JPH0510488Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 本考案は、引出形電気機器におけるプラグのイ
ンターロツク装置に関する。

Ｂ 考案の概要 本考案は、配電盤等の筐体に収納される引出形
電気機器のジヤツクに装着するプラグのインター
ロツク装置において、 プラグの装着離脱操作を引出形電気機器の収納
引出し操作と関連させることにより、 プラグ非装着状態での引出形電気機器の収納操
作を不能にするとともに、引出形電気機器が筐体
に収納されている場合にはプラグを外せないよう
にしたものである。

Ｃ 従来の技術 一般に、例えば配電盤の筐体に収納される引出
形しや断器等の引出形電気機器には、遠方操作等
のためのジヤツクが取付けられており、このジヤ
ツクには、プラグが装着される。また、ジヤツク
には、フツクが取付けられており、プラグは、ジ
ヤツクに装着された後にそのフツクにより係止さ
れ、脱落が防止される。

Ｄ 考案が解決しようとする問題点 しかし、従来のようにフツクを設けただけで
は、プラグがジヤツクから脱落するのは防止され
るものの、プラグをジヤツクに装着しない状態で
引出形電気機器を筐体に収納してしまうことは防
止できなかつた。また、プラグを装着して引出形
電気機器を筐体に収納しても、誤つてフツクを外
してプラグをジヤツクから離脱することも防止で
きなかつた。すなわち、プラグの装着離脱操作が
引出形電気機器の収納引出し操作にインターロツ
クされていないので、遠方操作等の操作ミスを生
じる虞れがあつた。

Ｅ 問題点を解決するための手段 上記従来の問題点を解決するために、本考案
は、引出形電気機器を収納する筐体内に固設した
カムと、引出形電気機器に設けた、プラグの装着
動作と連動する操作棒と、この操作棒の動作と連
動するとともに筐体のカム形状に対応して作動す
るインターロツクピンと、インターロツクピンの
動作に連動してジヤツクに設けたフツクに係合す
るロツク棒とからプラグのインターロツク装置を
構成している。

すなわち、筐体内に固設されたカムは、筐体の
引出形電気機器を収納する入口側に収納阻止部を
有しかつこの収納阻止部から奥へ行くにつれて引
出形電気機器に近づくように傾斜した傾斜部とこ
の傾斜部に連続して引出形電気機器の収納方向に
延在するインターロツク部とを有している。

引出形電気機器には、プラグが装着されるとと
もにプラグを係止するフツクを備えたジヤツクを
取付けている。そして、操作棒は、プラグの離脱
方向へ付勢されつつ、プラグ装着時の押圧動作に
よりプラグの装着方向へ移動可能となつている。
また、インターロツクピンは、筐体に固設したカ
ム側へ付勢され、プラグの非装着時には、一端部
がカムの傾斜部より収納阻止部側へ突出し、その
端部周面が収納阻止部に当接して引出形電気機器
を筐体に収納不能としている。さらに、インター
ロツクピンは、プラグ装着時には、その装着動作
による操作棒の移動に連動して、収納阻止部側へ
突出していた一端部がカムの傾斜部に圧接して引
出形電気機器を筐体に収納可能とする。

一方、ロツク棒は、プラグの装着方向へ付勢さ
れつつ、引出形電気機器の収納動作に伴つてイン
ターロツクピンの一端部がカムの傾斜部を摺動し
てインターロツク部に圧接するまでの間に、イン
ターロツクピンの移動に連動してプラグの離脱方
向に移動するものである。そして、この移動によ
り、ロツク棒は、ジヤツクに設けたフツクに係合
し、フツクの解除を不能にする。

Ｆ 作用 かかる構成の引出形電気機器におけるプラグの
インターロツク装置において、プラグを装着する
前にあつては、インターロツクピンの一端部周面
が、筐体に固設したカムの収納阻止部に当接して
おり、プラグを装着しなければ引出形電気機器を
筐体に収納することができない。次に、プラグを
ジヤツクに装着する際、プラグは操作棒を押圧
し、操作棒はプラグの装着方向に移動する。

この操作棒の移動により、インターロツクピン
が連動し、インターロツクピンの一端部は、カム
の収納阻止部から傾斜部へ移行し、傾斜部に圧接
する。これにより、引出形電気機器は筐体に収納
できることとなり、引出形電気機器全体を押して
収納動作することによつて、インターロツクピン
の一端部は、カムの傾斜部に圧接されながら摺動
して行き、カムのインターロツク部に到着する。
この間、インターロツクピンの移動に連動して、
ロツク棒は、プラグの離脱方向に移動する。そし
て、ロツク棒は、ジヤツクとプラグとを係止する
フツクに係合し、フツクの解除を不能にする。し
たがつて、引出形電気機器が筐体に収納された状
態では、プラグをジヤツクから離脱することはで
きない。

