JPH05278352A - 熱転写記録用受像シート - Google Patents

熱転写記録用受像シート

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JPH05278352A
JPH05278352A JP4076447A JP7644792A JPH05278352A JP H05278352 A JPH05278352 A JP H05278352A JP 4076447 A JP4076447 A JP 4076447A JP 7644792 A JP7644792 A JP 7644792A JP H05278352 A JPH05278352 A JP H05278352A
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JP4076447A
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Yoshitaka Okumura
嘉孝 奥村
Soichi Saji
聡一 佐治
Shinsuke Irii
伸介 入井
Hiroshi Iwasaki
浩 岩崎
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Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】記録感度が極めて高く、解像度、鮮明度、色濃
度、ドット抜け等において極めて優れた高画質の記録像
を与える熱転写記録用受像シートを提供する。 【構成】色材転写シートからの転写像を受理する受像層
を設けてなる熱転写記録用受像シートにおいて、受像層
が平均粒子径0.1〜40μmである熱可塑性樹脂微粒
子凝集体を含有する熱転写記録用受像シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写記録用受像シート
に関し、特に記録画質および記録感度の著しく改善され
た受像シートを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】入力信号と同時に記録像の得られる熱記
録方式は、装置が比較的簡単で安価な上に低騒音である
ため、ファクシミリ、計算機用端末プリンター、測定器
用プリンターなど多方面で利用されている。これらの熱
記録方式に使用される記録媒体としては、加熱により物
理的ないし化学的変化を起こして発色する記録層を設け
た、所謂発色タイプ感熱記録紙が最も一般的に使用され
ている。
【0003】しかし、発色タイプ感熱記録紙は、製造工
程中や保存中に不要な発色を起こし易く、また、記録さ
れた像の保存安定性にも劣っており、有機溶剤や化学薬
品等との接触によって褪色現象を起こし易いという難点
がある。そのため、発色タイプ感熱記録紙にかわる記録
媒体として、有色の色材そのものを利用した記録媒体を
用いる方式が提案されており、例えば、特開昭51−1
5446号公報には、常温では固体または半固体状であ
る色材を紙、ポリマーフィルムなどの支持体上に塗布し
ておき、支持体上の色材と記録紙とを接触させ、熱記録
ヘッドにより支持体上の色材を加熱して、選択的に記録
紙に転移させて記録像を得る方式が提案されている。
【0004】この記録方式では、支持体上の色材を熱に
よって溶融、蒸発、昇華せしめ、記録紙に転移させて、
粘着、吸着、染着によって記録像を得るものであり、記
録紙として普通紙も利用できる特徴がある。特に、色材
として昇華性染料を用いる記録方式では、階調性に優れ
た画像が得られるため、フルカラー記録用としての用途
開発が進められている。
【0005】しかし、記録紙として普通紙を用いた場合
には、染着が起こり難く、充分な色濃度がで難く、且つ
経時によって著しい褪色現象を起こしてしまう。そのた
め、特開昭57−107885号公報や米国特許第36
01484号公報などに、熱可塑性樹脂を主成分とする
受像層を形成した受像シートが提案されている。熱可塑
性樹脂を主成分とする受像層を形成することによって、
記録感度や保存性は一応改良されるが、特に支持体が普
通紙の場合には、均一な受像層が得られず、記録感度、
画質ともに不十分であった。そのため、特開昭60−2
36794号公報、特開昭61−144394号公報等
に記載の如く、支持体と受像層との間に、熱可塑性樹脂
などの中間層を介在させ、印字の際に色材転写シートの
色材層と受像シートの受像層との密着を良くして、エア
