JPH0528629U - 造形用材料およびそれを用いた造形物 - Google Patents

造形用材料およびそれを用いた造形物

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JPH0528629U
JPH0528629U JP2339492U JP2339492U JPH0528629U JP H0528629 U JPH0528629 U JP H0528629U JP 2339492 U JP2339492 U JP 2339492U JP 2339492 U JP2339492 U JP 2339492U JP H0528629 U JPH0528629 U JP H0528629U
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drug
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JP2339492U
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Inventor
八郎 斎藤
晴夫 北村
Original Assignee
日本石油化学株式会社
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 香りや薬剤の薬効を必要とするまでは、香料
や薬剤を気化させずに保持し、かつ薬効の強弱および持
続期間を任意に調整し得る造形用材料およびそれを用い
た造形物を提供する。 【構成】 少なくとも造形し得る第1の基材1、気体お
よび薬剤不透過性の第2の基材2および薬剤を含有する
第3の基材3からなる造形用材料10を使用して造形物
を作製する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は香料、消臭剤等の薬剤を含有した基材を活用した造形用材料およびそ れを用いた造形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、安価なポリエチレン等の熱可塑性樹脂に香料、消臭剤等の薬剤を練り込 んだ、 または含浸もしくは付着させた樹脂を、 射出成形等で成形することによ り、花、草木等の造花類、電車、自動車、飛行機等の乗物類、動物、人形等が製 造されている。また香料、防臭剤等の薬剤を含浸させた紙等で製作された造形物 もよく知られるところであり、これらは室内、トイレット内、車両内等に置かれ て利用されている。 しかし、従来の熱可塑性樹脂等からなる造形物においては、薬剤を多量に含有 させることができないため、薬効が弱く、またその持続期間が短いという欠点が あるのみならず、製造工程における多数の熱処理のため、薬剤の逸散、変質等が 生じるという問題を有している。 また、香料等の気化性薬剤を透過させないガラス、金属、合成樹脂等で包装し て密閉しない限り、薬剤を含浸させた紙を室内に放置するのと同様に、浸漬、付 着の直後から薬剤の大気中への逸散が始まり、最終需要家の手に渡る時には殆ど 香りや薬効が消失してしまうという問題がある。 更に、前記従来のこれら造形物は、そのままでは、香りや薬効の強弱、持続期 間を任意に調整することができない。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記の問題を解消するものであって、香りや薬効を必要とするまで は、香料や薬剤を気化させずに保持し、かつ香りや薬効の強弱、持続期間を任意 に調整し得る造形用材料およびそれを用いた造形物を提供することを目的とする ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案の第1は、少なくとも造形し得る第1の基材、気体および薬剤不透過性 の第2の基材および薬剤を含有する第3の基材からなる造形用材料を提供するも のである。
【0005】 本考案の第2は、造形し得る第1の基材、気体および薬剤不透過性の第2の基 材および薬剤を含有する第3の基材が接着積層され、かつ第3の基材に気体およ び薬剤不透過性の第4の基材が剥離可能に仮着積層された積層シートからなる造 形用材料を提供するものである。
【0006】 本考案の第3は、気化性薬剤等の薬剤を透過し、かつ造形し得る第1の基材と 薬剤を含有する第3の基材との積層体の両面に、気体および薬剤不透過性の第2 および第4の基材がそれぞれ積層され、そのいずれか一方が剥離可能に仮着積層 された積層シートからなる造形用材料を提供するものである。
