JPH05163200A - 酢酸エチルの製造方法 - Google Patents

酢酸エチルの製造方法

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JPH05163200A
JPH05163200A JP3331786A JP33178691A JPH05163200A JP H05163200 A JPH05163200 A JP H05163200A JP 3331786 A JP3331786 A JP 3331786A JP 33178691 A JP33178691 A JP 33178691A JP H05163200 A JPH05163200 A JP H05163200A
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JP
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reaction
catalyst
ethyl acetate
acid
cesium
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JP3331786A
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Kaoru Inoue
薫 井上
Masao Iwasaki
正雄 岩崎
Kazuaki Matsui
和明 松井
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業的に有用な酢酸エチルを液相で不均一触
媒を使用して、効率良く、且つ安定的に製造する極めて
有効な製造方法を提供する。 【構成】 触媒として、リンタングステン酸の有するプ
ロトンの一部をセシウム金属カチオンに置換された固体
触媒を用いて、気相でエチレン及び酢酸と接触反応を行
うことにより、酢酸エチルを製造する方法である。本発
明方法は極めて反応活性が高く、且つ触媒耐久性の高い
不均一な触媒であり、工業的な製造方法として適してい
る。又、反応選択率も良く、本発明方法における触媒を
使用することで、極めて工業てきにも有用かつ経済性の
高い酢酸エチルの製造方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酢酸エチル塗料、各種の
化学品及び工業薬品の原料として有用であり、大量に消
費されている酢酸エチルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酢酸エチルの製造方法として、広
く工業化されているものとしては、エタノールと酢酸と
のエステル化反応による製造法及びアセトアルデヒドの
金属アルコキサイド触媒存在下での二量化反応が知られ
ている。ここにおいて、エステル化反応による製造方法
は原料として酢酸の他にエタノールを使用し、このエタ
ノールは通常エチレンを原料として工業的に生産されて
おり、いわゆる二次原料であり且つ日本国内では国策上
高価な物質である。更に加えてエステル化反応は平衡反
応であり、反応の転化率を高めるためには、副生する水
を何らかの方法で継続的に反応系内から除去することが
必要となる。このことは、製造原料的にも又製造設備及
び用役的にも問題であり、改善の余地を有している。
【0003】又、アセトアルデヒドの二量化反応(いわ
ゆるティシチエンコ反応)においては原料であるアセト
アルデヒドがエチレンから製造される二次原料である。
又、この二量化反応は温和で高い転化率と選択率を達成
することが知られている。しかしながら、これに使用す
る触媒は通常アルミニウム等の金属のアルコキサイドで
あり、二量化反応の副反応としてアセトアルドールの生
成とこの脱水反応が避けがたく、この脱水によって生成
した水により、金属アルコキサイド触媒は容易に分解さ
れる。従って、原料的にも又、触媒の寿命的にも大きな
問題点を抱えている。
【0004】ここにおいて、新たな酢酸エチルの製造方
法としてエチレンを原料とした酢酸エチルの製造方法が
盛んに研究されている。この製造方法は酢酸のエチレン
への直接付加反応として進行、触媒として酸触媒が用い
られている。例えば、液相触媒反応として特開昭55−