ーギャップ等が生じないようにし、記録感度、画質とも
に向上させる方法が提案されている。また、この中間層
を特定の熱可塑性樹脂よりなる樹脂微粒子で構成し、さ
らに画質を改善することも提案されている(特開昭63
−87286号公報、特開昭64−27996号公報、
特開平1−136784号公報、特開平2−13929
3号公報)が、いずれも満足すべき優れた画質を得るに
は至っていないのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明者等は有色の色材を熱転移させる記録方式において
有用な、熱転写記録用受像シートの改良について鋭意研
究の結果、記録感度が極めて高く、解像度、鮮明度、色
濃度、ドット抜け等において極めて優れた高画質の記録
像を与える受像シートを完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に、
色材転写シートからの転写像を受理する受像層を設けて
なる熱転写記録用受像シートにおいて、該受像層が、熱
可塑性樹脂微粒子凝集体を含有し、且つ該凝集体の平均
粒子径が0.1〜40μmであることを特徴とする熱転
写記録用受像シートである。
【0008】
【作用】本発明の受像シートにおいて、受像層を構成す
る熱可塑性樹脂微粒子凝集体とは、樹脂微粒子が、互い
の吸引力によって会合し、微粒子状の凝集体を形成した
ものを意味し、少なくとも一方の樹脂微粒子が熱可塑性
を有する必要がある。かかる凝集体を構成する樹脂微粒
子としては、ビニル系樹脂粒子に代表される重合系樹脂
微粒子、ポリエステル系、ポリアミド系、尿素系、メラ
ミン系等に代表される縮合系樹脂微粒子、ポリウレタン
系、エポキシ系等に代表されるポリ付加系樹脂微粒子等
があり、それらは乳化重合法、懸濁重合法、樹脂生成時
の球晶形成等によって樹脂を製造する際に直接製造する
方法、湿式粉砕する方法、非溶媒中で液中造粒する方
法、湿式粉砕する方法、凍結粉砕する方法等、任意の方
法で微粒子化され、球形、ダルマ、まゆ玉形、金平糖
形、円板形、ドーナツ形、異相形、不定形等、任意の形
で利用される。
【0009】これら凝集体を構成する樹脂微粒子は、表
層と内部層が均質である必要はなく、シード重合法等を
利用した複層構造微粒子や、内部層に気体類、液体類、
ワックス類、固体類等を含有したいわゆるカプセル状微
粒子等の利用も可能であり、また、凝集体形成のため表
面電荷を有する樹脂微粒子は好ましく用いられる。
【0010】樹脂微粒子に表面電荷を付与する方法とし
ては、樹脂形成材料の少なくとも1成分として、カルボ
キシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、あるいは
それらの塩等のアニオン性基か、第1級ないし第3級の
カチオン性基を有する材料を用いる方法、高分子反応に
よりイオン性基を化学結合により導入する方法、アニオ
ン性、カチオン性あるいは両性のイオン性界面活性剤お
よび/又はイオン性オリゴソープ等を表面吸着させる方
法等、種々の方法が知られており、任意に選択しかつ必
要により適宜複数種の方法を組み合わせての利用も可能
である。
【0011】これら樹脂微粒子は会合体形成のため、例
えば表面電荷を有する樹脂微粒子の少なくとも1種、及
び反対電荷を有する樹脂微粒子の少なくとも1種を選択
し、必要によりpH等を調節して攪拌混合することによ
り凝集体とする方法、片方の樹脂微粒子存在下、他方の
樹脂微粒子を生成させ凝集体を形成せさる方法等任意の
方法の利用が可能であり、ゼータ電位樹脂微粒子の混合
割合、混合時の攪拌剪断力等により得られる樹脂微粒子
凝集体の二次粒子径を任意にコントロールして利用され
る。
【0012】本発明において、樹脂微粒子凝集体は熱可
塑性を有する必要があり、少なくとも一方として熱可塑
性樹脂微粒子を選択する必要がある。他方、支持体上へ
の塗布乾燥後も微粒子状態を維持する必要があるため、
少なくとも一方は常温以上、好ましくは40℃以上の軟
化点(ガラス転移点)を有するもの、もしくは使用温度
で非軟化性のものが選択使用される。
【0013】本発明の受像シートでは、かくして得られ
た樹脂微粒子凝集体を受像層の必須成分とするものであ
るが、特に色材転写シートとして熱昇華性染料を利用し
た記録方式では、熱可塑性樹脂微粒子しとしてポリ縮合
系および/又はポリ付加系樹類の使用は、熱転移してき
た染料の染着能に優れるため好ましく、中でもポリエス
テル系樹脂は、染着能に優れると供に保存性にも優れる
