JPH05230126A - 芳香族ヒドロキシル基を有するスチレン系ポリマーとその製造法 - Google Patents

芳香族ヒドロキシル基を有するスチレン系ポリマーとその製造法

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JPH05230126A
JPH05230126A JP7322692A JP7322692A JPH05230126A JP H05230126 A JPH05230126 A JP H05230126A JP 7322692 A JP7322692 A JP 7322692A JP 7322692 A JP7322692 A JP 7322692A JP H05230126 A JPH05230126 A JP H05230126A
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styrene
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polymer
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JP7322692A
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Hiroshi Oishi
浩 大石
Shinji Inaba
真司 稲葉
Masao Kimura
正生 木村
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 芳香族モノヒドロキシル基を有するスチレン
系ポリマー及びその新規な製造法を提供する。 【構成】 末端に芳香族モノヒドロキシル基を有するス
チレン系ポリマーである。また、カルボキシル基若しく
は酸無水物基を有するスチレン系ポリマー(A)と芳香
族ジヒドロキシ化合物(B)とをエステル化反応させる
芳香族ヒドロキシル基を有するスチレン系ポリマーの製
造法である。 【効果】 本発明の末端に芳香族ヒドロキシル基を有す
るスチレン系ポリマーは、それ自体を機能性樹脂として
利用できるばかりでなく、ブロック共重合体やグラフト
共重合体の製造原料としても供することができる。ま
た、本発明の製造法によれば、芳香族ヒドロキシル基を
有するスチレン系ポリマーを従来の製造法よりも容易な
条件で製造することができ、工業的生産にも好適に応用
できる。本発明のあるいは本発明方法で得られた共重合
体は接着剤、塗料、成形品、樹脂、アスファルト等の改
質に極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ヒドロキシル基
を有するスチレン系ポリマー及びその新規な製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】末端に官能基を有するスチレン系ポリマ
ーは、他のポリマーとの共重合体を製造する際の原料と
して使用可能であるのみならず、それ自体が機能性の樹
脂として使用可能であり、接着剤、塗料、成形品、樹
脂、アルファルト類の改質に極めて有効であることが知
られている。そして、特開昭61−64,705号公報
や特開昭61−19,630号公報には、末端にカルボ
キシル基を有するスチレン系ポリマーやアルコール性水
酸基を有するスチレン系ポリマーのラジカル重合による
製造法が開示されている。
【0003】しかしながら、末端に芳香族ヒドロキシル
基を有するスチレン系ポリマーは、末端にカルボキシル
基やアルコール性水酸基を有するスチレン系ポリマーよ
りも反応性が高く、より好適に上記の用途に応用できる
が、その製造法についてはこれまでに一般的に確立して
いるとはいいがたかった。というのは、芳香族ヒドロキ
シル基にはラジカル重合の際の分子成長に必要なラジカ
ルをトラップする特性があるため、ラジカル重合により
スチレン系ポリマーの末端に芳香族ヒドロキシル基を導
入することが困難であったからである。
【0004】ところで、スチレン系ポリマーの末端に芳
香族ヒドロキシル基を導入する方法としては、Makr
omol.Chem.,189,777(1988)や
Makromol.Chem.,190,3295(1
989)に記載されているように、リビング重合で重合
したポリスチレンを使用する製造法が知られているが、
この反応は次のように複雑なものである。すなわち、ス
チレンモノマーをブチルリチウムを使用してリビング重
合し、リビングポリスチレンを製造する。得られたリビ
ングポリスチレンを1,1−ジフェニルエチレンで末端
処理し、更にこれに2,5−ジメチルオキシベンジルブ
