JPH05217426A - 非還元性誘電体磁器組成物 - Google Patents
非還元性誘電体磁器組成物Info
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- JPH05217426A JPH05217426A JP4016500A JP1650092A JPH05217426A JP H05217426 A JPH05217426 A JP H05217426A JP 4016500 A JP4016500 A JP 4016500A JP 1650092 A JP1650092 A JP 1650092A JP H05217426 A JPH05217426 A JP H05217426A
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B35/00—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
- C04B35/01—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics
- C04B35/48—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics based on zirconium or hafnium oxides, zirconates, zircon or hafnates
- C04B35/49—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics based on zirconium or hafnium oxides, zirconates, zircon or hafnates containing also titanium oxides or titanates
Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【目的】 １０００℃以下の温度で焼成することがで
き、銀や銅を内部電極材料として使用するのに適してお
り、ε及びＱ値が高く、εの温度依存性が小さな高周波
用途に適した非還元性誘電体磁器組成物を得る。 【構成】 主成分としての（Ｃａ1-x Ｓｒx ）m （Ｚｒ
1-y Ｔｉy ）Ｏ3 −ｚＭｎＯ2 −ｗＳｉＯ2 を１００重
量部と、添加剤としての、ａ（ＬｉＯ1/2 −ＲＯ）−
（１−ａ）（ＢＯ3/2 −ＳｉＯ2 ）であり、ＲＯがＳｒ
Ｏ、ＢａＯ及びＣａＯのうち少なくとも１種、ａがモル
比で０．０１≦ａ≦０．８を２〜３０重量部とを含む主
成分及び添加剤の組成式において、下記の関係を満たす
非還元性誘電体磁器組成物。ｘ，ｙ及びｍがモル比で０
≦ｘ≦１．０，０≦ｙ≦０．２，０．９≦ｍ≦１．１ の関係にあり、（Ｃａ1-x Ｓｒx ）ｍ（Ｚｒ1-y Ｔ
ｉy ）Ｏ3 を１００重量％としたとき、０．１≦ｚ≦５
重量％，０．３≦ｗ≦８重量％ であり、ＲＯがＳｒＯ、ＢａＯ及びＣａＯのうち少なく
とも１種であり、ａがモル比で０．０１≦ａ≦０．８。
き、銀や銅を内部電極材料として使用するのに適してお
り、ε及びＱ値が高く、εの温度依存性が小さな高周波
用途に適した非還元性誘電体磁器組成物を得る。 【構成】 主成分としての（Ｃａ1-x Ｓｒx ）m （Ｚｒ
1-y Ｔｉy ）Ｏ3 −ｚＭｎＯ2 −ｗＳｉＯ2 を１００重
量部と、添加剤としての、ａ（ＬｉＯ1/2 −ＲＯ）−
（１−ａ）（ＢＯ3/2 −ＳｉＯ2 ）であり、ＲＯがＳｒ
Ｏ、ＢａＯ及びＣａＯのうち少なくとも１種、ａがモル
比で０．０１≦ａ≦０．８を２〜３０重量部とを含む主
成分及び添加剤の組成式において、下記の関係を満たす
非還元性誘電体磁器組成物。ｘ，ｙ及びｍがモル比で０
≦ｘ≦１．０，０≦ｙ≦０．２，０．９≦ｍ≦１．１ の関係にあり、（Ｃａ1-x Ｓｒx ）ｍ（Ｚｒ1-y Ｔ