160745号においては、トリフルオロメタンスルホ
ン酸を触媒とし、特公昭63−51060では金属カチ
オン交換されたナトリウムベントナイトを触媒とし、又
特公昭56−30334号では反応液に可溶なタングス
テンのヘテロポリ酸又はその酸性金属塩を触媒としてい
る。このうち、トリフルオロメタンスルホン酸触媒を使
用した場合には反応成績は良好であるが、トリフルオロ
メタンスルホン酸自体高価でありかつ、非常に不安定な
ものである。加えて、極めて強い酸性を示し、反応器等
の腐食が大きい液相均一触媒である。同様にタングステ
ンのヘテロポリ酸及びこれの酸性金属置換触媒も液相均
一触媒であり、腐食は大きい。更にこれら液相均一触媒
は生成物である酢酸エチルとの分離は容易であるが、反
応中に生成した副生物の中でも高沸点物との分離は極め
て困難であり、実質的には触媒の回収再生は不可能であ
り、その結果触媒活性は阻害されその寿命の低下を来
す。又、金属カチオン交換されたベントナイト触媒で
は、反応収率を上げるためには、大量に触媒を必要とし
且つ250℃と高温で反応を実施する必要がある。言い
換えれば触媒活性が低いという問題点がある。
【0005】又、プロセス的な観点から、例えば生成物
の分離の容易さ、連続運転のし易さ等の面での有効性を
求めて、気相での酢酸エチルの製造方法も盛んに検討さ
れている。例えば、特公昭60−17775号ではシリ
カ等の担体に芳香族スルホン酸類を担持した触媒を用い
て製造している。又、特公昭60−17774号ではシ
リカ担体に硫酸もしくは硫酸ジエチルを担持した触媒で
製造している。更に、特公昭58−43384号では側
鎖官能基のあるスルホン酸基を有する固形フッ素含有重
合体(例えばナフィオン)を触媒として製造している。
又、工業化学雑誌72巻、9号、1945頁(1969
年)には、シリカ担持ケイタングステン酸触媒及び強酸
性陽イオン交換樹脂触媒で酢酸とエチレンの気相反応に
より酢酸エチルを製造している。
【0006】しかしながら、これら触媒には多くの問題
点を有しておりこのため、工業化には未だ到達していな
い。例えば、シリカにスルホン酸類、硫酸又は硫酸ジエ
チル等を担持した触媒は、反応時にその触媒の有効成分
の溶出等が激しく、従って長時間の連続反応を実施する
ことは実質的に出来ない。又、ナフィオン触媒は触媒自
体極めて高価であり、加えて実質的に反応遂行可能な温
度(約200℃)においてその熱安定性に極めて問題が
あり、同様に触媒の劣化は避けがたい。これに加え、こ
れら触媒はともにその活性が充分とは言えず、低温で反
応を実施する際には極めて長い滞留時間を必要とし、経
済的ではない。更に、シリカ担持ケイタングステン酸触
媒や強酸性陽イオン交換樹脂触媒は低活性にくわえ、1
50℃程度の低温においても2時間程度の極めて短時間
で触媒活性の低下が顕著であり、現実的に使用するには
問題である。従って、耐久性を有し且つ高い触媒活性を
有する酢酸エチルの気相製造用触媒が要求されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酢酸
とエチレンとの付加反応により酢酸エチルをプロセス的
に有効な気相の流通反応で高選択率且つ高転化率で製造
し、加えて、触媒の劣化を抑制し長時間安定的に製造す
るとともに反応器等の材質の劣化も抑制する酢酸エチル
の製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酢酸エチ
ルのプロセス的及び反応的に有効な製造方法を検討し、
酢酸とエチレンとの気相状態での付加反応が優れた製造
方法であることに着目し、従来の欠点である触媒活性の
低さ、触媒の活性低下、触媒の分離性の問題点、反応器
の腐食等の種々の問題点を解決すべく鋭意検討したとこ
ろ、触媒としてリンタングステン酸のプロトンの一部を
セシウムカチオンで置換したものを用いて気相流通下に
酢酸とエチレンを反応させることで極めて効率良く反応
が進行し、且つ長時間安定に反応が遂行することを見出
し、本発明方法を完成するに到った。
【0009】即ち、リンタングステン酸のプロトンの一
部をセシウム金属カチオンで置換された不均一固体触媒
の存在下に、酢酸とエチレンを気相状態で反応させるこ
