JPH05225869A - 抵抗付きパッファ形ガス遮断器 - Google Patents

抵抗付きパッファ形ガス遮断器

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JPH05225869A
JPH05225869A JP2838792A JP2838792A JPH05225869A JP H05225869 A JPH05225869 A JP H05225869A JP 2838792 A JP2838792 A JP 2838792A JP 2838792 A JP2838792 A JP 2838792A JP H05225869 A JPH05225869 A JP H05225869A
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JP2838792A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Mizoguchi
均 溝口
Susumu Nishiwaki
進 西脇
Hisatoshi Ikeda
久利 池田
Toshikazu Sato
敏和 佐藤
Shigenori Nishizumi
茂紀 西住
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 開極時及び閉極時のサージ電圧を効果的に低
減可能であり、簡略で実用性の高い、優れた抵抗付きパ
ッファ形ガス遮断器を提供する。 【構成】 消弧性ガスを充填した接地容器11内に、主
遮断部12,13及び抵抗遮断部14,15を2組以上
有する。接地容器外部の第1の駆動手段31からの駆動
力を、接地容器の軸方向に直交する第1の方向から第1
の伝達手段52によって主遮断部に伝達する。接地容器
外部の第2の駆動手段37からの駆動力を、接地容器の
軸方向に直交する第2の方向から第2の伝達手段53に
よって抵抗遮断部に伝達する。第2の駆動手段37は、
開極時に、第1の駆動手段からの主遮断部への駆動力に
よって空気を圧縮し、その圧力を抵抗遮断部の駆動力と
して供給する空気圧縮手段(40〜42)と、この空気
圧縮手段による駆動力の供給を一定時間遅延させる遅延
手段(45,46)を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パッファ構成の主遮断
部を有するパッファ形ガス遮断器に係り、特に、開極時
には、直列抵抗を有する抵抗遮断部を主遮断部に遅れて
開極させて、開極時に発生するサージ電圧を抑制し、閉
極時には、抵抗遮断部を主遮断部より先に閉極させて、
閉極時に発生するサージ電圧を抑制するように構成され
た抵抗付きパッファ形ガス遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】電力系統用の遮断器として、主遮断部と
並列に直列抵抗を有する抵抗遮断部が接続される方式が
存在している。この方式の遮断器では、開極時には、主
遮断部に遅れて抵抗遮断部が開極して、抵抗に電流を流
し、遮断時に発生する過渡回復電圧(サージ電圧)を抑
制する。また、閉極時には、抵抗遮断部が主遮断部に先
行して閉極し、抵抗に電流を流して、閉極時に発生する
過渡回復電圧(サージ電圧)を抑制する。
【0003】図11は、以上のような抵抗付き遮断器が
事故電流を遮断する時の動作を示す原理図であり、図1
1(A)は閉極状態、図11(B)は主遮断部の開極
時、図11(C)は抵抗遮断部の開極時を示している。
この場合、図中1は主遮断部、2は抵抗遮断部、3は抵
抗、4は操作機構、I,Irは電流を示している。な
お、これらの図は、遮断器の一方(図中右側)の端子で
故障が発生した場合における動作を例示的に示してい
る。
【0004】まず、図11(A)に示す閉極状態におい
て、電流Iは、経路の抵抗値が小さい主遮断部1を通っ
て流れている。そして、図11(B)に示すように、抵
抗遮断部2の閉極状態を維持したまま主遮断部1を開極
すると、電流Irが、抵抗遮断部2と抵抗3を通って流
れるようになる。なお、電流Irは、系統電圧と抵抗の
値で決まる。続いて、図11(C)に示すように、抵抗
遮断部2を開極すると、電流Irが遮断されて、遮断器
は開路状態となる。
【0005】この場合、サージ電圧の抑制は、次のよう
にして行われる。すなわち、図11(B)に示すよう
に、主遮断部1を開極して、事故電流Iを遮断した際
に、遮断器の非故障側(図中左側)の端子には、遮断に
よるサージ電圧が発生する。しかしながら、この時点に
おいては、図11(B)に示すように、抵抗遮断部2が
閉極状態にあるため、発生した開極サージ電圧は、抵抗
3によってそのまま吸収される。そして、抵抗遮断部2
の主遮断部1に対する遅延時間を十分に確保することに
より、サージ電圧を十分に低い値に抑制することができ
る。
【0006】また、一方の端子の事故を解消した後は、
図11(C)の開極状態から、図11(B)に示すよう
に、抵抗遮断部2を主遮断部1に先行して閉極する。こ
の時の閉極サージ電圧も、前述した開極時と同様に、抵
抗3によってそのまま吸収される。そして、十分な遅延
時間によって、サージ電圧を十分に低い値に抑制した
後、図11(A)に示すように主遮断部1を閉極する。
【0007】ところで、以上のような抵抗付き遮断器
は、通常420kV以上の非常に高い電圧の系統のパッ
ファ形ガス遮断器に適用され、主遮断部、抵抗遮断部共
に、2点切り以上で構成されることが多い。このような
構成のパッファ形ガス遮断器において、通常550kV
までの系統では、絶縁の余裕をとることにより、開極サ
ージ電圧の抑制を省略できるため、従来、閉極サージ電
圧を抑制するための構成のみを設けている。そして、閉
極サージ電圧のみを抑制するように構成することは、設
計上比較的容易である。具体的には、主遮断部の可動接
触子と抵抗接触子部(この場合、遮断はしないため、抵
抗遮断部ではなく抵抗接触子部と称する)の可動接触子
を直結し、抵抗接触子部の固定接触子側にバネと浮動接
触子などを組み合わせてなるストローク吸収機構を設け
ることにより、閉極時における抵抗接触子部の先行閉極
