JPH05192586A - 脱硝触媒およびその製造方法 - Google Patents

脱硝触媒およびその製造方法

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JPH05192586A
JPH05192586A JP4008650A JP865092A JPH05192586A JP H05192586 A JPH05192586 A JP H05192586A JP 4008650 A JP4008650 A JP 4008650A JP 865092 A JP865092 A JP 865092A JP H05192586 A JPH05192586 A JP H05192586A
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catalyst
sol
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JP4008650A
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Inventor
Hitoshi Yamazaki
均 山崎
Naomi Yoshida
直美 吉田
Koji Domoto
孝司 道本
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度の低下がなく、耐摩耗性の高い板状の脱
硝触媒およびその製造法を提供する。 【構成】 カルシウム、アルミニウム、シリカを含有す
る無機繊維織布をシリカゾル、チタニアゾル、ジルコニ
アゾルから選ばれた一種以上のゾルと、チタニアジルコ
ニアコージエライトから選ばれた一種以上の酸化物微分
と、ポリピニールアルコール、酢酸ビニール、カルボキ
シルメチルセルローズから選ばれた有機結合剤とからな
るスラリ状物に浸漬した後乾燥し、これを酸溶液中に浸
漬後水洗、乾燥した後、再度上記スラリ状物質に浸漬
し、乾燥した後、触媒成分ペーストを塗布し、乾燥、焼
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱硝触媒およびその製
造方法に係り、特に無機繊維製織布または網状体を基板
とし、これに触媒成分を担持させた耐摩耗用の脱硝触媒
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、排ガス中の窒素酸化物を除去す
る触媒(以下、単に触媒と呼ぶ)には、酸化チタン(T
iO2 )とモリブデン(Mo)、タングステン(W)、
バナジウム(V)等の酸化物からなる触媒組成物を、粒
状、板状、ハニカム状などに成形したものが用いられて
いる。なかでも重油や石炭などを燃料にするボイラ排ガ
スの場合には、媒塵や灰を多量に含むガスを低圧損で処
理する必要があり、板状触媒を組み合わせたものや、開
口率の大きいハニカム状触媒などのガスの流れ方向に平
行な通路を有するものが用いられている。かかる触媒と
しては、金属基板に触媒成分を塗布したもの(特公昭6
1−28377号公報)、触媒成分をハニカム状に押出
成形したもの(特公昭60−3856号公報など)、セ
ラミック繊維マットや紙をハニカム状に成形した後、触
媒前駆体物質を被覆したもの(特公昭58−11253
号公報など)等の数多くのものが知られており、すでに
実用に供されている。
【0003】上記従来技術のうち、金属基板に触媒を塗
布したものは、平板部分が多いため圧損が小さく灰が堆
積しにくいという点では優れたものであるが、重量が大
きくまた金属基板が酸化されるという難点があった。ま
た、触媒成分を押出し成形法によってハニカム状に成形
したものは、その成形技術の限界によって成形体が15
0mm角程度の寸法に制限され、数100m3も必要とする
大容量装置に充填するためにはそれらの小型形状のもの
を多数組みあげる必要があった。そのうえ、成形体が衝
撃力に弱いという問題があった。
【0004】さらに、無機繊維布、紙の表面に触媒成分
を被覆するものは、衝撃力に強い反面、機械的強度が低
く、排ガス中に含まれる灰粒子によって摩耗するという
問題を有していた。そこで、これらの問題点を解決する
ために本発明者らは、無機繊維製織布(以下セラミック
スクリーン、または単にスクリーンと称す)に無機酸化
物微粒子を含浸して強化し、これに酸化チタンを主成分
とする触媒組成物と綿状無機繊維を水に分散して混合し
