ける画像通信端末装置の
機能ブロック図である。

【図２】本発明の一実施例に於けるシーケンス図であ
る。

【図３】２つのＢチャネルを用いて通信する場合のＣＣ
ＩＴＴ勧告Ｈ．２２１フレーム内の分割例を示した図で
ある。

【図４】従来の画像通信端末装置の機能ブロック図であ
る。

【図５】ＣＣＩＴＴ勧告Ｈ．２２１で規定されている多
重化フレーム構造を示した図である。

【符号の説明】

１…カメラ、 ２…モニタ、 ３…マイクロホン、 ４
…スピーカ、 ５…タブレット、 ６…キー操作部、
７…コーデック部、 ８…テレライティング制御部、
９…表示制御部、 10…多重／分離部、 11…端末制御
部、 12…回線インタフェース部、 13…ＢＡＳ制御
部、 14…呼制御処理部、 15…スキャナ、16…静止画
制御部、 17…遠隔制御部、 18…データ領域分割制御
部、 19…データ領域多重／分離部、 20…制御情報処
理部、 21…ＩＳＤＮ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 国際電信電話諮問委員会勧告Ｈ．２２１
   に従って映像，音声，データを多重伝送する機能を備え
   た画像通信端末装置において、呼設定メッセージ内のユ
   ーザ・ユーザ情報要素を用いて、夫々相手端末のカメラ
   等を制御するための情報を相手端末との間でやり取りす
   る手段、データ領域内の分割のしかたを制御するための
   情報を相手端末との間でやり取りする手段及び、前記制
   御情報に基づきデータ領域を分割して複数のデータの送
   ／受信を行なう手段を備えたことを特徴とする画像通信
   端末装置。