Ｇ 実施例 以下、本考案を図に示す一実施例に基づき詳細
に説明する。

第３図は、本考案の一実施例を示す概略側面図
で、例えば配電盤の筐体１内には、その筐体１に
収納される引出形しや断器２の上方にカム３が固
設されている。引出形しや断器２には、遠方操作
等のためのジヤツク４が取付けられており、ジヤ
ツク４にはプラグ５が装着されている。プラグ５
は、その装着離脱が、インターロツク装置６によ
り引出形しや断器２の収納引出し操作に関連付け
られている。

第２図は、プラグ５の装着前におけるインター
ロツク装置６の縦断側面図である。配電盤の筐体
１内に固設したカム３には、引出形しや断器２を
収納する筐体１の入口側（第２図において右側）
に、鉛直面からなる収納阻止部３ａが形成されて
いる。また、カム３には、その収納阻止部３ａか
ら筐体１の奥（第２図において左側）へ行くにつ
れて引出形しや断器２に近づくように下方に傾斜
した面からなる傾斜部３ｂが形成されている。さ
らに、カム３には、その傾斜部３ｂに連続して引
出形しや断器２の収納方向に延在する水平面から
なるインターロツク部３ｃが形成されている。

一方、引出形しや断器２が取付枠７には、ジヤ
ツク４が取付けられている。このジヤツク４の上
下部には、プラグ５の装着時にプラグ５を係止す
るフツク８がそれぞれ固設されている。

また、取付枠７には、図示を省略したばねによ
りプラグ５の離脱方向（第２図において右方向）
に付勢された操作棒９が水平に設けられている。
この操作棒９の一端部は、ジヤツク４の上方に臨
んでいる。そして、操作棒９は、ジヤツク４にプ
ラグ５を装着する時の押圧動作により、プラグ５
の装着方向へ摺動可能とされている。さらに、操
作棒９には、その中間付近に短形板の一隅を切欠
いた矩形カム１０が固設されている。

また、取付枠７には、ばね１１により上方、す
なわち筐体１に固設したカム３側へ付勢されたイ
ンターロツクピン１２が鉛直に設けられている。
このインターロツクピン１２は、第２図に示すよ
うにプラグ５の非装着時には、その一端部がカム
３の傾斜部３ｂより上方の収納阻止部３ａ側へ突
出している。したがつて、引出形しや断器２を筐
体１に収納しようとしても、インターロツクピン
１２の一端部周面がカム３の収納阻止部３ａに当
接するので、収納不能となる。

さらに、インターロツクピン１２の中間付近に
は、ピン１３が固設されている。このピン１３に
は、コロ１４が回動自在に取付けられている。こ
のコロ１４は、操作棒９に設けた矩形カム１０の
傾斜面１０ａに係合可能となつている。したがつ
て、操作棒９がプラグ５の押圧動作によりプラグ
５の装着方向に移動することによつて、矩形カム
１０の傾斜面１０ａをコロ１４が転動し、インタ
ーロツクピン１２は、下方へ押し下げられること
になる。そして、インターロツクピン１２の一端
部は、筐体１のカム３における傾斜部３ｂに圧接
し、引出形しや段器２を筐体１に収納可能な状態
となる。なお、１５は、インターロツクピン１２
の近傍にて取付枠７に取付けられたガイド板で、
このガイド板１５には、コロ１４を案内する鉛直
方向の長孔１６が穿設されている。

また、取付枠７には、図示を省略したばねによ
りプラグ５の装着方向に付勢された２本のロツク
棒１７が水平に設けられている。これらロツク棒
１７は、連結部材１８により一体的に設けられて
いる。連結部材１８には、その中間付近に傾斜面
１９ａとこの傾斜面１９ａに連続した鉛直面１９
ｂとを有する台形カム１９が形成されている。台
形カム１９の傾斜面１９ａおよび鉛直面１９ｂ
は、インターロツクピン１２に設けたコロ１４に
係合可能である。

各ロツク棒１７の一端部は、プラグ５を装着し
ない状態では、ジヤツク４に設けた各フツク８の
近傍に位置している。そして、インターロツクピ
ン１２の一端部がカム３の傾斜部を摺動してイン
ターロツクピン１２が下方に押し下げられること
により、コロ１４が台形カム１９の傾斜面１９ａ
を転動し、各ロツク棒１７は、プラグ５の離脱方
向に移動するものである。

かかる構成のインターロツク装置によれば、第
２図に示すように、プラグ５をジヤツク４に装着
する前にあつては、インターロツクピン１２の一
端部周面が、筐体１内に固設したカム３の収納阻
止部３ａに当接することになる。したがつて、引
出形しや断器２を筐体１に収納しようとしても、
プラグ５をジヤツク４に装着しなければ、絶対に
収納できない。

次に、プラグ５をジヤツク４に装着すると、そ
の際、操作棒９は、プラグ５に押圧されてプラグ
５の装着方向に移動する。すると、操作棒９に設
けた矩形カム１０の傾斜面１０ａをインターロツ
クピン１２に設けたコロ１４が転動し、インター
ロツクピン１２の一端部は、カム３の収納阻止部
３ａから傾斜部３ｂへと移行し、傾斜部３ｂに圧
接する。これにより、引出形しや断器２は、筐体
１に収納可能となる。なお、プラグ５をジヤツク
４に装着した後、ジヤツク４に設けたフツク８
は、プラグ５に引掛けてプラグ５をジヤツク４か
ら脱落しないように係止しておく。