ため、特に好ましく用いられる。特にスルホン酸塩基を
含有するポリエステル系樹脂微粒子を選択的に使用し、
これに反対電荷を有するビニル系モノマー類を重合して
製造される樹脂微粒子凝集体は、安定で粒子径の均一な
水性分散体として得られれるため、本発明の効果がとり
わけ顕著である。そのため、以下に詳細に説明する。
【0014】即ち、ポリエステル系樹脂は、例えば以下
にで示す酸、あるいはその無水物や低級アルキルエス
テルの一種以上と、以下にで示すグリコール、あるい
はポリエステルやコポリエステルの製造時にグリコール
として作用する物質の一種以上を縮合して製造される。
そして、スルホン酸塩基を含有するポリエステル系樹脂
は、上記の如き樹脂形成材料に、さらに以下にで示す
スルホン酸塩基含有共縮合成分の一種以上を併用して製
造される。
【0015】:酸類としては、例えばテレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸類、ビフェニルジカルボン
酸類、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸、トリメシン酸等の芳香族カルボン
酸やアジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪
族カルボン酸等の有機酸、あるいはその無水物や低級ア
ルキルエステル等が挙げられる。
【0016】:グリコール類としては、例えばエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−
1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プーパ
ンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プーパ
ンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プ
ーパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘ
キサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメ
チル−1,3−シクロブタンジオール、4,4′−チオ
ジフェノール、4,4′−メチレンジフェノール、4,
4′−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,
4′−ジヒドロキシジフェノール、p−ジヒドロキシベ
ンゼン、4,4′−イソプロピリデンジフェノール、
4,4′−イソプロピリデン−ビス(2,6−ジクロロ
フェノール)、2,5−ナフタレンジオール、p−キシ
レンジオール等が挙げられる。
【0017】:スルホン酸塩基含有共縮合成分として
は、例えばスルホナトリウムフタル酸、スルホカリウム
フタル酸、スルホナトリウムテレフタル酸、スルホカリ
ウムテレフタル酸、スルホナトリウムイソフタル酸、ス
ルホカリウムイソフタル酸、3−スルホナトリウムアジ
ピン酸、2−スルホナトリウムビスフェノールA、3−
スルホカリウムビスフェノールA、3−スルホナトリウ
ム−1,6−ヘキサンジオール等や、これらの低級アル
キルエステル等が挙げられる。なお、ポリエステル系樹
脂は、2種以上を併用してもよく、溶融状態や溶液状態
でアミノ樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物等
と混合して使用してもよい。またその一部をこれらの化
合物と反応させて使用してもよい。
【0018】反対電荷を有するビニル系モノマー類とし
ては、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
2−N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、2−N,N−ジプロピルアミノ(メタ)アクリレー
ト、2−N−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、2−(4−モルホリノ)−エチル(メタ)アク
レート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、ア
ミノスチレン等が挙げられ、適宜1種以上を選択し、必
要により更に公知の非イオン性モノマー類を併用使用し
て付加重合させることにより樹脂微粒子とされ使用する