動作と、開極時における抵抗接触子部の先行開極動作を
確保している。このような構成の抵抗付きパッファ形ガ
ス遮断器は、既に広く実用化されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、110
0kVなどのさらに高電圧の系統では、絶縁の余裕がと
れないことから、開極時におけるサージ電圧の抑制が必
要である。前述のように、開極時のサージ電圧を抑制す
るためには、抵抗遮断部を主遮断部より一定時間遅らせ
て開極する必要があり、サージ電圧を十分低下するため
には、遅延時間を20〜30msとしなければならな
い。このような抵抗遮断部の遅延開極時間を得る機構
は、文献(IEEE,SM379−8,PWRD,19
91)などに記述されているが、2点切り以上の多点切
り抵抗付きパッファ形ガス遮断器の構成において、実用
的に抵抗遮断部の遅延開極時間を確保して製品化した例
は、従来存在していない。
【0009】本発明の目的は、2点切り以上の多点切り
抵抗付きパッファ形ガス遮断器において、開極時には、
抵抗遮断部を主遮断部よりも一定時間遅延して開極さ
せ、閉極時には、抵抗遮断部を主遮断部に先行して閉極
させることにより、開極時及び閉極時のサージ電圧を効
果的に低減可能であり、簡略で実用性の高い、優れた抵
抗付きパッファ形ガス遮断器を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の抵抗付
きパッファ形ガス遮断器は、消弧性ガスを充填した接地
容器内に、パッファ構成の主遮断部及び抵抗遮断部をそ
れぞれ2組以上ずつ有する2点切り以上の抵抗付きパッ
ファ形ガス遮断器において、前記接地容器の外部に設置
され、前記主遮断部を駆動する第1の駆動手段と、前記
接地容器の外部に設置され、前記抵抗遮断部を駆動する
第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段からの開極駆動
力及び閉極駆動力を、接地容器の軸方向に直交する第1
の方向から前記主遮断部に伝達する第1の伝達手段と、
前記第2の駆動手段からの開極駆動力及び閉極駆動力
を、接地容器の軸方向に直交する第2の方向から前記抵
抗遮断部に伝達する第2の伝達手段とを備え、前記第2
の駆動手段が、開極時に、前記第1の駆動手段からの前
記主遮断部への開極駆動力の一部によって空気を圧縮
し、その圧力を前記抵抗遮断部への開極駆動力として供
給する空気圧縮手段と、この空気圧縮手段による前記抵
抗遮断部への開極駆動力の供給を一定時間遅延させる遅
延手段を備えたことを特徴としている。
【0011】この場合、第2の駆動手段は、具体的に
は、請求項2に記載のように構成することが可能であ
る。すなわち、第2の駆動手段の空気圧縮手段は、シリ
ンダと、このシリンダ内に配置され、第1の駆動手段か
らの駆動力によって開極側と閉極側に移動する第1のピ
ストン、及び、シリンダ内における第1のピストンの開
極側に第1のピストンと対向して配置され、開極時に
は、第1のピストンの開極側への移動によって圧縮され
た空気の圧力により開極側へ移動し、閉極時には、第1
のピストンに係合して第1のピストンと一体に閉極側へ
移動し、第2の伝達手段を介して抵抗遮断部を開閉駆動
する第2のピストンを備える。そして、遅延手段は、第
2のピストンを閉極側の位置に係止するキャッチ手段
と、主遮断部への開極駆動力の供給開始後、キャッチ手
段を一定時間係止動作させ、一定時間経過後にキャッチ
手段を引き外す制御手段を備える。付加的に、第1と第
2のピストンの間に補助バネを挿入することも可能であ
る。
【0012】請求項3に記載の抵抗付きパッファ形ガス
遮断器は、消弧性ガスを充填した接地容器内に、パッフ
ァ構成の主遮断部及び抵抗遮断部をそれぞれ2組以上ず
つ有する2点切り以上の抵抗付きパッファ形ガス遮断器
において、前記接地容器の外部に設置され、前記主遮断
部を駆動する第1の駆動手段と、前記接地容器の外部に
前記第1の駆動手段と並べて設置され、前記抵抗遮断部
を駆動する第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段から
の開極駆動力及び閉極駆動力を、接地容器の軸方向に直
交する一定の方向から前記主遮断部に伝達する第1の伝
達手段と、前記第2の駆動手段からの開極駆動力及び閉
極駆動力を、接地容器の軸方向に直交する前記一定の方
向とほぼ同一方向から前記抵抗遮断部に伝達する第2の
伝達手段と、開極時に、前記第1の駆動手段からの前記
主遮断部への開極駆動力の供給に対して、前記第2の駆
動手段からの前記抵抗遮断部への開極駆動力の供給を一
定時間遅延させる遅延手段を備えたことを特徴としてい
る。
【0013】この場合、遅延手段は、第1の駆動手段か
ら供給される主遮断部への開極駆動力の一部を一定時間
遅延させ、この遅延させた開極駆動力を、第2の駆動手
段に対して、抵抗遮断部の開極駆動力として供給するよ
うに構成することが可能である。また、第1及び第2の
駆動手段を、開極信号によってそれぞれ起動するように
構成した場合には、遅延手段は、第2の駆動手段に対す
る開極信号を、第1の駆動手段に対する開極信号よりも
一定時間遅延させるように構成することが可能である。
【0014】
【作用】以上のような構成を有する本発明の抵抗付きパ
ッファ形ガス遮断器の作用は次の通りである。
【0015】まず、請求項1の抵抗付きパッファ形ガス
遮断器の場合、開極時には、第1の駆動手段の開極駆動
力が、第1の伝達手段によって第1の方向から主遮断部
に伝達され、主遮断部が開極すると同時に、第1の駆動
手段の開極駆動力の一部が、第2の駆動手段に供給され
る。そして、第2の駆動手段に供給された開極駆動力
は、空気圧縮手段によって圧縮空気の圧力に変換され、
遅延手段によって一定時間遅延させられた後、第2の伝
達手段によって、第2の方向から抵抗遮断部に伝達さ
れ、抵抗遮断部が開極する。すなわち、抵抗遮断部は、
遅延手段によって遅延させられた一定時間分だけ、主遮
断部の開極から遅延して開極する。
【0016】また、閉極動作に関しては、既存の技術に
より、抵抗遮断部のワイプ長さを主遮断部より長くする
