JPH05105578A - 単結晶引上装置 - Google Patents

単結晶引上装置

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JPH05105578A
JPH05105578A JP29802891A JP29802891A JPH05105578A JP H05105578 A JPH05105578 A JP H05105578A JP 29802891 A JP29802891 A JP 29802891A JP 29802891 A JP29802891 A JP 29802891A JP H05105578 A JPH05105578 A JP H05105578A
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清隆 高野
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泉 布施川
Hirotoshi Yamagishi
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Abstract

(57)【要約】 [目的] 高品位な単結晶を効率良く得ることができる
とともに、ルツボの耐久性向上及びコストダウンを図る
ことができる単結晶引上装置を提供すること。 [構成] 単結晶引上装置1のチャンバー2内の上部か
らパージチューブ7を吊り下げ、該パージチューブ7の
下端に、その外周に上方に向かって広がる傾斜面8bを
有する熱遮蔽リング8を取り付け、該熱遮蔽リング8に
筒状の石英隔壁10を筒状保持具9を介して保持せしめ
る。メルト12Aからの輻射熱は熱遮蔽リング8の傾斜
面8bで反射されて石英隔壁10とメルト12Aの界面
付近を加熱するため、メルト12Aの固化が防がれ、単
結晶15の育成速度が高められる。又、石英隔壁10は
メルト12Aに部分的に浸漬されるため、短くて済み、
これの熱変形が小さく抑えられるとともに、そのコスト
ダウンが図られる。更に、メルト12Aの減少と共に石
英隔壁10を下げれば、メルト12A中の酸素濃度を一
定に保つことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CZ法(Czochr
alski法)によって多結晶融液から単結晶を引き上
げるための単結晶引上装置に関する。
【0002】
【従来の技術】斯かる単結晶引上装置はチャンバー内に
石英ルツボ、ヒーター等を収納して構成され、該単結晶
引上装置においては、石英ルツボに供給されたシリコン
等の多結晶原料はヒーターによって加熱されて溶融し、
石英ルツボ内には多結晶融液(以下、メルトと称す)が
収容される。そして、このメルトに、ワイヤー等の上軸
の下端に取り付けられた種結晶を浸漬し、該上軸を回転
させながらこれを所定の速度で引き上げれば、種結晶の
先に単結晶を成長させることができる。
【0003】ところで、上述のCZ法による単結晶の育
成においては、ドーパントの偏析現象によって単結晶中
の抵抗率が単結晶の引き上げと共に次第に低下して歩留
りが悪くなるため、石英ルツボ内に円筒状の内ルツボを
設けて二重構造とし、内ルツボの外側に適当量の粒状原
料を供給する二重ルツボ法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の二重ルツボ法においては、内ルツボは石英ルツボに
溶着等されて固定され、石英ルツボに対して不動であ
り、常にメルト中に浸っているため、熱変形量が大き
く、その材料費及び加工費も高くなるという問題があ
る。
【0005】又、従来の単結晶引上装置の構造では、メ
ルトからの熱がチャンバー内に直接逃げてしまい、内ル
ツボとメルト表面の界面が冷えてそこからメルトの固化
が発生し易く、単結晶の育成速度を上げることができな
い他、メルト表面から蒸発するSiOがチャンバーに付
着して結晶の有転位化を引き起こすという問題があっ
た。
【0006】更に、単結晶中のドーパント濃度を一定に
保つために単結晶の引き上げと共にメルト量を減少させ
る所謂メルト量減少型の制御方式を採る場合には、メル
トのルツボとの接触面積が小さくなり、メルト量の減少
と共にルツボからメルトへの酸素の溶け込み量が減るた
め、単結晶中の酸素濃度が次第に下がるという問題もあ
