JPH05271082A - 高凝固活性血漿、その製造方法及び装置 - Google Patents

高凝固活性血漿、その製造方法及び装置

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JPH05271082A
JPH05271082A JP4071090A JP7109092A JPH05271082A JP H05271082 A JPH05271082 A JP H05271082A JP 4071090 A JP4071090 A JP 4071090A JP 7109092 A JP7109092 A JP 7109092A JP H05271082 A JPH05271082 A JP H05271082A
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JP
Japan
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plasma
laci
coagulation
blood
highly
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JP4071090A
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Yukiya Koike
行也 小池
Koji Suzuki
宏治 鈴木
Kazuhiko Soma
和彦 相馬
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高凝固活性血漿の提供。 【構成】 LACIを実質的に含有しない高凝固活性血
漿。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い凝固能を有する血
漿に関するものである。さらに詳しくは、リポプロテイ
ン結合性凝固系インヒビター(Lipoprotein Associated
CoagulationInhibitor;以下LACIと呼ぶ)を実質
的に含有しないヒト血漿に関するものである。
【0002】該血漿は、凝固能が低下した、あるいは低
下している患者(例えば血友病など)の病態の改善、治
療等に有効と考えられる。また血液の生化学的研究分
野、例えば外因系の血液凝固の調節機構の解析や作用メ
カニズムの解明に有効な材料となるものと考えられる。
【0003】
【従来の技術】正常な血液は、血管の中では固まらず、
血管が破損し、外に流出すると固まる(凝固)。これは
生態の防御機構のうち重要なものの1つである。しかし
ながら、血管外に出た血液でも凝固しにくいもの、凝固
しないものが知られている。その例としては血友病患者
の血液をあげることができる。この病態は、主として血
液中のFactor VIII (第8因子)が遺伝的に欠損してい
るためであると考えられている。治療としてはFactor V
III を補充し、凝固能を高めて行く方策がとられている
が、該因子が先天的に欠損しているために、投与したFa
ctor VIII 蛋白を異物として認識し、中和抗体が出来て
くることが問題点として明らかになってきている。
【0004】一方、血液中の凝固阻害因子が欠損した患
者では血栓性の患者が発症し易くなっていることが従来
知られている。そのような患者を見つけることによって
逆に、該凝固阻害因子の生体内における調節のメカニズ
ム等の重要な知見が得られてきている。
【0005】
【発明の構成】本発明者らはこれらの点に着目し、ヒト
血漿中から実質的にLACIを除去することによって、
該血漿の抗凝固作用が著明に減少し、高い凝固活性が発
現しうることを初めて見出した。即ち本発明は先ず、実
質的にLACIを含有しない、高凝固活性を有する血漿
である。従来、先天的に血中のLACIが欠損した患者
は世界的に見つかっておらず、LACIの生体内での詳
細な作用や病態との関連性は明確になっていない。従っ
て本発明の血漿はLACIの生理作用の解明やLACI
と病態との解析にとって非常に重要な意味を持つものと
考えられる。また、ウサギ・ラット等の動物の血中のL
ACIを本発明の除去装置を用いて除去せしめれば、各
種病態モデルを作製し得ることができる。従って動脈硬
化や血栓症などの病態の改善に有効な薬効のスクリーニ
ング系が出来るものと考えられる。
【0006】また本発明によって製造される血漿は、上
記のような特性を有することから、各種病態(例えば動
