JPH05222563A - セシウムミョウバンからのセシウムの回収方法 - Google Patents

セシウムミョウバンからのセシウムの回収方法

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JPH05222563A
JPH05222563A JP4057531A JP5753192A JPH05222563A JP H05222563 A JPH05222563 A JP H05222563A JP 4057531 A JP4057531 A JP 4057531A JP 5753192 A JP5753192 A JP 5753192A JP H05222563 A JPH05222563 A JP H05222563A
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JP
Japan
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cesium
alum
hydroxide
tank
cathode chamber
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JP4057531A
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English (en)
Inventor
Isao Abe
功 阿部
Hirobumi Watanabe
博文 渡辺
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Publication date
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率的かつ経済的なセシウムミョウバンから
のセシウムの回収方法を提供する。 【構成】 懸濁槽でセシウムミョウバンを水中に懸濁
し、該懸濁槽から懸濁液を取り出し懸濁質を分離して溶
液のみを、陰イオン交換膜で陰極と陽極に仕切られた電
解槽の陰極室に連続的に供給し、電気分解することによ
り陰極室に水酸化セシウムを生成せしめ、生成した水酸
化セシウム水溶液を懸濁槽に連続的に繰り返し懸濁槽で
セシウムミョウバンと水酸化セシウムとを反応させ硫酸
セシウムと水酸化アルミニウムとに複分解することを特
徴とするセシウムミョウバンからのセシウムの回収方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポルサイトなどのセシ
ウム含有鉱物を硫酸で抽出して得たセシウムミョウバン
からのセシウムの回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工業的に行われているセシウムミョウバ
ンからのセシウムの回収方法として下記の二つの方法が
ある。 1) ポルサイトなどのセシウム含有鉱物を硫酸で浸出
し、セシウムミョウバン含有抽出液を得、結晶化により
セシウムミョウバンを得る。このセシウムミョウバンを
加温した水に再度溶解し、水酸化バリウム、消石灰のよ
うなアルカリ土類水酸化物と反応させて硫酸バリウム、
硫酸カルシウムの沈澱と水酸化アルミニウムを生成す
る。硫酸セシウム或は水酸化セシウムは、上澄み液に残
存し、これからセシウムは回収され、これら以外のセシ
ウム化合物に転化される。
【0003】2) 1)と同様にしてセシウムミョウバンを
得、セシウムミョウバンを加温した水に再度溶解し、過
マンガン酸カリなどの過マンガン酸塩を添加して過マン
ガン酸セシウムとして沈澱させる。この過マンガン酸セ
シウムをメタノールと反応させて炭酸セシウムとデルタ
二酸化マンガンセシウムとに分解する。デルタ二酸化マ
ンガンセシウムは、強酸と反応させて、強酸との塩の水
溶液と二酸化マンガンにする。
【0004】1)の方法は工業的にセシウムミョウバンか
らセシウムを回収する最も一般的な方法であるが、アル
カリ土類金属の水酸化物とセシウムミョウバンとの反応
により、大量のアルカリ土類硫酸塩、水酸化アルミニウ
ムの混合澱物が生ずるので、この澱物の処理が問題とな
る。またこの澱物は濾過性が悪く、付着水と共にセシウ
ムが持ち去られ、収率が低下する問題もある。その上、
消石灰を使用した場合には、消石灰が不純なことが多
く、高純度のセシウム塩を得ようとする場合には、後工
程での不純物除去工程が複雑になる。水酸化バリウムを
使用する場合には、水酸化バリウムが高価なため、経済
的なコストでセシウムを回収することが困難である。
【0005】2)の方法は、1)の方法の改良法として提案
されたものであるが、セシウム塩と共に大量に生成する
二酸化マンガンの処理が問題となると共に、強酸化剤で
ある過マンガン酸塩を大量に取り扱うという点で安全性
の問題がある。また、還元剤としてメタノールを使用す
るため、廃液の処理、取り扱い上の制約を受ける。上記
の二つの方法では、セシウムミョウバンの溶解度が低い
ため、反応系を加温する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