ことにより、閉極時における抵抗遮断部の先行閉極動作
を確保できる。すなわち、例えば、前述したようなバネ
と浮動接触子などを組み合わせてなるストローク吸収機
構を使用して、抵抗遮断部の開離距離を主遮断部の開離
距離より短く構成することにより、閉極時には、第1の
駆動手段の閉極駆動力を主遮断部に与える一方、第2の
駆動手段を介し抵抗遮断部に対して同時に閉極駆動力を
与えることで、抵抗遮断部の先行閉極動作を確保でき
る。
【0017】次に、より具体的に、第2の駆動手段の空
気圧縮手段として、シリンダと第1、第2のピストンを
使用し、遅延手段として、キャッチ手段と制御手段を使
用した場合、第2の駆動手段の動作は、次のようにな
る。すなわち、開極時には、第1の駆動手段の開極駆動
力の一部により、第1のピストンが開極側に移動する。
この場合、第2のピストンは、制御手段によって制御さ
れたキャッチ手段により、閉極側の位置に係止されてい
るため、第1のピストンの移動に伴ない、第1、第2の
ピストン間の空気が圧縮される。この状態で、一定時間
が経過すると、制御手段によってキャッチ手段が解除さ
れるため、第2のピストンは、キャッチ手段の係止から
解放され、第1のピストンとの間の圧縮空気の圧力によ
り、開極側に駆動される。そして、このような第2のピ
ストンの開極側への駆動力が、第2の伝達手段を介し
て、抵抗遮断部への開極駆動力として伝達され、主遮断
部に遅延して抵抗遮断部が開極する。さらに、第1のピ
ストンと第2のピストンとの間に補助バネを挿入した場
合には、ピストン間の圧縮空間の空気漏れを補償するこ
とができるため、抵抗遮断部の開極動作をより安定させ
ることができる。
【0018】また、閉極時には、第1の駆動手段の閉極
駆動力の一部により、第1のピストンが閉極側に移動す
る。この場合、第2のピストンは、第1のピストンに係
合して第1のピストンと一体に閉極側へ移動するため、
第1の駆動手段によって主遮断部への閉極駆動力が供給
されるのと同時に、第2の駆動手段によって抵抗遮断部
への閉極駆動力が供給されることになる。従って、前述
したように、抵抗遮断部のワイプ長さを主遮断部より長
くすることにより、閉極時における抵抗遮断部の先行閉
極動作を確保できる。
【0019】なお、以上のような請求項1及び2に記載
の抵抗付きパッファ形ガス遮断器において、第1及び第
2の駆動手段を、接地容器の周方向におけるほぼ同じ位
置に近接配置し、且つ、第1及び第2の伝達手段の動作
方向(第1及び第2の方向)をほぼ同一方向とした場合
には、第1及び第2の駆動手段を一括して単一の操作機
構部として配置することができ、接地容器に設けた同じ
接続用分岐部内に第1及び第2の伝達手段を収納するこ
とができるため、簡略でコンパクトな配置が可能であ
る。しかしながら、駆動手段及び伝達手段の配置は、こ
れに限定されるものではなく、第1及び第2の駆動手段
を、接地容器の周方向における異なる位置に配置し、第
1及び第2の伝達手段の動作方向を異なる方向として配
置することも可能である。
【0020】さらに、請求項3の抵抗付きパッファ形ガ
ス遮断器において、特に、第1の駆動手段からの開極駆
動力の一部を遅延させ、第2の駆動手段に対して供給す
るように構成した場合、開極時には、第1の駆動手段の
開極駆動力が、第1の伝達手段によって一定の方向から
主遮断部に伝達され、主遮断部が開極すると同時に、第
1の駆動手段の開極駆動力の一部が、遅延手段によって
一定時間遅延させられ、第2の駆動手段に供給される。
そして、第2の駆動手段に供給された開極駆動力は、第
2の伝達手段によって、第1の伝達手段とほぼ同一方向
から抵抗遮断部に伝達され、抵抗遮断部が開極する。す
なわち、抵抗遮断部は、遅延手段によって遅延させられ
た一定時間分だけ、主遮断部の開極から遅延して開極す
る。
【0021】また、閉極動作に関しては、請求項1及び
2の発明と同様、一般的には、既存の技術により、抵抗
遮断部のワイプ長さを主遮断部より長くすることによ
り、閉極時における抵抗遮断部の先行閉極動作を確保で
きる。この場合、典型的には、開極時と同様に、第1の
駆動手段の閉極駆動力の一部を第2の駆動手段の閉極駆
動力に与えることが可能であるが、第1及び第2の駆動
手段に個別の閉極信号を同時に与えて個別に起動する構
成も可能である。
【0022】一方、請求項3の抵抗付きパッファ形ガス
遮断器において、特に、第1及び第2の駆動手段を開極
信号によってそれぞれ起動し、且つ、第2の駆動手段に
対する開極信号を遅延させるように構成した場合には、
主遮断部と抵抗遮断部の開離距離をほぼ同じに構成する
ことが可能である。すなわち、主遮断部と抵抗遮断部の
開離距離がほぼ同じであれば、開極信号の遅延時間に応
じた一定時間によって、抵抗遮断部の開極動作を容易に
遅延できる。また、閉極時には、逆に、第2の駆動手段
に対する閉極信号を第1の駆動手段に対する閉極信号よ
りも一定時間だけ先に与えることにより、抵抗遮断部の
先行閉極動作を確保できる。
【0023】以上のように、本発明の抵抗付きパッファ
形ガス遮断器は、開極時には、抵抗遮断部が主遮断部よ
りも一定時間遅延して開極し、閉極時には、抵抗遮断部
が主遮断部に先行して閉極するため、開極時及び閉極時
のサージ電圧を効果的に低減可能である。また、構成的
にも、主遮断部及び抵抗遮断部を、第1、第2の駆動手
段によって個別に駆動し、遅延手段によって遅延関係を
持たせるだけの簡略な構成である。
【0024】特に、請求項1及び2の発明において、第
2の駆動手段に使用する空気圧縮手段は、既存の単純な
構成を利用できる。そして、請求項1及び2の発明にお
ける第1の駆動手段や、請求項3の発明における第1及
び第2の駆動手段としては、例えば、油圧の駆動シリン
ダなどを使用することができる。また、遅延手段として
は、電気的な遅延回路または機械的な油圧遅延装置など
を使用することができる。これらの具体的な手段を使用
した場合、遮断器全体の構成の簡略化に貢献でき、実際
の装置設計も容易であるため、実用性に優れている。
【0025】さらに、請求項3の発明は、第1及び第2
の駆動手段を接地容器の周方向におけるほぼ同じ位置に
並べて近接配置し、且つ、第1及び第2の伝達手段の動