たペーストまたはスラリを塗布して被覆し、ローラプレ
ス等で圧密化する、耐衝撃性および機械的強度の高い脱
硝触媒の製造方法を提起した。
【0005】しかしながら、このセラミックスクリーン
等を基材とする板状触媒の端部および波型成形部では、
流体の圧力または自重のため圧縮応力が発生し、破損さ
らに破壊に至るという現象が生じる恐れがあることがわ
かった。また薄板のためにハンドリング時に損傷を起こ
したり、特に石炭を主燃料とするボイラの脱硝処理にお
いては、排ガス中に含まれる多量の媒塵によって、触媒
体表面および触媒のガス入口に相当する端面部が容易に
摩耗して活性に影響を及ぼしたり、または破損するとい
うことも考えられる。こうした触媒の強度向上策とし
て、発明者らの検討の結果、無機繊維織布等を基材とす
る板状触媒において、簡略した製造プロセスで製品特性
のバラツキを少なくし、活性を損なうことなく、圧縮応
力発生部の圧壊防止およびハンドリング時の損傷を防止
し、さらに排ガス中の媒塵に対して触媒層の摩耗、損傷
を防止するに好適な触媒製造法および製造物として、触
媒ペーストにあらかじめシリカゾルのような無機こう質
剤を適正量添加して混練し、セラミックスクリーンに塗
布した後、プレスまたはローラで所定の形状に加熱成形
し焼成する方法を見いだした(特願平2−183555
号)。
【0006】図2は、上記した先行技術における耐摩耗
用脱硝触媒の製造プロセスの1例を示すものである。こ
の製造プロセスによれば、無機繊維製織布または網状体
の縒り糸表面を、コロイダルシリカなどのゾル状物を第
1成分、酸化チタン微粉子などの酸化物微粉を第2成
分、ポリビニールアルコールなどの有機結合剤を第3成
分とするコーティング層で覆って剛性、タテ糸とヨコ糸
との目止めおよび耐水性をもたせ、さらに塩酸、硝酸、
硫酸などの酸で処理してガラス繊維などの無機繊維中に
含まれるCa、Sr、Ba、MgおよびAlを溶出さ
せ、ガラス繊維表層部に緻密なシリカ層を形成して酸性
ガス、特にSOxによる強度低下を防止する。次いでこ
れを基材として、酸化チタンに、酸化モリブデン、酸化
バナジウム、酸化タングステンなどの公知の触媒成分粉
末の1種以上と水を加えてペースト状にしたものを、ロ
ーラ等の加圧手段を用いて、基材網目が埋まるように塗
布する。得られたシート状触媒はそのまま乾燥される
か、加熱した金型を用いて乾燥しながら成形され、任意
形状の触媒に加工される。この触媒は、さらに触媒成分
に合わせて400〜600℃で焼成される。
【0007】また図3は、先行技術における耐摩耗用脱
硝触媒の製造法の他の例を示すもので、図2の酸処理後
に、触媒成分粉末とコロイダルシリカなどのゾル状物と
の混合スラリに含浸して基材表面に触媒成分を付着さ
せ、触媒性能の向上を計ったものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術にお
いて、金属基板に触媒を塗布したものは重量が大きく、
金属基板が酸化されるという問題があり、触媒成分をハ
ニカム状に押出したものは衝撃に弱いという問題があ
り、セラミック繊維マットや紙をハニカム状に成形した
後触媒成分を被覆したものは機械的強度が低く、被処理
ガス中の灰粒子によって摩耗するという問題があった。
【0009】また、ガラス繊維などのセラミック繊維の
縒り糸を織った織布または網状体を前処理して強度や剛
性を付与した基材に触媒を塗布した板状触媒において
も、使用初期の引張り、曲げ強度は著しく改善されてい
るが、経時的に強度が低下するという点は、完全には解
決されていなかった。本発明の目的は、上記先行技術の
問題点を解決し、強度の低下がなく、耐摩耗性の高い板
状の脱硝触媒およびその製造法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、無機繊維製
織布または網状体の縒り糸表面をコロイダルシリカなど
のゾル状物を第1成分、酸化チタン微粒子などの酸化物
微粉を第2成分、ポリビニールアルコールなどの有機結
合剤を第3成分とするコーティング層(3成分プレコー
ト)で覆って剛性をもたせ、塩酸、硝酸、硫酸などの酸
で処理し、ガラス繊維中に含まれるCa、Sr、Ba、
MgおよびAlを溶出せしめ、ガラス繊維表層部に緻密
なシリカ層を形成し、再度、上記コーティング層で覆っ
たもの(3成分ポストコート)を基材に用い、触媒組成
物ペーストをローラ等で塗布して無機繊維網状物の網目
