JPH05109233A - 磁気テープ巻取方法 - Google Patents

磁気テープ巻取方法

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JPH05109233A
JPH05109233A JP9153692A JP9153692A JPH05109233A JP H05109233 A JPH05109233 A JP H05109233A JP 9153692 A JP9153692 A JP 9153692A JP 9153692 A JP9153692 A JP 9153692A JP H05109233 A JPH05109233 A JP H05109233A
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magnetic tape
tape
winding
magnetic
width
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JP9153692A
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Inventor
Akihisa Kita
明尚 喜多
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】磁気テープの物性等に関わりなく、フランジと
テープ端縁が接触しないて巻取りができ、かつ巻姿の乱
れを未然に防止し得る磁気テープ巻取方法を提供する。 【構成】磁気テープTの幅wと磁気テープ巻装体2を構
成するフランジ2a、2b間の幅Wとの関係を特定値に
設定すると共に、磁気テープTの巻取り速度を設定して
磁界をかけながら巻取りを行う。又、前記条件に加えて
磁気テープTの巻取り口にノズル31により所望量のエ
アーを吹き込み、このエアーをフランジ2aとの間に排
出させながら、磁気テープTを巻取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープをロール状
に巻き取る方法に関し、特に小巻のテープ巻装体に所定
長の磁気テープを巻き取る場合、製品幅より幅広いテー
プ原反から複数の製品幅のテープ原反に裁断した後の磁
気テープをテープ巻装体に所定長巻き取る場合に用いて
好適な磁気テープ巻取方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オーディオカセットテープやビデ
オカセットテープ、更にはメモリーテープや放送用ビデ
オテープ等の磁気テープを製造するには巻取りや再巻取
りの行程がある。この巻取り行程には例えば、長尺の磁
気テープ原反からフランジ付のテープリールやハブ等の
小巻のテープ巻装体に所定長の磁気テープを巻き取る工
程、テープリールに一旦巻き取った磁気テープを同じ幅
から同じ長さのまま別のテープリールに巻き換える再巻
取工程、更に製品幅より幅広く長いテープ原反から複数
の製品幅のテープ原反に裁断して、小巻のテープリール
に巻き取る工程などがある。
【0003】前記巻取工程、再巻取工程において、前記
テープ巻装体に磁気テープの巻き取りを行なう場合に
は、送り出し側である前記磁気テープ原反の物性、巻き
取り側におけるテープ巻装体の物性、更に磁気テープ自
体の物性によって、巻き取り時にテープ厚み方向の振動
や幅方向の振動などの所謂テープ挙動が変化することが
ある。このようなテープ挙動変化が生じると、巻き取ら
れた磁気テープの巻姿(巻装状態)、すなわちテープ巻
装体の軸方向から観察したときの巻面(テープ端縁)が
凹凸状態となる巻き乱れを生ずる。特に、巻き取り時に
おけるテープ走行速度が速いほどこの傾向が顕著に表れ
る。
【0004】巻き乱れが生じた磁気テープは、外観品質
は云うに及ばず、テープ端縁の損傷が起こり易く、これ
に起因して種々のトラブルを誘発したり、電磁変換特性
の悪化を招くなどの問題がある。特に高密度記録を行
