JPH05193481A - 車両用液圧ブースタ - Google Patents

車両用液圧ブースタ

Info

Publication number
JPH05193481A
JPH05193481A JP4306524A JP30652492A JPH05193481A JP H05193481 A JPH05193481 A JP H05193481A JP 4306524 A JP4306524 A JP 4306524A JP 30652492 A JP30652492 A JP 30652492A JP H05193481 A JPH05193481 A JP H05193481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hysteresis
power piston
pressure
piston
input
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4306524A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Kato
昌彦 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP4306524A priority Critical patent/JPH05193481A/ja
Publication of JPH05193481A publication Critical patent/JPH05193481A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 入力部材の入力とパワーピストンの出力との
関係に少なくとも2段階に変わるヒステリシスが付与さ
れる液圧ブースタを提供する。 【構成】 パワーピストン56がストロークスイッチ1
06により検出される制動初期と、車輪速度V,減速度
Gがいずれも設定値V0 ,G0 より大きい場合とにはそ
れぞれ、圧力室152はリザーバ114に連通させられ
てヒステリシスは増大させられず、ブレーキペダルの踏
込みを容易に行うことができ、微妙な制動を行うことが
できる。それ以外の場合には圧力室152にアキュムレ
ータ118の液圧が供給され、シール58,150がパ
ワーピストン56に加える摺動抵抗が大きくされ、ヒス
テリシスが増大させられて制動力を容易に一定に保つこ
とができる。入力部材の操作力および操作速度の大小に
応じてヒステリシスを変えることも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用液圧ブレーキ装置
に用いられる液圧ブースタに関するものであり、特に、
ブレーキ操作フィーリングの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用液圧ブースタは、一般に、特開昭
63−17163号公報に記載されているように、ブレ
ーキ操作部材の操作により入力部材に加えられる入力
が、液圧源からの液圧の供給により倍力されてパワーピ
ストンから出力されるように構成される。このような液
圧ブースタを用いればブレーキ操作部材の操作が助勢さ
れ、運転者はブレーキ操作を容易に行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような液圧ブース
タにおいては、入力部材やパワーピストンが移動する際
の摺動抵抗により、入力部材の入力とパワーピストンの
出力との関係にヒステリシスが生ずる。しかし、その大
きさは入力部材やパワーピストンをシールするシール部
材の材質,形状等、液圧ブースタの構成部品の機械的特
性によって決まり、液圧ブースタ毎に決まった大きさと
なるため、操作フィーリングが悪い問題があった。ヒス
テリシスが大きいほど、ブレーキ操作部材の踏込み力,
操作ストローク等の操作量の変化に対して減速度の変化
が鈍感になり、ブレーキ操作フィーリングが変わるので
あるが、例えば、実施例において詳述するように、車輪
速度が高い状態で急制動が行われ、高い減速度が発生さ
せられる場合と、それ以外の場合とでは、快適なブレー
キ操作フィーリングを得るためのヒステリシスが異な
り、前者の場合にはヒステリシスが小さく、後者の場合
には大きいことが望ましい。しかし、ヒステリシスが液
圧ブースタ毎に1種類に決まっていれば、快適なブレー
キ操作フィーリングが得られない場合が生ずるのであ