【0007】 本考案の第4は、造形し得る第1の基材および薬剤を含有する第3の基材が接 着積層され、かつ該第3の基材に気体および薬剤不透過性の第4の基材が剥離可 能に仮着積層された積層シートからなる造形用材料を提供するものである。
【0008】 本考案の第5は、造形し得る第1の基材と、気体および薬剤不透過性の第2の 基材または薬剤を含有する第3の基材とが、粘着剤により接着された積層シート からなる造形用材料を提供するものである。
【0009】 本考案の第6は、造形し得る第1の基材と薬剤を含有する第3の基材とが、気 体および薬剤不透過性の接着剤により接着された積層シートからなる造形用材料 を提供するものである。
【0010】 本考案の第7は、薬剤を含有する第3の基材が、薬剤と相溶性を有する熱可塑 性樹脂、または薬剤と相溶性を有する熱可塑性樹脂および薬剤と非相溶性である 熱可塑性樹脂の混合物からなる造形用材料を提供するものである。
【0011】 本考案の第8は、薬剤が、香料、防錆剤、防黴剤、防腐剤、防虫剤、防鼠剤、 消臭剤、殺虫剤および忌避剤のいずれかあるいはそれらの混合物である造形用材 料を提供するものである。
【0012】 本考案の第9は、少なくとも造形し得る第1の基材、気体および薬剤不透過性 の第2の基材および薬剤を含有する第3の基材からなる造形用材料を、型抜きし て得た造形用素材を用いて造形したことを特徴とする造形物を提供するものであ る。
【0013】 本考案の第10は、造形し得る第1の基材、気体および薬剤不透過性の第2の 基材および薬剤を含有する第3の基材が接着積層され、かつ第3の基材に気体お よび薬剤不透過性の第4の基材が剥離可能に仮着積層された積層シートを、型抜 きしてなる造形用素材を用いて作製した造形物中の第4の基材に、少なくとも該 第4の基材を2分割するカット線を入れたことを特徴とする造形物を提供するも のである。
【0014】 本考案の第11は、造形し得る第1の基材、気体および薬剤不透過性の第2の 基材および香料および/または消臭剤を含有する第3の基材が接着積層され、か つ第3の基材に気体および薬剤不透過性の第4の基材が剥離可能に仮着積層され た積層シートからなる造形用材料を用いて、造花用花弁素材または葉素材を作製 し、これらを組み合わせて造形してなる造花の第4の基材に、少なくとも該第4 の基材を2分割するカット線を入れたことを特徴とする芳香または消臭造花を提 供するものである。
【0015】 本考案の第12は、造形し得る第1の基材、気体および薬剤不透過性の第2の 基材および薬剤を含有する第3の基材が接着積層され、かつ第3の基材に気体お よび薬剤不透過性の第4の基材が剥離可能に仮着積層された積層シートからなる 造形用材料を用いて造形用素材を作製し、これらを組み合わせ造形してなる造形 物の第4の基材に、切欠部を設けたことを特徴とする造形物を提供するものであ る。
【0016】 本考案の第13は、造形し得る第1の基材、気体および薬剤不透過性の第2の 基材および香料および/または消臭剤を含有する第3の基材が接着積層され、か つ第3の基材に気体および薬剤不透過性の第4の基材が剥離可能に仮着積層され た積層シートからなる造形用材料を用いて、造花用花弁素材または葉素材を作製 し、これらを組み合わせて造形してなる造花の第4の基材に、切欠部を設けたこ とを特徴とする芳香または消臭造花を提供するものである。
【0017】 以下本考案の代表例を図面を用いて詳述する。 図1は本考案の造形用材料10の一例の構造を示す断面図であって、造形し得 る第1の基材1の上面に気体および薬剤不透過性の第2の基材2および薬剤を含 有する第3の基材3を順次接着して積層し、更にその上面に気体および薬剤不透 過性の第2の基材と同種または異種の第4の基材4を剥離可能に仮着積層した積 層シートからなるものである。 上記基材1、2および3を相互に接着積層するには、接着剤、粘着剤等を用い てもよいが、基材2と3との接着積層にはポリオレフィン樹脂に用いられる押出 ラミネーション法が簡便さ、低コスト、透明性、接着力等の点で好ましい。上記 の接着剤、粘着剤は特にその種類を問うものではない。 薬剤を含有する基材3と気体および薬剤不透過性の基材4とを仮着接着する方 法としては、粘着剤等を用いてもよいが、2種の材料間を極度に気密性を保持す るようにして、物理的に圧着してもよい。 また、本考案の造形用材料を利用して後述の造形物を作製するときに、接着、 融着等の固着手段が必要となるが、その手段として粘着剤を使用することができ る。