JPH05148346A - 熱硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性エポキシ樹脂組成物

Info

Publication number
JPH05148346A
JPH05148346A JP33752691A JP33752691A JPH05148346A JP H05148346 A JPH05148346 A JP H05148346A JP 33752691 A JP33752691 A JP 33752691A JP 33752691 A JP33752691 A JP 33752691A JP H05148346 A JPH05148346 A JP H05148346A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curing
epoxy resin
formula
sample
polyether sulfone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33752691A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Yamamoto
広志 山本
Taro Fukui
太郎 福井
Hiroyuki Shiraki
啓之 白木
Kenji Kitamura
賢次 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP33752691A priority Critical patent/JPH05148346A/ja
Publication of JPH05148346A publication Critical patent/JPH05148346A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来品に比べて、保存安定性に優れるととも
に、硬化させることにより、靱性、接着力等の機械的特
性および耐熱性等に優れた硬化物を得ることができる熱
硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。 【構成】 テトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
ン、ポリエーテルスルホンおよびジシアンジアミドを含
み、前記ポリエーテルスルホンとして重合度が150〜
700のものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、保存安定性に優れる
とともに、硬化させることにより、靱性、接着力等の機
械的特性および耐熱性等に優れた硬化物を得ることので
きる熱硬化性エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ樹脂は、一般に、コーテ
ィング材料、プリント基板材料、ICの封止材、積層
材、耐熱性接着剤、土木・建築材料等として、多分野に
わたって使われている。特に、4官能エポキシ化合物で
あるテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンは、航
空産業用CFRPのマトリックスとして多用されてい
る。しかし、エポキシ樹脂は、重合時の体積収縮による
残留歪み、内部応力の発生、靱性等に問題があった。
【0003】この問題点を改良するために、エラストマ
ー等の弾性を持つ充填材を添加したエポキシ樹脂組成物
が開発されている。このようなエポキシ樹脂組成物とし
ては、たとえば、両末端にカルボキシル基やアミノ基を
持つ液状ニトリルゴム(CTBNR 、ATBNR )を弾
性充填材としてビスフェノールA型エポキシ樹脂に添加
した組成物がよく知られている。このエポキシ樹脂組成
物は、エポキシ樹脂マトリックス(海)中に、ニトリル
ゴムが球形状のドメイン(島)を形成して分散した、い
わゆる海−島状の相分離構造を有するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ニトリルゴ
ムを配合した前述のエポキシ樹脂組成物は、保存安定性
に欠け、耐熱性が充分ではないという問題があった。ま
た、硬化の際、ニトリルゴム相とエポキシ樹脂相との間
の相分離速度が速すぎるので、ある周期を持った規則正
しい相分離構造を有するようにすることができない。そ
のため、その硬化物は、靱性、接着力等の機械的特性が
充分には改良されていないので、実用化されていないの
が実情である。このニトリルゴムを配合したエポキシ樹
脂組成物は、電気特性があまり良くないことも知られて
いる。また、エポキシ樹脂の架橋密度が上昇するにつれ
て、つまり、硬化前のエポキシ化合物中のグリシジル基
の数が2から3、4(2官能から3官能、4官能)と増
えるにしたがって、ニトリルゴムでは、エポキシ樹脂の
性能を改良することができないことが知られている。
【0005】ところで、英国のC. B. BUCKNALLらは、4
官能エポキシ化合物(テトラグリシジルジアミノジフェ
ニルメタン)/ポリエーテルスルホン/硬化剤混合系の
エポキシ樹脂組成物について検討してみたが、硬化剤と
してジアミノジフェニルスルホンまたはジシアンジアミ
ドを用いても相分離は起こらないと結論し、靱性が向上
していないことを明らかにしている〔C. B. BUCKNALLお
よびI. K. PARTRIDGE著、「POLYMER 」第24巻、第6
39頁(1983年刊);C. B. BUCKNALLおよびI. K.