う、例えばビデオ用の磁気テープにおいては、テープ端
縁近傍に音声信号や同調信号を記録するため、前記の如
き巻き乱れは極めて大きな問題であった。このため従来
の磁気テープ製造工程では、前記巻取工程や再巻取工程
の後で前記巻姿を全数チェックすべく例えば目視等によ
る検査を行っていた。しかし、前記チェックは人的コス
トの増大と時間を要するものであり、これらが相まって
磁気テープ製造工程の大きな障害になっていた。
【0005】そこで、上述のような検査を避け、巻姿を
良くできる磁気テープの巻き取り方法が種々(化粧巻と
称する方式)採用されている。前記化粧巻の方式を大別
すると2種類ある。その第1の方式は、ゴムやポリイミ
ド等のフレキシブルなエンドレスベルトを適宜方向へ回
転走行させ、例えばフランジ付きのテープリールに巻き
取り中の磁気テープの表面部分をテープリールの半径方
向に向かって弾性的に押圧するものである。なお、この
エンドレスベルトが押圧する前記表面部分は磁気テープ
の磁性面である。その第2の方式は、テープリールの一
方のフランジと該リールに巻き込まれた磁気テープの端
縁との間に不織布等からなる柔らかいベルトを挿入する
ように設け、巻取り中の磁気テープの端縁を前記ベルト
によりテープ幅方向に押圧して巻姿を整えるものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のような化粧巻は
何れも磁気テープにエンドレスベルトや柔らかいベルト
を直接接触させる方式であるため、例えば磁性層がけず
れたり、ベルトの素材である不織布繊維が脱落して磁気
テープに付着し、記録・再生する際に信号がドロップア
ウトする原因になることがあった。このようなベルトに
より更に巻き姿を向上させようとした場合、すなわち更
に大きな押圧力を必要とする場合には、この押圧力によ
ってテープ変形、テープ端縁の損傷の如き種々の問題を
生じ、本来の機能を果し得ない場合もあった。
【0007】更に、これらの化粧巻機構はそれ自体のベ
ルト等の消耗が大きくランニングコストが大きくなる
点、メンテナンス性の点で問題がある。そのうえ、この
装置は磁気テープの巻取りが完了したテープリールと空
のテープリールとを入れ替える際に、少なくともそのテ
ープとの接触作用を行う位置と非作用位置とに移動する
ような構造としなければならない。このために巻取装置
の構造が複雑になる欠点があった。更に、上述のごとく
テープリールの入れ替作業に比較的多くの時間がかかり
ことは、当然のことながら生産性向上の支障となるもの
であった。
【0008】そこで、上述のような問題を解決するため
に磁気テープを前記リールに巻き込むときに、該リール
近くに設けた磁石の磁界によりテープ幅方向に適当な付
勢力を与えて巻き込む方法が各種提案され、採用されて
いる。しかしながら、磁界の力によりテープ幅方向に付
勢して巻き取る場合には、テープ縁が前記テープリール
のフランジ内面と擦れることは避けられず、このために
テープ縁とフランジ内面との擦れによる削れ粉の発生が
あった。この削れ粉は、ドロップアウト等を発生させる
ために、特に高密度記録化を推進するには解決しなけれ
ばならない課題であった。特に、巻き姿を向上させるべ
く磁界の力を大きくするのにともなって、上記擦れが強
くなり削れ粉の発生が増大するということが大きな課題
であった。本発明は、このような事情に鑑みてなされた
ものであって、磁気テープの物性等に関わりなく、巻姿
の乱れを未然に防止しかつテープリールのフランジ内面
と磁気テープの縁部との擦れを回避し得る磁気テープ巻
取方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる課題は、
磁気テープを上下一対のフランジ付きのテープ巻装体に
巻き取る際に、前記テープ巻装体の近傍において前記磁
気テープをテープ幅方向に付勢する磁界をかける磁気テ
ープ巻取方法でおいて、前記上下一対のフランジ内面間
の幅Wと前記磁気テープの幅wとをW≦w+0.16wの関