作方向(第1及び第2の方向)をほぼ同一方向とする構
成であり、第1及び第2の駆動手段を一括して単一の操
作機構部として配置することができ、接地容器に設けた
同じ分岐部内に第1及び第2の伝達手段を収納すること
ができるため、遮断器全体のコンパクト化が可能であ
る。請求項1及び2の発明に関しても、同様に駆動手段
を近接配置し、伝達手段をほぼ同一方向にすることによ
り、遮断器全体のコンパクト化が可能である。しかしな
がら、請求項1及び2の発明において、駆動手段及び伝
達手段の配置は、これに限定されるものではなく、第1
及び第2の駆動手段を、接地容器の周方向における異な
る位置に配置し、第1及び第2の伝達手段の動作方向を
異なる方向として配置することも可能である。
【0026】
【実施例】以下には、請求項1及び2の発明による抵抗
付きパッファ形ガス遮断器の一実施例を、図1乃至図6
を参照して説明する。この場合、図1乃至図3は遮断器
全体を示しており、図1は内部側面図、図2は水平断面
図、図3は垂直断面図、図4乃至図6は、図1中のA矢
視による第2の駆動装置(第2の駆動手段)を示してお
り、図4は閉極時の状態を示す正面図、図5は主遮断部
の開極終了時にほぼ対応する抵抗遮断部への開極駆動力
の供給開始直前を示す正面図、図6は開極時の状態を示
す正面図である。
【0027】まず、図2に示すように、接地容器11内
には、消弧性ガスとしてSF6 ガスが封入されており、
直列に接続された第1及び第2の主遮断部12,13
と、同じく直列に接続された第1及び第2の抵抗遮断部
14,15とが、容器の軸方向に沿って平行に配置され
ている。すなわち、第1及び第2の主遮断部12,13
は、容器の軸方向に沿って且つ容器の中心からずらされ
て配置され、第1及び第2の抵抗遮断部14,15は、
主遮断部12,13の水平方向に平行に並べて配置され
ている。
【0028】そして、第1の抵抗遮断部14の端部に
は、抵抗16が配置され、直列に接続されている。この
場合、第1の抵抗遮断部14及び抵抗16の直列接続
と、対応する第1の主遮断部12とは、電気的に並列接
続されている。なお、図示していないが、第2の抵抗遮
断部15の端部にも、同様に抵抗16が配置され、第2
の抵抗遮断部15及び抵抗16の直列接続と、対応する
第2の主遮断部13とは、電気的に並列接続されてい
る。
【0029】次に、図3に示すように、第1の主遮断部
12は、パッファシリンダを有する可動接触子部17、
固定接触子部18、及び可動接触子部17側から固定接
触子部18を支える絶縁ロッド(または絶縁筒)19な
どにより構成されている。この場合、固定接触子部18
には、導体20が接続されている。そして、この導体2
0は、接地容器11の上部に設けられた接続口21か
ら、絶縁スペーサ22を介して、図示していない隣接機
器内に引き出されている。一方、第2の主遮断部13
は、その一部しか図示していないが、第1の主遮断部1
2と同様の構成を有しており、第1の主遮断部12と対
称的に配置されている。
【0030】また、図2に示すように、第1の抵抗遮断
部14は、可動接触子部23及び固定接触子部24など
により構成されており、固定接触子部24は、内部に配
設されたバネ25及び浮動接触子26からなるストロー
ク吸収機構によって、開極終了時の開離距離が、第1の
主遮断部12の開離距離よりも短くなるように構成され
ている。なお、図中16aは、第1の抵抗遮断部14に
直列接続された抵抗16の端部を、第1の主遮断部12
の固定接触子部18に電気的に接続する導体である。一
方、第2の抵抗遮断部15は、その一部しか図示してい
ないが、第1の抵抗遮断部14と同様の構成を有してお
り、第1の抵抗遮断部14と対称的に配置され、その抵
抗16の端部は、導体16aによって第2の主遮断部1
3の固定接触子部18に電気的に接続されている。
【0031】さらに、図3に示すように、接地容器11
の下部には操作機構箱27が配設されており、接地容器
11に設けられた接続用分岐部28を介して、接地容器
11に接続されている。この操作機構箱27は、図1に
示すように、第1及び第2の内部容器29,30によっ
て、接地容器11と連通するガス側と外部の大気側とに
区分されている。この場合、第1の内部容器29は、主
遮断部12,13の下方に配置され、また、第2の内部
容器30は、抵抗遮断部14,15の下方に配置されて
いる。
【0032】そして、図3に示すように、第1の内部容
器29の内外には、主遮断部12,13を駆動するため
の第1の駆動装置(第1の駆動手段)31が設けられて
いる。この第1の駆動装置31は、詳細には、次のよう
な構成を有している。すなわち、第1の内部容器29外
部の大気側には、油圧シリンダ32、連結ロッド33、
及びリンクレバー34が設けられ、ガス側には、リンク
レバー35が設けられている。この場合、油圧シリンダ
32は、接地容器11の軸方向に配置され、この油圧シ
リンダ32の軸方向に、連結ロッド33が直列に連結さ
れており、油圧シリンダ32の駆動力によって軸方向に
直線動作するように構成されている。この連結ロッド3
3には、ガス側のリンクレバー34が連結され、さら
に、第1の内部容器29を貫通して設けられた回転軸3
6を介して大気側のリンクレバー35が連結されてお
り、これらのリンクレバー34,35は、連結ロッド3
3の直線動作に従って垂直方向に回動するように構成さ
れている。
【0033】また、図1に示すように、第2の内部容器
30の内外には、抵抗遮断部14,15を駆動するため
の第2の駆動装置(第2の駆動手段)37が設けられて
いる。この第2の駆動装置37は、詳細には、図4に示
すような構成を有している。すなわち、第2の内部容器
30外部の大気側には、第1の駆動装置31からの駆動
力を得るリンクレバー38が配置されており、第1の駆
動装置31の回転軸36に連結され、この回転軸36を
介して油圧シリンダ32からのトルクを得るように構成
されている。このリンクレバー38には、連結板39を
介して駆動ピストン(第1のピストン)40が連結され
ている。この駆動ピストン40は、圧縮シリンダ41内
の先端側に挿入されており、圧縮シリンダ41内の奥側