る。本発明は、車両走行時における複数の異なる状況に
おいてそれぞれ適切なヒステリシスを得ることができる
液圧ブースタを提供することを課題として為されたもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、液圧ブースタに、(a)入力部材への
入力とパワーピストンの出力との関係にヒステリシスを
付与するヒステリシス付与手段と、(b)そのヒステリ
シス付与手段のヒステリシスを少なくとも2段階に変え
るヒステリシス制御手段とを設けたことを要旨とするも
のである。なお、「少なくとも2段階に変える」とは、
ヒステリシス付与手段により付与されるヒステリシスが
1段階であって、ヒステリシス付与手段にヒステリシス
を付与させ、あるいは付与させないことによってヒステ
リシスを2段階に変える場合、ヒステリシス付与手段に
より付与されるヒステリシスが複数段階であって、各段
階に選択的に変える場合、ヒステリシス付与手段により
付与されるヒステリシスが連続的に変化し、ヒステリシ
スを異なる大きさに変える場合である。ヒステリシスが
連続的に変化するということは無数段階に変化すること
であると考えるのである。
【0005】
【作用】このような液圧ブースタにおいて、ヒステリシ
ス付与手段が、異なる車輪速度,減速度や運転者の操作
感覚の好み等、複数の場合にそれぞれ適切なブレーキ操
作フィーリングが得られるヒステリシスを付与し得るも
のとされ、ヒステリシス制御手段は、ヒステリシスを各
場合に適切なヒステリシスに変える。
【0006】
【発明の効果】したがって、本発明によれば、場合に応
じたヒステリシスが得られ、ブレーキ操作フィーリング
が向上する効果が得られる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例である液圧ブースタを
備えた4輪自動車用液圧ブレーキ装置を図面に基づいて
詳細に説明する。
【0008】図1において、10は液圧ブースタ(以
下、単にブースタという)であり、12はタンデム型ブ
レーキマスタシリンダ(以下、単にマスタシリンダとい
う)である。マスタシリンダ12はハウジング14を備
えている。ハウジング14にはシリンダボア16が形成
され、これに第一加圧ピストン18および第二加圧ピス
トン20が液密かつ摺動可能に嵌合され、それによって
各ピストン18,20の前方(図において左方)にそれ
ぞれ第一加圧室22,第二加圧室24が形成されてい
る。第一加圧室22は左,右後輪26,28の各ブレー
キのリヤホイールシリンダ30,32に接続され、第二
加圧室24は左,右前輪34,36の各ブレーキのフロ
ントホイールシリンダ38,40に接続されている。
【0009】前記ハウジング14にはブースタ10のハ
ウジング50が液密に嵌合されている。このハウジング
50内には前記シリンダボア16に連通したシリンダボ
ア54が形成され、これに段付状のパワーピストン56
の大径部57がシール58によりシールされて液密かつ
摺動可能に嵌合され、ハウジング50内の空間がパワー
圧室60と低圧室62とに区切られている。パワーピス
トン56の後端の中央部から小径部64が延び出させら
れており、ハウジング50の端壁を液密かつ摺動可能に
貫通して大気に臨まされている。小径部64内にはそれ
の後端面に開口する段付孔66が形成されており、これ
の小径穴にリアクションピストン68が液密かつ摺動可
能に嵌合されている。
【0010】リアクションピストン68の後端にはフラ
ンジ部72が形成されていて、そのフランジ部72に段
付孔66の肩面76が係合することにより、リアクショ
ンピストン68のパワーピストン56に対する相対的な
前進限度位置が規定されている。また、相対的な後退限
度位置は、軸方向に形成された長穴80において、パワ
ーピストン56に取り付けられたピン82に係合させら
れることにより規定されている。フランジ部72と肩面
76との間には、リアクションピストン68が図示の後
退限度位置にある状態で一定の軸方向のクリアランスが
設定されている。
【0011】パワーピストン56内には、リアクション
ピストン68の前方において有底孔86が形成されてお
り、リアクションピストン68の前端部が摺動可能に嵌
合されるとともに、有底孔86内に配設されたスプリン
グ88により付勢され、長穴80の前面がピン82に当
接させられている。リアクションピストン68の前端部
には、前記長穴80の前端から前方へ延び出すととも
に、有底孔86に連通した軸方向通路90が形成され、
