JPH0523762A - タレツトパンチプレスのマルチツール用金型ホルダ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホルダ構造が規格化され、金型の保有数が増
加され、金型交換時間が削減され、その加工時間が短縮
されることを目的とする。 【構成】 １個の大口径用パンチまたは複数個のマルチ
ツールを装着可能とする金型ホルダと、タレットパンチ
プレスのプレス駆動手段により上下動すると共に、前記
大口径用パンチまたはマルチツールを打圧するべくシフ
トする２位置決め手段を有するストライカと、前記金型
ホルダに設けられ前記大口径用パンチのインデクス用ま
たは前記マルチツールの選択手段とする自動インデック
ス装置とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金型ホルダを規格化し
てマルチツールを配置し、ツール交換時間の削減および
加工時間を短縮し得るタレットパンチプレスのマルチツ
ール用金型ホルダ構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、タレットパンチプレスにおいて、
マルチツールは、例えばパンチガイドおよびツールホル
ダの外径を大口径として、このツールホルダ内にクラス
タパンチのように小径パンチを多数装着し、このツール
ホルダを自動インデックス等を用いて選択し打抜加工を
実施していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記マルチ
ツールは、専用のパンチガイドおよびパンチボデイ本体
が必要であった。従って、パンチガイドを共通とする場
合には、パンチ本体の刃先がフィットエンドとならず薄
板加工用として不適当であった。また、パンチ本体自体
が小さいから厚板加工には不適当であるという相反する
結果となるという解決すべき重要な課題があった。

【０００４】本発明は、上記問題点を改善するために、
ホルダ構造が規格化され、金型の保有数が増加され、金
型交換時間が削減され、その加工時間が短縮されるタレ
ットパンチプレスのマルチツール用金型ホルダ構造を提
供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、円錐状または多角錐状の一対のタレット
デスクを有し、前記タレットデスクが所定の間隔をおい
て側面が互いに対向する形態でそれぞれの中心軸線回り
に回転可能に設けられ、それぞれの前記タレットデスク
の側面に金型ホルダが装着されるタレットパンチプレス
において、前記金型ホルダが１個の大口径用パンチまた
は複数個のマルチツールを装着可能とし、前記タレット
パンチプレスのプレス駆動手段により上下動すると共
に、前記大口径用パンチまたはマルチツールを打圧する
べくシフトする２位置決め手段を有するストライカを設
け、前記大口径用パンチのインデクス用または前記マル
チツールの選択手段として自動インデックス装置を前記
金型ホルダに設けることを特徴とするタレットパンチプ
レスのマルチツール用金型ホルダ構造である。

【０００６】

【作用】本発明のタレットパンチプレスのマルチツール
用金型ホルダ構造を採用することにより、金型ホルダが
１個の大口径用パンチまたは複数個のマルチツールを装
着可能とし、前記タレットパンチプレスのプレス駆動手
段により上下動すると共に、前記大口径用パンチまたは
マルチツールを打圧するべくシフトする２位置決め手段
を有するストライカを設け、前記大口径用パンチのイン
デクス用または前記マルチツールの選択手段として自動
インデックス装置を前記金型ホルダに設けることによっ
て、ホルダ構造が規格化され、金型の保有数が増加さ
れ、金型交換時間が削減され、その加工時間が短縮され
る。

【０００７】

【実施例】以下、図面に基づいて、本発明の実施例を詳
細に説明する。

【０００８】図１は本発明が実施されるタレットパンチ
プレスの概略構成図、図２は図１のII−IIに沿う断面
図、図３は同じくIII −III に沿う断面図を示す。図１
ないし図３において、タレットパンチプレスのストレー
ト形フレーム１の上部フレーム１ａには、上部タレット
デスク３が、下部フレーム１ｂには下部タレットデスク
５がそれぞれの中心軸線回りに回転可能に装着されてい
る。

【０００９】下部フレーム１ｂには、下部タレットデス
ク５の回りに水平に延長する固定テーブル７が装着され
ている。これと共に、図１にて左右方向（Ｙ軸方向）に
水平に移動可能なサイドテーブル９が固定テーブル７と
同一高さ位置に装着されている。サイドテーブル９には
図１の紙面を直角に貫通方向（Ｘ軸方向）に延長するキ
ヤレッジベース１１が固定されている。このキヤレッジ
ベース１１には、図１の紙面を直角に貫通する方向に移
動可能なキヤレッジ１３が装着されている。

【００１０】キヤレッジ１３には、ワーククランプ１５
が装着され、図示されていない被加工板材を着脱可能に
把持する。ワーククランプ１５に把持された被加工板材
は、固定テーブル７およびサイドテーブル９の上面を基
準とするパスラインPLに沿って、Ｙ軸方向およびＸ軸方
向に水平移動自在である。