係を満足するように設定し、且つ前記磁気テープの巻取
り速度を5m/sec以上に設定して、前記磁気テープ
の幅方向の一端と前記上下一対のフランジの内側面とを
非接触にして前記磁気テープを巻取ること磁気テープ巻
取方法によって解決することができる。
【0010】更に、本発明にかかる同様の課題は、磁気
テープを上下一対のフランジ付きのテープ巻装体に巻き
取る際に、前記テープ巻装体の近傍において前記磁気テ
ープをテープ幅方向に付勢する磁界をかける磁気テープ
巻取方法において、前記上下一対のフランジ内面間の幅
Wと前記磁気テープの幅wとをW≦w+0.16wの関係を
満足するように設定すると共に、前記磁気テープの巻取
り口近傍にて前記磁気テープ巻装体に向かって圧縮エア
ーを吹き込み、該吹き込んだ圧縮エアーを前記磁気テー
プの幅方向の端部から前記上下一対のフランジの内側面
に沿って排出させ、前記磁気テープの端部と前記上下一
対のフランジの内側面との間にエアーギャップを形成し
つつ前記磁気テープを巻取ることを特徴とする磁気テー
プ巻取方法により解決することができる。
【0011】
【実施態様】以下、図1〜図4を参照して本発明の実施
態様を説明する。なお、図1は本発明の方法を実行する
磁気テープ巻取装置1の要部の拡大断面図、図2は要部
の拡大平面図、図3は前記磁気テープ巻取装置1の全体
構成を示す概略正面図であり、図4は図3における矢印
A方向からの側面図である。
【0012】以下、図面を参照して実施態様を順次説明
する。なお、本実施態様の特徴は図1及び図2に図示さ
れているのであるが、先ず全体の構成について説明す
る。巻取装置1は例えばビデオテープカセットに内蔵さ
れる一対のテープ巻装体2と3(以下単に「テープリー
ル」と云う)に磁気テープTを予め巻装してから組込む
方法に用いられるものである。
【0013】前記巻取装置1は一対の駆動軸4,5、磁
気テープ原反6のロールから該テープを引き出してテー
プ走行を行うパス系8、テープ切断や接合テープなどを
有する切断接合手段9、永久磁石19(図4参照)、モ
ータ等の駆動手段21(図1参照)、圧縮エアーノズル
31を有している。まず、テープリール2,3は図3に
示すように、所定の長さを有したリーダーテープ10
(図3では片側の半分だけ図示してある)により連結さ
れた状態で、前記巻取装置1において前記駆動手段21
により回転駆動される軸4,5にそれぞれ装着される。
そして、前記リーダーテープ10は、そのほぼ中央で切
断される。この切断ののち、前記テープリール2側の切
断端部と予め装着されていた磁気テープ原反6の先端と
が接合テープ等により接合テープにより接合される。な
お、このとき他方のリーダーテープ切断端部は待機位置
において適宜保持されている。前記テープ原反6から送
り出される前記磁気テープTは、ガイドピンやガイドロ
ーラ等から成る前記パス系8を通して前記テープリール
2に所定の長さ巻き取られていく。そして、前記テープ
リール2に所定長巻き取りが完了すると、磁気テープT
は所定の個所で切断されたのち、その切断端部がもう一
方のテープリール3側のリーダーテープ10に接合テー
プ等を介して接続される。
【0014】なお、前記リーダーテープ10ならびに前
記磁気テープTの切断や該リーダーテープ10と磁気テ
ープTとの接合は、テープ端部の保持部材、切断用カッ
ター、接合テープなどが設けられている前記切断接合手
段9により適宜行われる。なお、図4においては前記切
断接合手段9は便宜上削除してある。
【0015】また、前記テープリール2の近傍には前記
磁気テープTの巻き込み口に圧縮エアーを吹き込むため
の前記ノズル31が設けられている。圧縮エアーの吹き
込み位置である前記吹き込み口とは、前記磁気テープが
巻かれたロールの最外周の部分と磁気テープTがまさに
巻き込まれようとしている接触部分である。また、前記
ノズル31には、図示を省略した圧縮エアー供給源から
高性能エアーフィルタ(図示しない)を介して圧縮エア
ーが供給されている。