有底孔86を長穴80を経てパワー圧室60に連通させ
ている。
【0012】それによりリアクションピストン68には
パワー圧が後退方向に作用させられ、パワー圧に比例し
た大きさの反力が入力部材としての入力ロッド94に付
与される。入力ロッド94は、その先端にリアクション
ピストン68がかしめ付けられる一方、後端部はブレー
キ操作部材としてのブレーキペダル(図示省略)に連結
されている。また、入力ロッド94とハウジング50と
の間にはスプリング96が配設されており、このスプリ
ング96の弾性力によってリアクションピストン68お
よびパワーピストン56は常時後退方向(図において右
方)に付勢されている。パワーピストン56は、それの
段部98がハウジング50に係合することにより後退端
位置を規定される。また、パワーピストン56の作動力
は中継ロッド102によって前記第二加圧ピストン20
に伝達される。
【0013】なお、ハウジング50にはストロークスイ
ッチ106が設けられ、パワーピストン56が制動開始
当初のブレーキ液供給段階(ファーストフィル)を超え
て前進したことを検出するようにされている。非制動時
には、パワーピストン56は大径部57がストロークス
イッチ106により検出され、ストロークスイッチ10
6はON信号を発しているが、ブレーキペダルが踏み込
まれ、パワーピストン56が前進して大径部57がスト
ロークスイッチ106から外れればOFF信号を発し、
それによりパワーピストン56が制動初期にホイールシ
リンダ30,32,38,40に十分な作動液が供給さ
れるまで前進したことが検出される。
【0014】ブースタ10は制御弁110を備えてい
る。この制御弁110は前記ハウジング50に液密かつ
摺動可能に嵌合されたスプール112を備えている。ハ
ウジング50にはリザーバ114に接続された低圧ポー
ト116と、液圧源としてのアキュムレータ118に接
続された高圧ポート120とが形成されている。スプー
ル112はスプリング122によって後退方向(図にお
いて右方)に付勢され、図示の原位置にある状態では連
通孔124によってパワー圧室60を高圧ポート120
から遮断して低圧ポート116に連通させる。スプール
112はこの原位置から一定距離前進(図において左方
へ移動)することにより、パワー圧室60を低圧ポート
116および高圧ポート120の両方から遮断する保圧
状態となり、さらに前進することにより低圧ポート11
6から遮断して高圧ポート120に連通させるパワー圧
導入状態となる。
【0015】スプール112はリンク機構130により
パワーピストン56とリアクションピストン68とに係
合させられていて、スプール112の移動がリアクショ
ンピストン68のパワーピストン56に対する相対的な
移動によって引き起こされるようになっている。リンク
機構130はピン132によって互に回動可能に連結さ
れた第一リンク134と第二リンク136とを備えたも
のであるが、これについては特開昭62−149547
号公報等により既に知られているため、詳細な説明は省
略する。
【0016】前記アキュムレータ118にはリザーバ1
14内のブレーキ液がモータ140により駆動されるポ
ンプ142によって供給される。アキュムレータ118
の液圧は、圧力スイッチ144の出力信号に基づいてモ
ータ140の発停が制御されることにより、一定範囲に
保たれるようになっている。符号146は逆止弁、14
8はリリーフ弁である。
【0017】前記ハウジング50のパワーピストン56
が嵌合された部分であって、シール58から後方に小距
離離れた位置にはシール150が設けられるとともに、
それらシール58と150との間にシリンダボア54の
内周面に開口する環状の圧力室152が形成されてい
る。この圧力室152は、電磁方向切換弁154の切換
えによりアキュムレータ118とリザーバ114とに択
一的に連通させられる。電磁方向切換弁154は、液通
路158,ポート160によって圧力室152に接続さ
れ、液通路162によってアキュムレータ118に接続
されるとともに、液通路164,ポート166によって
前記低圧室62に接続されている。
【0018】この電磁方向切換弁154は、ソレノイド
が消磁された状態では、圧力室152を低圧室62を介
してリザーバ114に連通させているが、励磁により圧
力室152をアキュムレータ118に連通させる。圧力
室152がリザーバ114に連通させられた状態で、ブ
レーキペダルの踏込み力とマスタシリンダ12の第一,
