JPH0529675Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、洗面化粧台のキヤビネツト構造に
関する。

（従来技術） 最近のマンシヨン、集合住宅等では、洗面化粧
台を設置する場合、配管の集約化、部屋の効率化
のため、キヤビネツトへの給水管及び排水管の所
要とする接続位置は一定ではなく、例えば隣接す
る壁面に応じてキヤビネツトの種々の方向の側面
（例えば右側面若しくは左側面）が利用され、又、
各側面においても接続位置が異なる場合がある。
このため、従来では給水管及び排水管の接続用に
現場でキヤビネツトの穴開け加工を行なつてい
た。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら現場での穴開け加工は非常に面倒
であり、作業能率が悪い問題点を有していた。

（課題を解決するための手段） 上記従来技術の課題を解決するため、本考案の
洗面化粧台のキヤビネツト構造は、洗面化粧台の
キヤビネツトの左右の側板にそれぞれ給排水管用
の開口を適数設け、これらの各開口にはエツジカ
バーを取り付け、このエツジカバーに前記開口を
塞ぐ弾性を有するキヤツプをワンタツチで着脱自
在に嵌合して構成される。

（作用） 本考案の洗面化粧台のキヤビネツト構造では、
キヤビネツトの側板に給排水管接続用の開口が予
め設けられており、壁の位置等に応じて任意の開
口を利用して給排水管の接続を行なうことができ
る。給排水管の接続に利用しない開口はキヤツプ
により塞いでおくことができ、キヤツプはワンタ
ツチで着脱自在なため、例えばキヤビネツトは開
口を全てキヤツプで塞いだ状態で現場に持つて行
き、施工時に給排水管の接続に必要な開口のキヤ
ツプだけを取り外すようにできる。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を添付の図面を参照し
て説明する。

第１図に示した洗面化粧台１は壁Wa及び壁
Wbが直交するコーナー部に配置されている。洗
面化粧台１は平面視四角形状のキヤビネツト２
と、該キヤビネツト２上に取り付けられた洗面器
３とを有している。洗面器３の壁Wb側の両側部
にはハンドル４，５により湯水量を調節可能な湯
水混合水栓６と、ハンドル７により水量調節可能
な、図示しない洗濯機への給水用の、洗濯機用水
栓８とが設けられており、湯水混合水栓６の吐出
口９と洗濯機用水栓８の吐出口１０とは何れも首
振り回転可能となつている。又、洗濯機用水栓８
の吐出口１０は水平方向を向いて開口しており、
図示のように洗濯機への接続ホース１１のホース
バンド１２を介する取り付けが容易となつてい
る。又、洗面器３のボール部１３の下部（キヤビ
ネツト２内）には排水管１４が接続されている。

次に、キヤビネツト２及びその内部の構造に関
し説明すると、キヤビネツト２の４枚の側板２
ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄのうち、壁Wa側板２ａ
と、これに相対する側板２ｃには一対の開口１
５，１５がそれぞれ設けられている。キヤビネツ
ト２内の側板２ａ側の下部には電温器１６が配置
されており、又、側板２ｃ側の開口１５，１５の
中間部位には給水管１７とのジヨイント１８が配
置されている。ここで給水管１７は側板２ｃの一
方の開口１５を通じて図示しない給水源に至り外
部に延出しており、一方、先に説明した排水管１
４は側板２ａの一方の開口１５を通り、壁Waを
抜けて外部に延出している。

上記ジヨイント１８は側板２ｃの開口１５，１
５、の各々に近接する部位に給水管１７との接続
用の口金１９，１９を有しており、給水管１７と
の接続に利用しない側の口金１９には図示のよう
に盲栓がなされている。ジヨイント１８はさらに
湯水混合水栓６との接続用の口金２０と、洗濯機
用水栓８との接続用の口金２１とを有している。
ここで、湯水混合水栓６は洗面化粧台１への組付
けに先立ち予め上記口金２０との接続用の導水パ
イプ２２と、電温器１６への給水用の電温器給水
パイプ２３と、電温器１６から湯を受け取るため
の導湯パイプ２４とを組み込んで構成されてお
り、電温器給水パイプ２３はフレキシブルパイプ
２５を介して電温器１６の下部に、又、導湯パイ
プ２４は同様にフレキシブルパイプ２６を介して
電温器１６の上部にそれぞれ接続されている。

このような配管により、湯水混合水栓６に導水
パイプ２２を介して導かれた水の一部は電温器給
水パイプ２３を介して電温器１６で加熱され、湯
となつて導湯パイプ２４を介して再び湯水混合水
栓６に戻り、上機導水パイプ２２を介して導かれ
た水とともにハンドル４，５により規制される所
定の混合割合で吐出される。又、ジヨイント１８
の口金２１と洗濯機用水栓８との接続もフレキシ
ブルパイプ２７介してなされている。

先に説明したように、キヤビネツト２の側板２
ａ，２ｃに設けられた各対の開口１５，１５は、
それぞれ一方のみが使用され他方は使用されない
ままになつている。このように使用されない開口
１５があるとキヤビネツト２の内部が見えてしま
い、又、外観も悪くなるため、本実施例の洗面化
粧台１では第２図及び第３図に示すように、使用
されない開口１５を塞ぐキヤツプ２８を備えてい
る。