脈硬化や血栓症など)の素因の生化学的な解明に有効に
なるものと考えられる。
【0007】次に、本発明は実質的にLACIを含ま
ず、高凝固活性を有する血漿を製造する方法に関するも
のである。
【0008】血漿中のLACIを除去する第一の方法と
しては、本発明者らによって先に見出されたモノクロー
ナル抗体の少くとも1種を不溶性担体固体(例えばフォ
ロファイバー等)に固定化せしめた、LACIに対する
選択的吸着体を構成要素とする装置が有効であるものと
考えられる。
【0009】血漿中のLACIを除去する第二の方法と
しては、前記モノクローナル抗体をまたは、そのキメラ
抗体、ヒト型抗体を生体内に投与することで血液中のL
ACIを減少、除去せしめる方法も考えられる。
【0010】LACIに対する選択的吸着体に用いられ
るモノクローナル抗体については、特願平3−3114
42号、特願平3−339560号、特願平3−341
839号)に詳細に記載されており、本明細書にそれら
を引用する。
【0011】次に本発明における高凝固活性を有する血
漿の製造法について詳細に説明する。
【0012】A.LACIに対する選択的吸着体の作製 不溶性固体担体に化学的な架橋剤(例えば臭化シアン;
CNBr)を付加した物質に、LACIのクーニッツ部
位(K1〜K3)を認識するモノクローナル抗体(前記
3件の出願明細書参照)の1種を固定化させ、LACI
に対する選択的吸着体を得る。
【0013】本発明における選択的吸着体に用いられる
不溶性固体担体としては、種々のものが使用できるが、
例えば材質としてアガロース、ポリアクリルアミド、セ
ルロース、デキストラン、マレイン酸ポリマー、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、テトランなど、あ
るいはこれらの混合物が好ましく用いられる。これら不
溶性固体担体の形状としては、粉末状、粒状、ペレット
状、ビーズ状、フィルム状、繊維状など種々の形態であ
ることができる。
【0014】化学的架橋剤としては、抗体がLACIと
の特異的結合能を損うことなく、不溶性固体担体に固定
化されるのに好ましいものが良い。例えば臭化シアン
(CNBr)、エポキシ基、チオプロピル基、チオール
基などの官能基あるいはそれらの活性化された基が適し
ているが、それ以外でも抗体が不溶性固体担体から容易
に離脱しにくいものであれば使用できる。
【0015】B.LACIに対する選択的吸着体を用い
る高凝固活性血漿の製造 LACIに対するモノクローナル抗体を適当な不溶性担
体(例えばセファロース)に化学的にリガンドとして結
合させ、これをカラムに詰めた吸着体を適当な緩衝液
(例えば50mMトリス緩衝液pH7.4、0.15M
NaCl)によって平衡化する。この吸着体に採血貯
蔵血液を公知の血球成分分離法に従い処理して得られた
ヒト血漿を通せしめ、血漿中のLACIを吸着させる。
吸着体を素通りしてきた血漿中のLACIの有無、含量
は本発明者らによって先に提案したLACIの検出系
(特願平3−339560号明細書に記載)によって確
認、測定できる。さらに該血漿にTF(ティッシュ・フ
ァクターあるいはトロンボプラスチン)を添加後、血漿
が凝固するまでの時間を測定することにより、血漿の凝
固能を確認できる。
【0016】以上本発明によれば、血漿からLACIを
簡便な手段で短時間に分離・除去し、高凝固活性を有す
る血漿を製造することができる。
【0017】以下実施例を掲げて本発明を詳述する。
【0018】
【実施例1】LACIに対する選択的吸着体の作製 ブロムシアン(CNBr)活性化セファロース4Bの乾
燥ゲル0.5gをG3ガラスフィルター上で100mlの
1mM HClを用いて膨潤、洗浄し、更にカップリン
グバッファー(0.5M NaClを含む0.1M N
aHCO3 pH8.3)で洗浄した。カップリングバッ
ファーを吸引除去した後、直ちにゲルを抗体2A1H8
(LACIのN端から3番目のクーニッツ部位、K3を
認識)のカップリングバッファー溶液(3mg/ml)2ml
中に加えて懸濁させ、4℃で一夜ゆるやかに振盪した。
次にゲルを1Mエタノールアミン−HCl(pH8.
0、2ml)中に移し、室温で2時間振盪して残存する活
性基をブロックした。ブロッキング後、抗体結合セファ
ロースゲルをG3ガラスフィルター上で、0.5MNa
Clを含む0.1M酢酸バッファーpH4.0と0.5
M NaClを含む0.1Mホウ酸バッファーpH8.