第二加圧室22,24に発生させられる液圧(以下、マ
スタシリンダ圧と称する)との関係に付与されるヒステ
リシスは、シール58,150等のパワーピストン56
とハウジング50との間に設けられたシール,リアクシ
ョンピストン68とパワーピストン56との間に設けら
れたシール,および第一,第二加圧ピストン18,20
とハウジング14との間に設けられたシールの各摺動抵
抗により付与され、図2のグラフにおいて斜線を施して
示される。なお、これらシールが与える摺動抵抗は、ブ
レーキペダルの踏込み力が増大し、第一,第二加圧室2
2,24およびパワー圧室60の液圧が増大するに従っ
て増大するため、ヒステリシスも踏込み力が増大するほ
ど大きくなる。また、第一,第二加圧ピストン18,2
0,パワーピストン56,リアクションピストン68の
摺動時の金属間抵抗によるヒステリシスおよびマスタシ
リンダ圧,パワー圧がそれぞれ0の状態におけるシール
の摺動抵抗によるヒステリシスは、斜線を施して示す部
分に含まれることとする。さらに、図2のグラフに示す
踏込み力には、パワーピストン56およびリアクション
ピストン68を後退方向に付勢するスプリング96や第
一,第二加圧ピストン18,20を後退方向に付勢する
スプリングの付勢力が含まれている。
【0019】それに対し、圧力室152がアキュムレー
タ118に連通させられた状態では、圧力室152に供
給される高圧の作動液が隣接するシール58,150に
作用してこれらを縮径させ、パワーピストン56に通常
より大きな摺動抵抗を与え、図2に点を付して示す部分
のヒステリシスを与えることとなる。シール58,15
0,圧力室152,アキュムレータ118がヒステリシ
ス付与手段を構成しているのであり、本実施例において
は、電磁方向切換弁154の切換えにより、ヒステリシ
スが2段階に変えられることとなる。
【0020】上記電磁方向切換弁154の切換えは、電
子制御ユニット(以下、ECUと略称する)170によ
って制御される。ECU170はコンピュータを主体と
するものであり、左,右前輪34,36の各速度を検出
する車輪速度センサ172,174,左,右後輪26,
28の平均速度を検出する車輪速度センサ176の検出
値が入力され、車体の加速度を検出する加速度センサ1
80の検出値が入力されるとともに、ストロークスイッ
チ106の信号が供給されるようになっており、これら
入力に基づいて電磁方向切換弁154を切り換える。
【0021】ECU170のコンピュータのROMに
は、電磁方向切換弁154を切り換えるための制御マッ
プ(図3参照)が格納されている。駆動輪である左,右
後輪26,28の車輪速度Vが設定値V0 以下の場合に
は、減速度Gの大きさ如何によらず、電磁方向切換弁1
54のソレノイドが励磁(ON)され、ヒステリシス付
与手段によってヒステリシスが付与される。また、車輪
速度Vが設定値V0 より大きい場合には、減速度Gが設
定値G0 以下の場合にソレノイドが励磁されてヒステリ
シスが付与され、設定値G0 より大きい場合にソレノイ
ドが消磁(OFF)され、ヒステリシス付与手段によっ
てヒステリシスが付与されない。
【0022】このようにすれば良好なブレーキ操作フィ
ーリングが得られることがわかっており、その理由は次
のように推測される。車輪速度が低い場合には減速度の
大きさ如何によらず、制動時におけるブレーキの発熱量
は小さく、ブレーキペダルの踏込み力の変化に対して減
速度が敏感に変化する。そのため、減速度を一定に保と
うとする場合には、ブレーキペダルの踏込み力を一定に
保つことが必要であるが、この際、踏込み力は僅かに変
化するのが普通であり、減速度が頻繁に変化して操作フ
ィーリングが悪くなる。したがって、この場合にはヒス
テリシスを付与してブレーキペダルの踏込み力が僅かに
変わっても減速度は変化せず、安定した操作フィーリン
グが得られるようにするのである。また、車輪速度が高
くても、減速度が低い場合には、ブレーキの発熱量は小
さいためブレーキの効きはそれほど悪くならず、ヒステ
リシスを付与して安定した操作フィーリングが得られる
ようにする。車輪速度が高い状態で大きい減速度が得ら
れるブレーキ操作が行われれば、ブレーキの発熱量が大
きくなってブレーキの効きが悪くなり、ブレーキペダル
の踏込み力の変化に対する減速度の変化が小さくなっ
て、更にヒステリシスを付与しなくても減速度を一定に
保つことは容易である。また、高速走行時には、制動力
が急激に変化すれば走行が不安定になるため、微妙な制