に挿入された浮動ピストン42との間に圧縮室43を形
成している。
【0034】浮動ピストン42には、操作棒44が連結
されており、この操作棒44は、駆動ピストン40と連
結板39の中央に設けられた図示していない中空部を通
り、連結板39の他端から突出する形で配置されてい
る。操作棒44の突出部分には、係止部44a及びやや
径の大きい係合部44bが設けられており、その係止部
44aにて、キャッチ45によって係止されるようにな
っている。キャッチ45は、制御装置46によってその
解放動作を制御されるようになっている。すなわち、制
御装置46は、第1の駆動装置31における油圧シリン
ダ32による開極駆動力の供給開始後、20〜30ms
の一定時間だけキャッチ45の係止状態を保持させた
後、キャッチ45を解放側に引き外すように設定されて
いる。さらに、操作棒44の係合部44bと連結板39
の端部に係合するレバー47が設けられており、このレ
バー47には、接続バー48を介して大気側のリンクレ
バー49が連結されており、さらに、ガス側のリンクレ
バー50が連結されている。この場合、大気側のリンク
レバー49とガス側のリンクレバー50は、前述した第
1の駆動装置と同様に、第2の内部容器30を貫通して
設けられた回転軸51を介して連結されており、これら
のリンクレバー49,50は、操作棒44の直線動作に
従って垂直方向に回動するように構成されている。
【0035】なお、図4中において、52は、第1の駆
動装置31の前述したリンクレバー35に連結された第
1の絶縁操作棒であり、リンク主遮断部12,13側に
駆動力を伝達するための第1の伝達手段に相当する。ま
た、53は、第2の駆動装置37の前述したリンクレバ
ー50に連結された第2の絶縁操作棒であり、抵抗遮断
部14,15側に駆動力を伝達するための第2の伝達手
段に相当する。これらの絶縁操作棒52,53は、図1
に示すように、垂直方向に且つ互いに平行に配設され、
対応する駆動装置31,37からの駆動力によって垂直
動作するようになっている。そして、第1の絶縁操作棒
52は、操作機構箱27の第1の内部容器29から、支
持絶縁筒54の内部を介して、センターピース55内ま
で延ばされており、第2の絶縁操作棒53は、接地容器
11の内部ガス空間を介して、センターピース55内ま
で延ばされている。この絶縁操作棒52,53周辺の構
成について、以下に説明する。
【0036】すなわち、接地容器11内における操作機
構箱27の上方には、支持絶縁筒54が垂直方向に設置
されており、この支持絶縁筒54の上に、センターピー
ス55が取り付けられている。センターピース55の両
側には、前述の第1及び第2の主遮断部12,13と、
第1及び第2の抵抗遮断部14,15が取り付けられて
いる。この構成により、遮断部12〜15は、センター
ピース55を介して電気的に接続され、接地容器11に
対しては、支持絶縁筒54によって電気的に絶縁される
と共に、支持絶縁筒54及びセンターピース55を介し
て機械的に支持固定されている。
【0037】そして、第1の絶縁操作棒52は、センタ
ーピース55の内部に設けられた一対のリンク56,5
7を介して、主遮断部12,13に連結されており、油
圧シリンダ32の駆動力を、接地容器11の垂直方向か
ら主遮断部12,13に伝達するように構成されてい
る。すなわち、一対のリンク56,57は、センターピ
ース55の内部における第1、第2の主遮断部12,1
3の間に垂直方向に回動可能に配置されており、その一
端にて、第1、第2の主遮断部12,13の可動接触子
部17,17にそれぞれ連結されると共に、その他端に
て、支持絶縁筒54内の第1の絶縁操作棒55の上端部
に連結されている。この構成により、第1の絶縁操作棒
52の垂直方向の直線動作に従って、これらのリンク5
6,57が垂直方向に回動し、第1、第2の主遮断部1
2,13の可動接触子部17,17がその軸方向に直線
動作するように構成されている。
【0038】また、第2の絶縁操作棒53は、センター
ピース55の内部に設けられた一対のリンク58,59
を介して、抵抗遮断部14,15に連結されており、圧
縮シリンダ41の駆動力を、接地容器11の垂直方向か
ら抵抗遮断部14,15に伝達するように構成されてい
る。すなわち、一対のリンク58,59は、センターピ
ース55の内部における第1、第2の抵抗遮断部14,
15の間に垂直方向に回動可能に配置されており、その
一端にて、第1、第2の抵抗遮断部14,15の可動接
触子部23,23にそれぞれ連結されると共に、その他
端にて、第2の絶縁操作棒53の上端部に連結されてい
る。この構成により、第2の絶縁操作棒53の垂直方向
の直線動作に従って、これらのリンク58,59が垂直
方向に回動し、第1、第2の抵抗遮断部14,15の可
動接触子部23,23がその軸方向に直線動作するよう
に構成されている。
【0039】以上のような構成を有する本実施例の作用
は次の通りである。まず、開極時には、図示していない
駆動用の制御装置に開極信号を与え、第1の駆動装置3
1の油圧シリンダ32に送油する。これにより、油圧シ
リンダ32から、第1の絶縁操作棒52の垂直方向の動
作を介して、主遮断部12,13に開極駆動力が与えら
れ、主遮断部12,13が開極する。この場合の第2の
駆動装置37側の動作を、図4乃至図6を参照して説明
する。
【0040】すなわち、第1の駆動装置31において、
油圧シリンダ32による開極駆動力の供給が開始する
と、この開極駆動力は、回転軸36によって、第2の駆
動装置37のリンクレバー38に伝えられ、連結板39
を介して駆動ピストン40が開極方向(図中右側)へ駆
動される。この場合、図4に示すように、第2の駆動装
置37のキャッチ45が操作棒44を係止しているた
め、浮動ピストン42は、圧縮シリンダ41内における
閉極側に保持される。この結果、駆動ピストン40の動
作に伴ない、両ピストン40,42間の圧縮室43内の
空気圧が上昇する。そして、油圧シリンダ32による開
極駆動力の供給開始後、20〜30msの時間が経過す
ると、主遮断部12,13が開極動作を完了する。この
時点では、図5に示すように、第1の絶縁操作棒52及