方法が有する、高価な試薬や、安全性に問題のある試薬
を必要とせず、濾過性の悪い多量の副産物を生ずること
がなく、不純な試薬を使用して得られるセシウムの純度
を低下させることなく、加温しなくても反応を進行させ
得る、効率的かつ経済的なセシウムミョウバンからのセ
シウムの回収方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、懸濁槽でセシ
ウムミョウバンを水中に懸濁し、該懸濁槽から懸濁液を
取り出し懸濁質を分離して溶液のみを、陰イオン交換膜
で陰極と陽極に仕切られた電解槽の陰極室に連続的に供
給し、電気分解することにより陰極室に水酸化セシウム
を生成せしめ、生成した水酸化セシウム水溶液を懸濁槽
に連続的に繰り返し懸濁槽でセシウムミョウバンと水酸
化セシウムとを反応させ硫酸セシウムと水酸化アルミニ
ウムとに複分解することにある。
【0008】
【作用】セシウムミョウバン{CsAl(SO4)2・12H2O}を懸
濁槽において水中に懸濁し、懸濁液を沈降槽、連続濾過
器を経て未溶解のセシウムミョウバンを除去し、セシウ
ムミョウバンの希薄溶液とする。希薄溶液を陰イオン交
換膜で陰極と陽極に仕切られた電解槽の陰極室に連続的
に供給し電気分解を行う。電気分解操作を行うと、陰極
室に生ずる硫酸イオンは、陰イオン交換膜を通して陽極
室側に移動し、下記の反応式に従い硫酸となる。
【0009】セシウムイオン及びアルミニウムイオン
は、陰イオン交換膜を通過出来ないため、陰極室内で水
酸化セシウム及び水酸化アルミニウムとなる。この陰極
室内に生じた水酸化セシウムを再び懸濁槽に繰り返すこ
とにより、懸濁槽内のセシウムミョウバンと反応し、下
記の式に従い複分解反応が進行し、硫酸セシウムと水酸
化アルミニウムに分解する。これを懸濁槽に繰り返すこ
とにより、下記の反応式に従い複分解反応が進行し、硫
酸セシウムと水酸化アルミニウムとなる。
【0010】 陰極側 Cs2SO4+2e-+2H2O→2CsOH+H2+SO4 2- Al2(SO4)3+6e-+6H2O→2Al(OH)3+3H2+3SO4 2- 陽極側 SO4 2-+H2O→H2SO4+1/2O2+2e- 懸濁槽内 CaAl(SO4)2+3CsOH→2Cs2SO4+Al(OH)3
【0011】セシウムミョウバンと複分解反応を起こし
て生成した硫酸セシウムは、生成した水酸化アルミニウ
ムを濾過して除去し、再び陰極室に循環供給する。この
サイクルを繰り返すことにより、陰極液中に硫酸セシウ
ムが濃縮してくる。生成した硫酸セシウムが数百g/l
になったところで抜き取るバッチ操業、或は連続的に懸
濁槽に水を供給して、ある濃度の硫酸セシウム溶液を連
続的に得る連続的操業で、系外に取り出し各種セシウム
塩の製造に使用する。
【0012】本発明方法では、陰極室内は、水酸化セシ
ウムの生成に伴い、pHが上昇するが、pHが上昇し過
ぎると、水酸化セシウムと共に生成する水酸化アルミニ
ウムがアルミン酸セシウムとなり、陰イオンであるアル
ミン酸イオンが生成してくる。アルミン酸イオンが生成
してくると、アルミン酸イオンは陽極側へ移動しようと
するが、陽極側は、硫酸の生成により低pHであるた
め、両側の室を隔てている陰イオン交換膜中で水酸化ア
ルミニウムが析出し、イオン交換膜を閉塞、破壊する。
【0013】以上の理由により、陰極室内のpHは8以
下にする必要がある。陰極室のpHは、セシウムミョウ
バン溶液が弱い酸性であるため、陰極室への液の循環量
により調節可能であり、陰極室への液の循環量は、陰極
室内のpHを8以下にするに必要な循環量とする。
【0014】陽極室側に生成する硫酸は、そのまま希硫
酸で排出することも可能であるが、一般に知られている
ように、現状の陰イオン交換膜では、硫酸の生成に伴
い、生成する水素イオンの透過を十分阻止できないた
め、硫酸濃度が上昇すると、電流効率の著しい低下を示
す。そのため、陽極室内の液は、苛性ソーダ、アンモニ
ア水などのアルカリ剤でpH4〜8に調整することが好
ましい。
【0015】本発明方法では、反応は常温で進行するた
め、特別に加温する必要はない。生成する水酸化アルミ
ニウムは、結晶性がよく、非常に濾過性のよいものとな
り、また水酸化アルミニウムのみが生成するため澱物の
処理が容易である。また本発明方法では基本的に電気分
解のみで反応が進行し、原料のセシウムミョウバンは、
再結晶により容易に不純物が除去できるため、容易に高
純度のセシウム塩が製造できる。
【0016】
【実施例】
セシウムミョウバンの調製 200メッシュ以下に粉砕したポルサイト鉱石(重量%
で、Cs 21.0%、Rb 0.8%、Na 1.6%、A
l 18.5%、Si 23.1%含有)2kgを、40%
硫酸3.8kgと混合し、ガラス製の5lセパラブルフ
ラスコにて撹拌しつつ120℃で2時間抽出を行った。
抽出後、放置して冷却し、澱物をブフナーロートにて濾
過した。濾別した澱物を4.2lの純水中に懸濁させ、
撹拌しつつ沸騰まで加熱し、自然冷却し、セシウムミョ
ウバンの再結晶を行った。この操作を2回繰り返し、得