内および/または表面に触媒成分層を形成することによ
って達成できる。
【0011】すなわち本願の第1の発明は、アルカリ土
類金属、アルミニウムおよびシリカの3元素を含有する
無機繊維製の織布または網状物を基材とし、該基材に触
媒成分を担持させた脱硝触媒において、前記基材が第1
成分としてシリカゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾル
から選ばれた1種以上のゾル状物と、第2成分としてチ
タニア、ジルコニア、コージェライトから選ばれた1種
以上の安定酸化物微粉と、第3成分としてポリビニール
アルコール、酢酸ビニール、カルボキシメチルセルロー
ズから選ばれた1種以上の有機結合剤とからなる中間コ
ーティング層で被覆された状態で酸溶液処理した後、再
度前記中間コーティング層で被覆されており、上記基材
中のアルカリ土類金属およびアルミニウムの濃度が繊維
中心部で高く、外周部で低くなっていることを特徴とす
る脱硝触媒に関する。
【0012】また、本願の第2の発明は、カルシウム、
アルミニウム、シリカを含有する無機繊維製の織布また
は網状体からなる基材の表面に触媒成分を塗布する脱硝
触媒の製造方法において、第1成分としてシリカゾル、
チタニアゾル、ジルコニアゾルから選ばれた1種以上の
ゾル状物5〜20wt%と、第2成分としてチタニア、ジ
ルコニア、コージェライトから選ばれた1種以上の安定
酸化物微粉20〜70wt%と、第3成分としてポリビニ
ールアルコール、酢酸ビニール、カルボキシメチルセル
ローズから選ばれた1種以上の有機結合剤1〜3wt%か
らなるスラリ状物質中に、前記基材を浸漬した後乾燥
し、該基材を塩酸、硝酸、硫酸の1種以上の溶液中に浸
漬することにより基材表面にアルミニウム、カルシウム
の欠乏層を形成させたのち、再度、上記第1、第2、第
3成分からなるスラリ状物質中に浸漬し、乾燥した後、
触媒成分を担持することを特徴とする脱硝触媒の製造方
法に関する。
【0013】
【作用】本発明者らは、無機繊維織布または網状物を基
材に用いた脱硝触媒の耐摩耗性と基材との関連について
研究し、基材の剛性を上げることにより耐摩耗性が向上
することを見出した。すなわち、石炭焚用ボイラのよう
に、排ガス中に摩耗成分であるダストとともに、SOx
を含有する場合には、無機繊維中のCaOおよびAl2
3 とSO3 とが反応してCaSO4 およびAl2 (S
4 3 が生成し、これが繊維の動きを阻害するため、
曲げや熱による延びによって繊維が切断され、強度低下
が生じることが分かった。従って本発明ではCaSO4
やAl2 (SO4 3 による繊維の拘束を防止するた
め、酸による処理を行い、繊維表層部のCaOやAl2
3 などをあらかじめ除去した層を形成し、CaO、A
2 3 とSO3 との反応生成物が生じないようにし
て、CaSO4 やAl2 (SO4 3 の形成による繊維
の拘束現象をなくしている。
【0014】このように石炭焚用の脱硝触媒において
は、基材となる無機繊維を酸処理することは不可欠であ
るが、酸処理により無機繊維中のCaOや、Al2 3
を繊維中心部まですべて除去すると、繊維の強度が低下
するので、CaOやAl2 3 の除去は繊維の表層部の
みとすることが必要であり、また酸洗いする際、無機繊
維糸がほつれるのを防止するとともに、織布に剛性を与
えるため、無機繊維織布を、例えばシリカゾル、チタニ
ア、ポリビニールアルコールからなる3成分中間層でコ
ーティングしておくことが必要である。さらに、酸処理
することにより、前記ゾル状物、安定酸化物微粉および
有機結合剤の3成分からなる中間コーティング層の1部
も溶解し、縒り糸を被覆していたコーティング層が微細
孔を含むポーラスな性状に変化し、剛性、目止め効果が
低下するとともに繊維の収束状態も悪くなる。こうした
状態の繊維を基材にして触媒を製造した場合(図2の
例)には、繊維の収束が悪いため強度が低く、さらにポ
ーラスなコーティング層のため、外部からの引張荷重に
対し簡単に割れ、亀裂が発生し、発生した亀裂の進展も
助長される。しかも、剛性、目止め効果も低下すること
から粘度の高い粘土状の触媒ペーストを加圧ローラを用
いて塗り込むことも困難になり、たとえ塗布できたとし
ても密度の高い高強度触媒シートを得ることができず、
耐摩耗性も悪くなる。
【0015】そこで、本発明では酸による処理をした
後、再度前記ゾル状物、安定酸化物微粉および有機結合