【0016】次に、図1及び図2を参照して前記巻取装
置1の要部について説明する。前記テープリール2の中
心孔に係合する前記軸4の回りには平面ドーナツ型に形
成された希土類からなる永久磁石19が設けられてい
る。前記永久磁石19は、支持部20により支持されて
前記巻取装置1の本体に取り付けられており、前記テー
プリール2の下方側でフランジ2aに接近した位置に固
定されている。そして、前記永久磁石19の直径Dは少
なくとも巻装されるテープロールの最大径よりも大きく
なっていることが望ましい。また、前記永久磁石19の磁
界の方向は概ね前記軸4の方向(テープ幅方向)に沿っ
ている。なお、前記軸4は前記永久磁石19と前記支持
部20を貫通してモータ等の駆動手段21に連結されて
回転駆動される。
【0017】前記テープリール2の構造について説明す
る。上下一対のフランジ2a、2bはその内面がテーパ
形状、すなわち、該各フランジ2a、2b間の間隔が巻
芯2cからリール外周に向けて広くなるように構成され
ている。そして例えば、前記磁気テープTが1/2イン
チフオーマットテープの場合、磁気テープTの幅wが1
2、65mmであるのに対し、前記各フランジ2a、2
b間の幅Wは、前記巻芯2c側で13、4mm、外周で
13、7mmに構成される。
【0018】次に、前記磁気テープTの巻き取り作用に
ついて説明する。前記巻取装置1で前記磁気テープTを
巻き取ると、該磁気テープTは前記永久磁石19側へ磁
力によって引張られる。この際、前記磁気テープTの巻
取り速度が例えば5m/sec以下の低速度のときは、
前記磁気テープTは前記永久磁石19の作用により、前
記フランジ2aに一方のテープエッジ27が接するように
引き寄せられてリール内に巻き込まれて行く。これは、
上記の如き巻取速度では磁気テープTの同伴空気による
空気層形成作用は小さく、前記永久磁石19の磁力によ
り前記磁気テープTが前記フランジ2a側に引き寄せら
れる結果である。
【0019】しかし、前記磁気テープTの巻取り速度が
5m/sec以上の高速に移行すると、前記下フランジ
2aと前記テープエッジ27との間に次第にエアーギヤ
ップが形成されるようになる。
【0020】この理由は、前記磁気テープTの巻き込み
速度の増大にともなって、テープ走行によるテープ周辺
の同伴エアー量が多くなってテープ間にまで巻き込ま
れ、巻取られたテープ間に空気層が形成される。前記磁
気テープTの巻き込み開始時点では、当該磁気テープと
ともに巻き込まれた空気の流れにまだ特定の流れ生じて
ないが、この磁気テープTの巻重ねが増えてくると、前
記磁気テープTの上下端、即ち前記上フランジ2bと磁
気テープエッジの上端との間の隙間ならびに前記下フラ
ンジ2aと該磁気テープエッジの下端との間の隙間から
空気が層(矢印X及びYで示す方向へ流れ空気層)を形
成して排出されるようになる。この排出された空気は両
フランジ内面に沿って適当な空気圧流れ出し、エッジ端
とフランジ内面とを離すエアーギャップを形成する。
【0021】ここで、前記磁気テープTには前記永久磁
石19の磁界によって前記下フランジ2a側への付勢力
がかけられているので、前記磁気テープTは前記下フラ
ンジ2a側に引き付けられような状態の中で前記エアー
ギャップが形成されていることになる。このことは、前
記下フランジ2aと前記磁気テープTのエッジ下端との
隙間から排出されるエアー(矢印Yにて示す流れ)の圧
力と前記磁気テープTの下フランジ側への磁力の引き付
け力とがバランスしており、前記磁気テープTは前記下
フランジ2aに接触せずに、ほぼ一定の微小ギャップを
有した状態でかつ磁力と排出エアーの圧力とにより挟み
込まれるような力が作用した状態で巻取られることにな
る。なお、ここで前記上フランジ2b側の排出エアー
(矢印X方向)のエアーの圧力は磁力と同方向の圧とし
て考慮することができる。
【0022】前記上下フランジ2a,2bの内面に沿っ
て排出されるエアー量は、テープ巻取り速度が速いほど
大になり、例えば前記上下一対のフランジ内面間の幅W
