JPH0482132B2 - - Google Patents

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JPH0482132B2
JPH0482132B2 JP61137015A JP13701586A JPH0482132B2 JP H0482132 B2 JPH0482132 B2 JP H0482132B2 JP 61137015 A JP61137015 A JP 61137015A JP 13701586 A JP13701586 A JP 13701586A JP H0482132 B2 JPH0482132 B2 JP H0482132B2
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Katsumi Hirose
Tsunehiko Yamane
Haruki Oota
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、強力な血栓溶解作用を有し、深部静
脈血栓症、肺塞栓症、心筋栓症、動脈閉塞、脳梗
塞などの治療にその有用性が期待されている、実
質的に1重鎖から成るヒト子宮組織由来プラスミ
ノーゲン活性化因子(以下、組織由来プラスミノ
ーゲン活性化因子をTPA、ヒト子宮組織由来プ
ラスミノーゲン活性化因子をu−TPAとそれぞ
れ略称する)製剤に関するものである。 (従来の技術) 従来、心筋梗塞、脳梗塞、肺梗塞などの治療に
有用な血栓溶解剤として、ウロキナーゼ、ストレ
プトキナーゼ等が使用されてきた。しかしなが
ら、これ等は血中からの正常なプラスミノーゲン
活性化因子とは異なること、またフイブリンに対
して特異的な親和性をもつわけでないことから、
これ等による治療はすべての点で満足できるもの
ではなかつた。近年、ウロキナーゼ、ストレプト
キナーゼと構造ならびに免疫学的にも異なり、更
に強いフイブリン親和性を有するTPAがヒトま
たは動物の各種組織中に見い出され、ウロキナー
ゼ、ストレプトキナーゼに勝る血栓溶解剤とし
て、その応用が期待されている。 一方、P.Wallen等(Prog.Chem.Fibrinolysis
Thrombolysis ,16−23(1981))によれば、
TPAは2つの異なつた形状で生じ、1つは1重
鎖形状であり、他はジスルフイドブリツジで結合
する2重鎖形状である。更に1重鎖TPAは2重
鎖TPAよりもフイブリンへの吸着のより高い親
和性を有すること、および1重鎖TPAが、フイ
ブリンへ吸着すると非常に速く2重鎖TPAに転
換され、次いでこれを必要とする凝血部分で最大
限の活性が得られる(特開昭59−118717)ことか
ら、1重鎖TPAの方がより高い治療効果を有す
ることが期待されている。 本発明者らは、この様に有用な、実質的に1重
鎖から成るu−TPAを遺伝子組換技術により大
量に生産し、精製し、製剤化することを試みた。 (発明の解決しようとする問題点) ところが遺伝子組換技術により得られた、実質
的に1重鎖からなるu−TPAは、 水に対する溶解度が低く、凍結乾燥に供する
為の調製液を保存する際に濃度に依つては沈澱
を生じ易いこと。また、凍結乾燥で得られた製
剤を少量の蒸留水が生理食塩水で溶解させる時
にしばしば完全溶解が困難なこと。 調製液の保存時、凍結乾燥時、凍結乾燥で得
られた製剤の保存時、および製剤の再溶解時の
安定性が乏しく、活性が徐々に低下したり、2
重鎖u−TPAへ変換し易いこと。 製剤溶器への吸着が大きく、投与量を一定に
設定することが困難であること等、工業的規模
で一定品質の製剤を製造する為には、溶液状
態、凍結乾燥時、凍結乾燥後の固体状態での安
定性に関し、多くの解決すべき問題があること
が明らかになつた。 一般に酵素類の安定化方法に関して種々の提案
がなされているが、酵素組成は千差万別であり、