びこれに連結されたリンクレバー35は下方位置にあ
り、駆動ピストン40は開極位置にあって、圧縮室43
内の空気圧が極めて高くなっている。従って、このよう
な状態の直後に、キャッチ解放用の制御装置46が動作
して、キャッチ45を解放側に引き外すことにより、操
作棒44が解放され、浮動ピストン42と共に移動可能
な状態となる。その結果、図6に示すように、圧縮室4
3内の高い空気圧により、浮動ピストン42及び操作棒
44が開極方向へ瞬時に駆動され、操作棒44の係合部
44bにより、レバー47が押圧されて回転し、さら
に、接続バー48を介して大気側とガス側のリンクレバ
ー49,50が順次回転し、第2の絶縁操作棒53が下
方に引き下げられ、抵抗遮断部14,15が開極する。
【0041】図7は、このような主遮断部12,13と
抵抗遮断部14,15の開極特性を示す特性図である。
この図7に示すように、本実施例においては、主遮断部
12,13の開極動作に続いて、20〜30msという
十分な時間遅延して、抵抗遮断部14,15が開極動作
を行うことができるため、抵抗16に流れる電流によ
り、サージ電圧を十分に低い値に抑制することができ
る。
【0042】また、以上のような開極動作が終了した段
階では、抵抗遮断部14,15の固定接触子部24に設
けられたバネ25と浮動接触子26の作用により、抵抗
遮断部14,15の開離距離が主遮断部12,13の開
離距離より短くなっている。この状態で、第1の駆動装
置31において、油圧シリンダ32による閉極駆動力の
供給が開始すると、この閉極駆動力は、第1の絶縁操作
棒52を介して主遮断部12,13に供給され、主遮断
部12,13を閉極させると同時に、回転軸36によっ
て、第2の駆動装置37に伝えられ、抵抗遮断部14,
15を閉極させるため、前述した開離距離の差により、
抵抗遮断部14,15の先行閉極動作が確保される。
【0043】すなわち、油圧シリンダ32による閉極駆
動力は、第1の絶縁操作棒52を介して主遮断部12,
13に供給されると同時に、回転軸36によって、第2
の駆動装置37のリンクレバー38に伝えられ、リンク
レバー38は、図6中破線で示す矢印方向に回転する。
従って、連結板39を介して駆動ピストン40が閉極方
向(図中左側)へ駆動される。この場合、図6に示すよ
うに、レバー47の端部は、操作棒44の係合部44b
と接触状態にあると同時に、連結板39の端部と接触状
態にあるため、駆動ピストン40の閉極方向への動作に
伴ない、レバー47は、図中破線で示す矢印方向に回転
し、操作棒44は駆動ピストン40と同じ閉極方向(図
中左側)に移動する。従って、リンクレバー49,50
も、図中破線で示す矢印方向に回転し、その結果、第2
の絶縁操作棒53が上方に引き上げられ、抵抗遮断部1
4,15が閉極する。そして、このような閉極駆動力の
主遮断部12,13及び抵抗遮断部14,15への供給
はほぼ同時に行われるため、開離距離の短い分だけ、抵
抗遮断部14,15の方が若干早く閉極動作を終了す
る。
【0044】以上説明したように、本実施例によれば、
2点切り及びそれ以上の多点切りの抵抗付きパッファ形
ガス遮断器において、開極時には、抵抗遮断部14,1
5が主遮断部12,13よりも一定時間遅延して開極
し、閉極時には、抵抗遮断部14,15が主遮断部1
2,13に先行して閉極するため、開極時及び閉極時の
サージ電圧を効果的に低減可能である。また、構成的に
も、主遮断部12,13及び抵抗遮断部14,15を、
第1、第2の駆動装置31,37によって個別に駆動
し、第2の駆動装置37の駆動力を第1の駆動装置31
から供給し、抵抗遮断部14,15側の伝達手段である
第2の絶縁操作棒53に対して、キャッチ45、及び制
御装置46などを含む簡単な遅延手段によって遅延関係
を持たせるだけの簡略な構成である。特に、空気圧縮手
段は、圧縮シリンダ41内に駆動ピストン40と浮動ピ
ストン42を設けただけの簡単な構成である。従って、
遮断器全体の構成の簡略化に貢献でき、実際の装置設計
も容易であるため、実用性に優れている。さらに、第
1、第2の駆動装置31,37を同じ操作機構箱27内
に設置し、且つ、第1、第2の絶縁操作棒52,53を
同一の接続用分岐部28内に平行に配置した構成である
ため、遮断器全体のコンパクト化が可能である。
【0045】なお、前記実施例において、制御装置46
としては、一般的には、電気的な遅延回路を使用するこ
とが可能であるが、これに限定されるものではなく、例
えば、センサなどの簡単な検出手段を使用して第1の駆
動装置31側の開極終了時点(例えば、図4におけるリ
ンクレバー35の位置)を検出した時点で、キャッチ4
5を解放側に引き外すように構成することなどが可能で
ある。また、付加的に、駆動ピストン40と浮動ピスト
ン42との間に、補助バネを設けることにより、圧縮室
43内のガス漏れを補償することができるため、抵抗遮
断部14,15の開極動作をより安定にできる。
【0046】次に、請求項3の発明による抵抗付きパッ
ファ形ガス遮断器の一実施例を、図8乃至図10を参照
して説明する。この場合、図8は内部側面図、図9は水
平断面図、図10は垂直断面図である。なお、本実施例
の構成の大半は、説明の便宜上、前記実施例と同一であ
るため、これらの同一部分には同一符号を付して説明を
省略し、以下には、前記実施例との差異を主として説明
する。
【0047】まず、本実施例においては、図8に示すよ
うに、操作機構箱27内における第2の内部容器30の
内外に設けられる第2の駆動装置37は、基本的に、第
1の駆動装置31と同様に構成されている。すなわち、
第2の内部容器30の大気側には、第2の油圧シリンダ
61、連結ロッド(図示していない)、及びリンクレバ
ー62が設けられ、ガス側には、リンクレバー63が設
けられており、大気側とガス側のリンクレバー62,6
3は、第2の内部容器30を貫通して設けられた回転軸
64を介して互いに連結されている。また、これらの要
素の配置も、第1の駆動装置37と対称的に配置されて
いる。そして、第2の油圧シリンダ61は、油圧遅延装
置65を介して、第1の駆動装置31の油圧シリンダ3