られた澱物を100メッシュの篩でふるい、未抽出のポ
ルサイトを除去した。この操作により1.6kgのセシ
ウムミョウバンを得た。得られたセシウムミョウバンの
分析値は、重量%で、Cs 23.4%、Rb 0.03
%、Na 0.02%、Al 14.9%、Si 0.2%で
あった。
【0017】実施例1 図1に示す容量1lの懸濁槽1と、同じく容量1lの沈
降槽2とに純水各500mlを入れた。電解槽4の真ん
中を陰イオン交換膜7(第4級アンモニウムを主な交換
活性基とする強塩基性陰イオン交換膜)で仕切り、陰極
室、陽極室の各容量を150mlとした。陽極室には陽
極6として100×250mmの鉛板を、陰極室には、
陰極5として100×250mmのSUS304の板を
挿入し純水150mlを入れた。また容量1lの陽極液
貯留槽8には0.1mol/lの硫酸溶液を500ml
入れ、これを陽極室にポンプで注入した。
【0018】懸濁槽1にセシウムミョウバン500gを
入れ、650mlの純水を最初だけ500ml/min
の割合で注入しながら撹拌機で撹拌した。懸濁槽1より
オーバーフローしたセシウムミョウバン希薄液は沈降槽
2に入り、浮遊している微細なセシウムミョウバンを沈
降させた後、ポンプで連続濾過器3に送り、沈降槽2で
生成する水酸化アルミニウムを濾過し電解槽4の陰極室
に500ml/minの割合で送液し、一方陽極室には
陽極液貯留槽8から500ml/minの割合で硫酸溶
液を送液した。
【0019】陰極室の液はオーバーフローにて懸濁槽1
に循環し、陽極室の液は陽極液貯留槽8にオーバーフロ
ーで循環させた。この状態で陰極電流密度2A/dm2
で7時間連続通電し、Cs 3g/lの陰極液1.75l
を得た。電流効率は46%であった。
【0020】実施例2 アルカリ液貯槽10から3Nの苛性ソーダ液を、pH調
整器9でポンプを操作させて陽極液貯留槽8のpHを8
に調整しながら実施例1と同様にして29時間連続通電
し、Cs 38g/lの陰極液1.1lを得た。電流効率
は84%であった。
【0021】実施例3 実施例2と同様の条件で陰極電流密度を1A/dm2
し、100時間連続通電した。総電流量は49.6AH
であった。得られた陰極液は、850mlで、Cs 8
5g/lであった。電流効率は81%であった。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、従来方法のように、高
価な試薬や、安全性に問題のある試薬を必要とせず、濾
過性の悪い多量の副産物を生ずることがなく、不純な試
薬を使用して得られるセシウムの純度を低下させること
なく、加温しなくても反応を進行させ得る、効率的かつ
経済的なセシウムミョウバンからのセシウムの回収方法
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 懸濁槽 2 沈降槽 3 連続濾過器 4 電解槽 5 陰極 6 陽極 7 陰イオン交換膜 8 陽極液貯留槽 9 pH調整器 10 アルカリ液貯槽

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 懸濁槽でセシウムミョウバンを水中に懸
    濁し、該懸濁槽から懸濁液を取り出し懸濁質を分離して
    溶液のみを、陰イオン交換膜で陰極と陽極に仕切られた
    電解槽の陰極室に連続的に供給し、電気分解することに
    より陰極室に水酸化セシウムを生成せしめ、生成した水
    酸化セシウム水溶液を懸濁槽に連続的に繰り返し懸濁槽
    でセシウムミョウバンと水酸化セシウムとを反応させ硫
    酸セシウムと水酸化アルミニウムとに複分解することを
    特徴とするセシウムミョウバンからのセシウムの回収方
    法。
JP4057531A 1992-02-10 1992-02-10 セシウムミョウバンからのセシウムの回収方法 Pending JPH05222563A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004106564A3 (en) * 2003-05-23 2005-05-19 Cabot Corp Method for recovering at least one metallic element like cesium from ore

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004106564A3 (en) * 2003-05-23 2005-05-19 Cabot Corp Method for recovering at least one metallic element like cesium from ore
US7323150B2 (en) 2003-05-23 2008-01-29 Cabot Corporation Methods for recovering at least one metallic element from ore

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