そのため酵素の組成も全て異なり同じ系統に属す
る酵素であつても、性質が必ずしも同じでないた
めにその特性に応じた安定化方法はそれぞれにつ
いて見出されなくてはならない。 従来開発されてきた技術の一部を略載する。 α−アミラーゼやL−アスパラギナーゼにア
ミノ酸類を添加する(特公昭41−16541号公報、
特公昭46−41593号公報、特公昭48−7797号公
報)。 肝臓カタラーゼ、細菌性プロテアーゼ、エラ
スターゼ等に糖類を配合する(特公昭40−
10953号公報、特公昭41−4394号公報、特公昭
44−5072号公報、特開昭52−47984号公報)。 ウロキナーゼにゼラチン又はアルブミンを配
合する(特公昭56−43233号公報)。 本発明者らは、遺伝子組換技術により得られた
実質的に1重鎖から成るu−TPAについて上記
技術の効果を確めたがいずれも安定化方法として
不十分であることが判つた。 一方、種々組織から得られたTPAについては
安定化方法として、アルギニン〔J.B.C254,1998
(1979)〕、ゼラチン〔Biochemistry.,79
(1969)〕、あるいはフイブリン〔Thrombas
Haemostas,45,43(1981)、アルブミン〔特開
昭58−65218号公報〕、〔特開昭58−224687号公
報〕、ポリオキシエチレンソルビタン・モノオレ
イト〔特開昭58−224687号公報〕等が報告されて
いる。しかし、アルギニンはTPAと強固に結合
する為に活性を大きく低下させ、フイブリンは医
薬品に添加できない。 また、ゼラチンやアルブミン、ポリオキシエチ
レンソルビタン・モノオレイト等は単独では、実
質的に1重鎖からなるu−TPAの多様な不安定
性要因を解決することが出来ず、より効果的な安
定化方法を見出す必要があつた。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは従来技術のこの様な欠点を鑑み、
実質的に1重鎖から成るu−TPAの安定化方法
に関して鋭意工夫した結果、従来技術では達成し
得なかつた極めて安定な製剤を得る方法を見出
し、本発明に到達したものである。 すなわち、本発明は実質的に1重鎖からなるu
−TPA、0.001〜1重量%の非イオン界面活性剤
および0.01重量%以上のアルブミン、糖類、およ
びデキストランからなる群から選ばれた1種また
は2種以上の化合物および0.002〜0.5Mの酢酸緩
衝液、クエン酸緩衝液および酒石酸緩衝液からな
る群から選ばれた緩衝液を含有するPH4〜6の緩
衝溶液又は該溶液を凍結乾燥して得られたもので
あることを特徴とするヒト子宮組織由来プラスミ
ノーゲン活性化因子製剤である。 本発明に用いるu−TPAは、遺伝子組換技術
により生産したu−TPA特開昭61−149094号公
報参照)ならびにヒト子宮組織から採つたu−
TPAを含む。 遺伝子組換技術により生産したu−TPAとは、
u−TPA遺伝子を有するベクターを挿入された
大腸菌、酵母、動物細胞などが生産するu−
TPAである。 本発明に用いるu−TPAは例えば以下のよう
にして製造される。 ヒト子宮組織をグアニジンチオシアネートの
如きRNA分解酵素阻害剤の存在下で破砕した
後、遠心分離操作により全RNAを単離した。 得られたヒト子宮組織全RNAからオリゴdT
アフイニテイーカラムクロマトによりメツセン
ジヤーRNA(mRNA)を単離し、更にシヨ糖
密度勾配沈降法により該mRNAをサイズ分画
した。u−TPA特異的mRNAを含む分画はノ
ザンブロツト法によつて得た。 上記の様にして同定されたu−TPA特異的
mRNAを含む分画からRNAを回収し、該
RNAに対応する1重鎖cDNAを逆転写酵素を
用いて作製し、該1重鎖cDNAからDNAポリ
メラーゼにより二重鎖cDNAを作製した。 得られた二重鎖cDNAをSIニユークレアーゼ
で処理した後、オリゴdcテールを末端に付与
