JPH05239491A - 単品香料及び該単品香料を含有する芳香性組成物 - Google Patents

単品香料及び該単品香料を含有する芳香性組成物

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JPH05239491A
JPH05239491A JP4346192A JP4346192A JPH05239491A JP H05239491 A JPH05239491 A JP H05239491A JP 4346192 A JP4346192 A JP 4346192A JP 4346192 A JP4346192 A JP 4346192A JP H05239491 A JPH05239491 A JP H05239491A
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JP
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fragrance
acid
perfume
enzyme
precursor substance
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JP4346192A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Tanaka
光昭 田中
Kunihiko Kotsuna
国彦 忽那
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Nippon Fine Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Fine Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製剤形態や用途に関係なく一定した香気力価
を長期に亘り持続できる単品香料及び該単品香料を含有
する芳香性組成物を提供することにある。 【構成】 単品香料において、該香料の全量乃至一部
を、酵素又は酸の作用により分解して該香料となる前駆
体物質の形態で配合すると共に、該前駆体物質を分解す
る酵素又は酸を配合したことを特徴とする単品香料及び
該単品香料を含有する芳香性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単品香料の改良及び改
良された該単品香料を含有する芳香性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、香料は、揮発度の異なる香料を
調合して、調合香料として使用されている。しかしなが
ら、最近、単一の香料を用いる単品香料が注目を浴びて
いる。
【0003】その場合、単一の香料を含む単品香料にお
いては、匂いの強さ(香気力価)を得るために、一般に
は揮発性の強いものを用いる必要があるが、揮発性の強
い香料は持続性に欠け、香気力価は時間の経過と共に著
しく変化してしまい、所定の芳香を一定して長期間持続
させることはできないという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製剤
形態や用途に関係なく一定した香気力価を長期に亘り持
続できる単品香料、及び該単品香料を含有する芳香性組
成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、単品香
料において、該香料の全量乃至一部を、酵素又は酸の作
用により分解して該香料となる前駆体物質の形態で配合
すると共に、該前駆体物質を分解する酵素又は酸を配合
したことを特徴とする単品香料及び該単品香料を含有す
る芳香性組成物に係るものである。
【0006】即ち、「本発明単品香料」とは、単品香料
の全量乃至一部を、酵素又は酸の作用により分解して該
香料となる前駆体物質の形態で配合すると共に、該前駆
体物質を分解する酵素又は酸とを配合されたことを特徴
とする。
【0007】「酵素又は酸を配合する」とは、該前駆体
物質を含む香料と、混合して存在すること、及び別々に
存在して使用時に両者が接触できる状態で組み合わすこ
とを含む。
【0008】本発明者の研究によれば、上記の通り単品
香料において、該香料の全量乃至一部を前駆体物質の形
態で配合し、これを酵素又は酸と共に使用したときは、
該前駆体物質と酵素又は酸との緩やかな反応の進行に伴
って香料成分が徐々に揮散し、一定の香気力価を長期間
持続させ得ることが見出された。
【0009】単品香料として考えられる香料としては、
トップノート、ミドルノート及びベースノートのいずれ
かに属する香料が使用できるが、好ましくはトップノー
