JPH0517564U - 試験用マイクロチユーブの挿し立て装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は外周径の大きさにバラつきのある試
験用マイクロチューブを該マイクロチューブ下部の円錐
形周面のテーパー中間部を噛み止めすることによりマイ
クロチューブを抜け出し防止状態にて確実に保持固定す
ることのできる試験用マイクロチューブの挿し立て装置
を得ることにある。 【構成】 本考案は上面板３に試験用マイクロチューブ
１の挿入孔口２を多設してなる枠形筐体５において、該
枠形筐体５内の中間下に中敷板６を水平取付けし、該中
敷板６の前記各挿入孔口２下の位置に上広，下狭の傾斜
を附した皿形止孔８を設けて、挿し立てるマイクロチュ
ーブ１の下部円錐形周面1aを噛み止め固定するようにし
たことを特徴とする試験用マイクロチューブの挿し立て
装置にある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はＤＮＡ抽出試験等に用いる合成樹脂製の試験用マイクロチューブを 保持固定するための挿し立て装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

試験用マイクロチューブは厳格な規格製品でないことから各メーカー毎に製品 寸法、特に外周径の大きさにバラつきがあり、このため従来の挿し立て装置は枠 形筐体の上面板にやや大きめの挿入孔口を多設してこれよりマイクロチューブを 挿入することにより単にマイクロチューブを吊下げ保持するにとどまっていた。 これを水平（偏芯バイブレーション）撹拌に供するときはマイクロチューブに傾 倒や回転等の動きが生じて全マイクロチューブに均一な撹拌を施すことができな いばかりか、ガタつきによる衝突音がかなりの騒音を発生させていた。また、マ イクロチューブの上下回動を反複する転倒撹拌時や加熱のための恒温水槽への浸 漬時には、遠心力や浮力によってマイクロチューブが枠形筐体から抜け出てしま うという問題があった。これらの問題を解決する手段として図３(ａ)に示すよう に枠形筐体の上面板にやや小さめの挿通孔を設けたゴム板Ｒを貼着するようにし たり、または図３(ｂ)に示すようにマイクロチューブの抜け出しを防止するため の抑えカバーＣを上面板上に取付けたりする提案がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記ゴム板Ｒはマイクロチューブの抜き挿しを反複するとその 応力のために上面板から剥離しやすく、または部分的な剥離を生じて波打状態と なる結果挿入したマイクロチューブの傾斜状態を招いて各マイクロチューブを正 常な整列状態にて保持することができなくなることとなり、また抜け出し防止用 の抑えカバーＣを取付けるときは作業前後における抑えカバーＣの着脱が煩雑で あって作業能率が低下するという課題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上面板に試験用マイクロチューブの挿入孔口を多設してなる枠形筐体 において、該枠形筐体内の中間下に中敷板を水平取付けし、該中敷板の前記各挿 入孔口下の位置に上広，下狭の傾斜を附した皿形止孔を設けて、挿し立てるマイ クロチューブの下部円錐形周面を噛み止め固定するようにして、かかる課題を解 決しようとするものである。

【０００５】

【実施例】

以下図面に基づいて実施例を説明する。

【０００６】 マイクロチューブ１の挿入孔口２を整列多設する上面板３と、該上面板３の二 辺の延長部を折下げした側壁4a，4bとからなる正面視伏せコ形状の枠形筐体５を 形成し、前記側壁4a，4b間の中間下に中敷板６を水平取付けする。中敷板６は上 面板３の挿入孔口２下位置に対応して、上広，下狭の傾斜を附して下端周面にエ ッヂ７を形成する皿形止孔８を設けている。

【０００７】 試験用マイクロチューブ１は柔軟質の合成樹脂製で、下部を円錐形周面1aとす る1.5ミリリットル容量のキャップ付円筒形容器であって、試料液を収容したマ イクロチューブ１を前記枠形筐体５の上面板３の挿入孔口２上より挿入し、マイ クロチューブ１下部の円錐形周面1aのテーパー中間部が前記皿形止孔８のエッヂ ７に達して止まったところで、さらに少しマイクロチューブ１を軽く押し込むの である。すると皿形止孔８のエッヂ７は柔軟なマイクロチューブ１の円錐形周面 1aのテーパー中間部をわずかに喰込むようにして噛み止めし、マイクロチューブ １を固定するのである。

【０００８】 これを水平撹拌に供する際は図１に示すように必要数のマイクロチューブ１を 挿し立て固定した後、枠形筐体５を撹拌機９の撹拌台10上に載置固定して撹拌し 、撹拌終了後に枠形筐体５を撹拌台10より取り外してマイクロチューブ１を取り 出すのである。マイクロチューブ１を取り出すときはエッヂ７の噛み止め力に抗 してマイクロチューブ１を引上げるだけで簡単に抜き外すことができる。すなわ ち、エッヂ７の喰込みによる噛み止め力は軽量なマイクロチューブ１を撹拌中に 保持固定するには充分であるが、マイクロチューブ１の挿し立て，抜き外し時に おいて作業者が必要とする力はわずかなものなのである。

【０００９】 また、マイクロチューブ１の上下回動を反複する転倒撹拌機（図示していない ）に装着するときや恒温水槽（図示していない）内に浸漬するときも前記と同要 領にてマイクロチューブ１を枠形筐体５にセットするのである。エッヂ７の噛み 止め固定にて遠心力や浮力によるマイクロチューブ１の抜け出しは確実に防止さ れることとなる。

【００１０】 なお、枠形筐体および中敷板はアルミニウム等の金属板のほか、ポリカーボネ ート等の硬質合成樹脂材料による成型にても形成することができるものである。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は以上のようにして、枠形筐体の挿入孔口より挿入する試験用マイクロ チューブを自然停止位置よりも軽く少し押し込むだけで中敷板に設けた皿形止孔 のエッヂにてマイクロチューブの円錐形周面1aのテーパー中間部を噛み止め抑え するようにしたので、外周径の大きさにバラつきのある各メーカーのマイクロチ ューブであっても挿し立て固定を容易且つ確実にすることができるという効果を 生ずる。しかも噛み止めという安定した固定方法によるため水平撹拌時にはマイ クロチューブのガタつきや傾斜，回転等を防止して均一な撹拌を行うことができ るとともに騒音の発生を防止し、また、転倒撹拌時や恒温水槽内浸漬時において も遠心力や浮力によるマイクロチューブの抜け出しが生じないという効果を生ず る。しかも劣化しやすい部品を利用していないので長期に亙ってメインテナンス フリーにて使用することができるという効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案挿し立て装置の実施例をを撹拌機上に
載置固定した状態にて示す一部断截した斜視図である。

【図２】 マイクロチューブを噛み止め固定した状態を
示す拡大断面図である。

【図３】 (ａ)(ｂ)ともに従来例の部分断面図である。

【符号の説明】

１はマイクロチューブ ２は挿入孔口 ３は上面板 4a，4bは側壁 ５は枠形筐体 ６は中敷板 ７はエッヂ ８は皿形止孔 ９は撹拌機 10は撹拌台 11は枠形筐体固定用のストッパーレバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面板に試験用マイクロチューブの挿入
   孔口を多設してなる枠形筐体において、該枠形筐体内の
   中間下に中敷板を水平取付けし、該中敷板の前記各挿入
   孔口下の位置に上広，下狭の傾斜を附した皿形止孔を設
   けて、挿し立てるマイクロチューブの下部円錐形周面を
   噛み止め固定するようにしたことを特徴とする試験用マ
   イクロチューブの挿し立て装置。