った。
【0007】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、高品位な単結晶を効率良く得
ることができるとともに、ルツボの耐久性向上及びコス
トダウンを図ることができる単結晶引上装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明は、チャンバー内に石英ルツボ、ヒーター等を収納
して成る単結晶引上装置において、前記チャンバー内の
上部からカーボン筒を上下動自在に吊り下げ、該カーボ
ン筒の下端に、その外周に上方に向かって広がる傾斜面
を有する熱遮蔽リングを取り付け、該熱遮蔽リングに筒
状の石英隔壁を筒状保持具を介して保持せしめたことを
その特徴とする。
【0009】
【作用】本発明によれば、内ルツボを構成する石英隔壁
はメルト中に部分的に浸漬されるのみであるため、その
長さは短くて済み、これの熱変形が小さく抑えられて耐
久性が高められるとともに、その材料費及び加工費が低
減される。又、この石英隔壁はカーボン筒と共に上下動
自在であるため、メルト量減少型の制御がなされる場合
には、石英ルツボ内のメルト量の減少と共に該石英隔壁
を下げれば、メルトの石英ルツボと石英隔壁との接触面
積が略一定に保たれ、メルト中の酸素濃度が略一定に保
たれる。この石英隔壁は、石英ルツボの回転或いは熱対
流によるメルト表面の石英ルツボ壁から結晶へ向かう流
れを阻止し、引上結晶の断面内の酸素濃度の均一化に役
立つ。
【0010】更に、メルトからの輻射熱は熱遮蔽リング
の傾斜面で反射されて石英隔壁とメルトの界面付近を加
熱するため、メルトの固化が防がれ、単結晶の育成速度
を上げることができ、生産効率を高めることができる。
又、熱遮蔽リングの傾斜面は、メルト表面からの熱輻射
によって加熱され、その反射熱は筒状保持具と筒状の石
英隔壁の上部の冷却を妨げ、メルト表面から蒸発したS
iOの析出を防止し、結晶引上中の結晶の乱れを防止す
る。尚、熱遮蔽リングの傾斜面の傾斜角としては、上記
輻射熱の反射による加熱効果を考慮すると、水平に対し
て30°〜45°であることが望ましい。
【0011】熱遮蔽リングの傾斜面の水平に対する上記
角度は、カーボン筒中を流下したArガス等の不活性ガ
スがメルト表面に沿って流れ、更に筒状保持具のガス抜
き孔から流出するまでに、メルト表面から蒸発したSi
Oの筒状保持具の特に内面、筒状石英ルツボの上部内面
等への析出を効果的に防止する上で望ましい値である。
勿論、メルト表面から蒸発したSiOは、不活性ガス流
と共に筒状保持具のガス抜き孔よりチャンバー内の空間
に流出し、更に石英ルツボの外部、そして最終的には、
チャンバー外へ排出される。
【0012】本発明の熱遮蔽リング、筒状保持具及び石
英隔壁の構成では、これらの外側にはSiOの析出は全
く起こらない。そして、このとき結晶の成長界面付近は
不活性ガスによって冷却され、その傾向は熱遮蔽リング
の断熱効果によって助長されるため、結晶の育成速度を
上げることができる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0014】図1は本発明に係る単結晶引上装置要部の
縦断面図、図2は図1のA部拡大詳細図、同装置要部の
分解斜視図である。
【0015】図1において、2はステンレス製のチャン
バーであって、これの内部には石英ルツボ3がシャフト
4上に取り付けられて収納されている。尚、シャフト4
は不図示の駆動手段によってその中心軸回りに回転駆動
される。
【0016】又、上記チャンバー2内の前記石英ルツボ
3の周囲には、カーボン製の円筒状ヒーター5が配さ
れ、該ヒーター5の周囲には同じくカーボン製の断熱材
6が配されている。
【0017】ところで、チャンバー2内の上部からはカ
ーボン製のパージチューブ7が上下動自在に吊り下げら
れており、該パージチューブ7のチャンバー2内に臨む
下端にはカーボン製の熱遮蔽リング8が保持されてい
る。又、この熱遮蔽リング8にはカーボン製の筒状保持
具9が螺着されており、この筒状保持具9には円筒状の
石英隔壁10が保持されている。尚、パージチューブ7
は、これの上部に設けられた不図示の駆動手段によって
上下動せしめられる。
【0018】ここで、前記熱遮蔽リング8、筒状保持具
9及び石英隔壁10の取付構造を図2及び図3に基づい