PARTRIDGE 著、「BRITISH POLYMER JOURNAL 」第15
巻、第71頁(1983年刊);C. B. BUCKNALLおよび
A. H. GILBERT 著、「POLYMER 」第30巻、第213頁
(1989年刊)参照〕。
【0006】このような事情に鑑み、この発明は、従来
品に比べて、保存安定性に優れるとともに、硬化させる
ことにより、靱性、接着力等の機械的特性および耐熱性
等に優れた硬化物を得ることができる熱硬化性エポキシ
樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、発明者らは、種々検討を重ねた。その結果、以下の
ことを実験により確認して、この発明を完成した。すな
わち、前記C. B. BUCKNALLらの研究で用いられたポリエ
ーテルスルホンは、重合度が100程度の小さいもの
〔旧品番ビクトレックス(Victrex) 100P、現品番ビクト
レックス(Victrex)5003P 〕であった。そこで、4官能
エポキシ化合物(テトラグリシジルジアミノジフェニル
メタン)/ポリエーテルスルホン/ジシアンジアミド混
合系において、ポリエーテルスルホンとして、前記とは
異なって、重合度の大きい、特に重合度150以上のも
のを用いるようにすれば、0.1〜10μmの範囲でミ
クロ相分離構造の制御が可能になり、その結果、靱性等
が改善されるということである。
【0008】したがって、この発明にかかる熱硬化性エ
ポキシ樹脂組成物(以下、これを単に「この発明の組成
物」と称することがある)は、下記成分(A)、
(B)、(C)を必須成分とするものである。 (A)下式化4で表される4官能エポキシ化合物である
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(以下、こ
れを単に「4官能エポキシ化合物(A)」と称する)。
【0009】
【化4】 (B)下記一般式化5で表されるポリエーテルスルホン
(以下、これを単に「ポリエーテルスルホン(B)」と
称する)。
【0010】
【化5】 (式中、nは150〜700の整数である。) (C)下式(1)で表されるジシアンジアミドからなる
硬化剤(以下、これを単に「硬化剤(C)」と称す
る)。 この発明の組成物は、保存安定性および硬化物の耐熱
性を向上させるために、エポキシ化合物として前述の4
官能エポキシ化合物(A)を含む必要がある。
【0011】この発明の組成物は、その硬化物の機械的
特性の改善のために、前述のポリエーテルスルホン
(B)を含む必要がある。このポリエーテルスルホン
(B)は、非晶性の熱可塑性樹脂である。また、前記一
般式化5中の繰り返し単位数(重合度)nが150〜7
00の整数であるものであることが必要である。nが1
50よりも小さいと、前述の従来品のように相分離が起
こらなくなるからであり、nが700を超えるもので
は、分子量が大きすぎて、硬化前に他の成分と相溶せ
ず、このため、最終硬化品で中でポリエーテルスルホン
が単なる粉体として分散した形になってしまい、所望の
効果が得られなくなるからである。
【0012】4官能エポキシ化合物(A)とポリエーテ
ルスルホン(B)との配合比については、特に限定はさ
れないが、たとえば、4官能エポキシ化合物(A)10
0重量部に対し、ポリエーテルスルホン(B)が5〜7
0重量部であることが好ましく、20〜40重量部であ
ることがより好ましい。この発明で用いられる硬化剤
(C)の配合比については、特に限定はされないが、た
とえば、4官能エポキシ化合物(A)100重量部に対
し、硬化剤(C)が1〜30重量部であることが好まし
く、3〜20重量部であることがより好ましい。
【0013】この発明の組成物は、必要に応じて、硬化
促進剤として、下記一般式化6で表される尿素化合物誘
導体(以下、これを「硬化促進剤(D)」と称する)を
含有していてもよい。
【0014】
【化6】 (式中、Rは炭素原子を1個以上含む基であり、xおよ
びyは0以上の整数である。)硬化促進剤(D)の具体
例としては、特に限定はされないが、たとえば、下式化
7で表されるN−(3,4−ジクロロフェニル)−
N′,N′−ジメチルユリア(DIURON、東京化成株式会
社製)、下式化8で表されるN−(4−クロロフェニ
ル)−N′,N′−ジメチルユリア(MONURON 、東京化
成株式会社製)等が挙げられる。硬化促進剤(D)は、
1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】 硬化促進剤(D)の配合比については、特に限定はされ
ないが、たとえば、4官能エポキシ化合物(A)100
重量部に対し、硬化促進剤(D)が0.5〜15重量部
であることが好ましく、1〜10重量部であることがよ
り好ましい。なお、この発明の組成物は、必要に応じ
て、通常の各種添加剤やフィラー等を含んでいてもよ
い。
【0017】この発明の組成物の使用形態については、
特に限定されない。たとえば、各成分をドライブレンド