例えば造花等の場合、造形用材料から葉を形成するため葉脈等を型押しした り葉柄を取付けるときには、シートの変形性あるいはドレープ性が要求されるの で、このためには基材1と基材2とを接着するのに粘着剤を使用することが好ま しい。 本考案は、このような構成とすることにより、必要なときに基材4を剥離すれ ば、その時点から気化性薬剤を使用した場合においては薬剤を含有する基材3の 表面から薬剤が気化し、薬効が発揮される。また気体および薬剤不透過性の第2 の基材2を備えているため、基材1が布や紙等のように気化性薬剤を透過させる 材料であっても、薬剤が基材1を通して大気中に逸散することはない。
【0018】 図2は本考案の造形用材料10の他の一例の断面図であって、薬剤を透過し、 かつ造形し得る第1の基材1と、薬剤を含有する第3の基材3との積層体の両面 に、気体および薬剤不透過性の第2の基材2および第4の基材4を接着積層し、 そのいずれか一方が剥離可能に仮着された積層シート からなるものである。 上記の造形用材料は、造形し得る第1の基材1が、布、不織布、紙、合成樹脂 製多孔膜等のように通気性を有し、気化性薬剤等の気体を透過させる材料で構成 する場合において有効なものである。
【0019】 図3は本考案の造形用材料10の更に異なる例の断面図であって、造形し得る 第1の基材1aと薬剤を含有する第3の基材3との積層体の、基材3の上面に、 気体および薬剤不透過性の第4の基材4が剥離可能に仮着された積層シートから なるものである。 上記の構成においては、造形し得る第1の基材として、気体および薬剤不透過 性のフィルムやアルミニウム箔等の金属材料などを使用することによって、前記 気体および薬剤不透過性の第2の基材を省略することができる。 また他の態様例として、造形し得るる第1の基材1aと薬剤を含有する第3の 基材3とを積層するときに、気体および薬剤を通さない接着剤を使用することに よっても本考案を達成することができる。
【0020】 本考案の造形し得る第1の基材とは、織布、不織布等の布類、合成樹脂製フィ ルム、金属箔、紙の群から選択された少なくとも1種であり、具体的には、天然 繊維、合成繊維、フラットヤーン、テープ等を用いた織布、不織布等からなる布 類、熱可塑性樹脂からなる合成樹脂製フィルム、アルミニウム箔等の金属箔、和 紙、可伸紙、板紙、千代紙、印刷紙等の紙類等の群から選択された少なくとも1 種である。
【0021】 本考案に用いる気体および薬剤不透過性の第2および第4の基材は、両者が同 種の基材であっても異種の基材で構成されてもよい。具体的には、アルミニウム 箔等の金属箔、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビ ニリデン、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂製フィルムの群から選択された少 なくとも1種である。
【0022】 本考案の薬剤を含有する第3の基材としては、薬剤と相溶性を有する熱可塑性 樹脂、または薬剤と相溶性を有する熱可塑性樹脂および薬剤と非相溶性である熱 可塑性樹脂の混合物が好ましい。後者のような混合物を用いることにより、薬効 の持続性および強弱を容易に制御することができる。 該薬剤と相溶性を有する熱可塑性樹脂としては、 石油樹脂、 ポリブテン、天 然ゴムおよび合成ゴムの未加硫品、カルボキシル基含有エチレン共重合体、ポリ オレフィン系樹脂およびそれらの不飽和カルボン酸またはその誘導体による変性 物ならびにそれらの混合物が挙げられる。これらの中でも特にカルボキシル基含 有エチレン共重合体、とりわけエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク リル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等が好まし い。
【0023】 また上記薬剤と相溶性を有する熱可塑性樹脂に混合される薬剤と非相溶性の熱 可塑性樹脂としては、高、中、低密度のエチレン単独重合体、ポリプロピレン、 ポリ-1-ブテン、ポリ-4-メチルペンテン-1等の単独重合体、 エチレン、プロ ピレン、1-ブテン、 1-ヘキセン等のα-オレフィンの相互共重合体等のポリオ レフィン系樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン系樹 脂、 ナイロン−6等のポリアミド系樹脂、 ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ エステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物およびそれらの混合物 等が挙げられる。