て説明する。
【0019】図3に示すように、前記パージチューブ7
には大小2つの覗き窓7a,7bが形成されており、そ
の下部外周には3つの鍵状溝7cが形成されている。
尚、小さい覗き窓7bは単結晶の直径計測用イメージセ
ンサーのためのものである。
【0020】熱遮蔽リング8は漏斗状の内リング8Aと
外リング8Bとを組み合わせて構成され、外リング8B
の内周部に突設された3つの突起8a(図3参照)がパ
ージチューブ7に形成された前記鍵状溝7cに係合する
ことによって、該熱遮蔽リング8がパージチューブ7の
下端に保持される。
【0021】ところで、外リング8Bの外周には、上方
に向かって広がる傾斜面8bが形成されており、該傾斜
面8bは水平に対して所定角度θ(=30°〜45°)
だけ傾斜している(図2参照)。そして、この傾斜面8
bの一部には突起8cが全周に亘って形成されており、
この突起8cに前記筒状保持具9が逆ネジの関係(石英
ルツボ3の回転方向に締まる関係)で螺着されている。
【0022】又、筒状保持具9の周壁には計6つのガス
抜き孔9aと鍵状溝9bが形成されており、6つのガス
抜き孔9aの開口面積の総和Sは、
【0023】
【数1】S>>π×D×h ここに、π:円周率 D:熱遮蔽リングの内径 h:熱遮蔽リングとメルト表面との距離 の関係が満足されるよう設定される。尚、本実施例で
は、前記熱遮蔽リング8と筒状保持具9の全表面にSi
Cコート処理が施されている。
【0024】更に、前記石英隔壁10の外周上部には6
つの突起10aが突設されており、これらの突起10a
を筒状保持具9に形成された前記鍵状溝9bに係合させ
ることによって、石英隔壁10が筒状保持具9に保持さ
れる。
【0025】次に、本発明に係る単結晶引上装置1の作
用を説明する。
【0026】例えば、シリコン単結晶の引上げに際して
は、チャンバー2内がArガス雰囲気下の減圧状態(例
えば、30mbar)に保たれ、石英ルツボ3内には原
料供給管11から粒状のポリシリコン12が供給され、
石英ルツボ3内に供給されたポリシリコン12はヒータ
ー5によって加熱されて溶融し、石英ルツボ3内にはメ
ルト12Aが収容される。
【0027】次に、パージチューブ7が石英隔壁10等
と共に一体的に下げられ、図1に示すように、石英隔壁
10が石英ルツボ3内のメルト12Aの上部に部分的に
浸漬される。そして、パージチューブ7内に吊り下げら
れたワイヤー13の下端に結着された種結晶14が石英
ルツボ3内のメルト12Aに浸漬され、石英ルツボ3が
シャフト4によって図示矢印CR(時計方向)に回転駆
動されると同時に、種結晶14も図示矢印SR方向(反
時計方向)に回転されながら所定の速度SEで引き上げ
られると、種結晶14には図示のように単結晶15が成
長する。このとき、パージチューブ7内にはArガスが
下方に向かって流され、Arガスは筒状保持具9に形成
されたガス抜き孔9aからチャンバー2内に流出し、メ
ルト12Aの表面から蒸発したSiOと共にチャンバー
2外へ排出される。このように、パージチューブ7内に
Arガスを流すと、SiOがチャンバー2外へ有効に排
出されるため、SiOによる単結晶15の有転位化が防
がれる他、単結晶15の成長界面付近はArガスによっ
て強制的に冷却されるため、メルト12Aの温度を低下
させることなく単結晶15の育成速度(引上げ速度)S
Eを上げることができる。尚、ガス抜き孔9aの開口面
積の総和Sは前述のように設定されているため、石英隔
壁10をメルト12A中に浸漬させない状態(図1にお
いて石英隔壁10を取り除いた状態)におけるArガス
の流れが現出され、Arガスはガス抜き孔9aを抵抗な
くスムーズに通過する。
【0028】又、メルト12Aからの輻射熱は熱遮蔽リ
ング8の傾斜面8bで反射されて石英隔壁10とメルト
12Aの界面付近を加熱するため、メルト12Aの固化
が防がれ、この結果、単結晶15の育成速度(引上げ速
度)SEを高めて生産効率の向上図ることができる。
尚、熱遮蔽リング8と筒状保持具9は常に1400℃以
上の超高温に晒されるが、これらは前述のようにその全
表面にSiCコート処理が施されているため、超高温で
の強度が高められ、これらが劣化してカーボンが落下す
ることがなく、カーボンによって単結晶15の育成が阻
害されることがない。