ト又はミドルノートに属する香料が揮発性の面で好まし
い。
【0010】上記トップノート、ミドルノート及びベー
スノートとは、香料を揮発度に従って分類したものであ
り、以下の内容で分類されている。
【0011】(1)トップノート 蒸気圧が高く、におい紙につけておくと2時間以内に揮
散して、後に匂いが残らないもの。
【0012】(2)ミドルノート 中程度の蒸気圧を有し、におい紙につけておくと2〜6
時間においが持続する程度のもの。
【0013】(3)ベースノート 蒸気圧が低く保留性に富み、6時間以上におい紙に匂い
が残るもの。
【0014】トップノートに属する香料としては、例え
ばリナロール、エチルアセテート、オクチルアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、青
葉アルコール、ギ酸フェニルエチル、樟脳、テルピノー
レン、d−リモネン、l−メントール(エル−メントー
ル)、3−オクテノール、テトラヒドロリナロール、ボ
ルネオール、イソブレゴール、ベンジルアルコール、ジ
メチルベンジルカルビノール、メチルフェニルカルビノ
ール、ジメチルフェニルカルビノール等が挙げられる。
【0015】またミドルノートに属する香料としては、
例えばテルピネオール、ゲラニオール、シトロネロー
ル、シトロネラール、デシルアルデヒド、ベンジルアセ
テート、シトラール、オイゲノール、フェニルエチルア
セテート、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテー
ト、テルピニルアセテート、アセトフェノン、チモー
ル、イソオイゲノール、ボルニルアセテート、ベンジル
プロピオネート、9−デセノール、ネロール、ロジノー
ル、ジメチルオクタノール、ラバンジュロール、ムゴー
ル、ミルセノール、テトラヒドロムゴール、β−フェニ
ルエチルジメチルカルビノール、β−フェニルエチルメ
チルエチルカルビノール、フェノキシエチルアルコール
等が挙げられる。
【0016】またベースノートに属する香料としては、
例えばγ−ウンデカラクトン、エチルメチルフェニルグ
リシデート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、フェニ
ルエチルアルコール、ムスコン、シベトン、メチルヨノ
ン、ヨノン、cis−ジャスモン、バニリン、シンナミ
ックアルコール、サイクラメンアルデヒド、ファルネソ
ール、ヒドロキシシトロネロール、ボルニルメトキシシ
クロヘキサノール、ノボール、ネロリドール、サンタロ
ール、サンダロール、セドロール、ベチペロール、パチ
ュリアルコール、インドール、スカトール、アニスアル
コール、γ−フェニルプロピルアルコール、α−アミル
シンナミックアルコール、フェニルグリコール、第3級
ブチルシクロヘキサノール、安息香酸、桂皮酸、ヒドロ
桂皮酸、フェニル酢酸、2−メチルテトラヒドロキノリ
ン、6−メチルキノリン等が挙げられる。
【0017】本発明においては、上記単品香料におい
て、該香料の全量乃至一部を、酵素又は酸により分解し
て香料成分を生成する前駆体の形態として、酵素又は酸
と共に配合する。
【0018】本発明における前駆体物質としては、酵素
又は酸により分解し香料成分を生じるものであれば特に
制限されず、酵素の場合、公知の香料の配糖体、グリセ
ライド、アミノ酸若しくはペプチドの誘導体等を広く使
用でき、酸の場合は酵素の場合に加えて、更に公知の香
料の環状アセタール化合物等を広く使用することができ
る。これら前駆体物質は公知の物質であるか又は公知の
方法によって容易に製造される。
【0019】上記配糖体としては、例えばアルコール系
香料の配糖体等が使用でき、アルコール系香料を式R−
OHとすると一般式: G−O−R (1) (式中、Gはグリコシル残基を示す。)で表わすことが
できる。
【0020】上記一般式(1)中Gで示されるグリコシ
ル残基としては公知の各種の単糖類、オリゴ糖類、多糖
類等の糖類から得られるものを何れも使用できる。
【0021】上記単糖類としては、例えばグルコース、
ガラクトース、マンノース、グルコサミン、ガラクトサ
ミン、マンノサミン等の六炭糖類、アラビノース、キシ
ロース、リボース等の五炭糖類等を例示することができ
る。
【0022】オリゴ糖類としては、例えばシュークロー
ス、ラクトース、トレハロース、マルトース、セロビオ
ース、イソマルトース、ゲンチオビオース、ラミナリビ
オース、キトビオース、キシロビオース、マンノビオー
ス、ソホロース、マントトリオース、デンプン又はセル
ロース等の加水分解物等を例示することができる。
【0023】また、多糖類としては、例えばデンプン、