ｉy ）Ｏ3 を１００重量％としたとき、０．１≦ｚ≦５
重量％，０．３≦ｗ≦８重量％ であり、ＲＯがＳｒＯ、ＢａＯ及びＣａＯのうち少なく
とも１種であり、ａがモル比で０．０１≦ａ≦０．８。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波用の誘電体共振
器、フィルタまたは積層コンデンサ等に用いるのに適し
た誘電体磁器組成物に関し、特に、Ｑ値が高く、温度特
性が安定しており、さらに銀や銅等の内部電極材料と同
時焼成可能な低温焼結性の非還元性誘電体磁器組成物に
関する。
器、フィルタまたは積層コンデンサ等に用いるのに適し
た誘電体磁器組成物に関し、特に、Ｑ値が高く、温度特
性が安定しており、さらに銀や銅等の内部電極材料と同
時焼成可能な低温焼結性の非還元性誘電体磁器組成物に
関する。
【０００２】
【従来の技術】高周波帯で使用される誘電体共振器、フ
ィルタまたは積層コンデンサ等における内部電極は、高
周波帯における抵抗損失の低い材料で構成される必要が
あり、従って銀や銅等の導電率の高い金属材料を用いて
構成する必要がある。また、上記のような電子部品の小
型化を図るためには、内部電極を介してセラミックスを
積層し、一体焼成して得られる積層型の電子部品として
構成することが有効であるが、この場合、上記内部電極
材料と同時焼成される誘電体セラミックスとしては、Ｑ
が高く、比誘電率εの温度依存性が小さいことに加え
て、融点が比較的低い上記のような電極材料と同時焼成
し得る、すなわち１０００℃以下の温度で焼結し得るこ
とが要求される。さらに、内部電極材料として銅を用い
る場合には、銅の酸化を防止するために、誘電体セラミ
ックスが非還元性材料であることが要求される。
ィルタまたは積層コンデンサ等における内部電極は、高
周波帯における抵抗損失の低い材料で構成される必要が
あり、従って銀や銅等の導電率の高い金属材料を用いて
構成する必要がある。また、上記のような電子部品の小
型化を図るためには、内部電極を介してセラミックスを
積層し、一体焼成して得られる積層型の電子部品として
構成することが有効であるが、この場合、上記内部電極
材料と同時焼成される誘電体セラミックスとしては、Ｑ
が高く、比誘電率εの温度依存性が小さいことに加え
て、融点が比較的低い上記のような電極材料と同時焼成
し得る、すなわち１０００℃以下の温度で焼結し得るこ
とが要求される。さらに、内部電極材料として銅を用い
る場合には、銅の酸化を防止するために、誘電体セラミ
ックスが非還元性材料であることが要求される。
【０００３】上述のような種々の要求に応えて、特開昭
６３−５５８１５号には、ＢａＯ−ＳｒＯ−ＳｉＯ2 −
ＺｒＯ2 −Ａｌ2 Ｏ3 系誘電体磁器組成物が提案されて
いる。また、特開昭６２−１３１４１５号には、Ｃａ
（ＺｒＴｉ）Ｏ3 系誘電体磁器組成物に特定の添加成分
を加えることにより、還元雰囲気中において１２００℃
以下の温度で焼結することができ、かつ高い温度係数及
び安定した温度特性を実現し得ることが知られている。
６３−５５８１５号には、ＢａＯ−ＳｒＯ−ＳｉＯ2 −
ＺｒＯ2 −Ａｌ2 Ｏ3 系誘電体磁器組成物が提案されて
いる。また、特開昭６２−１３１４１５号には、Ｃａ
（ＺｒＴｉ）Ｏ3 系誘電体磁器組成物に特定の添加成分
を加えることにより、還元雰囲気中において１２００℃
以下の温度で焼結することができ、かつ高い温度係数及
び安定した温度特性を実現し得ることが知られている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
６３−５５８１５号に開示されている材料系では、比誘
電率εが１０と小さく、εの温度係数が焼成条件により
変化しやすく、不安定であるという問題があった。ま
た、特開昭６２−１３１４１５号に開示されている材料
系では、焼成温度の下限が１０３０℃と比較的高く、従
って銅を内部電極材料として使用した場合には電極の溶