その後、引出形しや断器２全体を押し、筐体１
への収納動作することにより、インターロツクピ
ン１２の一端部は、カム３の傾斜部３ｂを圧接さ
れながら摺動して行き、第１図に示すように、カ
ム３のインターロツク部３ｃに到達する。この
際、インターロツクピン１２のコロ１４は、連結
部材１８に形成したカム１９の傾斜面１９ａを転
動しつつ、連結部材１８を介してロツク棒１７を
プラグ５の離脱方向に移動させる。そして、ロツ
ク棒１７の端部は、ジヤツク４とプラグ５とを係
止するフツク８に係合し、フツク８の解除を不能
にする。なお、プラグ５の装着時にフツク８を掛
け忘れていたとしても、ロツク棒１７の移動によ
り、フツク８は、自動的にプラグ５に引掛けられ
る。

したがつて、第１図に示すように、引出形しや
断器２が筐体１に収納された状態では、プラグ５
をジヤツク４から離脱することはできない。プラ
グ５を離脱するには、引出形しや断器２を引出し
操作する。すると、インターロツクピン１２の一
端部は、カム３のインターロツク部３ｃから傾斜
部３ｂに移行する。これに伴つて、ロツク棒１７
は、プラグ５の装着方向に移動し、フツク８から
離れる。その後、フツク８を解除すれば、プラグ
５を離脱することができる。

Ｈ 考案の効果 以上のように、本考案の引出形電気機器におけ
るプラグのインターロツク装置によれば、筐体に
固設したカムと、引出形電気機器に設けた操作
棒，インターロツクピン，ロツク棒等により、プ
ラグの装着離脱操作を引出形電気機器の収納引出
し操作に関連せしめているので、プラグを装着し
ていない状態では、引出形電気機器を筐体に収納
することができず、また引出形電気機器が筐体に
収納されている状態では、プラグを外すことはで
きない。したがつて、遠方操作不能による事故を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のインターロツク装置の一実施
例を示す引出形しや断器収納完了時の縦断側面
図、第２図は第１図に示すインターロツク装置の
プラグ装着前における縦断側面図、第３図は本考
案の一実施例を示す概略側面図である。 １……筐体、２……引出形しや断器、３……カ
ム、３ａ……収納阻止部、３ｂ……傾斜部、３ｃ
……インターロツク部、４……ジヤツク、５……
プラグ、６……インターロツク装置、８……フツ
ク、９……操作棒、１１……ばね、１２……イン
ターロツクピン、１７……ロツク棒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 筐体内に引出形電気機器を引出自在に収納し、
   引出形電気機器にはプラグが挿脱されるジヤツク
   が取付けられ該ジヤツクにはフツクを設けてプラ
   グが装着された後の離脱を防止するとともに、引
   出形電気機器の筐体内への挿入はプラグが装着さ
   れたとき、またプラグの離脱は引出形電気機器が
   筐体から引き出されたときに可能とした引出形電
   気機器におけるプラグのインターロツク装置にお
   いて、 前記筐体側にはその入口側に鉛直面から成る収
   納阻止部、その収納阻止部から筐体の奥に行くに
   つれて引出形電気機器に近づくように傾斜した面
   から成る傾斜部、この傾斜部に連続して引出形電
   気機器の収納方向に延在する水平面からなるイン
   ターロツク部とを有するカムを固設し、前記引出
   形電気機器には、ばねにより前記カム側に付勢さ
   れその端部がカムの傾斜部より上方の収納阻止部
   側へ突出可能で且つ傾斜部、インターロツク部を
   摺動して鉛直方向に移動するインターロツクピン
   と、該インターロツクピンの中間部に固設したピ
   ンに回動自在に取付けられたコロと、前記プラグ
   の離脱方向に付勢されプラグ装着時の押圧動作に
   より装着方向に移動して前記コロを下方に押下げ
   インターロツクピンの端部と収納阻止部との係合
   を外す操作棒と、連結部材で一体形成され前記ジ
   ヤツクに設けられたフツクの近傍に出没するとと
   もにプラグの装着方向に付勢されるロツク棒と、
   前記連結部材に設けられ前記インターロツクピン
   が前記カムの傾斜部を摺動し下方に移動したとき
   前記コロと係合して前記ロツク棒をプラグの離脱
   方向に移動させる傾斜面とこの傾斜面と連続して
   形成されインターロツクピンの先端がカムのイン
   ターロツク部に到達したときにロツク棒の移動を
   阻止する鉛直面とを有する台形カムとを備え、こ
   の台形カムの鉛直面にコロが到達したときロツク
   棒の端部がジヤツクに設けたフツクに係合してフ
   ツクの解除を不能にしたことを特徴とする引出形
   電気機器におけるインターロツク装置。