セルロース等を例示することができる。
【0024】これらの中でもグルコース、ガラクトー
ス、マンノース、グルコサミン、マルトース、ラクトー
スが特に好ましい。
【0025】アルコール系香料としては、例えば青葉ア
ルコール、3−オクテノール、9−デセノール、リナロ
ール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ロジ
ノール、ジメチルオクタノール、ヒドロキシシトロネロ
ール、テトラヒドロリナロール、ラバンジュロール、ム
ゴール、ミルセノール、テルピネオール、l−メントー
ル(エル−メントール)、ボルネオール、イソブレゴー
ル、テトラヒドロムゴール、ボルニルメトキシシクロヘ
キサノール、ノボール、ファルネソール、ネロリドー
ル、サンタロール、サンダロール、セドロール、ベチベ
ロール、パチュリアルコール、ベンジルアルコール、β
−フェニルエチルアルコール、γ−フェニルプロピルア
ルコール、シンナミックアルコール、アニスアルコー
ル、α−アミルシンナミックアルコール、ジメチルベン
ジルカルビノール、メチルフェニルカルビノール、ジメ
チルフェニルカルビノール、β−フェニルエチルジメチ
ルカルビノール、β−フェニルエチルメチルエチルカル
ビノール、フェノキシエチルアルコール、フェニルグリ
コール、第3級ブチルシクロヘキサノール等を例示する
ことができる。
【0026】上記グリセライドとしては、例えばグリセ
リンとカルボン酸系香料とのモノグリセライド、ジグリ
セライド又はトリグリセライド等を使用することができ
る。
【0027】上記カルボン酸系香料としては、例えば安
息香酸、桂皮酸、フェニル酢酸、ヒドロ桂皮酸等を例示
することができる。
【0028】また、アミノ酸もしくはペプチドの誘導体
としては、例えばアルコール系、カルボン酸系、アミン
系香料等のアミノ酸もしくはペプチドの誘導体を使用す
ることができ、アミノ酸又はペプチドを式:
【0029】
【化1】
【0030】で表わし、アルコール系香料、カルボン酸
系香料及びアミン系香料をそれぞれ式:R−OH、R−
COOH及びR−NH2で表わすとすると、次の一般式
で表わすことができる。
【0031】
【化2】
【0032】、
【0033】
【化3】
【0034】及び
【0035】
【化4】
【0036】上記アミノ酸又はペプチドは公知のものを
何れも使用できる。アミノ酸としては、例えばグリシ
ン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリ
ン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、
アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、
チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトフ
ァン、プロリン、オキシプロリン等を例示することがで
きる。またこれらのアミノ酸が2個以上結合したペプチ
ドも使用できる。
【0037】アルコール系及びカルボン酸系香料として
は、前記と同じものを例示でき、アミン系香料として
は、例えばインドール、スカトール、2−メチルテトラ
ヒドロキノリン、6−メチルキノリン等を例示すること
ができる。
【0038】上記環状アセタール化合物
【0039】
【化5】
【0040】は、例えばアルデヒド、ケトン等のカルボ
ニル化合物系香料
【0041】
【化6】
【0042】と分子中に近接する複数の水酸基を有する
ポリオール化合物
【0043】
【化7】
【0044】(nは2以上)とを反応させることによっ
て得られる。
【0045】上記アルデヒド系香料としては、n−ヘプ
チルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニル
アルデヒド、n−デシルアルデヒド、n−ウンデシルア
ルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、ドデシルアルデヒ
ド、メチルノニルアセトアルデヒド、n−トリデシルア
ルデヒド、n−テトラデシルアルデヒド、n−ヘキサデ
シルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シトロ
ネラール、ヒドロキシシトロネラール、ペリラアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フ
ェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、
α−アミルシンナミックアルデヒド、α−ヘキシルシン
ナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、クミンアルデ
ヒド、ヘリオトロピン、ヘリオナール、サイクラメンア
ルデヒド、p−第3級ブチル−α−メチルヒドロシンナ
ミックアルデヒド、サリチルアルデヒド、ヒドロトロパ
アルデヒド、バニリン、エチルバニリン、4−(4−ヒ
ドロキシ−4−メチルペンテル)−3−シクロヘキセン
−1−カルボキシアルデヒド、マイラックアルデヒド、
シトロネニルオキシアセトアルデヒド等が挙げられる。
【0046】上記ケトン系香料としては、メチル−n−
アミルケトン、エチル−n−アミルケトン、メチル−n
−ヘキシルケトン、メチル−n−ノニルケトン、メチル
ヘプテノン、ジアセチル、l−カルボン(エル−カルボ
ン)、d−カルボン、メントン、d−プレゴン、ピペリ
トン、樟脳、メチルセドリロン、アセトフェノン、p−
メチルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、
ベンゾフェノン、ベンジリデンアセトン、メチルナフチ
ルケトン、ヨノン、ダマスコン、ダマセノン、イロン、
エチルマルトール、ヒドロキシフラノン、ネロン、ヒド
ロキシフェニルブタノン、アニシルアセトン、ジャスモ
ン、ジヒドロジャスモン、ヌートカトン等が挙げられ
る。
【0047】上記ポリオール化合物としては、公知の各
種の単糖類、オリゴ糖類、多糖類等の糖類、多価アルコ
ール類等を挙げることができる。
【0048】上記単糖類としては、例えばグルコース、
ガラクトース、マンノース、グルコサミン、ガラクトサ
ミン、マンノサミン等の六炭糖類、アラビノース、キシ
ロース、リボース等の五炭糖類等を例示することができ
る。
【0049】オリゴ糖類としては、例えばシュークロー
ス、ラクトース、トレハロース、マルトース、セロビオ
ース、イソマルトース、ゲンチオビオース、ラミナリビ
オース、キトビオース、キシロビオース、マンノビオー
ス、ソホロース、マントトリオース、デンプン又はセル
ロース等の加水分解物等を例示することができる。
【0050】また、多糖類としては、例えばデンプン、
セルロース等を挙げることができる。
【0051】多価アルコール類としては、グリセリン、
ソルビトール、ペンタエリスリトール、トリメチロール
プロパン等を挙げることができる。
【0052】本発明は、単品香料において、該香料の全
量乃至一部を、前駆体物質の形態で配合することを必須
とする。また、必要に応じて複数の前駆体物質を組み合
わせて配合することもできる。
【0053】上記前駆体物質は、香料成分として通常の
処方と変わりなく種々の処方で用いられ得る。
【0054】一方、本発明において上記前駆体物質を分
解するのに使用される酵素としては、配合された前駆体
物質に作用し香料成分を生成させ得るものであれば特に
限定されることはなく、前駆体物質と組み合わせて用い
られる。本発明における酵素の代表的なものを下記に例
示する。
【0055】配糖体に作用し香料成分と糖を生成させる
もの:α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、リゾチーム、
α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、α−ガラク
トシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、α−マンノシダー
ゼ、β−マンノシダーゼ、β−フルクトフラノシダーゼ
等グリセライドに作用し香料成分とグリセリンを生成さ
せるもの:リパーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、コ
リンエステラーゼ等アミノ酸もしくはペプチドの誘導体
に作用し香料成分とアミノ酸又はペプチドを生成させる
もの:アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、
ジペプチダーゼ、パパイン、ペプシン、トリプシン、キ
モトリプシン等。
【0056】上記酵素の使用量としては、酵素反応を生
起させる量以上であれば特に制限されないが、通常前駆
体物質に対して0.01〜20重量%程度、より好まし
くは0.1〜10重量%程度とするのがよい。
【0057】また、本発明において上記前駆体物質を分
解するのに配合される酸としては、配合された前駆体物
質に作用し香料成分を生成させ得るものであれば特に限
定されることはなく、前駆体物質と組み合わせて用いら
れる。本発明における酸の代表的なものは、塩酸、硫
酸、硝酸、ピロ硫酸、リン酸、塩素酸、ケイ酸、チオシ
アン酸、ヨウ素酸等の無機酸、アジピン酸、サリチル