と前記磁気テープの幅wとが大きく開かないようにする
ことがより安定したエアー圧を得ることができる。ま
た、安定したエアー圧を得るには5m/sec以上のテ
ープ巻取り速度が望ましい。また、前記下フランジ2a
と前記磁気テープTのテープエッジ下端までの隙間が小
であるほど前記排出されるエアーの圧力が大であり、こ
の圧力を大きくするには前記隙間は小であるほど好まし
い。
【0023】また、本発明者の実験、検討によると、前
記テープリール2のフランジ内面間の幅W(mm)と前
記磁気テープTの幅w(12.7mm)とが、W≦w+
0.16wの関係を満たすことにより、良好な結果を得るこ
とができた。
【0024】更に、前記巻取装置1には前述のように圧
縮エアーを吹き出す前記ノズル31が設けられている。
そして、前記磁気テープTを巻取る際、前記ノズル31
から圧縮エアーをテープ巻取り口に強制的に吹き付ける
ことにより、前記磁気テープTによる空気の巻き込み量
が実質的に多くなる。すなわち、巻取り速度が遅くとも
前記テープエッジ下端から排出されるエアー量並びに排
出勢いが増大して該エアーによる圧力を大きくすること
ができる。
【0025】したがって、前記ノズル31から前記磁気
テープTの巻き込み口に適当量の圧縮エアーを吹き入れ
ると、吹き込んだ圧縮エアーが前記した排出作用によ
り、自然巻き込みによる同伴エアーのときよりも多くの
エアーが下フランジ2a側(当然、上フランジ2b側に
も排出される。)に排出される結果、前記下フランジ2
aと前記テープエッジ27との間のエアーギャップは、
テープ巻取速度が5m/sec以下であっても形成する
ことができる。
【0026】なお、前記ノズル31による圧縮エアーの
吹き込み量は、例えば10×10-3〜200×10
-3[m3 /min]に設定することができる。また、前
記ノズル31は一つでなく複数設置してもよく、圧縮エ
アー吹き出し部分の開口部の形状はテープ幅方向に沿っ
て平行なスリット形状のが望ましいが、特に制限するも
のではない。
【0027】以上に本発明の実施態様を説明したが、本
発明は前記実施態様に何ら限定されるものではなく種々
変更できるものである。例えば前記永久磁石19は、電
磁石を用いることもできる。この場合、電磁石に流す電
流の量を変化させることにより、該電磁石の磁力を自在
に変えることができる。さらに、前記巻取装置1におい
て磁石は軸4周りに設けられているが、前記磁気テープ
Tの走行系路であるパス系8にも磁石を適宜設け、テー
プ幅方向に磁力を作用させることにより、磁気テープT
の幅方向の振れを抑えてテープ走行性を安定化させるよ
うにしてもよい。また、前記実施態様では一対の前記テ
ープリール2,3を用いたオープンリール方式の巻取装
置1について述べたが、本発明は、その他の方式による
例えば、カセット内に組み込まれたテープリールに磁気
テープを巻き込む所謂インカセット巻取方式の巻取装置
にも適用できることは勿論である。更に、本発明は、製
品幅より幅広いテープ原反から複数の製品幅のテープ原
反に裁断しながらテープリールに巻き取る装置にも適用
できることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の磁気テー
プ巻取方法は、磁界によってテープ幅方向のいずれかに
付勢された磁気テープを該テープの幅wとテープ巻装体
の上下一対のフランジ内側面間の幅WとをW≦w+0.16
wの関係を満足するよう設定すると共に、前記磁気テー
プの巻取り速度を5m/sec以上に設定したので、前
記磁気テープの縁部と前記フランジ内面との間に同伴エ
アーの排出によるエアーギャップを前記磁界の付勢力に
抗して形成することができる。又、前記磁気テープの巻
取り口にノズルにより圧縮エアーを吹き込むようにした
ので、巻取り速度が5m/sec以下の低速であって
も、前記磁気テープの端部と前記フランジとの間に排出
させてエアーギャップを前記磁界の付勢力に抗して形成
することができ、前記磁気テープを前記フランジに接触
