JPH0516557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、核物質を運搬する輸送容器に関し、
特に原子炉燃料のような大形の核物質を運搬する
容器に関する。

原子炉燃料は、通常燃料製造工場において製作
され、これを使用する原子力発電所へ運搬され
る。

原子炉燃料は、その性質上いかなる場合におい
ても、厳重に管理されねばならないが、運搬時に
おいては、落下、衝突、火災等の事故に遭遇する
可能性があるため、更に厳重な注意が要求され
る。そして、原子炉燃料の運搬には、通常容器が
用いられ、これは、前記事故に対し所定の強度、
性能を保持しなければならない。加えて現今、原
子炉燃料の輸送時の安全性等についての重要性の
認識が高まり、輸送容器の強度、性能の向上が要
求されつつある。

本考案は、かかる事情に鑑みなされたもので、
高い温度の火災中に長時間さらされても核物質の
飛散、放出が生ぜず、かつ突起をもつ異物上に落
下しても破壊されない輸送容器を提供することを
目的とする。

以下、図示の実施例に基づき、本考案を説明す
る。

第１〜第５図において、半円断面の横長容器本
体すなわち下部容器１１は、外側の鋼製二重殻１
３とこの中に充填された緩衝耐火部材１５より構
成されている。下部容器１１に開閉自在に取着さ
れる蓋体すなわち上部容器２１も、下部容器１１
と同様の断面形状を有し、外側の鋼製二重殻２３
と緩衝耐火部材２５をもつ。

上部容器２１に接合する下部容器１１の接合面
１７の内側には、連続した突縁１９が形成され、
その上面にＯ−リング２７が挟装される。突縁１
７の内面に固着されて内方へ突出した弾性手段す
なわち防振ゴム３１は、シヨツクマウント３３を
介して保持枠体すなわちフレーム３５を支持して
いる。図示のフレーム３５は、２体の原子炉燃料
すなわち核燃料集合体４０を平行にして保持する
もので、核燃料集合体４０の間に、クロスフレー
ム４１が設けられている。核燃料集合体４０を何
体収容するかは、その大きさ等に応じ適宜選択す
ることができる。クランピングフレーム３５に螺
合した押えボルト４３の内端に係合したパツド４
５は、輸送中燃料集合体４０の側面に押しつけら
れ、これのガタ付き、移動を阻止している。

更にフレーム３５の桁材の間には、熱遮蔽板４
７が設けられ、核燃料集合体４０を取り囲んで火
災遭遇時これを高熱から保護する。

そして、フレーム３５の一端には、ボトムサポ
ート４９が設けられている。

熱遮蔽板４７には、ボロンが中性子吸収材とし
て混入され、又緩衝耐火部材１５，２５は木材か
ら構成されているが、木材の代りに綿状断熱材を
使用してもよい。

前記した実施例によれば、容器１０が万一火災
事故に遭遇しても、緩衝耐火部材１５，２５が熱
の伝導を効果的に防止し、加えて熱遮蔽板４７が
核燃料集合体４０への入熱を直接的に阻止するの
で、これを安全に保持することができる。

又、高所から、異物上（例えば、立設された軟
鋼棒）に落下しても、木材の緩衝耐火部材１５，
２５が衝撃吸収部材として作用し、核燃料集合体
４０を十分保護し、又、容器１０の密閉機能が維
持される。

特に、下部容器１１の接合面に連続した突縁１
９を形成したので、落下衝撃により下部容器１１
と上部容器２１との分離が効果的に防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例の側面図、第２図は
第１図の−線に沿つた断面図、第３図は同じ
く−線に沿つた断面図、第４図は同じく−
線に沿つた断面図、第５図は本実施例の要部を
示す拡大断面図である。 １０……容器、１１……下部容器、１５……緩
衝耐火部材、２１……上部容器、２５……緩衝耐
火部材、３１……防振ゴム、３５……フレーム、
４０……核燃料集合体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体、該本体の内側に弾性手段を介して同
   本体から離れて支持された保持枠体及び該本体に
   開閉自在に取着された蓋体を有するものにおい
   て、該蓋体が接合する該本体の接合面の内側に沿
   つて連続突縁が形成され、該本体の二重殻内及び
   該蓋体の二重殻内にそれぞれ緩衝耐火部材が充填
   され、前記保持枠体に設けられた熱遮蔽板が輸送
   される核燃料を覆うことを特徴とする原子炉燃料
   輸送容器。