とを特徴とする酢酸エチルの製造方法であり、一般式:
(M1)a(P)b(W)c(O)d(H)e (但し、M1は金属原子を表し、
P はリン原子W はタングステン原子を表し、O は酸素原
子、H は水素原子を表す。更にa は0、1、2の整数で
あり、bは1または2の整数であり、cは20以下の正
の整数であり、dは100以下の正の整数であり、eは
10以下の正の整数である。)で表されるリンタングス
テン酸の水素原子( 実質的には水素カチオンの形態であ
る )の一部をセシウム金属( 実質的にはセシウムカチオ
ン) で置換した一般式(M1)a(P)b(W)c(O)d(H)e-f(Cs)f(
但し、e>fであり、f は正の実数である) で表される
リンタングステン酸系のヘテロポリ酸である。又M1が元
素記号Vで表される元素であるものも好ましく、タング
ストリン酸を用いると特に好ましい。
【0010】以下本発明方法を詳細に説明する。本発明
方法において使用する酢酸は特に精製の必要はなく、一
般的な試薬純度の酢酸をそのまま使用しても何ら差し支
えない。又、通常の工業薬品として得られる酢酸を使用
して差し支えない。更に反応に使用するエチレンも同様
に特に精製の必要はなく、一般的な試薬純度もしくは通
常の工業製品として得られるものでも構わない。更にエ
タン等の不純物が混入していても差し支えない。
【0011】本発明方法において使用する触媒はリンタ
ングステン酸のプロトンの一部をカリウム金属カチオン
で交換したものであり、一般式(M1)a(P)b(W)c(O)d(H)e-
f(Cs)f( 但しM1は元素記号V 等で表される元素であり、
Pはリン原子、Wはタングステン原子、Oは酸素原子、
H は水素原子を表し、Kはカリウム原子を表す。a は
0、1又は2、b は1、2又3、cは20以下の正の整
数、dは100以下の正の整数、eは10以下の正の整
数、fはeを越えない正の実数)で表されるプロトンの
一部をCs+イオンで交換されたヘテロポリ酸である。具
体的にはドデカタングストリン酸(PW12O40H3) 、のプロ
トンの一部をCsイオン交換したドデカタングストリン酸
(PMo12O40H3-fCsf)及びこれらのタングテン原子の1つ
又は2つ以上をバナジウム原子に置き換えた構造を有す
るヘテロポリ酸等が最も入手し易いヘテロポリ酸として
挙げられる。ここにおいてこれらリンタングステン酸の
プロトンをセシウム金属カチオンと置換する置換率につ
いて述べる。プロトンのセシウムカチオンへの交換率は
特に限定はされないが、好ましくは1%から99%(例
えば上記ドデカタングストリン酸における分子式でfの
値が0.03から2.97)であり、10%から90%
(fの値が0.3から2.7)であれば更に好ましい。
しかしながら、本発明方法はこれらのヘテロポリ酸のみ
に限定されるものではない。
【0012】ヘテロポリ酸のプロトンをセシウム金属カ
チオンで置換する方法は、本発明方法においては特に限
定はされなく、セシウムカチオンとプロトンが交換され
うる方法であるならばいかなる方法で行っても差し支え
ない。実施し易い方法としては、ヘテロポリ酸の水溶液
等の溶液とセシウム化合物の溶液を攪拌混合する方法等
が挙げられる。セシウム化合物としても本発明方法にお
いては特に限定しない。入手し易いものとして、例え
ば、酢酸セシウム、炭酸セシウム、水酸化セシウムなど
が挙げられ、これらを用いて容易にヘテロポリ酸のプロ
トンをセシウムカチオンに置換できる。
【0013】本発明方法における酢酸とエチレンからの
酢酸エチルへの反応は、付加反応として進行する。その
際、反応は気相の不均一触媒反応として進行する。本発
明方法は又、常圧、減圧、加圧の何れの条件においても
実施することが可能である。又反応平衡上から加圧反応
が好ましい。又、反応方式として特に限定するものでは
ないが、連続方式でもバッチ方式でもセミバッチ方式で
も実施することができる。一般的には固定床流通反応で
行うことが推奨される。
【0014】本発明方法を実施するにあたり、触媒及び
反応試剤(原料及び生成物)に対して不活性な希釈剤も
しくは添加剤を添加することもできる。具体的には、n
−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等である脂