方法、又は、前記したポリエステル径樹脂微粒子の水性
分散体存在下、前記したビニル系モノマー類を添加し、
重合反応を進めながら、樹脂微粒子凝集体として利用す
る方法等の方法で使用される。この時、重合条件は、常
法に従って適宜調節されるが、例えば樹脂微粒子のガラ
ス転移点(Tg)以上の温度で重合すると球状の樹脂微
粒子凝集体が得られ、又、重合温度を下げることによ
り、多孔質の樹脂微粒子凝集体を得ることができる。な
お、樹脂微粒子の溶剤や可塑剤を併用すると、見掛けの
ガラス転移点(あるいは軟化点)が低下し、比較的低い
温度で重合しても、球状の樹脂微粒子凝集体とすること
も可能である。
【0019】本発明の受像シートでは、かくして得られ
た樹脂微粒子凝集体は、水性媒体中の分散体としてその
ままの形で使用されるか、濾過、凍結乾燥、噴霧乾燥等
の方法で乾燥粉体として取り出して使用され、受像層を
形成するが、この時、熱可塑性樹脂微粒子凝集体の多く
は自己接着能を有しているため、必要に応じて加熱加圧
処理する等して支持体上に保持接着させることもでき
る。又、該熱可塑性樹脂微粒子凝集体の水性分散体に、
必要に応じてバインダー類、助剤類等を配合して調製し
た塗液を支持体上に塗布乾燥する方法で受像層を形成す
る方法が一般的である。なお、その際、勿論2種以上の
熱可塑性樹脂微粒子凝集体を併用しても良い。
【0020】バインダー類としては、例えば変性澱粉、
カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルロ
ーズ、メチルセルローズ、カゼイン、ゼラチン、天然ゴ
ム等の天然あるいは半合成高分子、ポリビニルアルコー
ル、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリ
ジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピ
レン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライ
ド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メ
チルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、
ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリアミド類、スチ
レン・ブタジエン系、メチルメタクリレート・ブタジエ
ン・マレイン酸系等の合成ゴムラテックス等の合成高分
子等のような、所謂コーティング用バインダー類が挙げ
られる。なかでも、記録エネルギー域で熱可塑性を呈す
るバインダー類が好ましく使用され、中でもスチレン、
ビニルトルエン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、アクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニル等
のビニル系モノマー類の重合体や共重合体、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン等の
縮合系重合体、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等のポ
リ付加系重合体、及びセルローズエステル系樹脂類等
は、昇華性染料に対して効果的な染着能を有するため特
に好ましい。
【0021】また、各種の助剤としては、例えば筆記性
向上等の目的で炭酸カルシウム、タルク、カオリン、酸
化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、尿素・ホル
ムアルデヒド樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子、グアナ
ミン樹脂微粒子等の無機や有機の顔料類、色調や白色度
をコントロールするための染料類、保存性を改良するた
めの紫外線吸収剤や酸化防止剤、受像シートの表面特性
を改良するための帯電防止剤、離型剤、滑剤、塗抹適性
を付与するための分散剤、湿潤剤、消泡剤等を添加する
ことができる。
【0022】これらバインダー類、および/又は各種の
助剤類は適宜選択され、受像層の必須成分である熱可塑
性樹脂微粒子凝集体の作用効果を損なわない範囲で使用
され、受像層を形成するが、これら受像層を形成する構
成成分の支持体上への塗工量は、受像シートの使用目的