ロマイドを反応させてポリスチレンの片末端にジメトキ
シ基を導入したジメトキシ基末端ポリスチレンを製造す
る。そして、得られたこのジメトキシ基末端ポリスチレ
ンに臭化ホウ素、水及びメタノールを添加して反応さ
せ、末端のジメトキシ基を芳香族ジヒドロキシル基に変
換し、末端に芳香族ジヒドロキシル基を有するスチレン
系ポリマーを得る。更に、この方法によって得られるポ
リスチレンは、片末端にのみ芳香族ジヒドロキシル基が
導入されたものであり、これを原料としてポリエステル
やポリアミド、ポリイミド等の縮重合系ポリマーと共重
合化した場合、主に得られる共重合体はグラフト化した
ポリマーであり、このような方法では、ポリマーブレン
ドの改質剤としてより好適であることが知られているブ
ロック共重合体を製造することが難しいという欠点があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、末端
に芳香族モノヒドロキシル基を有する新規なスチレン系
ポリマー及びその新規な製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、末
端に芳香族モノヒドロキシル基を有するスチレン系ポリ
マーである。また、本発明は、カルボキシル基若しくは
酸無水物基を有するスチレン系ポリマー(A)と芳香族
ジヒドロキシ化合物(B)とをエステル化反応させる芳
香族ヒドロキシル基を有するスチレン系ポリマーの製造
法である。
【0007】本発明の製造法で使用するカルボキシル基
若しくは酸無水物基を有するスチレン系ポリマー(A)
は、カルボキシル基若しくは酸無水物を分子鎖の末端若
しくは中間に少なくとも1個有していればよいが、好ま
しくは、片末端若しくは両末端、より好ましくは両末端
に有していることが望ましい。スチレン系ポリマーの末
端にカルボキシル基若しくは酸無水物基が存在すると、
末端に水酸基を導入することが可能であり、改質剤とし
てより好適であることが知られているブロック共重合体
の製造原料となる。また、両末端にフェノール性水酸基
を導入した方がより反応性を高めることが可能である。
【0008】本発明で使用するカルボキシル基若しくは
酸無水物基を有するスチレン系ポリマー(A)の基本骨
格を構成するスチレン系モノマーを例示すると、スチレ
ン、o−,m−,p−メチルスチレン、o−,m−,p
−エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の
アルキル化スチレンや、モノクロルスチレン、ジクロル
スチレン、モノブロムスチレン、ジブロモスチレン、o
−,m−,p−クロルスチレン等のハロゲン化スチレン
や、α−メチルスチレン等の重合体やこれらの共重合体
等が挙げられる。また、スチレン系モノマー以外の他の
ビニル重合系モノマーを少量共重合させたスチレン系重
合体を使用してもよい。ここで使用される共重合用モノ
マーとしては、メタクリル酸エステル、アクリル酸エス
テル、アクリロニトル、エチレン、プロピレン、クロロ
エチレン、ブタジエン等が挙げられ、その使用量として
はモノマー総量に対して0〜50重量%の範囲内である
ことが望ましい。
【0009】本発明で使用するカルボキシル基若しくは
酸無水物基を有するスチレン系ポリマー(A)の製造法
としては、上記のモノマーにアゾビスシアノバレリック
アシッド(ACVA)等のカルボキシル基を有するラジ
カル重合剤を添加してラジカル重合する方法や、上記の
モノマーに無水マレイン酸のような酸無水物基を有する
ビニル系モノマーを少量添加して共重合する方法等が挙
げられるが、上記の製造法に限るものではなく、スチレ
ン系重合体にカルボキシル基若しくは酸無水物基を導入
できる製造法であればよい。
【0010】本発明で使用する芳香族ジヒドロキシ化合
物(B)を例示すると、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAと称
す)、テトラメチルビスフェノールA、テトラブロモビ
スフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p
−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシ
ノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、4,4−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、3,3−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,6ジメチ