しオリゴdc末端を有するcDNAを作製した。 前記の如く得られたオリゴdc末端を有する
cDNAをオリゴdG末端を有する直鎖pBR322プ
ラスミドに挿入した。得られたベクターを使用
し、大腸菌を形質転換しcDNAライブラリーを
作製した。 前記の如く作製されたcDNAライブラリーか
らコロニーハイブリダイゼイシヨン法によりボ
ジテイブなcDNAクローンを単離した。単離し
たクローンからプラスミドDNAを単離し該
DNAの配列を決定した。 以上の様にして得られ、配列を決定された複
数のcDNAを適当な制限酵素による切断と
DNAライゲースによる結合を組合せて、全u
−TPAコーデイング部を含むu−TPAcDNA
を構築した。 上記の様にして構築したu−TPAcDNAを
適当な制限酵素による切断と末端の修飾処理と
DNAライゲースによる結合とを組合せて適当
な発現ベクターに挿入した。 本発明にかかわる発現ペクターは下記の
DNA配列を含む。すなわちu−TPAcDNA以
外に牛乳頭腫ウイルスDNA配列の全部もしく
は一部と、pBR322プラスミドDNAの一部と
u−TPAcDNAの発現に必要なDNA配列と転
写停止に必要なDNA配列を含み、場合によつ
ては発現ベクターによる形質転換体を選別する
のに有効なDNA配列を含む。 前記の如く得られた発現ベクターを適当な宿
主細胞、例えばマウス細胞C127に形質転換し、
得られた形質転換細胞を培養により増殖させ、
目的とするu−TPAを培地中に分泌産生させ
た。 実質的に1重鎖から成るu−TPAとは、2重
鎖が含まれていても極く少量であり、物理化学的
性質、生物学的性質等いずれに於ても1重鎖u−
TPAとほぼ同じ特徴を有するものを言い、その
意味で通常1重鎖/2重鎖比が9/1より大きい
u−TPAを指す。 本発明に用いられる緩衝液はPH4〜6の領域に
於て緩衝作用を有するものであり、酢酸、クエン
酸、酒石酸などの緩衝液を挙げることが出来る。
その中でも酒石酸緩衝液が緩衝作用、注射時の刺
激性などの点で最も好ましい。 緩衝液濃度は任意に選ぶことが出来るが、通常
0.002〜0.5Mの範囲が用いられる。0.002Mより薄
いときは緩衝作用が弱すぎる為、PHを安定に保つ
ことが困難である。実質的に1重鎖からなるu−
TPAの溶解度は塩濃度が増加すると共に増大す
る為、塩濃度が濃い程、使用時の溶解が容易であ
り、凍結乾燥前の調製液段階で析出する心配が少
ないが、余り濃すぎると注射時に通常使用する溶
解液(生理食塩水又は注射用蒸留水)量で溶解さ
せた時の浸透圧が高くなりすぎて、好ましくは無
い。その意味で緩衝液濃度としては0.5Mを越え
ないことが望ましい。また、薄い緩衝液に食塩な
どの中性塩を添加することに依り、緩衝作用と、
溶解度の増加を達成することも可能である。その
場合にも塩濃度の合計が0.5M以下であることが
望ましい。 緩衝液を調整する際のPHは4〜6の範囲である
ことが必要であり、これより酸性では溶液での安
定性が十分でなく、徐々に失活する。これよりア
ルカリ性側では、やはり徐々に失活すると同時
に、1重鎖u−TPAの2重鎖u−TPAへの変換
が生じる。更に、u−TPAの溶解度が低下し、
安定な溶液をつくることが困難である。その意味
でPHは通常4〜6、好ましくは4.5〜5.5が用いら
れ、その範囲ではu−TPAは容易に溶解し、活
性の低下、2重鎖への変換等は全く問題にならな
い。 従来、種々TPAの製剤化については、あまり
検討されておらず、例えば特開昭57−120523号公
報、57−28009号公報、58−65218号公報、58−
224687号公報等の実施例に於て述べられている製
剤処方はリン酸緩衝液などの中性付近に使用され
る緩衝液が使用されているが、本発明の様に酸性
領域で調製されたTPA溶液から凍結乾燥して製
剤を得ることに依り優れた効果が得られることに
ついては、全く予期されていなかつた。 本発明の製剤に用いられる非イオン界面活性剤