【００１１】上部タレットデスク３および下部タレット
デスク５は、それぞれ中空状の切頭円錐形に形成され、
本実施例では１８０度相対回転位相の二つの側面（稜
線）３ａ，３ｂがなす角度が９０度で、その一つの側面
（稜線）がパスラインPLに平行な水平状態になるように
４５度傾斜配置されている。これによって、上部タレッ
トデスク３の中心軸線は、水平なパスラインPLに対して
４５度上向きに傾斜し、上部タレットデスク３は、パス
ラインPLに対して４５度上向きに傾斜し、延長する中心
支持軸１７により、上部レーム１ａよりその中心軸線回
りに分割回転可能になっている。

【００１２】これに対して、下部タレットデスク５の中
心軸線は水平なパスラインPLに対して４５度下向きに傾
斜し、下部タレットデスク５はパスラインPLに対して４
５度下向きに傾斜して延長する中心支持軸１９により、
上部フレーム１ａよりその中心軸線回りに分割回転可能
になつている。かつ、上部タレットデスク３の側面３ａ
と下部タレットデスク５の側面５ａとは、水平部にて互
いに所定の間隔を保持して対向している。

【００１３】上部タレットデスク３の側面３ａには、タ
レットデスクの所定の分割回転角に応じて設定される複
数個のステーションのそれぞれにパンチ２１が装着され
る上部金型ホルダ２３が設けられている。また、下部タ
レットデスク５の側面５ａには、上部タレットデスク３
のそれぞれステーションと対応して設けられた複数個の
ステーションのそれぞれにダイ２５が装着される下部金
型ホルダ２７が設けられている。このステーション数
は、タレットデスクの直径にもよるが、２個あるいは４
個程度であってもよい。

【００１４】上部タレットデスク３の切頭頂面３ｂと下
部タレットデスク５の切頭頂面５ｂとのそれぞれ中央部
には、ギヤ突起２９，３１が取付けられている。ギヤ突
起２９，３１のそれぞれ頂部側は４５度の面取りがなさ
れ、この面取り部のそれぞれにピニオン３３，３５が形
成されている。ピニオン３３，３５には、水平方向に延
長するラック３７，３９が噛合しており、ラック３７，
３９の水平方向の往復移動によりピニオン３３，３５が
正逆回転され、上部タレットデスク３と下部タレットデ
スク５との分割回転がなされるようになっている。

【００１５】ラツク３７，３９は、複数個の上下背面の
ガイドローラ４１に案内されて水平方向の往復移動し得
るようになっており、ラック３７，３９のそれぞれには
共通の駆動軸４３に固定された駆動ピニオン４５，４７
が噛合してている。駆動軸４３は、軸受４９によりフレ
ーム１より回転可能に支持され、タレット駆動用サーボ
モータ５１と駆動連結されて、これにより正逆回転駆動
される。これにより、上部タレットデスク３と下部タレ
ットデスク５とは互いに同期回転駆動される。

【００１６】フレーム１には図２に示すように、ストラ
イカ支持部５３が設けられ、ストライカ５５が設けられ
ている。このストライカ５５には、図４に示すようにス
トライカ駆動手段５６により垂直方向に上下動可能に設
けられると共に、横方向にシフトさせて、大口径用パン
チを打圧とマルチツールを打圧する場合との点ａ，ｂと
の２位置決めをするストライカシフトシリンダ５７が設
けられている。

【００１７】次に、図５は自動インデックス装置の概略
構成図を示す。自動インデクス装置５９は、上部・下部
タレットデスク３，５に回転自在に装着されるホルダ保
持部材６１と、このホルダ保持部材６１を回転駆動する
インデックス駆動装置６３とから構成されている。

【００１８】ホルダ保持部材６１は、中心位置に上部・
下部金型ホルダ２３，２７を装着し、キー材７５にて位
置決めされる。駆動装置６３は上部ホルダ保持部材６１
に一体的に設けられたウオームホイール６５と、このウ
オームホイール６５に噛合するウオーム６７を備えた駆
動軸６９とからなり、駆動軸６９が軸受７１を介して回
転自在に設けられている。また、インデックス駆動装置
６３は、上部・下部タレットデスク３，５がほぼ水平状
態Ｈに位置した時、上部金型ホルダ２３を図示されてい
ないサーボモータとの接続遮断可能とするドグクラッチ
機構７３を装着している。