剤の3成分からなる含浸強化液に含浸する(3成分ポス
トコート)ことにより、酸洗いによる処理で生じたポー
ラスな部分に上記含浸液が侵入し、酸洗前のもの(3成
分プレコート)に比べ緻密なコーティング層が形成され
るとともに、繊維の収束度合も向上して高強度、高剛性
でバラツキの小さい品質の安定した無機繊維製の基材を
得ることができる。従って、酸による処理を行なった後
再度上記3成分からなる強化剤を含浸することにより、
酸処理前の基材と比べ、SOxに対する抵抗性を有した
高強度、高剛性、高品質安定性なる基材を得ることがで
きる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例に当たって用いられる無機繊
維としては、網状に織ったものであればどのようなもの
であってもよいが、数〜数十ミクロンのガラス繊維、シ
リカ−アルミナ繊維を縒り合わせて8〜20メッシュ
(厚さ0.3〜1mm)程度の平織にしたものが好結果を
与える。
【0017】この無機繊維織布(以下、スクリーンとい
う)には、ゾル状のコロイダルシリカ、1μ以下の粒径
のものが90%程度の酸化チタン粉末およびポリビニー
ルアルコールを含有するスラリが浸漬法、またはスプレ
ー法によって担持され(3成分プレコート)、しかる後
に100〜200℃で乾燥されることにより、弾性と剛
性のある触媒担持用基材が得られる。ここに用いるスラ
リの第1成分としては各種のシリカゾルの他、チタニア
ゾル、ジルコニアゾル等を用いることができる。第2成
分としては粒径が小さく、かつ熱および排ガス中のSO
xと反応しない安定なものがよく、特に塩素法による微
粒チタニアが好結果を与える。さらに、第3成分の有機
バインダとしては、上記ポリビニールアルコールの他、
カルボキシメチルセルローズ、酢酸ビニールなどを用い
ることができるが、ポリビニールアルコールが粘度を調
節しやすく、安定なスラリを得ることができ好結果を与
える。また、各成分の濃度は各々5〜20、20〜7
0、1〜3wt%の範囲に選定したときに好結果を与えや
すい。
【0018】このようにスラリをコーティングした無機
繊維織布を、3〜10%の塩酸、硝酸、硫酸などの酸水
溶液中に浸漬し、50〜100℃程度に加温しながら2
h処理して、繊維表層部のCaO、Al2 3 を溶出さ
せる。さらに得られた基材を水洗後乾燥する。この酸で
処理した基材を、再度上記ゾル状のスラリ、すなわちコ
ロイダルシリカ、1μm以下の粒径のものが90%程度
の酸化チタン粉末およびポリビニールアルコールとを含
有するスラリに浸漬するかまたはスプレー法によって担
持させる(3成分ポストコート)。
【0019】以上のようにして得られた基材は、別に用
意された酸化チタン、酸化モリブデン、酸化バナジウ
ム、酸化タングステンなどの公知の触媒成分粉末に水を
加えてペースト状にしたものをローラ等の加圧手段を用
いて、該基材網目が埋まるように塗布される。得られた
シート状触媒はそのまま乾燥されるか、加熱した金型を
用いて乾燥しながら成形され、任意形状の触媒に加工さ
れる。この触媒は、さらに触媒成分に合わせて400〜
600℃で焼成される。以上のようにして本発明の触媒
は得られるが、触媒の製造に当り、触媒組成は目的に合
わせて適宜選定すればよい。また、触媒ペースト中に無
機繊維を混合することにより、さらに高強度のものが得
られる。
【0020】本発明の方法による基材は、無機繊維縒り
糸外周を緻密なコーティング層が覆っており、剛性、目
止め効果が高く、さらに酸処理を行なっていることか
ら、経時的に強度が低下することもない。以下、具体例
によって本発明を詳細に説明する。 実施例1 市販のシリカゾル(日産化学社製、スノーテックス−N
SiO2 含有量20wt%)750g、塩素法により製
造されたチタニア(石原産業社製CR−50)750
g、ポリビニールアルコール(キシダ化学社製、重合度
約2万)15gを加熱しながら混合し、スラリ状コーテ
ィング液を調製した。このスラリ中に、繊維径9μmの
Eガラス製繊維1400本からなる縒り糸を目開き約1
0メッシュに織った平織布(幅500×長さ500mm)
を浸漬した後、スポンジローラを通して液切りし、風乾
後150℃で30分熱処理した。本基材を60℃に加熱
した5%塩酸70kg中に浸漬し、10分間隔で液を攪拌
しながら2h処理した。ついで流水中に基材を置いて3
0分間水洗後150℃で乾燥した。この基材を、シリカ
ゾル、チタニア、ポリビニールアルコールの3成分から