酸、安息香酸、リンゴ酸、酢酸、ギ酸、p−トルエンス
ルホン酸、イソ吉草酸、クエン酸、シュウ酸、トリクロ
ル酢酸、フルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、
ブロム酢酸、トリブロム酢酸、ベンゼンスルホン酸、マ
レイン酸、ヨード酢酸、フェニル酢酸、p−ニトロ安息
香酸、p−アミノ安息香酸、p−メトキシ安息香酸等の
有機酸を挙げることができる。
【0058】上記酸の使用量としては、酸との反応を生
起させる量以上であれば特に制限されないが、通常前駆
体物質に対して0.1〜200重量%程度、より好まし
くは1〜100重量%程度とするのがよい。
【0059】本発明において、前駆体物質と酵素又は酸
との組み合わせ或いは酵素又は酸の前駆体物質に対する
量によって、緩やかに反応が進行し、香料成分を徐放さ
せることができる。
【0060】本発明単品香料は、前駆体物質と酵素又は
酸とを分離した状態とし使用時に接触させて用いる二剤
型として配合してもよいし、両者を一剤型として配合し
てもよい。
【0061】本発明は、上記の本発明単品香料を含有す
る芳香性組成物にも係るものである。本発明芳香性組成
物は、上記本発明単品香料が配合され該香料に基づく芳
香を発する各種の組成物を包含する。
【0062】具体的には、例えば香水、オーデコロン、
シャンプー、リンス、石鹸、整髪料、洗口液、制汗剤等
の化粧品、清涼飲料、菓子、冷菓、乳製品、酒類、肉、
歯磨粉、タバコ等の食品、衣料用、台所用、住居用、風
呂用等の芳香剤、浴用剤、洗剤等を挙げることができ
る。
【0063】より具体的には、次のような適用例を例示
できる。
【0064】・本発明単品香料を構成する前駆体物質或
いは香料及び前駆体物質を含む液剤、粉剤、ゲル剤又は
錠剤である主剤と、酵素又は酸を含む液剤、粉剤、ゲル
剤又は錠剤である副剤との組み合わせによる芳香剤、浴
用剤、洗剤等。
【0065】・本発明単品香料を構成する前駆体物質或
いは香料及び前駆体物質を含む液剤を、酵素又は酸を固
定化した芯材又は揮散紙を通して揮発させる芳香剤。
【0066】本発明芳香性組成物において、本発明単品
香料に加えられる添加剤は、この種の芳香性組成物に通
常添加されるものであれば、特に限定されるものはな
い。
【0067】
【実施例】以下実施例及び比較例を示し、本発明の特徴
とするところをより一層明確なものとする。
【0068】尚、以下において「%」とあるのは、「重
量%」を意味する。
【0069】実施例1 青葉アルコールグルコシド 26.2 % 水 適 量 100 % 上記組成の液剤を、室温で10分間撹拌混合して調製し
た。
【0070】得られた液剤100gをボトルに入れ、芯
材を介して、予めα−グルコシダーゼ1.0gを添加し
た揮散紙を通して揮散させたときの香りを下記の基準で
官能評価を行なった。その結果を表1に示す。
【0071】比較例1 青葉アルコール 10.0 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10.0 % エタノール 5.0 % 水 適 量 100 % 上記組成の液剤を次のようにして調製した。
【0072】水を除く上記原料を室温で10分間攪拌混
合し、その後水を加えて更に10分間混合溶解させた。
【0073】この芳香剤100gをボトルに入れ、芯材
を介して、揮散紙を通して揮散させたときの香りを下記
の基準で官能評価を行なった。その結果を表1に示す。
【0074】実施例2 リナロール 5.0 % リナロニルグルコシド 10.3 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 5.0 % エタノール 5.0 % 水 適 量 100 % 上記組成の液剤を次のようにして調製した。
【0075】水を除く上記原料を室温で10分間攪拌混
合し、その後水を加えて更に10分間混合溶解させた。
【0076】得られた液剤100gをボトルに入れ、芯
材を介して、予めα−グルコシダーゼ1.0gを添加し
た揮散紙を通して揮散させたときの香りを下記の基準で
官能評価を行なった。その結果を表1に示す。
【0077】比較例2 リナロール 10.0 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10.0 % エタノール 5.0 % 水 適 量 100 % 上記組成の液剤を実施例2と同様にして調製した。
【0078】この芳香剤100gをボトルに入れ、芯材
を介して、揮散紙を通して揮散させたときの香りを下記
の基準で官能評価を行なった。その結果を表1に示す。