肪族飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、エチルベン
ゼン、キシレン、アニソール、キュメン、ニトロベンゼ
ン等の芳香族炭化水素類、シクロペンタン、アルキル置
換シクロペンタン類、アルコキシ置換シクロペンタン
類、ニトロ置換シクロペンタン類、シクロヘキサン、ア
ルキル置換シクロヘキサン類、アルコキシ置換シクロヘ
キサン類、ニト置換シクロヘキサン類、シクロヘプタ
ン、アルキル置換シクロヘプタン類、アルコキシ置換シ
クロヘプタン類、ニトロ置換シクロヘプタン類、シクロ
オクタン、アルキル置換シクロオクタン類、アルコキシ
置換シクロオクタン類、ニトロ置換シクロオクタン類等
の脂環式飽和炭化水素類等や、窒素、アルゴン、空気、
ヘリウム等を希釈剤として反応域において気相状態とし
て使用することも可能である。本発明方法において反応
を実施する際に仕込む酢酸及びエチレンの量的関係につ
いては特に限定はされない。酢酸/エチレンの量比は
0.1〜100(モル比)の範囲である。例えば、酢酸
の高い転化率を達成しようとすれば、酢酸に対するエチ
レン比を1以上で行うことが望ましく、又、エチレンの
高い転化率を達成しようとすれば、エチレンに対する酢
酸のモル比を1以上で行うことが望ましい。
【0015】又、本発明方法を実施するにあたり、使用
する触媒量は特に限定されることはなく、本質的には触
媒と反応試剤との接触時間が重要となる。本発明方法に
おいて、反応試剤と触媒との接触時間は特に限定はしな
いが、余りに短時間であれば反応の進行は遅くなり、又
必要以上に長くすることは副反応の進行や、不必要に触
媒を使用する等好ましいとは言いがたい。好ましくは、
接触時間は0.02秒から10分程度であり、更に好ましくは
0.5 秒から1 分である。
【0016】本発明方法においてその実施する反応温度
は特に限定されることはなく、広範な温度範囲で実施す
ることが可能であるが、好ましくは50℃以上500℃
以下の範囲で、更に好ましくは100℃以上300℃以
下で実施することが推奨される。余りに低温で実施すれ
ば反応速度が低下し、余りに高温で実施すればエチレン
等の反応試剤などの熱安定性の低下をもたらし経済的で
ない。又生成物の分解等も起こり(エチレンと酢酸への
逆反応)有効に遂行しえない。反応生成物は反応器を通
過後、通常の蒸留操作等の分離操作によって取得するこ
とが出来る。
【0017】
【実施例】以下、本発明方法を実施例により更に具体的
に説明する。無論、本発明方法はこれら実施例のみに限
定されるものではない。 (1)反応生成物の定量 反応生成物は、所定時間、所定温度で反応を行った後、
反応ガス液化器に補修された反応液をガスクロマトグラ
フ法により定量を行った。 (2)リンタングステン酸のプロトンのセシウムカチオ
ンによる部分置換 所定量のリンタングステン酸の水溶液を攪拌しながら、
この水溶液中に所定量の炭酸セシウムもしくは酢酸セシ
ウムの水溶液を徐々に添加した。添加の開始とともに白
色の沈澱が攪拌液中に析出した。セシウム化合物水溶液
の添加が終了した後、更に2時間攪拌を継続した。析出
した沈澱を分離し、これを減圧下、80℃で乾燥した。
これを反応触媒として使用した。更にこの固体を電気炉
中350℃で乾燥したものも触媒として用いた。 (3)リンタングステン酸のプロトンのセシウムカチオ
ンによる置換量の算出 置換に使用したリンタングステン酸の有する全水素原子
数に(Aミリグラム原子) に対する置換に使用したセシ
ウム化合物の有する全セシウム原子数(Bミリグラム原
子)の比率とし、以下の式より算出した。従って、置換
量は平均値である。 算出式(%)=100(B/A) 尚、実施例中の酢酸エチルの収率は仕込み酢酸を基準と
した。
【0018】実施例1〜2 内径1cmのパイレックス反応管にリンタングステン酸の
プロトンの83.3%を炭酸セシウムによりセシウムイオン
と交換した触媒5mlを充填し、これを180 ℃に加熱し、
この温度に保ちながら、酢酸を42mmol/Hr 、エチレンを
130mmol/Hrの流入速度とし、蒸発、加熱器に通してこれ
を良く混合してから、触媒と接触させた。触媒と接触さ
せた後の、反応ガスは冷却捕集した。3時間及び6時間