とは、脂胞族アルコールのポリアリキレングリコ
ールエーテル、アルキルフエノールのポリアルキ
レングリコールエーテル、脂胞酸のポリアルキレ
ングリコールエステなど、イオン性を示さない界
面活性剤を指し、好適な例として、ツイーン80
(J.T.ベーカー・ケミカルズ)及びHCO−60
(ニツコーケミカルズ)が挙げられる。 非イオン界面活性剤は調整液中に0.001〜1重
量%の範囲にあることが必要で、特に0.01〜0.1
重量%の範囲が好ましい。非イオン界面活性剤が
0.001重量%より薄いと、調整液タンクの壁面へ
の吸着、注射剤用充填機の機材への吸着、充填後
のバイアルへの吸着等により活性が低下する。 上記非イオン界面活性剤は人体に投与しても安
全であるが、余り多く用いることは溶血などの微
弱な副作用をもたらすことも有り、その意味で1
重量%を越えないことが好ましい。 本発明の実質的に1重鎖からなるu−TPA製
剤には、上記の成分以外に、アルブミン、糖類、
およびデキストリンからなる群から選ばれた1種
または2種以上の化合物を調整液中に0.01重量%
以上の濃度で含ませることが必要であり、これ等
により製剤の安定性をより高めることができる。
0.01重量%より少ない濃度では十分な効果が得ら
れない。 糖類の例としては、グルコース、キシロース、
ガラクトース、フラクトースなどの単糖類、ラク
トース、マルトース、サツカロースなどの二糖
類、マンニツト、ソルビツト、キシリツトなどの
糖アルコール類を挙げることができる。 本発明の製剤を得る方法は特に限定されないが
具体例を述べると、前述の遺伝子組換技術を用い
て分泌産生させた実質的に1重鎖から成るu−
TPA(培養中に1重鎖から2重鎖に変換すること
を防止する為に培養液中には少量の抗プラスミン
剤が通常添加される)を常法に依り精製し、得ら
れた高純度の実質的に1重鎖からなるu−TPA
を取得する。この精製操作は特に限定されない
が、精製方法に依つては、操作の各段階に少量の
抗プラスミン剤および非イオン界面活性剤が添加
されることがある。 得られた実質的に1重鎖から成るu−TPA溶
液を0.001〜1重量%の非イオン界面活性剤を含
むPH4〜6の緩衝液(必要に応じて、食塩などの
中性塩が添加される)に透析する。透析液中には
少量の抗プラスミン剤を添加しておく方が、より
確実に2重鎖への変換が防止できる為に好まし
い。 この透析の目的は、凍結乾燥に供する調整液を
得ることにあり、必ずしも透析で無くとも、ゲル
濾過法に依る溶媒置換を用いることも可能であ
る。ゲル濾過法を用いる場合にも少量の抗プラス
ミン剤を移動層溶媒に含ませることが好ましい。
抗プラスミン剤とはセトラキセート〔4−(2−
カルボキシエチル)フエニル−トランス−4−ア
ミノメチルシクロヘキサンカルボキシレート〕、
ε−アミノカルボン酸、トラネキサム酸〔トラン
ス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン
酸〕等の抗プラスミン作用を有するものを言い、
通常10-8〜10-4Mの濃度で用いられる。 得られたu−TPA溶液を透析液またはゲル濾
過溶媒と同一組成の溶媒にて適宜希釈し、所定濃
度のu−TPA溶液を得る。 このu−TPA溶液にヒト血清アルブミン、糖
類、およびデキストランからなる群から選ばれた
1種または2種以上の化合物を溶液の0.01重量%
以上の濃度になる様に添加し、調整液を得る。 精製u−TPAが調整液と同じ溶媒組成の溶液
として得られる場合には溶媒置換は不要であり、
不足する添加物をu−TPA溶液に添加すること
で、調整液を得ることができる。 得られたu−TPA調整液をそのまゝ製剤とし
て使用してもよいが、一般には常法により容器に
必要量分注し、凍結乾燥を行うことに依り製剤と
して極めて容易に得ることができる。 (発明の効果) 本発明は実質的に1重鎖から成るヒト子宮組織