融や凝集、銅電極の誘電体への拡散が生じ、εの温度係
数の絶対値が３０ｐｐｍ／℃より大きくなるという欠点
があった。
６３−５５８１５号に開示されている材料系では、比誘
電率εが１０と小さく、εの温度係数が焼成条件により
変化しやすく、不安定であるという問題があった。ま
た、特開昭６２−１３１４１５号に開示されている材料
系では、焼成温度の下限が１０３０℃と比較的高く、従
って銅を内部電極材料として使用した場合には電極の溶
融や凝集、銅電極の誘電体への拡散が生じ、εの温度係
数の絶対値が３０ｐｐｍ／℃より大きくなるという欠点
があった。
【０００５】本発明の目的は、約１０００℃以下の低温
で焼成することができ、従って銅を電極材料として用い
ることができ、しかもＱ値及び誘電率が高く、かつ誘電
率の温度特性も安定な誘電体磁器を得ることを可能とす
る非還元性誘電体磁器組成物を提供することにある。
で焼成することができ、従って銅を電極材料として用い
ることができ、しかもＱ値及び誘電率が高く、かつ誘電
率の温度特性も安定な誘電体磁器を得ることを可能とす
る非還元性誘電体磁器組成物を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成すべく成されたものであり、主成分として、（Ｃａ
1-x Ｓｒx ）m （Ｚｒ1-y Ｔｉy ）Ｏ3 −ｚＭｎＯ2 −
ｗＳｉＯ2 を１００重量部と、添加剤として、ａ（Ｌｉ
Ｏ1/2 −ＲＯ）−（１−ａ）（ＢＯ3/2 −ＳｉＯ 2 ）で
あり、但し、ＲＯがＳｒＯ、ＢａＯ及びＣａＯのうち少
なくとも１種、ａがモル比で０．０１≦ａ≦０．８を２
〜３０重量部とを含むことを特徴とする。
成すべく成されたものであり、主成分として、（Ｃａ
1-x Ｓｒx ）m （Ｚｒ1-y Ｔｉy ）Ｏ3 −ｚＭｎＯ2 −
ｗＳｉＯ2 を１００重量部と、添加剤として、ａ（Ｌｉ
Ｏ1/2 −ＲＯ）−（１−ａ）（ＢＯ3/2 −ＳｉＯ 2 ）で
あり、但し、ＲＯがＳｒＯ、ＢａＯ及びＣａＯのうち少
なくとも１種、ａがモル比で０．０１≦ａ≦０．８を２
〜３０重量部とを含むことを特徴とする。
【０００７】主成分 上記主成分において、ｘ，ｙ，ｍは、モル比で下記の関
係を満たすことが必要である。 ０≦ｘ≦１．０ ０≦ｙ≦０．２ ０．９≦ｍ≦１．１
係を満たすことが必要である。 ０≦ｘ≦１．０ ０≦ｙ≦０．２ ０．９≦ｍ≦１．１
【０００８】また、上記主成分中において、（Ｃａ1-x
Ｓｒx ）m （Ｚｒ1-y Ｔｉy ）Ｏ3を１００重量％とし
たときに、前記ｚ及びｗが下記の範囲にあることが必要
である。 ０．１≦ｚ≦５重量％ ０．３≦ｗ≦８重量％
Ｓｒx ）m （Ｚｒ1-y Ｔｉy ）Ｏ3を１００重量％とし
たときに、前記ｚ及びｗが下記の範囲にあることが必要
である。 ０．１≦ｚ≦５重量％ ０．３≦ｗ≦８重量％
【０００９】ｙが０．２を超えると、誘電率温度係数Ｔ
Ｃ（後述の実施例における測定法を参照）の絶対値が３
０ｐｐｍ／℃を超え、誘電率の温度依存性が大きくなる
からである。ｍが０．９未満の場合及び１．１より大き
い場合には、１０００℃以下の温度で焼結することがで
きない。
Ｃ（後述の実施例における測定法を参照）の絶対値が３
０ｐｐｍ／℃を超え、誘電率の温度依存性が大きくなる
からである。ｍが０．９未満の場合及び１．１より大き
い場合には、１０００℃以下の温度で焼結することがで
きない。
【００１０】同様に、ｚが０．１重量％未満の場合にも
１０００℃以下の温度で焼結することができない。他
方、ｚが５重量％よりも大きい場合には、比抵抗ρが１
０10Ω・ｃｍ未満となり、比抵抗が小さくなり過ぎる。
また、ｗが０．３重量％より小さい場合には、１０００
℃以下の温度で焼結することができなくなり、８重量％
より大きい場合にはεが２０以下となり、かつ比抵抗ρ
が１０10Ω・ｃｍ未満となる。
１０００℃以下の温度で焼結することができない。他