流通させた後、それぞれ集められた反応液を分析した。
結果は表1に示したように収率良く酢酸エチルが得られ
た。
【0019】比較例1〜5 触媒を表1に掲げたものに各々代えた以外は触媒充填
量、原料導入速度等、総て実施例1と同一の条件で酢酸
とエチレンの反応を行った。結果は表1に示したよう
に、それぞれの触媒とも、本発明における触媒に比較し
て活性は低かった。これに加え比較例1〜4で使用した
触媒は6時間と短時間反応でもその触媒活性の低下は顕
著に認められた。
【0020】
【表1】 表1 ─────────────────────────────────── 触媒 流通時間(Hr) 酢酸エチル収率(%) ─────────────────────────────────── 実施例1 PW−Cs(83.3) 3.0 19.1 実施例2 PW−Cs(83.3) 6.0 19.7 比較例1 アンバーリスト15 3.0 10.1 比較例2 アンバーリスト15 6.0 5.2 比較例3 ドデカタングストケイ酸 3.0 9.4 比較例4 ドデカタングストケイ酸 6.0 7.6 比較例5 H−ZSM−5 6.0 4.0 ─────────────────────────────────── PW−Cs(83.3) はドデカタングストリン酸のプロト
ンの83.3% をセシウムカチオンで交換した触媒。H−Z
SM−5はハイシリカプロトン型ゼオライトである。
【0021】実施例3 触媒を酢酸セシウムによりセシウムイオン83.3% 交換し
たリンタングステン酸5mlとした以外は総て実施例1と
同一の条件で実施した。この結果酢酸エチルは18.9% の
収率で生成した。
【0022】実施例4 反応温度を200 ℃とした以外は総て実施例1と同一の条
件で実施した。この結果、酢酸エチルの収率は24.5% で
あった。 実施例5 反応温度を150 ℃とした以外は総て実施例1と同一の条
件で流通反応を行った。この結果、酢酸エチルは収率1
1.4%で生成した。
【0023】実施例6 触媒、原料導入速度等の条件は総て実施例1と同一の条
件で反応時間(原料導入時間)を30時間とし、各々6
時間毎に集められた反応液をそれぞれ分析して、酢酸エ
チルの収量を分析した。結果は表2に掲げたように触媒
は30時間を経過しても依然、充分な活性を維持してい
ることが分かる。
【0024】
【表2】 表2 ─────────────────────────────────── No ラップサンプル(Hr〜Hr) 酢酸エチル収率(%) ─────────────────────────────────── 1 0〜6 19.8 2 6〜12 19.5 3 12〜18 20.1 4 18〜24 19.7 5 24〜30 20.3 ───────────────────────────────────
【0025】比較例6 触媒をアンバーリスト15に代え、反応(原料導入)時
間を12時間とし、それぞれ3時間毎に、集められた反
応液を分析し、酢酸エチルの収率を求めた。結果は表3
に示したように、この触媒は6時間を経過すると極端に
活性の低下が認められた。
【0026】
【表3】 表3 ─────────────────────────────────── No ラップサンプル(Hr〜Hr) 酢酸エチル収率(%) ─────────────────────────────────── 1 0〜3 10.1 2 3〜6 1.9 3 6〜9 1.4 4 9〜12 0.9 ───────────────────────────────────
【0027】実施例7〜8 エチレン導入速度をそれぞれ65mmol/Hr及び2
60mmol/Hrに代えた以外は総て実施例1と同一
の条件で反応を行った。結果は表4に示したようにそれ
ぞれ良い収率で酢酸エチルが生成した。
【0028】
【表4】 表4 ─────────────────────────────────── エチレン導入速度(mmol/Hr) 酢酸エチル収率(%) ─────────────────────────────────── 実施例7 65.0 15.3 実施例8 260.0 16.2 ───────────────────────────────────