2と接続されている。この油圧遅延装置65は、開極動
作時に、油圧シリンダ32へ供給する油圧の一部を、2
0〜30msの一定時間だけ遅延させて、第2の油圧シ
リンダ61に対して送油し、閉極動作時には作用しない
ように構成されている。なお、図示していないが、油圧
シリンダ30には、駆動用の制御装置が設けられてお
り、開極時及び閉極時には、開極信号及び閉極信号が与
えられ、油圧シリンダ32を起動すると共に、油圧遅延
装置65を介して、第2の油圧シリンダ61を起動する
ようになっている。
【0048】以上のような構成を有する本実施例の作用
は次の通りである。まず、開極時には、図示していない
駆動用の制御装置に開極信号を与え、油圧シリンダ32
に送油する。これにより、油圧シリンダ32から、主遮
断部12,13に開極駆動力が与えられ、主遮断部1
2,13が開極する。この場合、油圧シリンダ32への
油圧の一部は、油圧遅延装置65を介して20〜30m
sの一定時間だけ遅延させられた後、第2の油圧シリン
ダ61へ送られる。すなわち、抵抗遮断部14,15に
は、主遮断部12,13よりも20〜30msだけ遅延
した開極駆動力が与えられることになる。従って、本実
施例においても、前記実施例と同様、図7に示すよう
に、主遮断部12,13の開極動作に続いて、20〜3
0msという十分な時間遅延して、抵抗遮断部14,1
5が開極動作を行うことができるため、抵抗16に流れ
る電流により、サージ電圧を十分に低い値に抑制するこ
とができる。
【0049】また、以上のような開極動作が終了した段
階では、抵抗遮断部14,15の固定接触子部24に設
けられたバネ25と浮動接触子26の作用により、抵抗
遮断部14,15の開離距離が主遮断部12,13の開
離距離より短くなっている。従って、閉極時には、駆動
用の制御装置に閉極信号を与え、第1及び第2の油圧シ
リンダ32,42を同時に起動し、主遮断部12,13
及び抵抗遮断部14,15に同時に閉極駆動力を与える
ことにより、開離距離の短い分に応じた時間だけの、抵
抗遮断部14,15の先行閉極動作が得られる。
【0050】以上説明したように、本実施例において
も、前記実施例と同様、2点切り及びそれ以上の多点切
りの抵抗付きパッファ形ガス遮断器において、開極時に
は、抵抗遮断部14,15が主遮断部12,13よりも
一定時間遅延して開極し、閉極時には、抵抗遮断部1
4,15が主遮断部12,13に先行して閉極するた
め、開極時及び閉極時のサージ電圧を効果的に低減可能
である。また、構成的にも、主遮断部12,13及び抵
抗遮断部14,15を、油圧シリンダ32,61によっ
て個別に駆動し、油圧遅延装置65によって遅延関係を
持たせるだけの簡略な構成である。そして、このよう
に、油圧シリンダ32,61や油圧遅延装置65などを
使用した場合、実際の装置設計も容易であるため、実用
性に優れている。加えて、前記実施例と同様、第1、第
2の駆動装置31,37を同じ操作機構箱27内に設置
し、且つ、第1、第2の絶縁操作棒52,53を同一の
接続用分岐部28内に平行に配置した構成であるため、
遮断器全体のコンパクト化が可能である。
【0051】一方、前記実施例の変形例として、第2の
駆動シリンダ42を、開極信号の遅延によって遅延させ
る構成も同様に可能であり、この場合には、主遮断部1
2,13及び抵抗遮断部14,15の開離距離をほぼ同
じに構成することができる。すなわち、第1及び第2の
油圧シリンダ32,61に、駆動用の制御装置を個別に
設け、油圧シリンダ61に与える開極信号を、電気的な
遅延回路を用いて、油圧シリンダ32に与える開極信号
より必要な時間だけ遅延させることにより、上記の実施
例と同様の抵抗遮断部14,15の遅延開極動作を得る
ことができる。この構成は、図8に示す油圧遅延装置6
5を電気的な遅延回路及び配線に置換した構成に相当す
る。そして、この構成においては、前述した通り、開離
距離をほぼ同じにできることから、抵抗遮断部の固定接
触子部24にバネ25及び浮動接触子26などのストロ
ーク吸収機構を設ける必要がなくなり、同部の構成を簡
略化できるという利点がある。また、閉極時において
は、第2の油圧シリンダ61への閉極信号を、油圧シリ
ンダ32への閉極信号より必要な時間だけ先に与えるこ
とにより、抵抗遮断部14,15の先行閉極動作を実現
できる。
【0052】さらに、開極時において、油圧シリンダ3
2への油圧の一部を、油圧遅延装置65を介して遅延さ
せた後、第2の油圧シリンダ61に対して送油する一方
で、閉極時において、個別の閉極信号によって2つの油
圧シリンダ32,61を同時に駆動させるような構成も
可能である。
【0053】なお、本発明において、駆動手段及び伝達
手段の配置構成は、適宜選択可能であり、例えば、前記
各実施例において、第1の駆動装置31と第2の駆動装
置37は、必ずしも接地容器11の下方に設ける必要は
なく、また、請求項1及び請求項2の発明に従う場合に
は、これらの駆動装置31,37を必ずしも並べて配置
する必要もない。そして、それらの位置に応じて、主遮
断部12,13と抵抗遮断部14,15の位置及び第
1、第2の絶縁操作棒52,53の設置方向が適宜決定
されることになる。また、主遮断部12,13と抵抗遮
断部14,15の位置関係も必ずしも水平である必要は
なく、例えば、斜めに配置した場合には、両遮断部の水
平距離を短縮できるため、接続用分岐部28の径を縮小
できる利点がある。また、駆動手段としては、油圧シリ
ンダの他に、例えば、バネを利用した駆動装置を使用す
ることが可能であり、伝達手段の具体的な構成も適宜変
更可能である。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
主遮断部及び抵抗遮断部を個別に駆動する第1及び第2
の駆動手段を設け、遅延手段によって、第2の駆動手段
を遅延させるように構成することにより、開極時には、
抵抗遮断部を主遮断部よりも一定時間遅延して開極さ
せ、閉極時には、抵抗遮断部を主遮断部に先行して閉極
させることができるため、開極時及び閉極時のサージ電
圧を効果的に低減可能であり、簡略で実用性の高い、優