方、ｚが５重量％よりも大きい場合には、比抵抗ρが１
０10Ω・ｃｍ未満となり、比抵抗が小さくなり過ぎる。
また、ｗが０．３重量％より小さい場合には、１０００
℃以下の温度で焼結することができなくなり、８重量％
より大きい場合にはεが２０以下となり、かつ比抵抗ρ
が１０10Ω・ｃｍ未満となる。
【００１１】添加剤 本発明の誘電体磁器組成物では、上記主成分１００重量
部に対し、上記添加剤が２〜３０重量部の割合で配合さ
れる。これは、添加剤の配合割合が２重量部未満では、
１０００℃以下の温度で焼結することができないからで
あり、３０重量部を超えると誘電率εが２０以下とな
り、かつＱ値が２０００以下となるからである。
部に対し、上記添加剤が２〜３０重量部の割合で配合さ
れる。これは、添加剤の配合割合が２重量部未満では、
１０００℃以下の温度で焼結することができないからで
あり、３０重量部を超えると誘電率εが２０以下とな
り、かつＱ値が２０００以下となるからである。
【００１２】なお、添加剤の組成において、ａをモル比
で０．０１≦ａ≦０．８の範囲としたのは、この範囲外
では１０００℃以下の温度で焼結することができないか
らである。なお、上記添加剤の組成式から明らかなよう
に、ａは０．０１以上であるため、添加剤には、ＬｉＯ
1/2 、ＢＯ3/2 、ＳｉＯ2 及びＲＯが必ず含まれること
になる。本発明の誘電体磁器組成物では、ＬｉＯ1/2 、
ＢＯ3/2 、ＳｉＯ2 及びＲＯが必ず含まれていることが
必要であり、これらの添加物のうち１種でも含有されて
いない場合には１０００℃以下の温度で焼結することが
できなくなる。
で０．０１≦ａ≦０．８の範囲としたのは、この範囲外
では１０００℃以下の温度で焼結することができないか
らである。なお、上記添加剤の組成式から明らかなよう
に、ａは０．０１以上であるため、添加剤には、ＬｉＯ
1/2 、ＢＯ3/2 、ＳｉＯ2 及びＲＯが必ず含まれること
になる。本発明の誘電体磁器組成物では、ＬｉＯ1/2 、
ＢＯ3/2 、ＳｉＯ2 及びＲＯが必ず含まれていることが
必要であり、これらの添加物のうち１種でも含有されて
いない場合には１０００℃以下の温度で焼結することが
できなくなる。
【００１３】
【作用及び発明の効果】本発明では、上記特定の主成分
に対し、上記特定の添加剤が上記特定の割合で配合され
ているため、１０００℃以下の温度で焼成することがで
き、誘電率εが２０〜３５と高く、誘電率温度係数の絶
対値が３０ｐｐｍ／℃以下であり、Ｑ値が２０００以
上、２０℃における比抵抗ρが１０13Ω・ｃｍ以上の誘
電体磁器を得ることを可能とする誘電体磁器組成物が提
供される。従って、本発明にかかる非還元性誘電体磁器
組成物を用いれば、銀や銅等の高い導電率を有する金属
を内部電極として使用することが可能となる。よって、
高周波帯における電極抵抗による損失が小さいので、誘
電体共振器、フィルタまたは積層コンデンサ等に応用し
た場合、優れた高周波特性を実現することができる。
に対し、上記特定の添加剤が上記特定の割合で配合され
ているため、１０００℃以下の温度で焼成することがで
き、誘電率εが２０〜３５と高く、誘電率温度係数の絶
対値が３０ｐｐｍ／℃以下であり、Ｑ値が２０００以
上、２０℃における比抵抗ρが１０13Ω・ｃｍ以上の誘
電体磁器を得ることを可能とする誘電体磁器組成物が提
供される。従って、本発明にかかる非還元性誘電体磁器
組成物を用いれば、銀や銅等の高い導電率を有する金属
を内部電極として使用することが可能となる。よって、
高周波帯における電極抵抗による損失が小さいので、誘
電体共振器、フィルタまたは積層コンデンサ等に応用し
た場合、優れた高周波特性を実現することができる。
【００１４】
【実施例の説明】以下、本発明の非限定的な実施例を挙
げることにより、本発明を明らかにする。まず、主成分
を構成する材料として、ＣａＺｒＯ3 、ＳｒＺｒＯ3 、
ＳｒＴｉＯ3 及びＣａＴｉＯ3 の各粉末を用意した。上