【0029】更に、内ルツボを構成する石英隔壁10は
メルト12A中に部分的に浸漬されるのみであるため、
その長さは短くて済み(本実施例における長さは5cm
程度である)、これの熱変形が小さく抑えられて耐久性
が高められるとともに、その材料費及び加工費が低減さ
れる。又、この石英隔壁10はパージチューブ7と共に
上下動自在であるため、メルト量減少型の制御がなされ
る場合には、石英ルツボ3内のメルト12Aの減少と共
に該石英隔壁10を下げれば、メルト12Aの石英ルツ
ボ3と石英隔壁10との接触面積が略一定に保たれ、メ
ルト12A中の酸素濃度が略一定に保たれる。
【0030】又、単結晶15の引上げ中はポリシリコン
12が石英ルツボ3に連続的に供給されるが、このポリ
シリコン12は石英隔壁10の外側に供給されるため、
ポリシリコン12のメルト12Aへの落下時にこれが単
結晶15に付着することがなく、又、石英隔壁10のメ
ルト12A内への浸漬によってメルト12A表面の単結
晶15方向へ向かう表面対流が抑制されるため、ポリシ
リコン12の安定した連続的な供給が可能となり、単結
晶15の抵抗率はその成長軸方向に均一なものとなる。
【0031】その他、本実施例では、前述のように筒状
保持具9は熱遮蔽リング8に対して逆ネジの関係で螺着
されているため、万一、メルト12Aの固化が生じたと
しても、筒状保持具9と石英隔壁10が外れて落下する
ようなことがなく、安全である。
【0032】
【発明の効果】以上の説明で明らかな如く、本発明によ
れば、チャンバー内に石英ルツボ、ヒーター等を収納し
て成る単結晶引上装置において、前記チャンバー内の上
部からカーボン筒を上下動自在に吊り下げ、該カーボン
筒の下端に、その外周に上方に向かって広がる傾斜面を
有する熱遮蔽リングを取り付け、該熱遮蔽リングに筒状
の石英隔壁を筒状保持具を介して保持せしめたため、高
品位な単結晶を効率良く得ることができるとともに、ル
ツボの耐久性向上及びコストダウンを図ることができる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶引上装置要部の縦断面図で
ある。
【図2】図1のA部拡大詳細図である。
【図3】本発明に係る単結晶引上装置要部の分解斜視図
である。
【符号の説明】
1 単結晶引上装置 2 チャンバー 3 石英ルツボ 5 ヒーター 7 パージチューブ 8 熱遮蔽リング 8b 傾斜面 9 筒状保持具 10 石英隔壁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバー内に石英ルツボ、ヒーター等
    を収納して成る単結晶引上装置において、前記チャンバ
    ー内の上部からカーボン筒を上下動自在に吊り下げ、該
    カーボン筒の下端に、その外周に上方に向かって広がる
    傾斜面を有する熱遮蔽リングを取り付け、該熱遮蔽リン
    グに筒状の石英隔壁を筒状保持具を介して保持せしめた
    ことを特徴とする単結晶引上装置。
  2. 【請求項2】 前記熱遮蔽リングの傾斜面は、水平に対
    して30°〜45°傾斜していることを特徴とする請求
    項1記載の単結晶引上装置。
  3. 【請求項3】 前記筒状保持具の周壁には複数のガス抜
    き孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    単結晶引上装置。
  4. 【請求項4】 前記筒状保持具の周壁には複数のガス抜
    き孔が形成され、該ガス抜き孔の開口面積の総和Sは、 S>>π×D×h ここに、π:円周率 D:熱遮蔽リングの内径 h:熱遮蔽リングとメルト表面との距離 を満足することを特徴とする請求項1記載の単結晶引上
    装置。
  5. 【請求項5】 前記カーボン筒には不活性ガスが供給さ
    れ、前記石英隔壁は単結晶引上げ時に石英ルツボ内のメ
    ルトに浸漬され、粒状原料が石英ルツボ内の石英隔壁の
    外部に連続的に供給されることを特徴とする請求項1記
    載の単結晶引上装置。
  6. 【請求項6】 前記熱遮蔽リングと筒状保持具の全表面
    は、SiCコート処理が施されていることを特徴とする
    請求項1記載の単結晶引上装置。
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