0を交互に用いて洗浄した。濾液の280nmにおける
吸光度が0.01以下になったところで、20mM T
ris−HCl、0.15M NaCl、pH7.4で
ゲルを平衡化し、カラムに充填した。このようにしてL
ACIに対する選択的吸着体を調製した。
【0019】
【実施例2】LACI除去血漿の製造とその特性の評価 健常人血漿(Normal pooled plasma)4mlを実施例1の
吸着体に添加し、吸着体を素通る画分3.3mlを得た。
抗体を用いるELISAで調べたところ、該画分中には
LACIは全く検出されなかった。続いて、このLAC
I除去血漿(3.3ml)の凝固能について検討を行っ
た。
【0020】上記LACI除去血漿および健常人血漿を
各々100μlずつ試験管に入れ、37℃で2分間加温
した。いろいろな濃度の組織トロンボプラスチン溶液
(ベーリングベルケ(株)、トロンボレルS;ヒト胎盤
由来TF含有)200μlを加温した血漿に加え混合
後、すぐに血液凝固時間(PT)を、血液凝固測定装置
(Sysmex製、CA−100)を用いて測定した。結果を
まとめて図1に示す。健常人血漿においては、添加する
TF量を少なくすると凝固時間は延長した。一方、LA
CIを除去した血漿においては、TFの量に依存せず、
微量のTFによって凝固が起こり、凝固時間は健常人血
漿に比べて短く、かつほぼ一定であった。
【0021】すなわち、LACIを吸着体によって除去
した血漿は、「過凝固状態」にあり、極めて凝固が起こ
り易いことが判明した。
【0022】一方、LACIを除去した該血漿に精製し
たLACIを種々の濃度で添加していくとこの「過凝固
状態」は緩和され、LACIを100〜200ng/ml添
加するとほぼ健常人の血漿の特性に回復することを認め
た。
【0023】これらの解析の結果は、血液中のLACI
含量が低下あるいは欠損すれば、生体内で血液凝固が亢
進し、血栓が起こりやすくなることを示している。血栓
性の素因によって発症した動脈硬化やDIC(汎発生血
管内凝固症)、血栓症などの患者では、血中のLACI
含量が低下していることが予想される。これらの病態は
いわゆる血液が「過凝固状態」になっている。従ってこ
れらの疾患の改善、治療としては、LACI蛋白を補充
投与することが考えられ、血液中のLACI含量を正常
値に戻すことで過凝固状態が緩和され、血栓形成の抑制
が期待できる。
【0024】このように本発明における、高凝固活性血
漿は、各種病態の解析や血液凝固の生理的メカニズムの
解明に有効であるものと考えられる。
【0025】
【実施例3】Factor VIII (血液凝固第8因子)欠損血漿に及ぼす本
発明の高凝固活性血漿の効果 Factor VIII 欠損血漿と本発明の血漿(LACI除去血
漿)、あるいは健常人血漿を種々の割合で混合し、各々
100μlを試験管に入れ、37℃で2分間加温した。
生理食塩水で1/4に希釈した組織トロンボプラスチン
溶液(ベーリングベルケ(株)、トロンボレルS;ヒト
胎盤由来TF含有)200μlを加温した血漿に加えて
混合後、血漿凝固時間(PT)を、血液凝固測定装置
(Sysmex製、CA−100)を用いて測定した。結果を
まとめて図3に示す。
【0026】Factor VIII 欠損血漿と健常人血漿を混合
したものでは血漿凝固時間の短縮はほとんど認められな
かったが、一方本発明の血漿(LACI除去血漿)を混
合したものでは大幅な血漿凝固時間の短縮が認められ
た。
【0027】これらの結果から、本発明の血漿は輸血等
の方法により血友病(Factor VIIIが欠損している)の
患者の病態を改善できる可能性が示唆された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のLACI除去血漿の凝固活性を示し
たものである。
【図2】本願発明の血漿の、Factor VIII 欠損血漿に及
ぼす効果を示したものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リポプロテイン結合性凝固系インヒビタ
    ー(Lipoprotein Associated Coagulation Inhibitor;
    LACI)を実質的に含まない高凝固活性血漿。
  2. 【請求項2】 LACIのクーニッツ部位を認識して結
    合するモノクローナル抗体を用いて、血漿中のLACI
    を除去することを特徴とする高凝固活性血漿の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 LACIのクーニッツ部位を認識して結
    合するモノクローナル抗体を不溶性担体に固定化した、
    LACIに対する選択的吸着体から構成される高凝固活
    性血漿製造のための装置。
JP4071090A 1992-03-27 1992-03-27 高凝固活性血漿、その製造方法及び装置 Pending JPH05271082A (ja)

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