御を行うことが必要であり、この観点からすればむしろ
ヒステリシスを小さくし、減速度が敏感に変化するよう
にすることが必要であるため、ヒステリシスを付与しな
い方がよいのである。
【0023】なお、このような制御マップに従った制御
は、パワーピストン56がストロークスイッチ106に
よって検出されなくなった状態で行われる。パワーピス
トン56がストロークスイッチ106によって検出され
ている間は、電磁方向切換弁154のソレノイドは消磁
状態に保たれ、ヒステリシスは増大させられず、それに
より制動初期におけるブレーキペダルの踏込みが軽く、
必要な量のブレーキ液がホイールシリンダ30,32,
38,40に迅速に供給されるようになっているのであ
る。また、制動終了時には、パワーピストン56がスト
ロークスイッチ106によって検出される位置まで後退
すればヒステリシスが減少させられ、パワーピストン5
6が速やかに原位置に戻り、ホイールシリンダ30,3
2,38,40からリザーバ14に速やかにブレーキ液
が戻る。
【0024】以上のように構成された液圧ブースタにお
いては、ブレーキペダルが全く踏み込まれていない状態
では、リアクションピストン68は図示の後退限度位置
にあって、長穴80の前端がピン82の前面に係合させ
られ、また、パワーピストン56は図示の後退端位置に
あって、段部98がハウジング50に係合させられてい
る。また、スプール112は図示の原位置にあって、パ
ワー圧室60をアキュムレータ118から遮断してリザ
ーバ114に連通させている。さらに、電磁方向切換弁
154のソレノイドは消磁され、圧力室152はリザー
バ114に連通させられた状態にある。
【0025】この状態でブレーキペダルが踏み込まれれ
ば、リアクションピストン68がパワーピストン56に
対して相対的に接近し、スプール112がパワー圧導入
開始位置に移動させられてパワー圧室60にパワー圧が
導入されてパワーピストン56が前進し、ブレーキペダ
ルの踏込み力が助勢される。
【0026】パワーピストン56が所定距離前進してス
トロークスイッチ106により検出されなくなるまでの
間は、車輪速度および加速度の大きさ如何によらず、電
磁方向切換弁154のソレノイドは消磁され、ヒステリ
シスは増大させられない。そして、パワーピストン56
が前進し、ストロークスイッチ106によって検出され
なくなれば、ECU170は車輪速度および加速度に基
づき、前記制御マップに従って電磁方向切換弁154を
切り換え、ヒステリシスを2段階に変えるのであり、良
好なブレーキ操作フィーリングを得ることができる。本
実施例においては、ECU170が電磁方向切換弁15
4と共同してヒステリシス制御手段を構成しているので
ある。
【0027】本発明の別の実施例を図4に示す。本実施
例は、リアクションピストン190に抵抗を付与するこ
とによりヒステリシスを付与するようにしたものであ
る。リアクションピストン190は、パワーピストン1
92の有底孔194にカップシール196によりシール
されて摺動可能に嵌合されている。このカップシール1
96は、パワー圧室198から、リアクションピストン
190と有底孔194との間に形成された制御液室20
0への作動液の流れは許容するが、逆向きの流れは阻止
するものとされている。
【0028】また、パワーピストン192に固定された
ピン204に嵌合された長穴206と、制御液室200
とを連通させる軸方向通路208には開弁圧が高い逆止
弁210が設けられている。逆止弁210は、制御液室
200の液圧がパワー圧室198の液圧より開弁圧以上
高い間は、前者から後者へのブレーキ液の流れを許容す
るが、それ以外の場合は阻止するものとされている。制
御液室200は、パワーピストン192内に形成された
液通路214,ポート216,液通路218によってパ
ワー圧室198に接続されている。
【0029】液通路218の途中には電磁開閉弁220
が設けられている。この電磁開閉弁220が制御液室2
00とパワー圧室198との連通を遮断した状態でブレ
ーキペダルが踏み込まれれば、制御液室200の容積が
変化することなく液圧が上昇する。制御液室200の液
圧がパワー圧より逆止弁210の開弁圧を超えて高くな
れば逆止弁210が開き、制御液室200からパワー圧
室198へ作動液が流出し、リアクションピストン19
0とパワーピストン192との間にパワー圧を発生,増
加させるべき相対移動が生ずる。また、ブレーキペダル