【0024】 本考案の薬剤とは、 香料、防錆剤、防黴剤、防腐剤、防虫剤、防鼠剤、 消臭 剤、殺虫剤、忌避剤等であり、これらの中でも気化性薬剤が好ましい。 上記薬剤の代表的な例を以下に列挙する。
【0025】 香料には、天然香料と人造香料とがあり、天然香料としては、ジャコウ、シベ ット(レイビョウ香)、カストル(カイリ香)およびアンバーグリス(リュウゼ ン香)等の動物性香料、ラベンダ−油、ハッカ油、レモン油、オレンジ油、ロー ズ油、ショウノウ油、ビャクダン油、ヒノキ油等の植物精油からなる植物性香料 がある。 また人造香料としては、テルペン化合物または芳香族化合物等からなる合成香 料、あるいは精油から主として分留によって成分を分けた単離香料、その他各種 の単離香料、合成香料、天然香料などを混合して実用に適するように調製した調 合香料などを包含する。
【0026】 防錆剤としては、ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩、シクロヘキシルア ンモニウム炭酸塩、イソプロピルアンモニウム安息香酸塩、ジイソプロピルアン モニウムコハク酸塩等のような有機アミンの無機および有機酸塩、安息香酸やナ フト−ル酸のような芳香族酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸のような 炭素数6〜10の脂肪酸、ベンゾトリアゾ−ル、メチルベンゾトリアゾ−ルのよ うな複素環式アミン、ジニトロベンゼン、ニトロナフタレンのようなニトロ置換 芳香族化合物、ヘキサメチレンテトラミンおよびその誘導体などが挙げられ、こ れらが各単独でまたは2種以上の混合物として使用される。
【0027】 その他の薬剤の具体例としては、ソルビン酸、デヒドロ酢酸などの食品用の防 腐剤、サイアベンダゾ−ル、バイナジン、α−ブロムシンナムアルデヒド(BC A)等の防黴剤、BHC剤等の防虫・殺虫剤、ホルマリン、サリチル酸、クレオ ソート、フェノール、ニトロフラゾン、ニトロフリルアクリル酸アミド等の殺菌 剤、ナラマイシン(商品名、田辺製薬(株)製)、ラムタリン(商品名、松下電工 (株)製)、コトマイシン(商品名、(株)大阪化成製)等の防鼠剤等が挙げられ、 これらの薬剤は、目的、用途等により、2種以上を混合して使用してもよい。
【0028】 薬剤を合成樹脂に含有させる方法としては、合成樹脂と薬剤とを通常の混練機 または押出機内で溶融混合してもよいが、薬剤が香料などのように液体の場合に は、その薬剤にこれと相溶性のある合成樹脂を直接浸漬して含浸させる方法が、 薬剤の逸散、変質等を防ぐために好ましい。また防錆剤などのような固体の場合 には、その薬剤を適当な溶媒に溶解させた溶液に、該溶液と相溶性のある合成樹 脂を浸漬して含浸させることもできる。
【0029】 本考案の造形物とは、前記造形用材料から型押し、型抜き等によって造形物を 構成する造形用素材を製作し、これらを立体的あるいは平面的に組合わせること により造形されたものである。 本考案の造形物には、花、草木等の造花類、電車、自動車、飛行機等の乗り物 類、動物、人形等の群から選択される立体物および貼絵、ポスター等の平面物等 が包含される。
【0030】 また図1の例において、気体および薬剤不透過性の基材2および薬剤を含有す る基材3が透明材料であるときは、基材4が透明であると、これが剥離されてい るか否かが外観的に判別し難いので、基材4は基材1とほぼ同色で、かつ識別可 能な色に着色されている材料とすることが好ましい。 また、薬剤を含有する基材3は合成樹脂特有の光沢をもっており、外観的に問 題となる場合もある。このときは、図1および図3の例において、基材3の基材 4に対面する側をつや消し面にすることにより、商品価値の向上を図ることがで きる。
【0031】