ル−4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタ
ン、4,4’−ジヒドロキシテトラフェニルメタン、
4,4’−ジヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’
−ジヒドロキシ−2,2,2−トリフェニルメタン、
4,4’−ジヒドロキシ−1,1,1−トリフェニルプ
ロパン、4,4’−ジヒドロキシテトラフェニルメタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルメタン、
フェノールフタレイン、o−クメルシルレゾシルシン等
や、これらの混合物等が挙げられる。
【0011】本発明方法でスチレン系ポリマー(A)に
芳香族ヒドロキシル基を導入するためには、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物の1方のヒドロキシル基のみをスチレン
系ポリマー(A)とエステル化反応させることが必要で
あり、従って、本発明のエステル化反応においては、芳
香族ジヒドロキシ化合物(B)の使用量をスチレン系ポ
リマー(A)のカルボキシル基若しくは酸無水物基に対
してそのヒドロキシル基が2倍当量以上過剰になるよう
な割合で使用することが好ましく、より好ましくは10
倍当量以上過剰に使用することが望ましい。使用する芳
香族ジヒドロキシ化合物(B)のヒドロキシル基が2倍
当量未満では、このジヒドロキシ化合物(B)の2つの
ヒドロキシル基が2つともエステル化される可能性があ
り、フェノール性水酸基の導入が困難になる。
【0012】本発明において適用するエステル化反応と
して、公知の界面縮重合法、溶液縮重合法、溶融縮重合
法、直接縮重合法等の方法を採用することができ、従来
公知のエステル化反応やエステル交換反応を利用するこ
とができる。なかでも、スチレン系ポリマー(A)の熱
分解を回避するため、反応条件がマイルドで、かつ、反
応性の低いカルボキシル基とヒドロキシル基とを比較的
容易にエステル化反応させることができる直接縮重合法
が好ましい。具体的に例示すると、ホスフィン化合
物、このホスフィン化合物と反応してホスホニウム塩を
形成するハロゲン又はハロゲン化物、及び、酸補足剤の
存在下にエステル化反応を行う重合法や、縮合剤とし
てハロゲン化有機スルホニル化合物を使用し、イミダゾ
ール化合物の存在下で行う重合法等がある。
【0013】上記の製造法で使用するホスフィン化合
物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリス
(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,6
−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,
6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、(2−メトキ
シフェニル)ジフェニルホスフィン、(2,6−ジメト
キシフェニル)ジフェニルホスフィン、トリ(n−プロ
ピル)ホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ
(n−ブチル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)
ホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリノニルホス
フィン、トリベンジルホスフィン、トリトリルホスフィ
ン、トリシクロヘキシルホスフィン、エチルジメチルホ
スフィン、α−ナフチルジフェニルホスフィン、p−ト
リルジフェニルホスフィン、ビニルジフェニルホスフィ
ン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホ
スフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェ
ニルホスフィン等や、これらの混合物を挙げることがで
きる。
【0014】また、本発明のエステル化反応において使
用されるハロゲン又はハロゲン化合物としては、四塩化
炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1
−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、
1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テト
ラクロロエタン、ヘキサクロロエタン、トリクルエチレ