等に応じて適宜調節され、一般的には乾燥重量で1〜1
5g/m2 程度塗工される。
【0023】なお、本発明の受像シートにおいて、受像
層形成後、例えばスーパーキャレンダー、グロスキャレ
ンダー、キャストドラム等による加熱・加圧処理によっ
て平滑化処理を施すと、得られる受像シートの記録感度
を一層高めることができる。その際受像層の必須成分で
ある熱可塑性樹脂微粒子凝集体の平均粒子径が0.1μ
mに満たないと、平滑化処理の効果が少なく、逆に40
μmを越えると、塗工適性のみならず平滑化処理の効果
も期待できない。本発明は熱可塑性樹脂微粒子凝集体の
なかでも平均粒子径が0.1〜40μmのものを用いる
ことが特徴である。なかでも、熱可塑性樹脂微粒子凝集
体の平均粒子径を0.2〜20μm程度の範囲に調節す
ると記録濃度および画質が極めて優れたものが得られる
ので好ましい。
【0024】支持体としては普通紙、合成紙、合成樹脂
フィルム等が適宜使用できるが、熱特性に優れているた
め普通紙の使用が好ましい。また、ここでいう普通紙と
は、例えばセルローズパルプを主成分とし、紙力増強
剤、サイズ剤、定着剤、無機や有機の填料等を添加し
て、普通に抄造して得られた紙、およびこれに酸化澱粉
等をサイズプレスしたり、クレー等の顔料を主成分とす
るプレコート層を設けて表面物性を改良した紙等が含ま
れるが、アート紙、コート紙、キャストコート紙等のよ
うに、表面の平滑性に優れた紙が特に好ましく用いられ
る。
【0025】なお、これらの支持体には、中間層を設け
る前や後に、例えば接着性、バリヤー性、クッション
性、平滑性、隠蔽性等をコントロールするために、アン
カーコート層を設けたり、薄膜フィルム基材をラミネー
トしたり、貼り合わせることも可能である。
【0026】かくして得られる本発明の熱転写記録用受
像シートは、極めて優れれた性能を発揮するものであ
り、記録感度に優れており、解像度、鮮明度、色濃度、
ドット抜け等において極めて優れた高画質の記録像が得
られるものである。このように優れた作用効果の得られ
る理由については、必ずしも明らかではないが、受像層
の必須成分である熱可塑性樹脂微粒子凝集体が、熱転写
記録時にその特性を発揮し、記録ヘッドからの熱伝達を
均質にコントロールすると共に、色材転写シートと受像
シートとの密着性を高めるためではないかと推測され
る。
【0027】また、本発明の熱転写記録用受像シート
は、例えば熱印字ユニット等の熱板、サーマルヘッド等
により接触加熱する熱記録方式のみならず、赤外線ラン
プ、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー等の熱線輻射に
よる非接触加熱方式による熱記録等にも有用である。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また特に断らない限り、例中の「部」および「%」は、
それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
【0029】実施例1〜10,比較例1 攪拌機、温度計、窒素吹込装置付の反応容器中に、ジメ
チルテレフタレート94部、ジメチルイソフタレート9
5部、エチレングリコール89部、ネオペンチルグリコ
ール80部、およびテトラブトキシチタネート0.1部
を仕込み、190〜220℃で3時間エステル交換反応
を行った後、5−スルホナトリウムイソフタール酸6.
7部を加え、さらに220〜250℃に温度保持した
後、減圧下(1mmHg)で1時間縮合反応を行うことによ
り、スルホン酸塩基含有ポリエステル樹脂(Tg;59
℃,スルホン酸塩基含量;0.12当量/1Kg)を得
た。
【0030】得られた樹脂34部をブチルセロソルブ1
0部に110℃で溶解した後、蒸留用フラスコに入れ、
留分温度が100℃に達するまで蒸留し、冷却後脱イオ
ン水25部を加えて、平均粒子径0.08μmの樹脂微
粒子の水性分散体を得た。次いで、攪拌機、温度計、充
填塔付の反応容器中に、上で得た樹脂微粒子の水性分散
体とジメチルアミノエチルメタアクリレートを入れ、表
1に示すように重合条件を変化させ、粒子径の異なった
熱可塑性樹脂微粒子凝集体の水性分散体を得た。なお重
合開始剤には過硫酸アンモニウムを使用し、0.2%水
溶液として滴下した後、表1に示すように熟成を行っ
た。
【0031】かくして得られた11種類の熱可塑性樹脂
微粒子凝集体100部(固型分)に対し、市販の水性ポ
リエステル樹脂(商品名;バイロナールMD−120