【実施例】 以下本考案の造形物の一つである造花の実施例を説明する。 <実施例1> 〈造形用材料イの製造〉 サンドブラスト法により表面に微少な凹凸を形成させて片側をつや消し面にし た厚さ25μm のポリエチレンテレフタレートフィルム4の光沢面を、緑色の耐 熱性インキで全面印刷を施した。 一方、チューリップ系調合香料を10重量%含浸させたエチレン−酢酸ビニル 共重合体50重量部と低密度ポリエチレン50重量部との混合物からなる、厚さ 50μm のポリエチレンフィルム3をTダイ法により製膜するときに、そのウェ ブが溶融軟化状態にある間に、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム4のつ や消し面に重ね合わせ、仮着積層せしめて積層体を製造した。次いで、厚さ12 μm のポリエチレンテレフタレートフィルム2と上記仮着積層体の香料含有ポリ エチレンフィルム面とを、押出ラミネーション法による厚さ10μm のポリエチ レンウェブを介して接着積層せしめ、更にポリエステル繊維よりなる織布を緑色 に染色してなる造葉用市販ポリエステル布1を、ポリエチレンテレフタレートフ ィルム2に粘着剤により接着積層して本考案の造形用材料イを製造した。 〈チューリップ造花5の製造〉 上記造形用材料イを葉の形に打ち抜き、雌雄一対の金型に挟んで葉脈を型押し し、合成樹脂製葉柄を熱融着で取り付けた。上記操作中に該造形用材料イは、ド レープ性あるいは変形性に富み、型押しが良好に行われ、かつインキが溶融する こともなかった。 また別途に花弁、茎等の造花用素材を作製し、上記の葉と組み合わせてチュー リップの造花5を作製した(図4)。葉のポリエチレンテレフタレートフィルム 4を剥離することにより、チューリップの香りが漂い始めた。香りが消失するに 従い、他の葉を順次剥離していくことによって、長期にわたり香りを楽しむこと ができた。また、剥離した葉と未剥離の葉とは、僅かな色調の差により判別が容 易であった。
【0032】 <実施例2> 〈造形用材料ロの製造〉 前記実施例1で製作した仮着積層体の香料含有ポリエチレンフィルム面と、厚 さ7μm のアルミニウム箔の片側に緑色の耐熱性インキで全面印刷した印刷面と を粘着剤を介して接着積層し、造形用材料ロを作製した。 〈チューリップ造花の製造〉 上記造形用材料ロを用いて、実施例1と同様の工程により葉を作製したが、造 形用材料ロは、実施例1の造形用材料イと同様に優れた性能を示した。次に花弁 および茎等の造花用素材と組み合わせ、実施例1と同様にしてチューリップの造 花を作製した。 葉のポリエチレンテレフタレートフィルム4を順次剥離することにより、実施 例1の場合と同様にチューリップの香りを長期間持続させることができた。
【0033】 <実施例3> 〈造形用材料ハの製造〉 前記実施例1で製作した仮着積層体の香料含有ポリエチレンフィルム面と、ポ リエステル繊維よりなる織布を緑色に染色してなる造葉用市販ポリエステル布1 とを、エポキシ系接着剤により接着積層し、本考案の造形用材料ハを作製した。 〈チューリップ造花の製造〉 上記造形用材料ハを用いて、実施例1と同様の工程により葉を作製したが、造 形用材料ハは、実施例1の造形用材料イと同様に優れた性能を示した。次に花弁 および茎等の造花用素材と組み合わせ、実施例1と同様にしてチューリップの造 花を作製した。 葉のポリエチレンテレフタレートフィルム4を順次剥離することにより、実施 例1の場合と同様にチューリップの香りを長期間持続させることができた。
【0034】 <実施例4> 〈造形用材料ニの製造〉 実施例1と同様な構成の樹脂組成物からなるバラ系調合香料を5重量%含有す る50μm のポリエチレンフィルム3と、厚さ12μm のポリエチレンテレフタ レートフィルム2とを、押出ラミネーション法による厚さ10μm のポリエチレ ンウェブを介して接着積層し、積層体を作製した。該積層体の香料含有ポリエチ レンフィルム面に、ポリエステル繊維よりなる織布を緑色に染色してなる造葉用 市販ポリエステル布1を、押出ラミネーション法による厚さ10μm のポリエチ レンウェブを介して接着積層した。この積層体のポリエステル布面に、ポリエス テル布1に類似した緑色の耐熱性インキで全面印刷した厚さ25μm のポリエチ レンテレフタレートフィルム4の非印刷面を重ね、中間に粘着剤を点在させて仮 着積層することにより、造形用材料ニを作製した。 〈バラ造花の製造〉 上記造形用材料ニをバラの葉の形に打ち抜き、雌雄一対の金型に挟んで葉脈を 型押しし、 合成樹脂製葉柄を熱融着で取り付けた。 上記操作中に造形用材料ニ は、実施例1の造形用材料イと同様優れた性能を示した。なお、上記ポリエチレ ンテレフタレートフィルム4のほぼ中央にカット線6を入れた(図5)。 次に花弁、茎等の造花用素材を作製し、上記の葉と組み合わせてバラの造花を 作製した。葉のポリエチレンテレフタレートフィルム4は、型押しされているに もかかわらず、カット線があるため剥離が容易であり、順次剥離することにより バラの香りを長期間持続させることができた。