した粉体の形で用いてもよいし、あるいは、適当な溶媒
に各成分を混合溶解させた溶液の形で用いてもよい。使
用できる溶媒としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリ
ドン等の単独溶媒、もしくは塩化メチレンとメタノール
との混合溶媒等が挙げられる。溶液の形で用いる場合の
濃度については、5〜30重量%が好ましいが、特に限
定されない。
【0018】この発明の組成物の硬化方法については、
特に限定はされない。たとえば、前述の溶媒を用いて溶
液の形でキャストしたり、ガラスクロス等に含浸させた
りした後、100〜240℃、好ましくは110〜22
0℃の温度に加熱して、1〜7時間、好ましくは2〜5
時間硬化させるか、あるいは、150〜240℃で1〜
4時間、好ましくは、160〜230℃で2〜3時間、
硬化させる方法等が挙げられる。
【0019】
【作用】4官能エポキシ化合物(A)と、ポリエーテル
スルホン(B)と、硬化剤(C)とを必須成分として含
ませるようにすると、常温では、硬化が起こらないた
め、保存安定性が向上する。また、4官能エポキシ化合
物(A)に対し、重合度150〜700の熱可塑性樹脂
であるポリエーテルスルホン(B)が組み合わされてい
るため、硬化の際、これらの樹脂の間の相分離速度が、
従来のエポキシ樹脂とニトリルゴムとの組み合わせの場
合に比べて、適度に遅くなり、特定の硬化促進剤の使用
の有無および硬化温度の調整により、0.1〜10μm
の範囲でミクロ相分離構造の制御が可能となるため、相
分離における初期の状態を効果的に固定することが可能
になる。その結果、得られた硬化物の、靱性、接着性等
の機械的特性が向上する。また、4官能エポキシ化合物
(A)およびポリエーテルスルホン(B)は、耐熱性に
優れているため、硬化物の耐熱性も向上する。
【0020】
【実施例】以下に、この発明の実施例を説明するが、こ
の発明は、下記実施例に限定されない。 −実施例1− テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジフェニルメタ
ン〔油化シェルエポキシ株式会社製、エピコート(登録
商標)604、エポキシ当量=110〜130〕100
重量部と、ポリエーテルスルホン(住友化学工業株式会
社製、ビクトレックス(VICTREX) 4100P、
重合度約200、数平均分子量17700)30重量
部、ジシアンジアミド(油化シェルエポキシ株式会社
製、エピキュアDICY7、平均粒径7μm)6重量部
とを、塩化メチレンに溶解して、濃度10重量%の溶液
を調製した。
【0021】次に、この溶液をカバーガラス上にキャス
トし、室温で24時間減圧乾燥することにより溶媒を除
去して得られた薄膜を、100〜200℃で3〜4時間
硬化させて、以下に述べる光散乱測定、光学顕微鏡観
察、および走査型電子顕微鏡観察のための試料とした。
この試料の硬化時の相分離の様子や最終的な構造周期Λ
m の測定を、光散乱法によるプロフィールの経時変化の
観察に基づいて行った。
【0022】ここで、この明細書中、「構造周期Λm
は、次のように定義されている。たとえば、図12にみ
るように、低い温度T1 で組成φの均一溶液を作ってお
いて、T2 に急昇温すると、系は、大慌てで共存組成
φ′、φ″の2相に分離するために相分解を開始する。
その時、濃度ゆらぎの波長が単色化していく。すなわ
ち、一定の波長Λm を持つようになる。その波の重ね合
わせの結果、図13の2次元模式図および図14の3次
元模式図にみるように、2つの分離相がともに連続して
規則正しく絡み合った構造が形成される。そして、その
時の同種の分離相同士の間隔を「構造周期Λm 」とする
のである。
【0023】このような光散乱測定により、試料のプロ
フィールには極大が現れた。これは、試料が、ある周期
を持った規則正しい相分離構造を有することを示す。図
1は、試料を硬化させる際の構造周期Λm の経時変化
を、硬化温度が160℃、180℃、200℃および2
20℃の4つの場合について同時に示したグラフであ
る。ただし、構造周期Λm の値は、光散乱の照射光波長
λと、散乱極大を与える散乱角θm とから下式(ブラッ
グ式)を用いて求めたものである。
【0024】Λm =λ/{2 sin(θm /2)} この図1にみるように、いずれの温度においても、時間
の経過に伴い、エポキシ樹脂相とポリエーテルスルホン
相との相分離構造が大きくなり、ある時間が経過した後
は、相分離構造が固定されることが確認された。図2
は、試料の最終硬化物の構造周期Λm を硬化温度に対し
てプロットしたグラフである。
【0025】この図にみるように、硬化温度が高いほど
構造周期が大きくなることが確認された。また、光学顕
微鏡と走査型電子顕微鏡によって試料の最終硬化物の相
分離構造の観察を行い、ミクロ構造を確認した。図3〜
6は、それぞれ、温度160℃、180℃、200℃お
よび220℃で硬化させた試料の最終硬化物の相分離構