0,固型分濃度34%,東洋紡績社製)100部を加え
受像層用塗液とした。
【0032】別にポリビニルアルコール(商品名;PV
A205,クラレ社製)の10%水溶液100部に、熱
硬化性樹脂粒子(商品名;エポスターMS,日本触媒社
製)20部を分散させて得たアンカーコート層用塗液を
調製し、市販の上質紙(坪量85g/m2 ,神崎製紙社
製)上に乾燥重量が10g/m2 となるように塗布乾燥
して得た支持体上に、上で得た受像層用塗液を乾燥重量
が8g/m2 となるように塗布乾燥して受像層を形成し
た。その後、鏡面仕上げした金属ロールと弾性ロールか
らなるスーパーカレンダーで平滑化処理(線圧200Kg
/cm)を行った。
【0033】別に、飽和ポリエステル樹脂100部、ア
ミノ変性シリコーンオイル1.5部、エポキシ変性シリ
コーンオイル1.5部をメチルエチルケトン/トルエン
(重量比1/1)中に溶解混合し、固型分濃度15%の
塗液を調製し、上で得た受像層上に乾燥重量で1.5g
/m2 塗布乾燥し、100℃で2分間加熱硬化処理を行
い、11種類の熱転写記録用受像シートを得た。
【0034】比較例2 熱可塑性樹脂微粒子凝集体に替え、凝集体形成に用いた
平均粒子径0.08μmの樹脂微粒子をそのまま用いた
以外は、実施例1〜10と全く同様に実施して熱転写記
録用受像シートを得た。
【0035】かくして得られた12種類の熱転写記録用
受像シートについて、以下の品質比較テストを行い、そ
の結果を表1に記載した。
【0036】即ち、青色熱昇華性染料(商品名:KST-B-
714,日本化薬社製)4部、ポリビニルブチラール樹脂
(商品名:エスレックスBX-1,積水化学工業社製)4部
を、メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1)1
00部中に溶解して色材層形成用インキを調製した。そ
して、背面に耐熱処理を施した厚さ6μmのポリエステ
ルフィルム上に、このインキを乾燥重量が1g/m2
なるように塗布乾燥して色材転写シートを作成した。
【0037】次に、この色材転写シートと熱転写記録用
受像シートの塗布面を重ね合せ、色材転写シートの背面
から、感熱ヘッドにより熱を印加(12V,4〜16m
s)し、受像シートの受像層面上に熱転写記録像を形成
した。そして、各受像シートと記録像について、記録濃
度と画質を下記の方法で評価した。
【0038】〔評価方法〕 (記録濃度)マクベス濃度計(RD−914)を使用し
て、印加パルス巾4、7、10、13、16msの5点
について記録濃度を測定した。
【0039】(画質)ハイライト部(7ms)の画像を
25倍ルーペで観察し、ドットの再現性とドット抜けを
目視判定し、下記の評価基準に基づきそれぞれ評価し
た。 (評価基準) A:ドット抜けがなく、ドット再現性が良好。 B:ドット抜けが少し認められるが、実用上の問題はな
い。 C:ドット抜けが目立ち、実用性に難点がある。 D:ドット抜け、再現性共に悪く、実用性が全くない。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
の実施例で得られた熱転写記録用受像シートでは、記録
感度に優れており、極めて鮮明で色濃度の高い記録画像
が得られるのみならず、画質も極めて優れていた。
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【作用】本発明の受像シートにおいて、受像層を構成す
る熱可塑性樹脂微粒子凝集体とは、樹脂微粒子が、互い
の吸引力によって会合し、微粒子状の凝集体を形成した
ものを意味し、少なくとも一方の樹脂微粒子が熱可塑性
を有する必要がある。かかる凝集体を構成する樹脂微粒
子としては、ビニル系樹脂粒子に代表される重合系樹脂
微粒子、ポリエステル系、ポリアミド系、尿素系、メラ
ミン系等に代表される縮合系樹脂微粒子、ポリウレタン
系、エポキシ系等に代表されるポリ付加系樹脂微粒子等
があり、それらは乳化重合法、懸濁重合法、樹脂生成時
の球晶形成等によって樹脂を製造する際に直接製造する
方法非溶媒中で液中造粒する方法、湿式粉砕する方
法、凍結粉砕する方法等、任意の方法で微粒子化され、
球形、ダルマ、まゆ玉形、金平糖形、円板形、ドーナツ
形、異相形、不定形等、任意の形で利用される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】これら樹脂微粒子は会合体形成のため、例
えば表面電荷を有する樹脂微粒子の少なくとも1種、及