由来プラスミノーゲン活性化因子製剤に関するも
のであり、例えば実質的に1重鎖から成るヒト子
宮組織由来プラスミノーゲン活性化因子を、
0.002〜0.5Mの酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液およ
び酒石酸緩衝液からなる群から選ばれた緩衝液お
よび0.001〜1重量%の非イオン界面活性剤およ
び0.01重量%以上のアルブミン、糖類、およびデ
キストランからなる群から選ばれた1種または2
種以上の化合物を含有する溶液に溶解させた又は
該溶液を凍結乾燥して得られた実質的に1重鎖か
ら成るヒト子宮組織由来プラスミノーゲン活性化
因子製剤である。 前述のように本発明の実質的に1重鎖から成る
u−TPA製剤は保存安定性にすぐれているのみ
でなく、溶解が容易であり、更に溶液とした場合
の安定性にも極めてすぐれた特徴を有するもので
ある。 (実施例) 以下実施例に依り本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれ等により限定されるものでは無
い。 試験方法 1 FCLT法(フイブリンクロツトライシスタイム
法)による活性の測定。 J.Plougら、Biochimica et Biophysica Acta,
24,278〜282(1957)の方法に従つて測定した。
なおサンプルの希釈は0.01%HCO−60を含む生
理食塩水にて行い、活性の表示はWHOの標準
TPAを基準として行つた。 試験方法 2 S−2288法(合成基質法)による活性の測定 S−2288基質 を含む溶液にTPA溶液を添加し、遊離するp−
ニトロアニリンの吸光度を測定する標準操作方法
で測定した。 試験方法 3 u−TPAの1重鎖/2重鎖の定量 SDS−ポリアクリドアミド電気泳動法を用いて
銀染色後のデンシトメトリーを行い、予め作成し
た2重鎖u−TPAの検量線から求めた。 実施例 1 本発明の製剤添加量のFCLT活性への影響 u−TPA遺伝子を有するベクタターを挿入し
たマウスC−127細胞を培養し、精製して得られ
た1重鎖/2重鎖比98/2のu−TPAを用いて、
25400単位/mlのFCLT活性を有するu−TPA溶
液(0.3M NaC1,0.03M酒石緩衝液、0.02重量%
ツイーン80を含む、PH5.0)を得た。この溶液お
よび溶液量の0.5重量%のツイーン80および5重
量%のアルブミン、ゼラチン(参照例)デキスト
ラン又は糖類を添加した溶液を得た。この溶液を
0.02%のツイーン80を含む生理食塩水で200倍に
希釈し、FCLT活性を測定した。その結果を第1
表に示す。 比較例 1 アルギニンのFCLT活性への阻害効果 実施例1のu−TPA溶液に溶液量の5重量%
のアルギニン・塩酸を添加した溶液を用い、実施
例1と同様の実験を行なつた。その結果を実施例
1と共に第1表に示す。 第1表の実施例と比較例より本発明に用いられ
る添加物はFCLT活性に影響しないのに対し、ア
ルギニンはu−TPAと相互作用し、活性を低下
させることがわかる。 【表】 【表】 実施例 2 本発明の製剤処方に於る溶解度 実施例1と同様の方法で得た1重鎖/2重鎖比
90/10のu−TPAを用いて、FCLT活性4130000
単位/ml(7mg/ml)の溶液(1.6Mチオシアン
化カリ、0.02%ツイーン80を含む)を得た。この
溶液の一部、250μずつコロジオンバツグ
SM13200に入れ、それぞれ1重量%のマンニト
ールを含む30mM酒石酸緩衝液(PH4.8,5,5.5)
又は1重量%のマンニトールを含む30mMクエン
酸緩衝液(PH4.8,5,5.5)に対し4℃で透析
し、2時間をかけて完全に溶媒置換を行なつた。
透析終了後、遠心分離(4℃、16000r.p.m)を行
ない、上清中のu−TPA濃度をS−2288活性測
定法を用いて計算した。 この結果を第1図に示す。図中●は酒石酸緩衝