記各粉末の調製は、以下の手順により行った。
げることにより、本発明を明らかにする。まず、主成分
を構成する材料として、ＣａＺｒＯ3 、ＳｒＺｒＯ3 、
ＳｒＴｉＯ3 及びＣａＴｉＯ3 の各粉末を用意した。上
記各粉末の調製は、以下の手順により行った。
【００１５】ＣａＺｒＯ3 粉末については、ＣａＣＯ3
及びＺｒＯ2 粉末を湿式混合し、乾燥し、１１００℃の
温度で空気中において２時間仮焼し、しかる後粉砕する
ことにより得た。また、ＳｒＺｒＯ3 粉末については、
ＳｒＣＯ3 及びＺｒＯ2 粉末を湿式混合し、乾燥し、１
１００℃の温度で空気中において２時間仮焼し、しかる
後粉砕することにより得た。ＳｒＴｉＯ3 粉末について
は、ＳｒＣＯ3 及びＴｉＯ2 粉末を湿式混合し、乾燥
し、１１５０℃の温度で空気中において２時間仮焼し、
しかる後粉砕することにより得た。さらに、ＣａＴｉＯ
3 粉末については、ＣａＣＯ3 及びＴｉＯ2 粉末を湿式
混合し、乾燥し、１１５０℃の温度で空気中において２
時間仮焼し、しかる後粉砕することにより得た。
及びＺｒＯ2 粉末を湿式混合し、乾燥し、１１００℃の
温度で空気中において２時間仮焼し、しかる後粉砕する
ことにより得た。また、ＳｒＺｒＯ3 粉末については、
ＳｒＣＯ3 及びＺｒＯ2 粉末を湿式混合し、乾燥し、１
１００℃の温度で空気中において２時間仮焼し、しかる
後粉砕することにより得た。ＳｒＴｉＯ3 粉末について
は、ＳｒＣＯ3 及びＴｉＯ2 粉末を湿式混合し、乾燥
し、１１５０℃の温度で空気中において２時間仮焼し、
しかる後粉砕することにより得た。さらに、ＣａＴｉＯ
3 粉末については、ＣａＣＯ3 及びＴｉＯ2 粉末を湿式
混合し、乾燥し、１１５０℃の温度で空気中において２
時間仮焼し、しかる後粉砕することにより得た。
【００１６】なお、主成分を構成するための上記ＣａＺ
ｒＯ3 、ＳｒＺｒＯ3 、ＳｒＴｉＯ 3 及びＣａＴｉＯ3
粉末の調製は、上記の方法以外に、湿式合成法により作
成してもよく、あるいは固相法により上記と同様にして
作成した後に微粉砕してもよい。上記ＣａＺｒＯ3 、Ｓ
ｒＺｒＯ3 、ＳｒＴｉＯ3 及びＣａＴｉＯ3 粉末の粒径
は、０．１〜１μｍとした。
ｒＯ3 、ＳｒＺｒＯ3 、ＳｒＴｉＯ 3 及びＣａＴｉＯ3
粉末の調製は、上記の方法以外に、湿式合成法により作
成してもよく、あるいは固相法により上記と同様にして
作成した後に微粉砕してもよい。上記ＣａＺｒＯ3 、Ｓ
ｒＺｒＯ3 、ＳｒＴｉＯ3 及びＣａＴｉＯ3 粉末の粒径
は、０．１〜１μｍとした。
【００１７】また、主成分を構成するための材料とし
て、上記した４種類の粉末以外に、ＭｎＯ2 及びＳｉＯ
2 を、さらに添加剤成分として、Ｂ2 Ｏ3 、ＳｉＯ2 、
Ｌｉ2ＣＯ3 、ＢａＣＯ3 、ＳｒＣＯ3 、ＭｇＣＯ3 を
用意した。この添加剤を構成する各成分については、後
述の表４に従って秤量し、湿式混合し、粉砕し、蒸発乾
燥し、１０００℃で溶融し、さらに湿式粉砕した後乾燥
することにより、添加剤Ａ〜Ｋを得た。
て、上記した４種類の粉末以外に、ＭｎＯ2 及びＳｉＯ
2 を、さらに添加剤成分として、Ｂ2 Ｏ3 、ＳｉＯ2 、
Ｌｉ2ＣＯ3 、ＢａＣＯ3 、ＳｒＣＯ3 、ＭｇＣＯ3 を
用意した。この添加剤を構成する各成分については、後
述の表４に従って秤量し、湿式混合し、粉砕し、蒸発乾
燥し、１０００℃で溶融し、さらに湿式粉砕した後乾燥
することにより、添加剤Ａ〜Ｋを得た。
【００１８】次に、表１〜３に示す試料番号１〜４５の
主成分の組成を有するように秤量した仮焼粉末１００重
量部と、表４に示した添加剤Ａ〜Ｋの１種を表１〜３に
示す量と、バインダーとしての酢酸ビニル５重量部とを
秤量し、さらに上記仮焼粉末と同重量の純水を湿式混合
し、蒸発乾燥し、整粒することにより試料番号１〜４５
の各粉末を得た。次に、得られた各粉末を、乾燥プレス
機により２トン／ｃｍ2 の圧力で加圧することにより、
