JPH0512055Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、印字機に用いるプラテンギヤツプ
調整装置に関する。

従来の技術 印紙機において、印字ヘツドとプラテンとのギ
ヤツプは印字品質に重大な影響を及ぼす。このた
め、プラテンと対向して印字ヘツドが搭載された
キヤリアを摺動自在に保持するキヤリアシヤフト
の両端に偏芯カムを設け、これらの偏芯カムを任
意角回転させることにより、キヤリアシヤフトを
プラテンに対して接近又は離反させ、これによ
り、印字ヘツドとプラテンとのギヤツプを調整す
るようにしたものが存する。

考案が解決しようとする問題点 しかし、キヤリアシヤフトの両端を保持する部
分の位置が狂うとキヤリアシヤフトの平行度が出
ない。このことはキヤリアの移動位置によりギヤ
ツプが変化し、印字桁により印字の濃淡差が生じ
ることになる。このため、キヤリアシヤフトを保
持する部分をハンマにより叩き平行度を出してい
るが、この作業は熟練を要し調整の精度も悪い。

また、キヤリアシヤフトの両端を保持する部分
にスペーサを挟み込んでキヤリアシヤフトの平行
度を調整する手段があるが、スペーサの脱落防止
を図るためスペーサを接着剤により固定しなけれ
ばならない。この作業も面倒であり、スペーサの
固定が不完全であり、接着剤が他の部分に垂れる
障害も出てくる。

この考案はこのような点に鑑みなされたもの
で、印字ヘツドとプラテンとのギヤツプを調整
し、しかも、キヤリアシヤフトの平行度を正確
に、かつ、容易に調整することができるプラテン
ギヤツプ調整装置をうることを目的とする。

問題点を解決するための手段 この考案は、キヤリア８を摺動自在に保持する
キヤリアシヤフト４をプラテン１に対して接近及
び離反する方向に移動自在及び回転自在に側板２
に取付け、キヤリアシヤフト４の両端付近に偏芯
カム９を固定的に設け、偏芯カム９の外周の両側
に押圧面１１と弾性体１０とを設け、偏心カム９
と押圧面１１との間に装着されるスペーサ１５を
設け、スペーサ１５を着脱自在に保持する保持部
１３を設け、この保持部１３に押圧面を一体的に
形成する。

作 用 したがつて、キヤリアシヤフト４を偏芯カム９
とともに回転させて押圧面１１及びスペーサ１５
の抵抗によりキヤリアシヤフト４をプラテン１に
対して接近又は離反させる。これにより、プラテ
ン１に対するギヤツプが調整される。また、押圧
面１１と偏芯カム９との間に所定の板厚となるス
ペーサ１５を左右別に選択的に挿入することによ
りキヤリアシヤフト４の平行度が調整される。

実施例 この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。プラテン１を保持する側板２に形成された切
欠３には、キヤリアシヤフト４をプラテン１に対
して接近及び離反させる方向に移動自在及び回転
自在に保持する長孔５を有する軸受６が嵌合され
ている。印字ヘツド７が搭載されたキヤリア８は
キヤリアシヤフト４に摺動自在に保持されてい
る。

そして、キヤリアシヤフト４の両端部には左右
対称の偏芯カム９が固定され、これらの偏芯カム
９をプラテン１から離反させる方向へ押圧する弾
性体である板発条１０が側板２に固定されてい
る。

しかして、軸受６には板発条１０の他側で偏芯
カム９に対向する押圧面１１とピン１２とを有す
る保持部１３が一体的に形成され、ピン１２に嵌
合する小孔１４を有して板厚の異なる複数種のコ
の字形のスペーサ１５が設けられている。

また、止め輪１６により抜け止めされてキヤリ
アシヤフト４の右端に固定的に嵌合されたレバー
１７には二本のピン１８，１９が立設され、一方
のピン１８を挿入させてレバー１７の回動角度を
規制する弧状の長孔２０と、他方のピン１９に係
合してレバー１７の回動方向の位置を定める複数
の係止孔２１とがキヤリアシヤフト４を中心とす
る半径上に位置させて右側の側板２に形成されて
いる。

さらに、左右の側板２には、軸受６に形成した
突起２２に係合する保持孔２３と、この保持孔２
３の近傍に位置するＬ字形の切り起し片２４と、
板発条１０を取付ける取付孔２５とが形成されて
いる。また、キヤリア８の後部に取付けたローラ
２６を支えるレール２７が側板２に架設されてい
る。

このような構成において、レバー１７を回動さ
せピン１９を任意の係止孔２１に係合することに
より、キヤリアシヤフト４が偏芯カム９とともに
所定角度回転すると、キヤリアシヤフト４はプラ
テン１に対して接近又は離反する方向へ移動し、
これにより、印字ヘツド７とプラテン１とのギヤ
ツプが調整される。

押圧面１１と偏芯カム９との間のスペーサ１５
は抜くことも厚さを増やすことも左右別々に行な
うことができるため、プラテン１に対するキヤリ
アシヤフト４の平行度を容易に調整することがで
きる。したがつて、桁方向の位置によりギヤツプ
が変わることがなく、均一濃度の印字状態が得ら
れる。スペーサ１５も保持部１３に保持されて脱
落することがない。保持部１３を軸受６と別個に
設けても同様の作用が得られる。また、スペーサ
１５は同一の板厚のものを任意枚数重ねて所望の
板厚を求めてもよい。

なお、切り起し片２４を第３図のように曲げて
軸受６の外側に接触させることにより、異状な衝
撃を受けても突起２２と保持孔２３との脱落を防
止することができる。

考案の効果 この考案は上述のように構成したので、キヤリ
アシヤフトを回転することにより押圧面及びスペ
ーサに対向する偏芯カムの外周位置を変化させて
キヤリアシヤフトとプラテンとの間隔を変化さ
せ、プラテンに対するギヤツプを調整することが
でき、また、押圧面と偏芯カムとの間のスペーサ
は抜くことも厚さを増やすことも左右別々に行な
うことができるため、プラテンに対するキヤリア
シヤフトの平行度を容易に調整することができ、
したがつて、桁方向の位置によりギヤツプが変わ
ることがなく、均一濃度の印字状態が得られる等
の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は平面図、第２図はキヤリアシヤフトの右端の
支持構造を示す分解斜視図、第３図はキヤリアシ
ヤフトの左端の支持構造を示す斜視図である。 １……プラテン、２……側板、４……キヤリア
シヤフト、８……キヤリア、９……偏芯カム、１
０……板発条（弾性体）、１１……押圧面、１３
……保持部、１５……スペーサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラテンの両端を保持する側板に、キヤリアを
   摺動自在に保持するキヤリアシヤフトを前記プラ
   テンに対して接近及び離反する方向に移動自在及
   び回転自在に取付け、前記キヤリアシヤフトの両
   端付近に偏芯カムを固定的に設け、前記偏芯カム
   の外周のそれぞれの両側に、固定された押圧面と
   この押圧面に前記偏芯カムを押圧する弾性体とを
   対向させて設け、前記偏芯カムと前記押圧面との
   間に所定の板厚となるスペーサを装着するように
   したものにおいて、前記スペーサを着脱自在に保
   持する保持体を固定的に設け、前記保持体の一面
   に前記押圧面を一体的に形成したことを特徴とす
   るプラテンギヤツプ調整装置。