第２図及び第３図はキヤツプ２８による開口１
５の閉鎖構造を一例として側板２ｃの一方の開口
１５に関連して示した図で、第２図に示すように
開口１５には先ず環状ゴム製のエツジカバー２９
が取り付けられ、キヤツプ２８は第３図に示すよ
うにエツジカバー２９に嵌合状態で取り付けられ
る。

キヤツプ２８はポリプロピレン等の樹脂により
形成され、第４図イ，ロに示すように円板状の本
体３０と、この本体３０の下面に突出する本体３
０よりも小径の環状の脚部３１とからなつてい
る。脚部３１は切欠部３２を直径方向に相対する
部位（図は一方のみを示す）に備えており、又、
下端外周には外側に突出する鍔部３３を有してい
る。

一方、エツジカバー２９は第５図イ，ロに示す
ように側板２ｃの開口１５の径とほぼ同径の外周
面３４を有しており、上下端には外周面３４とに
より側板２ｃの開口部１５の周縁部２c₁が嵌合す
る断面コの字状の溝３５を形成する張出部３６，
３６を一体で備えている。又、エツジカバー２９
の内周面３７の径と上記キヤツプ２８の脚部３１
の外周径とはほぼ等しく設定されており、内周面
３７には脚部３１の鍔部３３が係合する環状溝３
８，３８が設けられている。環状溝３８，３８は
エツジカバー２９の上下面から等距離で設けら
れ、キヤツプ２８の上下何れの側からの嵌め込み
にも対応できるようになつている。

上記構成により、先ずエツジカバー２９をその
弾性を利用して開口１５の周縁部２c₁に嵌め込
み、次いでキヤツプ２８の脚部３１をエツジカバ
ー２９の内周面３７に沿つて押し込めば、脚部３
１が切欠部３２により弾性的に径を小さくし、鍔
部３３が対応する環状溝３８に嵌合すると径が拡
大して嵌合状態を保ち、キヤツプ２８を開口１５
を塞いで確実に取り付けることができる。又、キ
ヤツプ２８の取り外しはキヤツプ２８の本体３０
とエツジカバー２９の対応する張出部３６との間
に適宜工具を挿入してこじることで容易に行なう
ことができる。

本実施例において、キヤビネツト２の側板２
ａ，２ｃには排水管１４と給水管１７の接続用の
左右一対の開口１５，１５が予め設けられている
ため、現場でキヤビネツト２に穴開け加工する必
要がなくなる。又、開口１５は側板２ａ，２ｃに
各一対設けられているので、排水管１４及び給水
管１７の配置に応じて左右何れかの開口１５を任
意に利用でき、さらに洗面化粧台１の配置に応じ
て、例えば側板２ｃが壁側に位置している場合に
は側板２ｃの何れかの開口１５を排水管１４の接
続用に、逆に側板２ａの何れかの開口１５を給水
管１７の接続用に利用できる。

又、開口１５にはエツジカバー２９が嵌め込ま
れ、このエツジカバー２９にキヤツプ２８が着脱
自在となつているので、排水管１４及び給水管１
７の接続に利用しない開口１５をキヤツプ２８で
塞いでおくことができ、キヤビネツト２の外観を
良好に保つことができる。さらに、キヤビネツト
２を予め開口１５〜１５が全てキヤツプ２８で塞
がれた状態で施工場所に運び、現場で排水管１４
及び給水管１７との接続に利用する開口１５〜１
５を塞ぐキヤツプ２８を取り外すようにすれば施
工を効率的に行なうことができる。

（考案の効果） 本考案の洗面化粧台のキヤビネツト構造は、開
口はキヤビネツトの左右の側板に形成されている
ため、左又は右の何れか側からでも配管が可能
で、現場の給排水管の位置に応じて任意の開口を
接続に利用でき、又、現場での穴開け作業が不要
となるので、施工作業が簡単ですむ利点を有し、
又、開口は見えにくい左右の側板にあり、しかも
接続に利用しない開口はキヤツプで塞いでおくこ
とができ、キヤビネツトの外観が損なわれない効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
洗面化粧台をコーナー部に設置した状態を示す斜
視図、第２図はキヤビネツト側板の開口へのエツ
ジカバーとキヤツプの取付状態を示す分解斜視
図、第３図はキヤビネツト側板の開口にエツジカ
バーとキヤツプを取り付けた状態を示す断面図、
第４図イ，ロはそれぞれキヤツプの中央断面図及
び上半分のみ示した平面図、第５図イ，ロはそれ
ぞれエツジカバーの中央断面図及び下半分のみ示
した平面図である。 １……洗面化粧台、２……キヤビネツト、２
ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ……側板、１４……排水
管、１５……開口、１７……給水管、２８……キ
ヤツプ、２９……エツジカバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗面化粧台のキヤビネツトの左右の側板にそれ
   ぞれ給排水管用の開口を適数設け、これらの各開
   口にはエツジカバーを取り付け、このエツジカバ
   ーに前記開口を塞ぐ弾性を有するキヤツプをワン
   タツチで着脱自在に嵌合する構成としたことを特
   徴とする洗面化粧台のキヤビネツト構造。