直径２０ｍｍ及び厚さ１ｍｍの円板状の成形体を得た。
主成分の組成を有するように秤量した仮焼粉末１００重
量部と、表４に示した添加剤Ａ〜Ｋの１種を表１〜３に
示す量と、バインダーとしての酢酸ビニル５重量部とを
秤量し、さらに上記仮焼粉末と同重量の純水を湿式混合
し、蒸発乾燥し、整粒することにより試料番号１〜４５
の各粉末を得た。次に、得られた各粉末を、乾燥プレス
機により２トン／ｃｍ2 の圧力で加圧することにより、
直径２０ｍｍ及び厚さ１ｍｍの円板状の成形体を得た。
【００１９】得られた成形体を空気中において４００℃
の環境の下に２時間放置してバインダーを除去し、しか
る後水素ガス及び窒素ガスを３：１００（体積比）の割
合で含む還元雰囲気中において、８００℃〜１０００℃
の温度で２時間焼成し、試料番号１〜４５の焼結体を得
た。上記のようにして得た試料番号１〜４５の各焼結体
につき、電気的特性を下記の要領で測定した。
の環境の下に２時間放置してバインダーを除去し、しか
る後水素ガス及び窒素ガスを３：１００（体積比）の割
合で含む還元雰囲気中において、８００℃〜１０００℃
の温度で２時間焼成し、試料番号１〜４５の焼結体を得
た。上記のようにして得た試料番号１〜４５の各焼結体
につき、電気的特性を下記の要領で測定した。
【００２０】誘電率ε、Ｑ値及び誘電率温度係数ＴＣに
ついては、２０℃の温度で、１ＭＨｚ及び１Ｖｒｍｓの
条件で測定した。また、比抵抗ρは２０℃で測定した。
なお、誘電率温度係数ＴＣは、以下の式で表される値で
ある。 ＴＣ（ｐｐｍ／℃） ＝｛（ε８５−ε２０）／ε２０｝×｛１／（８５−２０）｝×１０6 なお、ε８５は８５℃における誘電率を、ε２０は２０
℃における誘電率を示す。また、下記の表１〜３におい
て、ｘ，ｙ及びｍはモル比で示した値、ｚ及びｗは上記
のように重量比で示した値である。
ついては、２０℃の温度で、１ＭＨｚ及び１Ｖｒｍｓの
条件で測定した。また、比抵抗ρは２０℃で測定した。
なお、誘電率温度係数ＴＣは、以下の式で表される値で
ある。 ＴＣ（ｐｐｍ／℃） ＝｛（ε８５−ε２０）／ε２０｝×｛１／（８５−２０）｝×１０6 なお、ε８５は８５℃における誘電率を、ε２０は２０
℃における誘電率を示す。また、下記の表１〜３におい
て、ｘ，ｙ及びｍはモル比で示した値、ｚ及びｗは上記
のように重量比で示した値である。
【００２１】
【表１】
【００２２】
【表２】
【００２３】
【表３】
【００２４】
【表４】
【００２５】
【表５】
【００２６】
【表６】
【００２７】
【表７】
【００２８】なお、表１〜表７において、※は本発明の
範囲外の組成の試料番号の焼結体であることを示す。表
１〜表７から明らかなように、試料番号５ではｙ＝０．
２５と本発明の範囲外の値であり、Ｔｉの含有率が高い
ためか、誘電率温度係数ＴＣが−５２ｐｐｍ／℃と、Ｔ
Ｃの絶対値が大きいことがわかる。また、試料番号６の
焼結体では、ｍ＝０．８５と本発明の範囲外の組成であ
り、Ｃａ1-X Ｓｒ1-X の主成分中の配合比が少ないた
め、１０００℃の温度で焼結しなかった。
範囲外の組成の試料番号の焼結体であることを示す。表
１〜表７から明らかなように、試料番号５ではｙ＝０．
２５と本発明の範囲外の値であり、Ｔｉの含有率が高い
ためか、誘電率温度係数ＴＣが−５２ｐｐｍ／℃と、Ｔ
Ｃの絶対値が大きいことがわかる。また、試料番号６の
焼結体では、ｍ＝０．８５と本発明の範囲外の組成であ
り、Ｃａ1-X Ｓｒ1-X の主成分中の配合比が少ないた
め、１０００℃の温度で焼結しなかった。
【００２９】試料番号９の焼結体においても、ｍ＝１．
１５と、本発明の範囲外の組成であるため、１０００℃
の温度で焼結しなかった。試料番号１４及び１５の焼結
体では、いずれもｙ＝０．２５と、Ｔｉの含有率が高い
ためか、誘電率温度係数ＴＣの絶対値が８７及び４５と
大きかった。さらに、試料番号２１の焼結体では、ｚ＝