【0035】 <実施例5> 〈造形用材料ホの製造〉 薬剤として消臭剤バイオダッシュ((株)東京生化学研究所製)5重量%を含有 する50μm のポリエチレンフィルム3を使用した他は、実施例4と同様の構成 を有する消臭剤入り造形用材料ホを作製した。 〈バラ造花の製造〉 上記造形用材料ホをバラの葉の形に打ち抜き、実施例4と同様の工程により葉 を作製した。また上記葉形のポリエチレンテレフタレートフィルム4の端部に切 欠部7を設けた(図6)。 上記消臭剤入りのバラの造花は、葉形に一部切欠部を設けたので、型押しされ ているにもかかわらず容易に剥離することができ、該造花をトイレット内で使用 し、良好な結果を得た。
【0036】
【作 用】
本考案の造形物は、必要を生じた時点で、剥離可能に仮着積層した気体および 薬剤不透過性フィルムを剥離することにより薬効効果を発揮させることができる ばかりでなく、加工、運搬等の取扱い、貯蔵が容易である。また薬効の強弱、持 続時間等を任意に制御することができる。 更に、気体および薬剤不透過性フィルムの剥離を容易に行うことができる。
【0037】
【本考案の効果】
本考案は以下の効果を有する。 (1)運搬中、加工時など薬効の発揮を必要としないときに、薬剤を大気中に逸 散することがない。 (2)薬効は、必要とする任意の時点から発揮させることができる。 (3)仮着積層されている剥離可能な気体および薬剤不透過性の基材を、適宜の 枚数だけ剥離することにより、薬効の強弱を任意に調節することができる。 (4)複数の気体および薬剤不透過性基材を順次剥離することにより、段階的に 薬効を発揮させ、全体として効果を長期間保持することができる。 (5)薬剤を含有する基材が樹脂の混合物からなるので、徐放的に長期間薬剤の 効果をを持続させることができる。 (6)気体および薬剤不透過性の基材が剥離されているか否かを、外観的に容易 に看取し得るようにすることができる。 (7)薬剤を含有する基材の表側をつや消し面とすることにより、外観的に優れ た造形物が得られる。 (8)気体および薬剤不透過性の基材にカット線や切欠部を設けることにより、 その剥離を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の部分拡大断面図である。
【図2】本考案の他の実施例の部分拡大断面図である。
【図3】基材1として気体および薬剤不透過性材料を用
いた実施例の部分拡大断面図である。
【図4】チューリップの造花の実施例を示す斜視図であ
る。
【図5】カット線を入れた造花用の葉の実施例を示す斜
視図である。
【図6】切欠部を設けた造花用の葉の実施例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1、1a 造形し得る第1の基材 2 気体および薬剤不透過性の第2の基材 3 薬剤を含有する第3の基材 4 気体および薬剤不透過性の第4の基材 5 造花 6 カット線 7 切欠部 10 造形用材料

Claims (13)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも造形し得る第1の基材、気体
    および薬剤不透過性の第2の基材および薬剤を含有する
    第3の基材からなる造形用材料。
  2. 【請求項2】 造形し得る第1の基材、気体および薬剤
    不透過性の第2の基材および薬剤を含有する第3の基材
    が接着積層され、かつ第3の基材に気体および薬剤不透
    過性の第4の基材が剥離可能に仮着積層された積層シー
    トからなることを特徴とする請求項1に記載の造形用材
    料。
  3. 【請求項3】 気体および薬剤を透過し、かつ造形し得
    る第1の基材と薬剤を含有する第3の基材との積層体の
    両面に、気体および薬剤不透過性の第2および第4の基
    材がそれぞれ積層され、そのいずれか一方が剥離可能に
    仮着積層された積層シートからなることを特徴とする請
    求項1に記載の造形用材料。
  4. 【請求項4】 造形し得る第1の基材および薬剤を含有
    する第3の基材が接着積層され、かつ該第3の基材に気
    体および薬剤不透過性の第4の基材が剥離可能に仮着積
    層された積層シートからなることを特徴とする請求項1
    に記載の造形用材料。