造を光学顕微鏡により観察した結果を示す。ただし、こ
れら図3〜6において、15mmの長さが実際には20μ
mの長さ(倍率:750)に相当する。
【0026】これらの図にみるように、前記の光散乱測
定の結果(図2参照)に一致した周期構造(硬化温度が
高いほど大きな構造周期を持つ構造)が確認された。図
7は、温度200℃で硬化させた試料の最終硬化物の相
分離構造を走査型電子顕微鏡(倍率:7500)により
観察した結果を表す。この図にみるように、この硬化物
は、連結粒子構造を持つことが観察された。
【0027】−実施例2− 実施例1において、硬化促進剤としてN−(3,4−ジ
クロロフェニル)−N′,N′−ジメチルユリア(DI
URON、東京化成株式会社製)3重量部をさらに配合
するようにした以外は実施例1と同様にして各成分を、
塩化メチレンに溶解して、濃度10重量%の溶液を調製
した。
【0028】この溶液を用い、実施例1と同様にして、
キャストし、減圧乾燥後、硬化させて、光散乱測定のた
めの試料とした。ただし、硬化温度を100〜150℃
の範囲に変更した。光散乱測定により、試料のプロフィ
ールには極大が現れた。図8は、この試料を硬化させる
際の構造周期Λm の経時変化を、硬化温度が130℃、
140℃および160℃の3つの場合について実施例1
と同様にして観察し、その結果を示したグラフである。
【0029】この図にみるように、いずれの硬化温度の
場合でも、時間の経過に伴い、エポキシ樹脂相とポリエ
ーテルスルホン相との相分離構造が大きくなり、ある時
間が経過した後は、相分離構造が固定されることが確認
された。図9は、試料の最終硬化物の構造周期Λm を硬
化温度に対してプロットしたグラフである。
【0030】この図にみるように、硬化温度が高い程、
大きな構造周期を有する相分離構造になることが確認さ
れた。 −実施例3− 実施例1において、ポリエーテルスルホン(住友化学工
業株式会社製、ビクトレックス(VICTREX) 41
00P、重合度約200、数平均分子量17700)3
0重量部の代わりにポリエーテルスルホン(住友化学工
業株式会社製、ビクトレックス(VICTREX) 48
00P、重合度約300)を用いるようにした以外は実
施例1と同様にして各成分を、塩化メチレンに溶解し
て、濃度10重量%の溶液を調製した。
【0031】この溶液を用い、実施例1と同様にして、
キャストし、減圧乾燥後、硬化させて、光散乱測定のた
めの試料とした。光散乱測定により、試料のプロフィー
ルには極大が現れた。図10は、この試料を硬化させる
際の構造周期Λm の経時変化を、硬化温度が160℃、
180℃および200℃の3つの場合について実施例1
と同様にして観察し、その結果を示したグラフである。
【0032】この図にみるように、いずれの硬化温度の
場合でも、時間の経過に伴い、エポキシ樹脂相とポリエ
ーテルスルホン相との相分離構造が大きくなり、ある時
間が経過した後は、相分離構造が固定されることが確認
された。図11は、試料の最終硬化物の構造周期Λm
硬化温度に対してプロットしたグラフである。
【0033】この図にみるように、硬化温度が高い程、
大きな構造周期を有する相分離構造になることが確認さ
れた。 −比較例− 実施例1において、ポリエーテルスルホンを用いないよ
うにした以外は実施例1と同様にして各成分を、塩化メ
チレンに溶解して、濃度10重量%の溶液を調製した。
【0034】この溶液を用い、モールド中へキャストを
繰り返し、室温〜60℃で減圧乾燥後、溶媒を除去し、
160℃で2時間、続いて200℃で2時間硬化させ
て、硬化物を得た。このようにして得られた硬化物と、
実施例1で得られた硬化物(硬化条件は、この比較例と
同じ)について、力学物性値(破壊靱性値KIC)を測定
したところ、比較例の硬化物の破壊靱性値KICが0.7
1であったのに対し、実施例1の硬化物の破壊靱性値K
ICは1.38と高いものであった(いずれも単位はMN
-3/2)。このことから、特異的な相分離構造を形成す
ることによって、靱性が向上することが確認された。
【0035】
【発明の効果】この発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物
は、従来品に比べて、保存安定性に優れる。また、その
硬化物は、従来品に比べて、靱性、接着性等の機械的特
性および耐熱性等に優れたものである。この熱硬化エポ
キシ樹脂組成物の用途としては、従来品と同様に多分野
にわたって利用することができ、特に限定はされない
が、たとえば、接着剤として利用できる他、ガラスクロ
ス等に含浸し積層することによりプリント基板用材料と
して、また、CFRP、GFRP等のFRPのための樹
脂等として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の試料を硬化させる際の、その構造周
期Λm の経時変化を、硬化温度が160℃、180℃、
200℃および220℃の4つの場合について同時に示
すグラフである。