【0029】実施例9 実施例1に比較して、酢酸及びエチレンの導入速度を2
倍とした以外は総て、実施例1と同一の条件で反応を行
った。この結果、酢酸エチルは収率14.3%で生成し
た。
【0030】実施例10〜15 リンタングステン酸のプロトンをそれぞれ、平均、1
0、30、50、70、80及び90%セシウムカチオ
ンで交換した触媒を使用した以外は総て実施例1と同一
の条件で反応を行った。結果は表5に示したように、そ
れぞれのプロトンのセシウムカチオン交換率で酢酸エチ
ルが生成した。
【0031】
【表5】 表5 ─────────────────────────────────── プロトン交換率(%) 酢酸エチル収率(%) ─────────────────────────────────── 実施例10 10 7.5 実施例11 30 8.9 実施例12 50 10.7 実施例13 70 14.8 実施例14 80 20.1 実施例15 90 8.4 ───────────────────────────────────
【0032】実施例16〜18 内径10mm,長さ300mmのSUS−316製反応
管中にリンタングステン酸のプロトンの83.3%を炭
酸セシウムを用いてセシウムカチオンに置換した触媒を
20ml充填し、これを180℃に加熱し、この温度に
保持して、酢酸150mmol/Hr、エチレン450
mmol/Hrの流入速度とし、これを蒸発器中で蒸発
及び混合して、反応管中へ導入し反応を行った。反応管
から排出されたガスは冷却し、冷却液を容器に捕集し、
反応終了後この反応液を分析した。この際、反応圧力を
それぞれ2kg/cm2 、5kg/cm2 及び10kg/cm2 ゲー
ジ圧力に反応管中を維持して、それぞれ6時間反応を行
った。
【0033】反応結果は表6に示したように、反応圧力
を増大させることで、酢酸エチルの収率の増大が認めら
れた。
【0034】
【表6】 表6 ─────────────────────────────────── 反応圧力(kg/cm2 ゲージ圧) 酢酸エチル収率(%) ─────────────────────────────────── 実施例16 2 26.3 実施例17 5 30.9 実施例18 10 43.6 ───────────────────────────────────
【0035】
【発明の効果】本発明方法によれば、リンタングステン
酸の保有するプロトンの一部(好ましくは10から90
%)をセシウムカチオンにより置換された触媒を固体触
媒とし、酢酸とエチレンを気相状態で反応を行うこと
で、極めて効率良く酢酸エチルを製造可能とするもので
ある。特にセシウムカチオンの交換率を80%程度とす
ればより高い触媒活性を発現する。加えて、本発明方法
に使用する触媒は、長時間反応を継続しても、その触媒
活性は維持され、劣化をしない極めて優れた触媒であ
り、工業的使用に耐え得る触媒であり、従来の触媒のよ
うな、触媒活性の低さ、触媒耐久性の欠如等を総て克服
する極めて効果的な酢酸エチルの製造方法を提供するこ
とが可能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リンタングステン酸の有するプロトンの
    一部をセシウムカチオンで交換された固体触媒の存在下
    にエチレンと酢酸を気相で反応させることを特徴とする
    酢酸エチルの製造方法。
  2. 【請求項2】 セシウムカチオンで交換された固体触媒
    が、プロトンの交換量として該リンタングステン酸の有
    する総てのプロトン量の平均10〜90%である請求項
    1記載の方法。
JP3331786A 1991-10-22 1991-12-16 酢酸エチルの製造方法 Pending JPH05163200A (ja)

Priority Applications (4)

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JP3331786A JPH05163200A (ja) 1991-12-16 1991-12-16 酢酸エチルの製造方法
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