なる上記コーティング液に再度浸漬した後乾燥した。こ
れとは別にメタチタン酸スラリとモリブデン酸アンモニ
ウム、およびメタバナジン酸アンモニウムをTi/Mo
/V=92/5/3(原子比)になるように秤量し、こ
れらをニーダ加熱しながら混練した。得られたペースト
状物を直径約3mmの柱状物に押出し、造粒後150℃で
流動層乾燥し、550℃で2h予備焼成した。このよう
にして得られた触媒顆粒をハンマミルで粉砕して得た触
媒粉末20kgと、SiO2 /Al2 3 比約1のセラミ
ックスファイバー3kg、シリカゾル9kgとをさらにニー
ダで混練して触媒ペーストを調製した。本ペーストを先
に調製した網状基材上に置き、図4のごとく加圧ローラ
を用いて、ローラ周速5m/min で塗布して、厚さ約1
mmのシート状にし、12h風乾後、約550℃で2h焼
成して板状触媒を得た。
【0021】実施例2 実施例1のチタニア粉末に替えて、ボールミルで粉砕し
たコージェライト粉末を用い、他は同様に触媒を調整し
た。 実施例3 実施例1のポリビニールアルコールに替えて、カルボキ
シメチルセルローズナトリウム塩5gを用いて同様に触
媒を調製した。 実施例4 実施例1の塩酸濃度を10%に替え、他は同様にして触
媒を調製した。 比較例1 実施例1の塩酸処理による無機繊維表層部からのCa
O、Al2 3 の除去および塩酸処理後のシリカゾル、
チタニア、ポリビニールアルコールの3成分からなる再
コーティングを行なわないで触媒を調製した。 比較例2 実施例1の塩酸処理後のシリカゾル、チタニア、ポリビ
ニールアルコールの3成分からなるコーティングを行な
わないで触媒を調製した。 比較例3 実施例1の塩酸処理後のシリカゾル、チタニア、ポリビ
ニールアルコールの3成分からなるコーティング組成を
用いず、その代わりにシリカゾル800gと平均粒径1
μm、Ti/Mo/V=90.5/5/4.5(原子
比)の触媒粉末200gとを混合したスラリ状コーティ
ング液に浸漬後、スポンジローラを通して液切りした後
乾燥した基材を用いて触媒を調製した。
【0022】本発明の効果を見るために、実施例1〜4
および比較例1〜3について、基材に対しては初期強度
とバラツキ、剛性、目止め効果、耐SOx性を触媒につ
いては、耐摩耗性、初期強度、大気中での強度の経時変
化を下記条件で測定した。 (1)基材 a)強度とそのバラツキ 方法:縒り糸1本(長さ20mm)の引張強度 バラツキ:標準偏差 b)剛性 方法:圧縮試験 評価:荷重/変位曲線での直線の勾配 c)目止め効果 方法:基材のタテ糸に対し、斜め45°方向での引張試
験 評価:荷重/変位曲線での変曲点の有無および変曲点で
の荷重 d)耐SOx性 SO2 およびSO3 をそれぞれ500 ppm含有した40
0℃ガス中に基材を300h暴露し、暴露前後での強度
変化 (2)触媒 a)耐摩耗性 方法:高さ1mから平均粒径0.7mmのグリット8kgを
落下 評価:グリット落下前後の重量変化 b)初期強度 方法:20mm×30mmの引張試験による破断強度 c)大気中時効後の強度 方法:大気中で450℃、2000h暴露後の引張試験
による破断強度 得られた結果を表1にまとめて示す。
【0023】以下余白
【0024】
【表1】
【0025】本発明になる基材は、比較例1と同様高い
強度を有するとともに、比較例1に比べ強度のバラツキ
が小さくなっている。コーティング時無機繊維の中まで
コーティング液が侵入するためにはコーティング液が繊
維中にある空気と置換される必要があるが、比較例1の
場合、3成分からなるコーティングが1回であるため
に、コーティング液が完全に空気と置換されないので繊
維内部まで侵入できない。これに対し、本発明になる実
施例1〜4では、酸処理によりコーティング層にポアが
生じ、再度そのポアにコーティング液が侵入し、繊維の
収束状態がよくなり、強度のバラツキの少ない、すなわ
ち品質の安定したものが得られる。
【0026】本発明ではコーティングを2回繰返すこと
で、当然、基材の剛性、目止め効果は向上し、無機繊維
縒り糸外周を緻密なコーティング層で完全に覆うことが
できるので、折り曲げても内部の繊維が一定限動くこと
ができるため切断されにくく、かつ弾性も有しているた
め曲げに対しても強い。さらに、触媒ペーストを加圧し
ながら塗布する場合にも、コーティング層が保護層とし
て働くため、高い塗布圧力まで繊維の切断が見られな