ン、ヘキサクロロアセトン、四臭化炭素、三臭化炭素、
ヘキサブロモエタン、臭素、ヨウ素等やこれらの混合物
等を挙げることができる。
【0015】更に、本発明のエステル化反応で使用され
る酸捕捉剤としては、アミノ類、ピリジン類等の塩基性
有機化合物が挙げられる。具体的には、トリエチルアミ
ン、ジエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジ
ン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,
4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,5−ルチジン、
キノリン等やこれらの混合物等がある。
【0016】使用する溶媒としては、クロルベンゼン、
o−ジクロルベンゼン、四塩化炭素、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタンのような
塩素系溶媒や、ピリジン、ジメチルアセトアミド、γ−
ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、
ヘキサメチルホスホルアミドのような極性溶媒や、ベン
ゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素が挙
げられる。
【0017】上記のエステル化反応においては、以下
の反応操作を適宜選択することができる。 (1)ホスフィン化合物とハロゲン又はハロゲン化合物
とを反応器に仕込み、次にスチレン系ポリマー(A)を
装入し、その後に芳香族ジヒドロキシ化合物(B)と酸
補足剤とを加えて反応させる方法。 (2)ホスフィン化合物と、ハロゲン又はハロゲン化合
物と、スチレン系ポリマー(A)とを同時に反応器に仕
込み、その後に芳香族ジヒドロキシ化合物(B)と酸補
足剤を加えて反応させる方法。 (3)ホスフィン化合物と、ハロゲン又はハロゲン化合
物と、スチレン系ポリマー(A)と、芳香族ジヒドロキ
シ化合物(B)とを反応器に同時に仕込み、酸補足剤を
加えて反応させる方法。反応操作の簡便さから上記
(3)の方法が好ましく、また、急激な反応による酸補
足剤の劣化を防止するために、酸補足剤を全反応時間の
1/10以上の時間をかけて添加することが望ましい。
各成分を反応器に装入する際には、各成分を前述のよう
な溶媒に予め溶解させてから反応器に装入してもよい
し、また、各成分の一部あるいは全部を固体状態で溶媒
あるいは溶液を満たした反応器に装入してもよい。ま
た、成分の一部を気体状態として反応器に装入してもよ
く、更に、これらの方法を組み合わせて各成分の装入を
してもよい。反応時の溶液濃度は、1〜40重量部、好
ましくは3〜30重量部になることが好ましい。この方
法での反応条件は、使用するスチレン系ポリマー
(A)の種類、分子量、濃度、カルボキシル基若しくは
酸無水物基の数や、使用するホスフィン化合物、ハロゲ
ン又はハロゲン化物、酸補足剤及び溶媒の種類等により
異なるが、通常は反応温度−30〜150℃、好ましく
は−30〜120℃の範囲である。−30℃未満では反
応が進行し難く、また、120℃を越えると反応速度が
急激に速くなり、酸補足剤が劣化して着色し易くなる。
圧力は、通常常圧下で行うが、減圧下、加圧下で実施し
てもよい。反応時間は1分〜10時間、好ましくは3分
〜5時間である。
【0018】また、上記の方法で使用するイミダゾー
ル化合物としては、いずれのものも使用可能であり、具
体的には例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−メチル
イミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾー
ル、2−フェニルイミダゾール、5−メチルイミダゾー
ル、N−フェニルイミダゾール、2−ベンジルイミダゾ
ール、N−ベンジルイミダゾール、N−ベンジル−2−
メチルイミダゾール、ベンズイミダゾール、4,5,
6,7−テトラクロルベンズイミダゾール、5−メチル
ベンズイミダゾール、2−メチルベンズイミダゾール、
6−ベンジルベンズイミダゾール、5−メチルベンズイ
ミダゾール、2−メチルベンズイミダゾール、6−ベン
ジルベンズイミダゾール、N−シアノエチル−2−エチ
ル−4−メチル−イミダゾール、N−シアノエチル−2
−メチルイミダゾール、N−シアノエチル−2−メチル
イミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロ
キシメチルイミダゾール等が挙げられるが、必ずしもこ
れらに限定されるものではない。また、これらのイミダ