０．０５重量％と、ＭｎＯ2 の含有割合が小さいため
か、１０００℃の温度で焼結しなかった。
１５と、本発明の範囲外の組成であるため、１０００℃
の温度で焼結しなかった。試料番号１４及び１５の焼結
体では、いずれもｙ＝０．２５と、Ｔｉの含有率が高い
ためか、誘電率温度係数ＴＣの絶対値が８７及び４５と
大きかった。さらに、試料番号２１の焼結体では、ｚ＝
０．０５重量％と、ＭｎＯ2 の含有割合が小さいため
か、１０００℃の温度で焼結しなかった。
【００３０】試料番号２５の焼結体では、ｚ＝７重量％
と本発明の範囲外の組成であり、ＭｎＯ2 の含有割合が
小さいためか、Ｑ値が１５００と小さかった。試料番号
２６の焼結体では、ｗ＝０．２重量％と、本発明の範囲
外の組成であり、ＳｉＯ2 の配合割合が少ないためか、
１０００℃の温度で焼結しなかった。試料番号３０の焼
結体では、ｗ＝１０重量％と、ＳｉＯ2 の配合割合が高
いため、誘電率εが１８と低く、Ｑ値が１３００と低
く、かつ比抵抗も１０10Ω・ｃｍ以下であった。
と本発明の範囲外の組成であり、ＭｎＯ2 の含有割合が
小さいためか、Ｑ値が１５００と小さかった。試料番号
２６の焼結体では、ｗ＝０．２重量％と、本発明の範囲
外の組成であり、ＳｉＯ2 の配合割合が少ないためか、
１０００℃の温度で焼結しなかった。試料番号３０の焼
結体では、ｗ＝１０重量％と、ＳｉＯ2 の配合割合が高
いため、誘電率εが１８と低く、Ｑ値が１３００と低
く、かつ比抵抗も１０10Ω・ｃｍ以下であった。
【００３１】試料番号３１の焼結体では、添加剤Ｅの配
合割合が１重量部であるため、１０００℃の温度で焼結
しなかった。試料番号３５では、添加剤Ｅの配合割合が
３５重量部と本発明の範囲外の組成であり、添加剤Ｅの
配合量が多すぎるためか、ε及びＱ値は、それぞれ、１
６及び１８０と低く、誘電率温度係数ＴＣの絶対値も１
２０と非常に大きかった。試料番号４１では、添加剤と
してＳｒＯ及びＢａＯを含有しない添加剤Ａを用いたた
めか、１０００℃の温度で焼結しなかった。同様に、試
料番号４２〜４５の各焼結体においても、添加剤Ｇ、
Ｈ、Ｉ、Ｊ、Ｋが本発明の範囲外の添加剤であるため、
１０００℃の温度で焼結しなかった。
合割合が１重量部であるため、１０００℃の温度で焼結
しなかった。試料番号３５では、添加剤Ｅの配合割合が
３５重量部と本発明の範囲外の組成であり、添加剤Ｅの
配合量が多すぎるためか、ε及びＱ値は、それぞれ、１
６及び１８０と低く、誘電率温度係数ＴＣの絶対値も１
２０と非常に大きかった。試料番号４１では、添加剤と
してＳｒＯ及びＢａＯを含有しない添加剤Ａを用いたた
めか、１０００℃の温度で焼結しなかった。同様に、試
料番号４２〜４５の各焼結体においても、添加剤Ｇ、
Ｈ、Ｉ、Ｊ、Ｋが本発明の範囲外の添加剤であるため、
１０００℃の温度で焼結しなかった。
フロントページの続き (72)発明者 萬代 治文 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内
Claims (1)
- 【請求項１】主成分としての（Ｃａ1-x Ｓｒx ）m （Ｚ
ｒ1-y Ｔｉy ）Ｏ3 −ｚＭｎＯ2 −ｗＳｉＯ2 を１００
重量部と、添加剤２〜３０重量部とを含み、 前記ｘ，ｙ及びｍがモル比で、 ０≦ｘ≦１．０ ０≦ｙ≦０．２ ０．９≦ｍ≦１．１ の関係を満たし、前記主成分中において、（Ｃａ1-x Ｓ
ｒx ）m （Ｚｒ1-y Ｔｉ y ）Ｏ3 を１００重量％とした
ときに、前記ｚ及びｗが下記の範囲にあり、 ０．１≦ｚ≦５重量％ ０．３≦ｗ≦８重量％ 前記添加剤が、ａ（ＬｉＯ1/2 −ＲＯ）−（１−ａ）
（ＢＯ3/2 −ＳｉＯ2 ）であり、但し、ＲＯがＳｒＯ、
ＢａＯ及びＣａＯのうち少なくとも１種、ａがモル比で
０．０１≦ａ≦０．８の範囲にあることを特徴とする、
非還元性誘電体磁器組成物。
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|---|---|---|---|