【図2】実施例1の試料の最終硬化物の構造周期Λm
硬化温度との関係を示すグラフである。
【図3】実施例1の試料を160℃で硬化させた場合の
最終硬化物の粒子構造(相分離構造)を示す光学顕微鏡
写真である。
【図4】実施例1の試料を180℃で硬化させた場合の
最終硬化物の粒子構造(相分離構造)を示す光学顕微鏡
写真である。
【図5】実施例1の試料を200℃で硬化させた場合の
最終硬化物の粒子構造(相分離構造)を示す光学顕微鏡
写真である。
【図6】実施例1の試料を220℃で硬化させた場合の
最終硬化物の粒子構造(相分離構造)を示す光学顕微鏡
写真である。
【図7】実施例1の試料を200℃で硬化させた場合の
最終硬化物の粒子構造(相分離構造)を示す走査型電子
顕微鏡写真である。
【図8】実施例2の試料を硬化させる際の、その構造周
期Λm の経時変化を、硬化温度が130℃、140℃お
よび160℃の3つの場合について同時に示すグラフで
ある。
【図9】実施例2の試料の最終硬化物の構造周期Λm
硬化温度との関係を示すグラフである。
【図10】実施例3の試料を硬化させる際の、その構造
周期Λm の経時変化を、硬化温度が160℃、180℃
および200℃の3つの場合について同時に示すグラフ
である。
【図11】実施例3の試料の最終硬化物の構造周期Λm
と硬化温度との関係を示すグラフである。
【図12】低温で均一な溶液を形成し、昇温することに
より2相に分離する系において、その組成と温度との相
関関係を表す低温溶解型相図である。
【図13】構造周期Λm を有する2次元相分離構造を模
式的に表す図である。
【図14】構造周期Λm を有する3次元相分離構造を模
式的に表す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】次に、この溶液をカバーガラス上にキャス
トし、室温で24時間減圧乾燥することにより溶媒を除
去して得られた薄膜を、10〜20℃で3〜4時間
硬化させて、以下に述べる光散乱測定、光学顕微鏡観
察、および走査型電子顕微鏡観察のための試料とした。
この試料の硬化時の相分離の様子や最終的な構造周期Λ
の測定を、光散乱法によるプロフィールの経時変化の
観察に基づいて行った。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】この溶液を用い、実施例1と同様にして、
キャストし、減圧乾燥後、硬化させて、光散乱測定のた
めの試料とした。ただし、硬化温度を10〜10℃
の範囲に変更した。光散乱測定により、試料のプロフィ
ールには極大が現れた。図8は、この試料を硬化させる
際の構造周期Λの経時変化を、硬化温度が130℃、
140℃および160℃の3つの場合について実施例1
と同様にして観察し、その結果を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 賢次 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)、(B)、(C)を必須成分
    とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物。 (A)下式化1で表される4官能エポキシ化合物である
    テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン。 【化1】 (B)下記一般式化2で表されるポリエーテルスルホ
    ン。 【化2】 (式中、nは150〜700の整数である。) (C)下式(1)で表されるジシアンジアミドからなる
    硬化剤。
  2. 【請求項2】 下記一般式化3で表される尿素化合
    物誘導体を硬化促進剤として含有する請求項1記載の熱
    硬化性エポキシ樹脂組成物。 【化3】 (式中、Rは炭素原子を1個以上含む基であり、xおよ
    びyは0以上の整数である。)
JP33752691A 1991-11-26 1991-11-26 熱硬化性エポキシ樹脂組成物 Pending JPH05148346A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33752691A JPH05148346A (ja) 1991-11-26 1991-11-26 熱硬化性エポキシ樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33752691A JPH05148346A (ja) 1991-11-26 1991-11-26 熱硬化性エポキシ樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05148346A true JPH05148346A (ja) 1993-06-15

Family