液、〇はクエン酸緩衝液の場合をそれぞれ示す。 更に、1重量%のマンニトールを含むmM酒石
酸緩衝液(PH4.8,5)に食塩を種々濃度添加し
た液に対し透析し、溶解度を測定した結果を第2
図に示す。第2図中、□はPH4.8、●はPH5の場
合の結果をそれぞれ示す。 第1図より本発明のPH4〜6の溶液では高い溶
解度が得られることがわかる。また第2図より塩
濃度を上げることに依り、更に高い溶解度が得ら
れることがわかる。 比較例 2 本発明の製剤処方のPH領域以外での溶解度 実施例2のu−TPA溶液250μずつ用いて、
0.02重量%のツイーン80を含む30mMのリン酸緩
衝液(PH7.0,6.5)に対し、同種に透析し、同様
の方法で溶解度を求めた。この結果を第1図の□
の点で示す。第1図より中性付近では高い溶解度
が得られないことがわかる。 実施例 3 本製剤処方の溶液状態での安定性 実施例1と同様の方法で得た1重鎖/2重鎖比
98/2のu−TPAを用いて、310000単位/mlの
FCLT活性を有するu−TPA溶液(0.3M NaCl,
0.03M酒石酸緩衝液、0.02重量%ツイーン80を含
む、PH5.0)を得た。この溶液10mlずつを透析チ
ユーブに入れ、1重量%のマンニトール、0.02重
量%のツイーン80および1×10-6Mのセトラキセ
ートを含むPH5.5,5,4.5の各緩衝液に対し、4
℃で透析し、8時間をかけて完全に溶媒を置換し
た。透析終了後の液をポリプロピレン容器に移し
密閉後、37℃の恒温槽に入れ、7日後にサンプリ
ングし、1重鎖/2重鎖比及びFCLT活性を測定
した。その結果を第2表に示す。 比較例 3 本発明の製剤処方のPH領域以外での溶解度 実施例3で得られたu−TPA溶液の100mlずつ
を用いて、1重量%のマンニトール、0.02重量%
のツイーン80および1×10-6Mのセトラキセート
を含むPH9,7.0,6.5および3.5の種々緩衝液に対
し、同様の方法で溶媒置換を行つた。実施例3と
同様の試験で得られた1重鎖/2重鎖比、及び
FCLT活性の測定結果を実施例3の結果と共に第
2表に示す。 第2表より本発明の製剤処方のPH領域では、そ
れよりアルカリ側、酸性側に比べ、活性の保持率
も高く、2重鎖への変換が少ないことがわかる。 【表】 【表】 実施例 4 本製剤の凍結乾燥時及び凍結乾燥後の安定性 実施例1と同様の方法で得た1重鎖/2重鎖比
99/1のu−TPAを用いてFCLT活性265000単
位/mlのu−TPA溶液(0.3M NaCl、0.03M酒
石酸緩衝液、10-6Mセトラキセートを含む、PH
5)を得た。これを種々濃度の非イオン界面活性
剤およびアルブミン、ゼラチン(参考例)、糖類
またはデキストランを含む溶媒(0.3MNACl、
0.03M酒石酸緩衝液、10-6Mセトラキセートを含
む、PH5)で2倍に希釈し、非イオン界面活性剤
を0.001〜1重量%の濃度で含み、更にアルブミ
ン、ゼラチン(参考例)、糖類またはデキストラ
ンを0.01重量%以上の濃度で含む調製液を得た。
これを20mlのシリコンコートバイアルにそれぞれ
4mlずつ分注した。これを通常の方法で凍結乾燥
し、得られた凍結乾燥製剤およびこれを60℃の恒
温槽中に3日間保持した時のFCLT活性を測定し
た。この結果を第3表に示す。 比較例 4 本発明の製剤処方外の場合の凍結乾燥時及び凍
結乾燥後の安定性 実施例4と同様のu−TPA溶液を用い、これ
を種々濃度の非イオン界面活性剤、アルブミン、
ゼラチン(参考例)、糖類またはデキストランの
それぞれ単独を含む溶媒(0.3M NaCl、0.03M酒
石酸緩衝液、10-6Mセトラキセートを含む、PH
5)で2倍に希釈し、非イオン界面活性剤、アル
ブミン、ゼラチチン(参考例)、糖類またはデキ
ストランのそれぞれを単独で含む調製液を得た。
一方、非イオン界面活性剤およびアルブミン、ゼ