【００１９】次に、図６に示すように上部金型ホルダ２
３ａは、１個の従来構造のパンチ２１ａがその中央にリ
フトスプリング７７を介して装着されている。１対のフ
ランジ７９が、この金型ホルダ２３ａの外周に設けら
れ、図示されていないホルダ交換装置のクリッパを係合
せしめて、金型ホルダ２３ａを交換自在とする。また、
フランジ７９の上面ｃは上部タレットデスク３の裏面に
金型ホルダ２３ａを接触せしめ位置決めするものとす
る。なお、金型ホルダ２３ａは、対向する側面Ｐ点とＱ
点において、上部タレットデスク１ａの裏面に設けられ
た図示されていないシリンダの作動によってこの金型ホ
ルダ２３ａの外周と同じ内周面有するクランプ部材（図
示省略）により保持されるものである。本金型ホルダ２
３ａは、自動インデックス化されて、中央に装着された
パンチ２１ａを回転自在とするものである。

【００２０】次に、図７および図８に示すように、本金
型ホルダ２３ｂは、その外形形状、外径寸法を金型ホル
ダ２３ａと同一とするもので、同一円周上に４個のパン
チ（例えば１／４インチサイズ）２１ｂが装着されてい
る。この際、自動インデクス装置５９はパンチ２１ｂを
選択する手段として、金型ホルダ２３ｂを回転させ円周
上のＢ点にて、図４に示すようにストライカ５５を、ｂ
点にシフトさせ位置決めし打圧加工するものとする。

【００２１】次に、図９および図１０に示すように、本
金型ホルダ２３ｃは、その外形形状、外径寸法を金型ホ
ルダ２３ａ，２３ｂと全く同一とするもので、同一円周
上に例えば２個の１・１／２インチと１個の１／２イン
チサイズの２種類の異種サイズのパンチ２１ｃ，２１ｄ
が装着されている。従って、自動インデクス装置５９
は、図８と同様にパンチ２１ｃ，２１ｄを選択する手段
として、金型ホルダ２３ｃを回転させ円周上のＢ点に
て、図４に示すようにストライカ５５を、Ｂ点にシフト
させ位置決めし打圧加工するものとする。なお、８１は
パンチ２１ｃのストリッパで、点ｓがそのフィットエン
ドである。

【００２２】従って、金型ホルダ２３，２３ａ，２３
ｂ，２３ｃは外形形状、外径寸法が同一寸法に統一され
規格化が可能である。また、小径金型の複数個の搭載が
可能で、金型の保有数量が増加する。よって、金型交換
時間が短縮され、薄板加工に適正なフイットエンド金型
の使用が可能となる。

【００２３】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、適宜の設計的変更を行うことにより、他
の態様においても実施し得るものである。

【００２４】

【発明の効果】上記説明ですでに明らかなように、本発
明のタレットパンチプレスのマルチツール用金型ホルダ
構造は、金型ホルダが１個の大口径用パンチまたは複数
個のマルチツールを装着可能とし、前記タレットパンチ
プレスのプレス駆動手段により上下動すると共に、前記
大口径用パンチまたはマルチツールを打圧するべくシフ
トする２位置決め手段を有するストライカを設け、前記
大口径用パンチのインデクス用または前記マルチツール
の選択手段として自動インデックス装置を前記金型ホル
ダに設けることによって、ホルダ構造が規格化され、金
型の保有数が増加され、金型交換時間が削減され、その
加工時間が短縮される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が実施されるタレットパンチプレスの概
略構成図である。

【図２】図１のII−IIに沿う断面図である。

【図３】同じくIII −III に沿う断面図である。

【図４】ストライカのシフト状態説明図である。

【図５】自動インデックス装置の概略構成図である。

【図６】本発明における金型ホルダの１実施例の概略構
成図である。

【図７】本発明における金型ホルダの他の実施例の概略
構成図である。

【図８】図７の平面図である。

【図９】本発明における金型ホルダのさらに他の実施例
の概略構成図である。

【図１０】図９の平面図である。

【符号の説明】

３ 上部タレットデスク ５ 下部タレットデスク ２１ パンチ ２３ 上部金型ホルダ ２７ 下部金型ホルダ ５５ ストライカ ５７ ストライカシフトシリンダ ５９ 自動インデックス装置 ６１ 上部ホルダ保持部材 ６３ インデックス駆動装置

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 円錐状または多角錐状の一対のタレット
   デスクを有し、前記タレットデスクが所定の間隔をおい
   て側面が互いに対向する形態でそれぞれの中心軸線回り
   に回転可能に設けられ、それぞれの前記タレットデスク
   の側面に金型ホルダが装着されるタレットパンチプレス
   において、前記金型ホルダが１個の大口径用パンチまた
   は複数個のマルチツールを装着可能とし、前記タレット
   パンチプレスのプレス駆動手段により上下動すると共
   に、前記大口径用パンチまたはマルチツールを打圧する
   べくシフトする２位置決め手段を有するストライカを設
   け、前記大口径用パンチのインデクス用または前記マル
   チツールの選択手段として自動インデックス装置を前記
   金型ホルダに設けることを特徴とするタレットパンチプ
   レスのマルチツール用金型ホルダ構造。