ID=18309481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33752691A Pending JPH05148346A (ja) 1991-11-26 1991-11-26 熱硬化性エポキシ樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05148346A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6652962B1 (en) * 1998-05-29 2003-11-25 Mitsui Mining & Smelting Co. Ltd. Resin-coated composite foil, production and use thereof
JP2005105151A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Toho Tenax Co Ltd エポキシ樹脂組成物
JP2010254955A (ja) * 2009-03-31 2010-11-11 Toray Ind Inc アンダーフィル剤およびそれを用いた半導体装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6652962B1 (en) * 1998-05-29 2003-11-25 Mitsui Mining & Smelting Co. Ltd. Resin-coated composite foil, production and use thereof
JP2005105151A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Toho Tenax Co Ltd エポキシ樹脂組成物
JP2010254955A (ja) * 2009-03-31 2010-11-11 Toray Ind Inc アンダーフィル剤およびそれを用いた半導体装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2011118106A1 (ja) 炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料
JP6771883B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
EP2311892A1 (en) Epoxy resin composition and prepreg using same
WO1996017006A1 (fr) Preimpregne et materiau composite renforces par des fibres
EP1297048A1 (en) Low moisture absorption epoxy resin systems
JP7200928B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP2007126637A (ja) 樹脂組成物、樹脂硬化物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JPH10511426A (ja) 硬化剤と強化剤とを含むエポキシ樹脂
JP6771885B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JPS59215315A (ja) 高度複合材料用耐衝撃性母材樹脂
US4891408A (en) Epoxy resins based on tetraglycidyl diamines
JP2003026768A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
WO2016080202A1 (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、樹脂硬化物および繊維強化複合材料
JPH02202913A (ja) 硬化可能の靭性変性エポキシド樹脂混合物
JPH04268361A (ja) 不融性の粒子を含む損傷耐性複合材料
JPS585925B2 (ja) 炭素繊維プリプレグ用エポキシ樹脂組成物
WO2017056653A1 (ja) エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP2002363253A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JPH05148346A (ja) 熱硬化性エポキシ樹脂組成物
JP2000017090A (ja) プリプレグおよび繊維強化複合材料
JPH02113031A (ja) 繊維複合材料用エポキシ樹脂混合物
CA1281730C (en) Epoxy resins based on tetraglycidyl diamines
JP3036936B2 (ja) 熱硬化性エポキシ樹脂組成物
JPS6129613B2 (ja)
JPS6257417A (ja) プリプレグ用エポキシ樹脂組成物