の踏込みが緩められれば、制御液室200の容積が変化
することなく液圧が低下し、パワー圧より低くなればカ
ップシール196を経てパワー圧が流入して制御液室2
00の容積が増大する。それによりアクションピストン
190とパワーピストン192との間にパワー圧を減少
させるべき相対移動が生ずる。制御液室200,逆止弁
210およびカップシール196がヒステリシス付与手
段を構成し、逆止弁210の開弁圧によって決まるヒス
テリシスが付与されるのである。
【0030】それに対し、制御液室200がパワー圧室
198に連通させられた状態では、ブレーキペダルが踏
み込まれ、リアクションピストン190が押されると
き、制御液室200内の作動液はパワー圧室198との
間で自由に流れ、制御液室200はヒステリシス付与手
段として機能せず、ヒステリシスは、第一,第二加圧ピ
ストン18,20,リアクションピストン190,パワ
ーピストン192に、それらに接触するシールによって
加えられる摺動抵抗による小さいものとなる。
【0031】本実施例においても、パワーピストン19
2がストロークスイッチ106によって検出されない状
態において、前記図3に示す制御マップに従って電磁開
閉弁220が開閉される。制動初期には電磁開閉弁22
0のソレノイドは消磁され、ヒステリシスは増大させら
れず、ブレーキペダルの踏込みが容易に為され、制動初
期経過後は、車輪速度Vおよび減速度Gがいずれも設定
値V0 およびG0 より高い場合にはソレノイドは消磁さ
れ、ヒステリシスは増大させられず、それ以外の場合に
はソレノイドは励磁され、ヒステリシスが増大させられ
るのである。
【0032】なお、上記各実施例においては、入力部材
の入力とパワーピストン56の出力との関係に付与され
るヒステリシスが2段階に変えられるようになっていた
が、複数段階にあるいは連続的に変えるようにしてもよ
い。前者の場合には、例えば、図1に示す実施例におい
て、電磁方向切換弁を更に、減圧弁を介してアキュムレ
ータ118に接続し、圧力室152を、アキュムレータ
118に直接連通させる状態と、減圧弁を介して連通さ
せる状態と、リザーバ114に連通させる状態とに切り
換え、ヒステリシスを大,中,小の3段階に変えるので
ある。また、後者の場合には、電磁方向切換弁154に
代えて電磁液圧制御弁を設け、圧力室152に供給する
液圧を任意の大きさに変化させる。
【0033】また、上記各実施例においては、車輪速度
および減速度の高さによってヒステリシスが変えられる
ようになっていたが、ブレーキ操作部材の操作態様によ
ってヒステリシスが変えられるようにすることも可能で
ある。その一例を図5に示す。
【0034】本実施例においても、図1の実施例と同様
に、ブースタ10にシール58,150および圧力室1
52が設けられ、圧力室152に液通路162によって
アキュレータ118が接続されることによりヒステシス
付与手段が構成されている。そして、このヒステリシス
付与手段のヒステリシスがブレーキ操作部材としてのブ
レーキペダルの踏込み力および踏込み速度に応じてヒス
テリシスが変えられるのであるが、そのために液通路1
62に電磁液圧制御弁228が設けられる一方、ブース
タ10のハウジング50に3個のストロークスイッチ2
30,232および234が設けられている。
【0035】電磁液圧制御弁228は、アキュムレータ
118の液圧を、ソレノイドに供給される電流に比例し
た大きさの液圧に減圧して圧力室152に供給するもの
であるが、例えば、特開平4−69472号公報,特開
平4−219579号公報等によってよく知られたもの
であるので詳細な説明は省略する。
【0036】ストロークスイッチ230は、図1の実施
例におけるストロークスイッチ106と同様に、パワー
ピストン56がファーストフィルが完了する位置まで前
進してそれの大径部57がストロークスイッチ230か
ら外れたとき、出力信号がONからOFFに変化する位
置に設けられており、ストロークスイッチ232は通常
の踏込み力でブレーキ操作が行われたときに出力信号が
ONからOFFに変化する位置に設けられ、ストローク
スイッチ234は強い踏込み力でブレーキ操作が行われ
たときに出力信号がONからOFFに変化する位置に設
けられている。
【0037】これらストロークスイッチ230,232
および234はECU(電子制御ユニット)236に接
続されており、ECUはそれのコンピュータのROMに
格納されているプログラムの実行により踏込み速度およ