ゾール化合物は混合して使用してもよい。これらのイミ
ダゾール化合物の中では、N−置換イミダゾール類が好
ましく、特にN−アルキル置換イミダゾール類が好まし
い。更に、上記の方法で使用するハロゲン化有機スル
ホニル化合物としては、下記一般式(C) R−SO2 −X (C) (但し、式中Rはアルキル基、アリール基、アラルキル
基又はシクロヘキシル基を示し、Xはハロゲン原子を示
す)で示される化合物が好ましく、中でも、一般式
(C)のRがアリール基、アルキル基及びベンジル基の
ものが特に好ましい。具体的には、p−トニエンスルホ
ニルクロリド、フェニルスルホニルクロリド、p−ブロ
モフェニルスルホニルクロリド、p−ニトロフェニルス
ルホニルクロリド、p−クロロフェニルスルホニルクロ
リド、m−クロロフェニルスルホニルクロリド、2,
4,6−トリメチルフェニルスルホニルクロリド、2,
4,6−トリイソプロピルスルホニルクロリド、メタン
スルホニルクロリド、エタンスルホニルクロリド、p−
トルエンスルホニウムブロマイド、p−トルエンスルホ
ニルイオダイド、p−トルエンスルホニルフルオダイ
ド、ベンジルスルホニルクロリド等及びこれらの混合物
である。
【0019】上記の方法における反応は、必要に応じ
て上記の方法に挙げた溶媒系、溶液濃度で行うことが
できる。このの方法の反応条件は、使用するスチレン
系ポリマー(A)の種類、分子量、濃度及びカルボキシ
ル基若しくは酸無水物基の数や、使用するイミダゾール
化合物、ハロゲン化有機スルホニル化合物、ホスフィン
化合物及び溶媒の種類等により異なるが、通常は反応温
度−30〜150℃、好ましくは−30〜120℃の範
囲である。−30℃未満では反応が進行し難く、また、
120℃を越えると反応速度が速すぎて触媒が劣化し、
着色し易くなる。圧力は、通常、常圧下で行うが、減圧
下や加圧下で実施してもよい。反応時間は1分〜10時
間、好ましくは3分〜5時間である。
【0020】本発明の芳香族モノヒドロキシル基を有す
るスチレン系ポリマーは、それ自体を機能性樹脂として
利用できるばかりでなく、ブロック共重合体、グラフト
共重合体の原料に供することができる。従って、この重
合体は接着剤、塗料、成形品、樹脂、アスファルト類等
の改質に極めて有用である。また、本発明でいう芳香族
モノヒドロキシ基は、次の一般式 −ArOH (但し、Arは芳香族基を示す)で表されるものであ
り、これが直接又は他の基、例えばエステル結合を有す
る基を会して間接にスチレン系ポリマー鎖に結合するも
のである。なお、本発明の製造方法で得られる芳香族モ
ノヒドロキシ基を有するスチレン系ポノマーは、スチレ
ン系ポリマーの末端のみならず、中間にこの芳香族モノ
ヒドロキシ基を有するものであってもよい。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明を詳
細に説明する。
【0022】参考例1〜3 ラジカル重合剤としてACVAを使用し、スチレンモノ
マーを90℃で重合した。ACVAの濃度を変化させる
ことにより、末端にカルボキシル基を有し、かつ、以下
の分子量を有するポリスチレン(PS−COOH)を重
合した。なお、本発明の末端に官能基を有するスチレン
系ポリマーの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量
(Mw)は、単分散ポリスチレン(ウォーターズ社製)
でキャリブレーションしたゲル浸透クロマトグラフィー
(GPC)を使用し、移動相としてテトラヒドロフラン
を、また、検出器としてRI検出器を使用し、溶出速度
1.0ml/minの条件で測定した。また、ポリマー
1分子が有する末端官能基の平均個数は、自動滴定装置
(三菱化成工業株式会社製GT−05型)使用し、ポリ
マー溶液を水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定すること
により定量した。 Mn Mw COOH基(個/1分子) 参考例1 5000 12000 1.6 参考例2 30000 61000 2.0 参考例3 71000 13800 2.0
【0023】実施例1〜3 上記参考例1〜3で重合した末端カルボキシル基を有す
るポリスチレン(1mmol)、ビスフェノールA(2
0mmol)、トリフェニルホスフィン(6mmol)
及びヘキサクロロエタン(6mmol)をナスフラスコ
に仕込み、1,2−ジクロロエタンを添加して20重量
%PS−COOH溶液とした。得られた20重量%PS
−COOH溶液中に乾燥したN2 ガスを吹き込みなが
ら、室温で攪拌下にトリエチルアミン(6mmol)を
約15分かけて徐々に添加し、添加終了後更にN2 置換