させることなくエアー圧力と磁力により押さえ付けるよ
うにして巻き取ることができる。したがって、従来のよ
うに磁気テープが前記フランジに接触して削り粉が発生
するようなことがなく、この削れ粉によるドロップアウ
トを回避でき、磁気テープの信頼性を向上させることが
できるうえに、巻姿を極めて良好にすることができる。
また、巻姿が巻取りと同時に整えられるので、後工程と
して目視等による検査を省略することができ、作業性を
大幅に向上させることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果をさらに明
確にすることができる。塗布液は下記表1に示す組成成
分の磁性塗布液をボールミルに入れて10.5時間混練
分散して塗布液A,Bを調製した。但し、この塗布液
A,Bはそれぞれ分散される合金磁性体のSBET 値なら
びに主バインダーである塩化ビニール酢酸ビニル共重合
体及びウレタンを表2の組成としてそれぞれ別に作製し
た。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】前記塗布液Aを塗布した磁気テープをVH
S用のテープとし、前記塗布液Bを塗布した磁気テープ
を8m/mビデオ用のテープとした。なお、磁気テープ
のベースには厚さ15μmで幅1mのポリエチレンテレ
フタレートを用いて上記磁性塗布液を塗布して幅広のテ
ープ原反を製造し、その後、VHS用では1/2インチ
の幅に8m/mビデオ用は8mm幅にスリットして製品
幅の磁気テープのサンプルを作った。上記サンプルを用
いて下記のテープ巻取条件にてテープリールへの巻き取
りを実施した。なお、巻き取りに使用した装置はノズル
を備えた図1〜図4に示した装置を用いて、圧縮エアー
を吹きつけた場合と、圧縮エアーを吹きつけない場合に
ついて巻取りを実施した。
【0033】( テープ巻取条件) * 磁気テープ張力…巻き始めが100gで巻終りが75gのテ
ーパーテンションをかけた。 * 磁気テープ巻取速度( ワインドスピード) …15〜3 m
/sec * 磁石材質…Sm−Co系 * 磁石の保磁力…9600 Oe (エルステッド) * 上下フランジ間隔と磁気テープ幅と差…4.0mm 、3.0m
m 、2.5mm 、2.0mm 、1.5mm 、1.0mm 、0.5mm とした。 * それぞれの巻取りテープ長さ…247 m。 * 圧縮エアー供給量…15×10-33 /min * 巻き取りの実施結果を図5〜図7のグラフに示す。
【0034】上記条件においてVHS方式の磁気テープ
の巻取りを実施した。図5〜図7の各図における○印
(A線)は圧縮エアーを使用しなかった場合のグラフ、
△印(B線)は圧縮エアーを使用したVHS方式の場合
のグラフを示し、各10個のサンプルについて巻き取り
を行い巻姿良品率を検査した。そして80%以上の良品
率を基準に判定を行った。
【0035】上記条件において8mmビデオ用の磁気テ
ープの巻取りを実施した。また、VHS方式用の場合と
全く同じ条件において、8mmビデオ用の磁気テープに
ついて巻取りを実施し、この結果も図5〜図7に示す。
なお、図5〜図7における黒丸印(C線)は圧縮エアー
を使用しなかった場合で、黒三角印(D線)は圧縮エア
ーを使用した場合を示す。上記巻取りの結果によれば、
図5〜図7からわかるように、VHS方式用(1/2 イン
チ幅)の磁気テープの場合、フランジ内面間の幅Wとテ
ープ幅wとの寸法差(エアーギャップ)が約2.0mm 程度
(Bo1線にて示す)で巻姿の良品基準を満たすことが
判る。また、8mmビデオ用の磁気テープの場合、フラ
ンジ内面間の幅Wとテープ幅wとの寸法差(エアーギャ
ップ)が約1.3mm 程度(Bo2線にて示す)で巻姿の良
品基準を満たすことが判る。このことからフランジ内面
間の幅Wと前記磁気テープの幅wとをW≦w+0.16wの
関係を満足するように設定し、且つ前記磁気テープの巻
取り速度を5m/sec以上に設定してあればテープ縁