び踏込み力の大小を判定する。ストロークスイッチ23
0の出力信号のONからOFFへの変化からストローク
スイッチ232の出力信号の変化までの時間tを計測し
てその時間tが設定値t0 より長い場合に踏込み速度が
小さいと判定し、設定値t0 より短い場合に踏込み速度
が大きいと判定するのであり、また、ストロークスイッ
チ230の出力信号のみがOFFとなり、ストロークス
イッチ234の出力信号がOFFとならない場合に踏込
み力が小さいと判定し、ストロークスイッチ232,2
34の出力信号が共にOFFとなった場合に踏込み力が
大きいと判定するのである。
【0038】ECU236はこの判定結果に従って、図
6に示すように、踏込み速度が大きいほど、また踏込み
力が大きいほど、電磁液圧制御弁228への供給電流を
大きい値I1 ,I2 ,I3 ,I4 に決定する。したがっ
て、踏込み速度が大きいほど、また踏力が大きいほど、
ヒステリシスが大きくされることになる。そのため、踏
力が小さく、踏込み速度も小さいときには制動力の微妙
な制御を行うことが容易であり、かつ、踏力が大きいと
きや,踏込み速度が大きいときには十分な踏応え感が得
られる車両用液圧ブレーキ装置が得られる。運転者は一
般に、大きな踏力でブレーキ操作を行ない、あるいは速
いブレーキ操作を行う場合には十分な踏応え感を求める
ものであるが、この要求は制動力の微妙な制御を容易に
行い得るという要求と相反するものである。そのため、
ヒステリシスが一定である場合には両者を共に満足させ
ることができないのであるが、本実施例においては両方
の要求が共に満されるのである。なお、踏応え感不足の
問題は、ブレーキ操作部材とマスタシリンダとの間にブ
ースタが設けられ、しかもその倍力率が高い場合に顕著
であるため、そのような場合に特に大きな効果が得られ
る。
【0039】上記実施例は、踏込み速度および踏込み力
の大小のみが判定されるようになっているが、踏込み速
度および踏込み力の大きさを検出し、それに基づいてヒ
ステリシスを連続的に変化させることも可能である。例
えば、ストロークスイッチ230の出力信号のONから
OFFへの変化からストロークスイッチ232の出力信
号の変化までの時間tと、両ストロークスイッチ23
0,232間の距離とから踏込み速度を演算し、また、
パワー圧室60の液圧から踏込み力を演算して、それら
踏込み速度および踏込み力の各組合せに対して供給電流
が予め定められているテーブルから供給電流を求めるの
である。
【0040】ヒステリシスは、以上の他、運転者が好む
操作感覚や、傾斜や摩擦係数等路面の状態に応じて変え
るようにしてもよい。この場合には、手動操作に応じて
変えることも可能である。その他、特許請求の範囲を逸
脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,
改良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である液圧ブースタを備えた
4輪自動車用の液圧ブレーキ装置を示す系統図である。
【図2】上記液圧ブレーキ装置において得られるブレー
キペダルの踏込み力とマスタシリンダ圧との間のヒステ
リシスを示すグラフである。
【図3】上記液圧ブレーキ装置を制御する電子制御ユニ
ットの主体を成すコンピュータのROMに格納された電
磁方向切換弁の切換制御マップを示す図である。
【図4】本発明の別の実施例である液圧ブースタの要部
を示す正面断面図である。
【図5】本発明のさらに別の実施例である液圧ブースタ
の要部を示す正面断面図である。
【図6】図5の液圧ブースタを備えた液圧ブレーキ装置
を制御する電子制御ユニットの主体を成すコンピュータ
における電磁液圧制御弁への供給電流の決定を説明する
ための図である。
【符号の説明】
10 液圧ブースタ 12 タンデム型ブレーキマスタシリンダ 56 パワーピストン 58 シール 60 パワー圧室 94 入力ロッド 150 シール 152 圧力室 170 電子制御ユニット(ECU) 192 パワーピストン 198 パワー圧室 200 制御液室 210 逆止弁 228 電磁液圧制御弁 230,232,234 ストロークスイッチ 236 電子制御ユニット(ECU)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作部材の操作により入力部材
    に加えられる入力が、液圧源からの液圧の供給により倍
    力されてパワーピストンから出力され、ブレーキ操作部