ラチン、糖類またはデキストランを本発明の処方
の範囲外の組合せでなる調製液を得た。これらを
実施例4と同様に凍結乾燥し、凍結乾燥時及び凍
結乾燥後の安定性をみた。この結果を実施例4の
結果と併せて第3表に示す。第3表より、本製剤
処方のすぐれた安定性がわかる。 【表】 【表】 【表】 【表】 実施例 5 実施例1と同様の方法で得た1重鎖/2重鎖の
比が90/10であu−TPAを用いて、FCLT活性、
5070000単位/ml(8mg/ml)の溶液(1.6Mチオ
シアン化カリ、0.02重量%ツイーン80を含む)を
得た。この溶液の一部、250μずつをコロジオ
ンバツクSM13200に入れ、それぞれ、0.02重量%
ツイーン80および1重量%のアルブミン、マンニ
トールまたはデキストランを含む30mM酒石酸緩
衝液(PH4.8)に対し、4℃で透析し、6時間か
けて完全に溶媒置換を行つた。透析終了後、遠心
分離(4℃、16000r.m.p.)を行い、上清中のu
−TPA濃度(mg/ml)をS−2288活性測定法を
用いて計算した。この結果を第4表に示す。 第4表から、PH4〜6の緩衝溶液を使用するこ
とにより、高い溶解度が得られることがわかる。 比較例 5 実施例5のu−TPA溶液250μずつを用いて、
0.02重量%ツイーン80および1重量%のアルブミ
ン、マンニトールまたはデキストランを含む
300mM NaCl水溶液に対し、同様に透析し、同
様の方法で溶解度(mg/ml)を求めた。この結果
を第4表に示す。 第4表から、1重量%のアルブミン、マンニト
ールまたはデキストランおよびツイーン80のみで
は、高い溶解度が得られないことがわかる。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図はPHと溶解度の関係を示したものであ
り、図中●は酒石酸緩衝液(実施例2)、○はク
エン酸緩衝液(実施例2)、□はリン酸緩衝液
(比較例2)のそれぞれ30mMを用いたときの溶
解度を表わす。第2図は5mMの酒石酸緩衝液に
食塩を添加したときの溶解度の変化を示したもの
であり、図中●はPH5、□はPH4.8の溶解度を示
す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 (1)実質的に1重鎖からなるヒト子宮組織由来
    プラスミノーゲン活性化因子、(2)0.001〜1重量
    %の非イオン界面活性剤および(3)0.01重量%以上
    のアルブミン、糖類およびデキストリンからなる
    群から選ばれた1種または2種以上の化合物およ
    び(4)0.002〜0.5Mの酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液
    および酒石酸緩衝液からなる群から選ばれた緩衝
    液を含有するPH4〜6の緩衝溶液又は該溶液を凍
    結乾燥して得られたものであることを特徴とする
    ヒト子宮組織由来プラスミノーゲン活性化因子製
    剤。
JP61137015A 1986-06-12 1986-06-12 ヒト子宮組織由来プラスミノ−ゲン活性化因子製剤 Granted JPS62292729A (ja)

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JPS60248621A (ja) * 1984-05-23 1985-12-09 Kowa Co 一本鎖組織プラスミノ−ゲンアクチベ−タ−の安定化方法
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GB8513358D0 (en) * 1985-05-28 1985-07-03 Wellcome Found Formulation

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