れた抵抗付きパッファ形ガス遮断器を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による抵抗付きパッファ形ガス遮断器の
一実施例を示す内部側面図。
【図2】図1の抵抗付きパッファ形ガス遮断器を示す水
平側面図。
【図3】図1の抵抗付きパッファ形ガス遮断器を示す垂
直側面図。
【図4】図1中のA矢視による第2の駆動装置(第2の
駆動手段)における閉極時の状態を示す正面図。
【図5】図4の駆動装置において、主遮断部の開極終了
時にほぼ対応する抵抗遮断部への開極駆動力の供給開始
直前を示す正面図。
【図6】図4の駆動装置における開極時の状態を示す正
面図。
【図7】図1の抵抗付きパッファ形ガス遮断器の開極特
性を示す特性図。
【図8】本発明による抵抗付きパッファ形ガス遮断器の
図1とは異なる一実施例を示す内部側面図。
【図9】図8の抵抗付きパッファ形ガス遮断器を示す水
平側面図。
【図10】図8の抵抗付きパッファ形ガス遮断器を示す
垂直側面図。
【図11】従来の抵抗付き遮断器の動作を示す原理図で
あり、(A)は閉極状態、(B)は主遮断部の開極時、
(C)は抵抗遮断部の開極時を示す。
【符号の説明】
11…接地容器 12…第1の主遮断部 13…第2の主遮断部 14…第1の抵抗遮断部 15…第2の抵抗遮断部 16…抵抗 17…可動接触子部 18…固定接触子部 19…絶縁ロッド 16a,20…導体 21,28…接続口 22…絶縁スペーサ 23…可動接触子部 24…固定接触子部 25…バネ 26…浮動接触子 27…操作機構箱 29,30…内部容器 30…第1の駆動シリンダ 31…第1の駆動装置(第1の駆動手段) 32…油圧シリンダ 33…連結ロッド 34,35…リンクレバー 36…回転軸 37…第2の駆動装置(第2の駆動手段) 38…リンクレバー 39…連結板 40…駆動ピストン(第1のピストン) 41…圧縮シリンダ 42…浮動ピストン(第2のピストン) 43…圧縮室 44…操作棒 44a…係止部 44b…係合部 45…キャッチ 46…制御装置 47…レバー 48…接続バー 49,50…リンクレバー 51…回転軸 52…第1の絶縁操作棒(第1の伝達手段) 53…第2の絶縁操作棒(第2の伝達手段) 54…支持絶縁筒 55…センターピース 56〜59…リンク 61…第2の油圧シリンダ 62,63…リンクレバー 64…回転軸 65…油圧遅延装置(遅延手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 敏和 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 西住 茂紀 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消弧性ガスを充填した接地容器内に、パ
    ッファ構成の主遮断部及び抵抗遮断部をそれぞれ2組以
    上ずつ有する2点切り以上の抵抗付きパッファ形ガス遮
    断器において、 前記接地容器の外部に設置され、前記主遮断部を駆動す
    る第1の駆動手段と、 前記接地容器の外部に設置され、前記抵抗遮断部を駆動
    する第2の駆動手段と、 前記第1の駆動手段からの開極駆動力及び閉極駆動力
    を、接地容器の軸方向に直交する第1の方向から前記主
    遮断部に伝達する第1の伝達手段と、 前記第2の駆動手段からの開極駆動力及び閉極駆動力
    を、接地容器の軸方向に直交する第2の方向から前記抵
    抗遮断部に伝達する第2の伝達手段とを備え、 前記第2の駆動手段が、開極時に、前記第1の駆動手段
    からの前記主遮断部への開極駆動力の一部によって空気
    を圧縮し、その圧力を前記抵抗遮断部への開極駆動力と
    して供給する空気圧縮手段と、この空気圧縮手段による
    前記抵抗遮断部への開極駆動力の供給を一定時間遅延さ
    せる遅延手段を備えたことを特徴とする抵抗付きパッフ
    ァ形ガス遮断器。
  2. 【請求項2】 空気圧縮手段が、シリンダと、このシリ
    ンダ内に配置され、第1の駆動手段からの駆動力によっ
    て開極側と閉極側に移動する第1のピストン、及び、シ
    リンダ内における第1のピストンの開極側に第1のピス
    トンと対向して配置され、開極時には、第1のピストン
    の開極側への移動によって圧縮された空気の圧力により
    開極側へ移動し、閉極時には、第1のピストンに係合し
    て第1のピストンと一体に閉極側へ移動し、第2の伝達
    手段を介して抵抗遮断部を開閉駆動する第2のピストン
    を備え、 遅延手段が、第2のピストンを閉極側の位置に係止する
    キャッチ手段と、主遮断部への開極駆動力の供給開始
    後、キャッチ手段を一定時間係止動作させ、一定時間経
    過後にキャッチ手段を引き外す制御手段を備えたことを
    特徴とする請求項1に記載の抵抗付きパッファ形ガス遮
    断器。
  3. 【請求項3】 消弧性ガスを充填した接地容器内に、パ
    ッファ構成の主遮断部及び抵抗遮断部をそれぞれ2組以
    上ずつ有する2点切り以上の抵抗付きパッファ形ガス遮
    断器において、 前記接地容器の外部に設置され、前記主遮断部を駆動す
    る第1の駆動手段と、 前記接地容器の外部に前記第1の駆動手段と並べて設置
    され、前記抵抗遮断部を駆動する第2の駆動手段と、 前記第1の駆動手段からの開極駆動力及び閉極駆動力
    を、接地容器の軸方向に直交する一定の方向から前記主
    遮断部に伝達する第1の伝達手段と、 前記第2の駆動手段からの開極駆動力及び閉極駆動力
    を、接地容器の軸方向に直交する前記一定の方向とほぼ
    同一方向から前記抵抗遮断部に伝達する第2の伝達手段
    と、 開極時に、前記第1の駆動手段からの前記主遮断部への
    開極駆動力の供給に対して、前記第2の駆動手段からの
    前記抵抗遮断部への開極駆動力の供給を一定時間遅延さ
    せる遅延手段を備えたことを特徴とする抵抗付きパッフ
    ァ形ガス遮断器。
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