    材の操作を助勢する車両用液圧ブースタにおいて、 前記入力部材への入力と前記パワーピストンの出力との
    関係にヒステリシスを付与するヒステリシス付与手段
    と、 そのヒステリシス付与手段のヒステリシスを少なくとも
    2段階に変えるヒステリシス制御手段とを設けたことを
    特徴とする液圧ブースタ。
JP4306524A 1991-10-21 1992-10-20 車両用液圧ブースタ Pending JPH05193481A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4306524A JPH05193481A (ja) 1991-10-21 1992-10-20 車両用液圧ブースタ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-302409 1991-10-21
JP30240991 1991-10-21
JP4306524A JPH05193481A (ja) 1991-10-21 1992-10-20 車両用液圧ブースタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05193481A true JPH05193481A (ja) 1993-08-03

Family

ID=26563102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4306524A Pending JPH05193481A (ja) 1991-10-21 1992-10-20 車両用液圧ブースタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05193481A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007331754A (ja) * 2007-08-20 2007-12-27 Hitachi Ltd ブレーキ装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007331754A (ja) * 2007-08-20 2007-12-27 Hitachi Ltd ブレーキ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4332962B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
EP2209681B1 (en) Brake apparatus
JP4691808B2 (ja) 車両用液圧ブレーキ装置
US7661769B2 (en) Brake apparatus for a vehicle
JP2000142369A (ja) ブレーキシステム
JP4569008B2 (ja) 車両の液圧ブレーキ装置
JP2001260851A (ja) 車両用制動制御装置
JP4089062B2 (ja) ブレーキ装置
US4838621A (en) Anti-skid apparatus for an automotive vehicle
KR20010006505A (ko) 유압 차량 브레이크 시스템용 브레이크-압력-전달 장치 및 그를 구비한 브레이크 시스템
JPS6339466B2 (ja)
US6386647B2 (en) Hydraulic brake apparatus for a vehicle
JP2000280888A (ja) マスタシリンダ
JP3899621B2 (ja) ペダルストロークシミュレータ付き車両ブレーキ装置
US5207486A (en) Braking system for vehicle
JPH05193481A (ja) 車両用液圧ブースタ
JPH05139279A (ja) 電子制御ブレーキ装置
JP3069991B2 (ja) 車両のブレーキ液圧制御装置
US20210323517A1 (en) Hydraulic brake system
US6065291A (en) Pressure generator
JP2985308B2 (ja) 車両用制動力制御装置
JPH08258689A (ja) 車両用ブレーキ装置
JP2906763B2 (ja) 車両用ブレーキ装置
JPH05229413A (ja) 液圧ブレーキ装置
JPH02274647A (ja) 車両用液圧ブレーキ装置