  5. 【請求項5】 造形し得る第1の基材と、気体および薬
    剤不透過性の第2の基材または薬剤を含有する第3の基
    材とが、粘着剤により接着された積層シートからなるこ
    とを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の造形
    用材料。
  6. 【請求項6】 造形し得る第1の基材と薬剤を含有する
    第3の基材とが、気体および薬剤不透過性の接着剤によ
    り接着された積層シートからなることを特徴とする請求
    項4に記載の造形用材料。
  7. 【請求項7】 薬剤を含有する第3の基材が、薬剤と相
    溶性を有する熱可塑性樹脂、または薬剤と相溶性を有す
    る熱可塑性樹脂および薬剤と非相溶性である熱可塑性樹
    脂の混合物からなることを特徴とする請求項1から6の
    いずれかに記載の造形用材料。
  8. 【請求項8】 前記気化性薬剤が、 香料、 防錆剤、防
    黴剤、防腐剤、防虫剤、防鼠剤、消臭剤、殺虫剤および
    忌避剤のいずれかあるいはそれらの混合物であることを
    特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の造形用材
    料。
  9. 【請求項9】 少なくとも造形し得る第1の基材、気体
    および薬剤不透過性の第2の基材および薬剤を含有する
    第3の基材からなる造形用材料から造形用素材を作製
    し、これらを組み合わせて造形したことを特徴とする造
    形物。
  10. 【請求項10】 造形し得る第1の基材、気体および薬
    剤不透過性の第2の基材および薬剤を含有する第3の基
    材が接着積層され、かつ第3の基材に気体および薬剤不
    透過性の第4の基材が剥離可能に仮着積層された積層シ
    ートからなる造形用材料を用いて造形用素材を作製し、
    これらを組み合わせ造形してなる造形物の第4の基材
    に、少なくとも該第4の基材を2分割するカット線を入
    れたことを特徴とする請求項9に記載の造形物。
  11. 【請求項11】 造形し得る第1の基材、気体および薬
    剤不透過性の第2の基材および香料および/または消臭
    剤を含有する第3の基材が接着積層され、かつ第3の基
    材に気体および薬剤不透過性の第4の基材が剥離可能に
    仮着積層された積層シートからなる造形用材料を用い
    て、造花用花弁素材または葉素材を作製し、これらを組
    み合わせて造形してなる造花の第4の基材に、少なくと
    も該第4の基材を2分割するカット線を入れたことを特
    徴とする芳香または消臭造花。
  12. 【請求項12】 造形し得る第1の基材、気体および薬
    剤不透過性の第2の基材および薬剤を含有する第3の基
    材が接着積層され、かつ第3の基材に気体および薬剤不
    透過性の第4の基材が剥離可能に仮着積層された積層シ
    ートからなる造形用材料を用いて造形用素材を作製し、
    これらを組み合わせ造形してなる造形物の第4の基材
    に、切欠部を設けたことを特徴とする造形物。
  13. 【請求項13】 造形し得る第1の基材、気体および薬
    剤不透過性の第2の基材および香料および/または消臭
    剤を含有する第3の基材が接着積層され、かつ第3の基
    材に気体および薬剤不透過性の第4の基材が剥離可能に
    仮着積層された積層シートからなる造形用材料を用い
    て、造花用花弁素材または葉素材を作製し、これらを組
    み合わせて造形してなる造花の第4の基材に、切欠部を
    設けたことを特徴とする芳香または消臭造花。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012509791A (ja) * 2008-11-24 2012-04-26 キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド 抗菌積層構造体
JP2013537441A (ja) * 2010-07-12 2013-10-03 エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド エアフレッシュシステム

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