【0079】実施例3 ボルネオール 5.0 % ボルニルガラクトシド 10.3 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 5.0 % エタノール 5.0 % 水 適 量 100 % 上記組成の液剤を次のようにして調製した。
【0080】水を除く上記原料を室温で10分間攪拌混
合し、その後水を加えて更に10分間混合溶解させた。
【0081】得られた液剤100gをボトルに入れ、芯
材を介して、予め塩酸1.0gを添加した揮散紙を通し
て揮散させたときの香りを下記の基準で官能評価を行な
った。その結果を表1に示す。
【0082】比較例3 ボルネオール 10.0 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10.0 % エタノール 5.0 % 水 適 量 100 % 上記組成の液剤を実施例3と同様にして調製した。
【0083】この芳香剤100gをボトルに入れ、芯材
を介して、揮散紙を通して揮散させたときの香りを下記
の基準で官能評価を行なった。その結果を表1に示す。
【0084】実施例4 フェネチルグルコシド 23.3 % 寒天 1.5 % グリセリン 1.0 % α−グルコシダーゼ 1.0 % 水 適 量 100 % 上記組成の芳香剤を次のようにして調製した。
【0085】水、寒天、グリセリンを混合し、97℃で
30分間攪拌溶解した。溶解後、60℃まで冷却し、フ
ェネチルグルコシドを加え、更にα−グルコシダーゼを
添加後水を適量加えて100gに調整し、10分間混合
した。混合後、ゲル状芳香剤用容器に充填し冷却固化
し、揮散させたときの香りを下記の基準で官能評価を行
なった。その結果を表2に示す。
【0086】比較例4 フェニルエチルアルコール 10.0 % 寒天 1.5 % グリセリン 1.0 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10.0 % 水 適 量 100 % 上記組成の芳香剤を次のようにして調製した。
【0087】水、寒天、グリセリンを混合し、97℃で
30分間攪拌溶解した。溶解後、60℃まで冷却し、フ
ェニルエチルアルコール及びポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテルを加え、水を適量加えて100gに調
整し、10分間混合した。混合後、ゲル状芳香剤用容器
に充填し冷却固化し、ゲル状芳香剤を調製し、揮散させ
たときの香りを下記の基準で官能評価を行なった。その
結果を表2に示す。
【0088】実施例5 ゲラニオール 5.0 % ゲラニオールグルコシド 10.3 % 寒天 1.5 % グリセリン 1.0 % α−アミラーゼ 1.0 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 5.0 % 水 適 量 100 % 上記組成の芳香剤を次のようにして調製した。
【0089】水、寒天、グリセリンを混合し、97℃で
30分間攪拌溶解した。溶解後、60℃まで冷却し、ゲ
ラニオール、ゲラニオールグルコシド及びポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテルを加え、更にα−アミラ
ーゼを添加後水を適量加えて100gに調整し、10分
間混合した。混合後、ゲル状芳香剤用容器に充填し冷却
固化し、揮散させたときの香りを下記の基準で官能評価
を行なった。その結果を表2に示す。
【0090】比較例5 ゲラニオール 10.0 % 寒天 1.5 % グリセリン 1.0 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10.0 % 水 適 量 100 % 上記組成の芳香剤を次のようにして調製した。
【0091】水、寒天、グリセリンを混合し、97℃で
30分間攪拌溶解した。溶解後、60℃まで冷却し、ゲ
ラニオール及びポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルを加え、水を適量加えて100gに調整し、10分
間混合した。混合後、ゲル状芳香剤用容器に充填し冷却
固化し、揮散させたときの香りを下記の基準で官能評価
を行なった。その結果を表2に示す。
【0092】実施例6 青葉アルコール 15.0 % 青葉アルコールグルコシド 39.3 % α−グルコシダーゼ 5.0 % エタノール 10.0 % イソパラフィン 適 量 100 % 上記原料を室温で10分間攪拌混合して調製した。
【0093】混合した液剤10gを、直径約10cm、
厚さ約0.5cmの不織布に含浸させ、芳香剤を調製し
た。
【0094】この芳香剤から揮散させたときの香りを下
記の基準で官能評価を行なった。その結果を表2に示
