JPH0520142A - ブロツク管理方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ファイルに対するアクセス速度を高速化す
る。 【構成】 ファイルシステムのブロック管理手段は、複
数のブロックを必要とするファイルに対して、物理的に
連続するブロックを割り当て、その先頭のブロックのア
ドレスをファイル制御テーブルに格納する。そして、デ
ータブロックを検索する際には、ファイル制御テーブル
から連続するブロックの先頭のアドレスを取得し、目的
のデータブロックにアクセスする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はブロック管理方式に関
し、特に、磁気ディスク装置の如きダイレクトアクセス
可能な記憶装置を固定長のブロックに分割し、これらの
ブロックをプール管理して任意のファイルの記憶領域と
して利用するファイルシステムにおけるブロック管理方
式に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のファイルシステムとしては、Ｕ
ＮＩＸのファイルシステムが有名であり、以下に示すブ
ロック管理方式が一般に採用されている。

【０００３】ファイルに割り当てられたデータブロッ
クのアドレスを直接に指すブロック番号エントリが一定
個数、アドレスブロックとは別枠でファイル制御テーブ
ルに格納されており、アドレスを管理する部分が完全な
木構造となっていない。すなわち、ファイルのデータが
例えば１０個以下のデータブロックに納まる時にはファ
イル制御テーブル内のブロック番号エントリによってそ
れらのデータブロックを直接に指し、１０個を越える場
合には階層構造のアドレスブロックによるポインタで多
数のデータブロックをそれぞれ指すようにしており、デ
ータブロックの数によりデータブロックの管理方法が異
なる。

【０００４】ファイルサイズに関係なく、ファイル制
御テーブルとファイルデータとが別のブロックに格納さ
れる。

【０００５】ファイルサイズに関係なく、常にブロッ
ク単位で記憶領域を割り当てる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来のファイルシステ
ムにおけるブロック管理方式は上述したようにして行わ
れていたものであったため、それぞれの点に起因して次
のような欠点があった。

【０００７】データブロックのアドレスを管理する部
分が完全な木構造となっていないため、ファイルアドレ
スから格納ブロックを検索する処理が複雑となり、オー
バーヘッドのためにアクセスを高速化できない。

【０００８】ファイル制御テーブルとファイルデータ
とが別のブロックに格納されるため、ファイルサイズが
小さいファイルの場合でもデータブロックにアクセスす
るための入出力（Ｉ／Ｏ）を、ファイル制御テーブルの
入出力とは別に行う必要があり、この点でもアクセスを
高速化できない。特に、小さいファイルサイズのファイ
ルの占める割合が高い場合には問題となる。

【０００９】ファイルサイズに関係なくブロック単位
で記憶領域を割り当てるため、大きなファイルに対して
割り当てられたデータブロックはアドレス（ブロック番
号）が飛び飛びになることが多く、そのため、そのよう
なファイルに対してユーザプログラムから大きな単位の
入出力が行われると、ダイレクトアクセス可能な記憶装
置に対しシーク動作が多数発行されることとなり、アク
セス速度が低下する。

【００１０】本発明は上記の点に鑑み提案されたもので
あり、ファイルに対するアクセス速度を高速化すること
を目的としており、特に、上記のの欠点を解消するも
のである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、ダイレクトアクセス可能な記憶装置を固定
長のブロックに分割し、これらのブロックをプール管理
して任意のファイルの記憶領域として利用するファイル
システムにおいて、複数のブロックを必要とするファイ
ルに対して、物理的に連続するブロックを割り当て、そ
の先頭のブロックのアドレスをファイル制御テーブルに
格納するようにしている。

【００１２】

【作用】本発明のブロック管理方式にあっては、複数の
ブロックを必要とするファイルに対して、物理的に連続
するブロックを割り当て、その先頭のブロックのアドレ
スをファイル制御テーブルに格納する。

【００１３】そして、データブロックを検索する際に
は、ファイル制御テーブルから連続するブロックの先頭
のアドレスを取得し、目的のデータブロックにアクセス
する。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例につき図面を参照して
説明する。

【００１５】図１は本発明のブロック管理方式を適用し
たファイルシステムの一実施例を示す構成図である。

【００１６】図１において、ファイルシステム１は、フ
ァイルのブロックを管理するブロック管理手段２と、磁
気ディスク装置の如きダイレクトアクセス可能な記憶装
置３とから構成されている。なお、記憶装置３の記憶領
域は、固定長（一般には２のべき乗数）のブロックに分
割されている。

【００１７】本発明は、複数のブロックを必要とするフ
ァイルに対し、できるだけ物理的に連続するブロックを
割り当てようという点に特徴を有している。なお、この
実施例では、固定長ブロックの半分以下のサイズのファ
イルに対するアクセス速度を向上させるためにスモール
サイズモードという形式も設けているため、それとの関
係から本発明の連続ブロックの割り当てはラージサイズ
モードという形式において行う。なお、モードの選択お
よび処理はブロック管理手段２によって行われる。

【００１８】図２はラージサイズモードにおける格納形
式の例を示したものである。

【００１９】ここで、ファイルに関する情報を格納した
ファイル制御テーブルのサイズについては、モードにか
かわらず固定長ブロックの半分と定めておく。

【００２０】図３はこのラージサイズモードにおいて、
ファイルに割り当てられたデータブロックと、そのアド
レスを管理するアドレスブロック群と、ファイルに関す
る情報を管理するファイル制御テーブルの格納されるフ
ァイル制御ブロックとの関係を示すものである。なお、
各矩形はブロックを示すが、実際に格納する際には、ア
クセス速度を少しでも速めるため、図２に示したよう
に、適宜シフトが行われる。