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| US07/906,534 US5204301A (en) | 1992-01-31 | 1992-06-30 | Non-reduction type dielectric ceramic composition |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4016500A JP3028503B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
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| JPH05217426A true JPH05217426A (ja) | 1993-08-27 |
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ID=11917999
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP4016500A Expired - Lifetime JP3028503B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
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| JP (1) | JP3028503B2 (ja) |
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| DE112007001868T5 (de) | 2006-08-09 | 2009-06-10 | Murata Mfg. Co., Ltd., Nagaokakyo-shi | Glaskeramikzusammensetzung, gesinterter Glaskeramikkörper und elektronische Komponente aus monolithischer Keramik |
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| US7710712B2 (en) | 2006-09-15 | 2010-05-04 | Taiyo Yuden Co., Ltd. | Multi-layer ceramic capacitor |
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| CN102354599A (zh) * | 2011-06-30 | 2012-02-15 | 广东风华高新科技股份有限公司 | 一种温度补偿型片式多层陶瓷电容器的制备方法 |
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| US8995110B2 (en) | 2010-10-01 | 2015-03-31 | Taiyo Yuden Co., Ltd. | Laminated ceramic capacitor |
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-
1992
- 1992-01-31 JP JP4016500A patent/JP3028503B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1992-06-30 US US07/906,534 patent/US5204301A/en not_active Expired - Lifetime
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