い。このため、低水分の触媒ペーストを塗布することが
でき、高密度、高強度な触媒すなわち、耐摩耗性を有す
る触媒を得ることができる。さらに、その表面が滑らか
であるため、塗布時の触媒ペーストとの摩擦抵抗が小さ
く、触媒ペーストの網目内への充填をよくして強度を向
上させる効果がある。また、触媒成分および排ガスと無
機繊維が直接接触することが防止され、これらの物質と
無機繊維との反応による強度低下も防止される効果があ
るとともに、本発明では酸処理を行なっていることか
ら、基材の耐SOx性も向上する。
【0027】本発明からなる基材を用いた触媒の耐摩耗
性が優れていることは上記した通りであるが、大気中で
の450℃での時効においても強度の低下がないのに対
し、比較例1では酸処理をしていないことから触媒中の
硫酸根と基材が反応して強度が低下し、また比較例3で
は、基材強化に用いた触媒成分と基材との反応により強
度が低下する。また、比較例2の酸処理のままでは、基
材の剛性、目止め効果が小さいため、塗布時基材の一部
が切断される場合もあった。
【0028】以上の比較例に比べ、実施例触媒はいずれ
も基材の剛性、目止め効果が高く、さらに強度のバラツ
キも小さいことから、得られた触媒は耐摩耗性に優れる
とともに経時変化も小さい。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、高強度で、耐摩耗性が
大で、かつ長期間の使用によっても排ガス中のSOx成
分による強度劣化の少ない脱硝触媒が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明になる耐摩耗脱硝触媒の製造プ
ロセスを示す図である。
【図2】、
【図3】図2および図3は、従来技術における耐摩耗用
脱硝触媒の製造プロセスを示す図である。
【図4】図4は本発明において、加圧ローラを使って無
機繊維網状基材に触媒ペーストを塗布する状況を示す図
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ土類金属、アルミニウムおよび
    シリカの3元素を含有する無機繊維製の織布または網状
    物を基材とし、該基材に触媒成分を担持させた脱硝触媒
    において、前記基材が第1成分としてシリカゾル、チタ
    ニアゾル、ジルコニアゾルから選ばれた1種以上のゾル
    状物と、第2成分としてチタニア、ジルコニア、コージ
    ェライトから選ばれた1種以上の安定酸化物微粉と、第
    3成分としてポリビニールアルコール、酢酸ビニール、
    カルボキシメチルセルローズから選ばれた1種以上の有
    機結合剤とからなる中間コーティング層で被覆された状
    態で酸溶液処理した後、再度前記中間コーティング層で
    被覆されており、上記基材中のアルカリ土類金属および
    アルミニウムの濃度が繊維中心部で高く、外周部で低く
    なっていることを特徴とする脱硝触媒。
  2. 【請求項2】 カルシウム、アルミニウム、シリカを含
    有する無機繊維製の織布または網状体からなる基材の表
    面に触媒成分を塗布する脱硝触媒の製造方法において、
    第1成分としてシリカゾル、チタニアゾル、ジルコニア
    ゾルから選ばれた1種以上のゾル状物5〜20wt%と、
    第2成分としてチタニア、ジルコニア、コージェライト
    から選ばれた1種以上の安定酸化物微粉20〜70wt%
    と、第3成分としてポリビニールアルコール、酢酸ビニ
    ール、カルボキシメチルセルローズから選ばれた1種以
    上の有機結合剤1〜3wt%からなるスラリ状物質中に、
    前記基材を浸漬した後乾燥し、該基材を塩酸、硝酸、硫
    酸の1種以上の溶液中に浸漬することにより基材表面に
    アルミニウム、カルシウムの欠乏層を形成させたのち、
    再度、上記第1、第2、第3成分からなるスラリ状物質
    中に浸漬し、乾燥した後、触媒成分を担持することを特
    徴とする脱硝触媒の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021159843A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 株式会社U・M・R 担持触媒の製造方法

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