しながら約45分間室温で攪拌下に反応させた。反応終
了後、反応溶液をクロロホルムで4倍に希釈し、反応溶
液の5倍重量のメタノール中に注入し、反応溶液中のポ
リマー分を沈澱させた。その後、ポリマーを濾別し、次
いで1mmHg、70℃で3日間脱気を行い、蒸発分を
除去してポリマーを得た。得られたポリマーについての
スチレン末端の水酸基の定量は、Die makrom
oleculare Chemie,88,215−2
31(1965)に記載の方法に従い、スチレンポリマ
ーを四塩化チタン−酢酸溶液に溶解したときの発光を4
80nmで比色定量し、また、エステル化したスチレン
ポリマーについて上記を参考例と同様に中和滴定し、未
反応カルボキシル基の個数を定量化することにより求め
た。 OH基(個/1分子) Mn Mw (比色) (滴定) 実施例1 5600 12000 1.5 1.6 実施例2 31000 65000 2.0 2.0 実施例3 71000 14000 2.0 2.0
【0024】実施例4〜6 p−トルエンスルホニルクロリド(0.09mmol)
のピリジン(10ml)溶液中にN−メチルイミダゾー
ル(0.075mmol)のピリジン(5ml)溶液を
加え、N2 ガスを吹き込みながら室温で30分間攪拌し
た。また、参考例1〜3で重合したPS−COOH
(0.05mmol)をピリジンに溶解して20%溶液
とし、これを上記の溶液に添加して10分間N2 気流下
に攪拌した。更に、ビスフェノールA0.5mmolを
10mlのピリジンに溶解し、これを上記反応系に添加
し、約3時間室温でN2 気流下で攪拌して反応させた。
反応終了後、上記実施例1〜3と同様にしてポリマーを
回収した。得られたポリマーについてMn、Mw及びO
H基(個/1分子)を測定した。結果を以下に示す。 OH基(個/1分子) Mn Mw (比色) (滴定) 実施例4 5500 12000 1.3 1.4 実施例5 36000 68000 2.0 2.0 実施例6 76000 14500 1.9 2.0
【0025】上記実施例1〜6の結果から明らかなよう
に、本発明方法により、芳香族ヒドロキシル基を有する
スチレン系ポリマーの製造が可能であることが判明し
た。
【0026】
【発明の効果】本発明の芳香族ヒドロキシル基を有する
スチレン系ポリマーは、それ自体を機能性樹脂として利
用できるばかりでなく、ブロック共重合体やグラフト共
重合体の製造原料としても供することができる。従っ
て、この重合体は接着剤、塗料、成形品、樹脂、アスフ
ァルト類等の改質に極めて有用である。特に、末端にモ
ノヒドロキシル基を有するスチレン系ポリマーは、従来
の末端に芳香族ジヒドロキシル基を有するスチレン系ポ
リマーに比較して、改質剤としてより好適であるブロッ
ク共重合体の製造原料としてより好適に使用可能であ
る。また、本発明の製造法は、従来の製造法よりも容易
な条件で上記の如き芳香族ヒドロキシル基を有するスチ
レン系ポリマーを製造することができ、工業的生産にも
好適に応用できる。更に本発明の製造法によれば、公知
の方法で製造した末端にモノカルボキシル基を有するス
チレン系ポリマー(A)を使用して、この末端に芳香族
モノヒドロキシル基を有する新規なスチレン系ポリマー
も製造可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 正生 神奈川県川崎市中原区井田1618番地、新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端に芳香族モノヒドロキシル基を有す
    るスチレン系ポリマー。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基若しくは酸無水物基を有
    するスチレン系ポリマー(A)と芳香族ジヒドロキシ化
    合物(B)とをエステル化反応させることを特徴とする
    芳香族ヒドロキシル基を有するスチレン系ポリマーの製
    造法。
  3. 【請求項3】 エステル化反応を、ホスフィン化合物、
    このホスフィン化合物と反応してホスホニウム塩を形成
    するハロゲン又はハロゲン化物、及び酸補足剤の存在下
    で行う請求項2記載の芳香族ヒドロキシル基を有するス
    チレン系ポリマーの製造法。
  4. 【請求項4】 エステル化反応を、縮合剤としてハロゲ
    ン化有機スルホニル化合物を使用し、イミダゾール化合
    物の存在下で行う請求項2記載の芳香族ヒドロキシル基
    を有するスチレン系ポリマーの製造法。
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