【００２１】すなわち、ファイル制御テーブルが格納さ
れているブロック＃ｂｆの後半分に最若アドレスブロッ
クｂ２の前半のエントリがシフトして格納され、ブロッ
ク＃ｂ２についても上位の階層の最若アドレスブロック
ｂ３がシフトして格納されている。これにより、アドレ
スブロックを辿る回数を１回程度減らすことができる。

【００２２】図３において、アドレスブロック群を構成
する各アドレスブロックは、一般的に図４に示すような
構成をしており、ｅ個のエントリを有し、それぞれにデ
ータブロックアドレスを保持できるようになっている。

【００２３】図３において、アドレスブロック群は、個
々のデータブロックのアドレスを直接に指す第１層（最
下位）のアドレスブロックが省略されており、本来第１
層のアドレスブロックが指すべきｅ個の連続ブロックの
先頭のアドレスを第２層（中位）のアドレスブロックが
保持し、第２層の複数のアドレスブロックのアドレスを
第３層（最上位）のアドレスブロックが保持するように
なっている。なお、階層は図示のものに限られないこと
は言うまでもない。

【００２４】また、ファイル制御テーブルには、図２に
示すように、アドレスブロック群の各階層の最若アドレ
スブロックｂ２，ｂ３のアドレスが格納されている。

【００２５】一方、最下層の最若アドレスブロック（ｂ
１）が本来指す領域については、２のべき乗数の連続ブ
ロックがファイルの低位アドレスから順次割り当てら
れ、連続ブロックの先頭ブロック番号がファイル制御テ
ーブルに格納されるようになっている。

【００２６】動作にあたって、ファイルにデータブロッ
クを割り当てる場合、ファイルサイズがｅ／２個以下の
２のべき乗数のブロックでまかなえる場合には、それに
対応する例えばｎ個の連続領域を割り当て、その先頭ア
ドレスをファイル制御テーブルの連続ブロックアドレス
格納領域の対応する箇所に格納する。

【００２７】ファイルサイズがそれを越える場合には、
ｅ個単位の連続領域を割り当て、その先頭アドレスをア
ドレスブロックｂ２に格納する。

【００２８】このような構成とすることにより、ファイ
ルサイズが小さいものは小さい連続領域に、ファイルサ
イズが大きいものは大きな連続領域にそれぞれ割り当て
られるため、ダイレクトアクセス可能な記憶装置３のス
ペースの効率化が達成されると共に、大きな単位で入出
力が行われた場合にシーク動作を減少させてアクセス速
度を向上させることができる。

【００２９】次に、図５はスモールサイズモードにおけ
るファイルの格納形式の例を示したものである。

【００３０】スモールサイズモードの場合は、ファイル
データを独立したデータブロックに格納することなく、
ファイル制御テーブルを格納するブロック＃ｂｆの後半
分に格納するようにする。

【００３１】図６はスモールサイズモードにおけるファ
イル制御テーブルの内容を示したものであり、この場合
はファイル制御ブロックと同一ブロック内にファイルデ
ータが格納され、データブロックの検索のためにアドレ
スを管理する必要がないため、アドレスブロック等のア
ドレスを格納する領域は未使用となる。なお、モード
（Ｓ）はスモールサイズモードであることを示してい
る。

【００３２】動作にあたって、新たにファイルを作成す
る場合、ファイルサイズが固定長ブロックの半分以下で
ある場合には、ブロック＃ｂｆの前半分にファイル制御
テーブルを作成し、スモールサイズモードであることお
よび他の情報を登録すると共に、同じブロック＃ｂｆの
後半分にファイルデータを格納する。

【００３３】そして、そのファイルにアクセスする場
合、ファイル制御テーブルからスモールサイズモードで
あることを認識し、そのファイル制御テーブルの格納さ
れたブロック＃ｂｆの後半分のファイルデータにアクセ
スする。

【００３４】従って、上述したスモールサイズモードで
格納できるような小さいサイズのファイルについては、
ファイルの情報を管理するファイル制御テーブルとファ
イルデータとが同一のブロック内に格納されるため、記
憶装置３のブロックに対する入出力が１回で済み、アク
セスの高速化が達成できるものである。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のブロック
管理方式にあっては、ファイルアドレスが高位になる
と、多数個連続したブロック群が割り当てられるため、
ファイルに対しユーザプログラムから大きな単位の入出
力が行われても、ダイレクトアクセス可能な記憶装置に
対しシーク動作はほとんど必要なくなり、アクセス速度
を向上させることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のブロック管理方式を適用したファイル
システムの一実施例を示す構成図である。

【図２】ラージサイズモードにおける格納形式の例を示
す図である。

【図３】ラージサイズモードにおけるファイル制御ブロ
ックとアドレスブロック群とデータブロックとの関係を
示す図である。

【図４】アドレスブロックの構成の例を示す図である。

【図５】スモールサイズモードにおけるファイルの格納
形式の例を示す図である。

【図６】スモールサイズモードにおけるファイル制御テ
ーブルの構成の例を示す図である。

【符号の説明】

１……ファイルシステム ２……ブロック管理手段 ３……記憶装置

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 ダイレクトアクセス可能な記憶装置を固
   定長のブロックに分割し、これらのブロックをプール管
   理して任意のファイルの記憶領域として利用するファイ
   ルシステムにおいて、 複数のブロックを必要とするファイルに対して、物理的
   に連続するブロックを割り当て、その先頭のブロックの
   アドレスをファイル制御テーブルに格納することを特徴
   としたブロック管理方式。