び反対電荷を有する樹脂微粒子の少なくとも1種を選択
し、必要によりpH等を調節して攪拌混合することによ
り凝集体とする方法、片方の樹脂微粒子存在下、他方の
樹脂微粒子を生成させ凝集体を形成せさる方法等任意の
方法の利用が可能であり、ゼータ電位樹脂微粒子の混
合割合、混合時の攪拌剪断力等により得られる樹脂微粒
子凝集体の二次粒子径を任意にコントロールして利用さ
れる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本発明の受像シートでは、かくして得られ
た樹脂微粒子凝集体を受像層の必須成分とするものであ
るが、特に色材転写シートとして熱昇華性染料を利用し
た記録方式では、熱可塑性樹脂微粒子しとしてポリ縮合
系および/又はポリ付加系樹類の使用は、熱転移してき
た染料の染着能に優れるため好ましく、中でもポリエス
テル系樹脂は、染着能に優れるとに保存性にも優れる
ため、特に好ましく用いられる。特にスルホン酸塩基を
含有するポリエステル系樹脂微粒子を選択的に使用し、
これに反対電荷を有するビニル系モノマー類を重合して
製造される樹脂微粒子凝集体は、安定で粒子径の均一な
水性分散体として得られれるため、本発明の効果がとり
わけ顕著である。そのため、以下に詳細に説明する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】反対電荷を有するビニル系モノマー類とし
ては、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
2−N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、2−N,N−ジプロピルアミノ(メタ)アクリレー
ト、2−N−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、2−(4−モルホリノ)−エチル(メタ)アク
レート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、ア
ミノスチレン等が挙げられ、適宜1種以上を選択し、必
要により更に公知の他のモノマー類を併用使用して付加
重合させることにより樹脂微粒子とされ使用する方法、
又は、前記したポリエステル径樹脂微粒子の水性分散体
存在下、前記したビニル系モノマー類を添加し、重合反
応を進めながら、樹脂微粒子凝集体として利用する方法
等の方法で使用される。この時、重合条件は、常法に従
って適宜調節されるが、例えば樹脂微粒子のガラス転移
点(Tg)以上の温度で重合すると球状の樹脂微粒子凝
集体が得られ、又、重合温度を下げることにより、多孔
質の樹脂微粒子凝集体を得ることができる。なお、樹脂
微粒子の溶剤や可塑剤を併用すると、見掛けのガラス転
移点(あるいは軟化点)が低下し、比較的低い温度で重
合しても、球状の樹脂微粒子凝集体とすることも可能で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 浩 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神崎 製紙株式会社神崎工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、色材転写シートからの転写像
    を受理する受像層を設けてなる熱転写記録用受像シート
    において、該受像層が、熱可塑性樹脂微粒子凝集体を含
    有し、且つ該凝集体の平均粒子径が0.1〜40μmで
    あることを特徴とする熱転写記録用受像シート。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂微粒子凝集体を構成する少な
    くとも1成分が、ポリ縮合系および/又はポリ付加系樹
    脂から成ることを特徴とする請求項1記載の熱転写記録
    用受像シート。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂微粒子凝集体を構成する少な
    くとも1成分が、ポリエステル系樹脂であることを特徴
    とする請求項1記載の熱転写記録用受像シート。
JP4076447A 1991-12-26 1992-03-31 熱転写記録用受像シート Pending JPH05278352A (ja)

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