す。
【0095】比較例6 実施例6において、青葉アルコール15.0%及び青葉
アルコールグルコシド39.3%に代えて青葉アルコー
ル30.0%を使用し、α−グルコシダーゼを使用しな
い以外は実施例6と同様にして、含浸された芳香剤を調
製し、揮散させたときの香りを下記の基準で官能評価を
行なった。その結果を表2に示す。
【0096】実施例7 桂皮酸 5.0 % 桂皮酸モノグリセライド 7.5 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 5.0 % エタノール 5.0 % 水 適 量 100 % 上記組成の液剤を次のようにして調製した。
【0097】水を除く上記原料を室温で10分間攪拌混
合し、その後水を加えて更に10分間混合溶解させた。
【0098】得られた液剤100gをボトルに入れ、芯
材を介して、予めクエン酸1.0gを添加した揮散紙を
通して揮散させたときの香りを下記の基準で官能評価を
行なった。その結果を表3に示す。
【0099】比較例7 桂皮酸 10.0 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10.0 % エタノール 5.0 % 水 適 量 100 % 上記組成の液剤を実施例7と同様にして調製した。
【0100】この芳香剤100gをボトルに入れ、芯材
を介して、揮散紙を通して揮散させたときの香りを下記
の基準で官能評価を行なった。その結果を表3に示す。
【0101】実施例8 メチル−n−アミルケトン 5.0 % 1,2,5,6−ジ−O−メチルヘキシリデン −d−グルコフラノース 12.1 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 5.0 % エタノール 5.0 % 水 適 量 100 % 上記組成の液剤を以下の様に調製した。
【0102】水を除く上記原料を室温で10分間攪拌混
合し、その後水を加えて更に10分間混合溶解させた。
【0103】得られた液剤100gをボトルに入れ、芯
材を介して、予め安息香酸1.0gを添加した揮散紙を
通して揮散させたときの香りを下記の基準で官能評価を
行なった。その結果を表3に示す。
【0104】比較例8 メチル−n−アミルケトン 10.0 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10.0 % エタノール 5.0 % 水 適 量 100 % 上記組成の液剤を実施例8と同様にして調製した。
【0105】この芳香剤100gをボトルに入れ、芯材
を介して、揮散紙を通して揮散させたときの香りを下記
の基準で官能評価を行なった。その結果を表3に示す。
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】
【0108】
【表3】
【0109】官能評価 〔方法〕得られた芳香剤を、室温25℃下、約2m3
無臭ボックス内におき、香気力価をパネラー6名により
評価した。尚、前記表1、表2及び表3中には、上記6
名の平均値として示してある。
【0110】〔評価基準〕 基 準 香気力価 5 強い 4 やや強い 3 どちらでもない 2 やや弱い 1 弱い
【0111】
【発明の効果】本願発明単品香料により、香料成分は徐
々に揮散し、一定の香気力価を長期間持続させることが
できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単品香料において、該香料の全量乃至一
    部を、酵素の作用により分解して該香料となる前駆体物
    質の形態で配合すると共に、該前駆体物質を分解する酵
    素を配合したことを特徴とする単品香料。
  2. 【請求項2】 単品香料において、該香料の全量乃至一
    部を、酸の作用により分解して該香料となる前駆体物質
    の形態で配合すると共に、該前駆体物質を分解する酸を
    配合したことを特徴とする単品香料。
  3. 【請求項3】 単品香料において、該香料の全量乃至一
    部を、酵素の作用により分解して該香料となる前駆体物
    質の形態で配合すると共に、該前駆体物質を分解する酵
    素を配合したことを特徴とする単品香料を含有する芳香
    性組成物。
  4. 【請求項4】 単品香料において、該香料の全量乃至一
    部を、酸の作用により分解して該香料となる前駆体物質
    の形態で配合すると共に、該前駆体物質を分解する酸を
    配合したことを特徴とする単品香料を含有する芳香性組
    成物。
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