部に凹凸がなく巻姿が良好な結果を得られることが判っ
た。
【0036】なお、巻き取り速度が3m/sのときは巻
姿は良好であったが、テープ端部をフランジとが接触し
ていたので、擦れ粉が発生する点で好ましくなかった。
【0037】更に、フランジ内面間の幅Wと前記磁気テ
ープの幅wとをW≦w+0.16wの関係を満足するように
設定すると共に、前記磁気テープの巻取り口近傍にて前
記磁気テープ巻装体に向かって圧縮エアーの吹き込みを
行うと、磁気テープの巻取り速度を5m/secにして
も適当なエアーギャップを形成しつつ磁気テープとフラ
ンジとは非接触で巻き取りが可能で、巻き姿が極めて良
好であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す磁気テープ巻取装置の
要部の拡大断面図である。
【図2】図1に示す磁気テープ巻取装置の要部の拡大平
面図である。
【図3】本発明に関わる磁気テープ巻取装置の全体構造
を示す平面図である。
【図4】図3におけるA方向から見た磁気テープ巻取装
置の側面図である。
【図5】本発明の実施例においてテープ速度3m/se
cの時のフランジ内面間の幅Wと前記磁気テープの幅w
とのエアーギャップと巻姿良品率との関係を示すグラフ
である。.
【図6】本発明の実施例においてテープ速度5m/se
cの時のフランジ内面間の幅Wと前記磁気テープの幅w
とのエアーギャップと巻姿良品率との関係を示すグラフ
である。
【図7】本発明の実施例においてテープ速度15m/s
ecの時のフランジ内面間の幅Wと前記磁気テープの幅
wとのエアーギャップと巻姿良品率との関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 磁気テープ巻取装置 2,3 テープ巻装体(テープリール) 2a、2b フランジ 2c 巻装体巻芯 4,5 軸 6 原反 8 パス系 9 切断接合手段 11 エンドレスベルト 19 永久磁石 20 支持部 21 駆動手段 27 テープエッジ 31 ノズル T 磁気テープ W フランジ間の幅 w 磁気テープの幅

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気テープを上下一対のフランジ付きの
    テープ巻装体に巻き取る際に、前記テープ巻装体の近傍
    において前記磁気テープをテープ幅方向に付勢する磁界
    をかける磁気テープ巻取方法において、前記上下一対の
    フランジ内面間の幅Wと前記磁気テープの幅wとをW≦
    w+0.16wの関係を満足するように設定し、且つ前記磁
    気テープの巻取り速度を5m/sec以上に設定して、
    前記磁気テープの幅方向の一端と前記上下一対のフラン
    ジの内側面とを非接触にして前記磁気テープを巻取るこ
    とを特徴とする磁気テープ巻取方法。
  2. 【請求項2】 磁気テープを上下一対のフランジ付きの
    テープ巻装体に巻き取る際に、前記テープ巻装体の近傍
    において前記磁気テープをテープ幅方向に付勢する磁界
    をかける磁気テープ巻取方法において、前記上下一対の
    フランジ内面間の幅Wと前記磁気テープの幅wとをW≦
    w+0.16wの関係を満足するように設定すると共に、前
    記磁気テープの巻取り口近傍にて前記磁気テープ巻装体
    に向かって圧縮エアーを吹き込み、該吹き込んだ圧縮エ
    アーを前記磁気テープの幅方向の端部から前記上下一対
    のフランジの内側面に沿って排出させ、前記磁気テープ
    の端部と前記上下一対のフランジの内側面との間にエア
    ーギャップを形成しつつ前記磁気テープを巻取ることを
    特徴とする磁気テープ巻取方法。
JP9153692A 1991-03-18 1992-03-18 磁気テープ巻取方法 Pending JPH05109233A (ja)

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