JPH0477506B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、被検者のＸ線透視像を表示するとと
もに、カテーテルを前記被検者の目的部位に導く
ためのロードマツプ像を表示するＸ線診断装置に
関する。

（従来の技術） Ｘ線血管造影撮影を行なうＸ線診断装置におい
ては、サブトラクシヨン等の機能を備え、Ｘ線透
視像に血管を重ね合せ、カテーテルの進行方向を
誘導するロードマツピツングという機能が知られ
ている。

第３図は従来のＸ線診断装置におけるロードマ
ツピング機能を用いてロードマツピング像を得る
ためのフロー図である。同図において、ｔはロー
ドマツピング像を得るためのフロー時間を表わ
す。

まず、図示しない被検体の血管にカテーテルを
挿入し、且つ造影剤を注入する。そしてTVモニ
タに透視されたＸ線透視像を見ながら、血管の内
部を前記カテーテルが進行するように操作する。
しかし、Ｘ線透視像には血管の内部が映らないた
め、カテーテルが血管の内部を進行しているかわ
からず、操作がしにくい。

そこで造影剤をカテーテルの先端から注入する
と、これからカテーテルが進行すべき血管が造影
される。そして血管が最も良く染まつた画像Ｂと
造影剤を注入する前の画像Ａとを減算手段２１に
よりサブトラクシヨンすると、背影は消去され、
血管のみの画像ＣがTVモニタ２０に得られる。
さらにその血管像ＣとＸ線透視像Ｄとを加算器２
２より加算、すなわち重ね合せると、血管が映つ
た透視像が得られる。すなわちロードマツプ像Ｅ
が得られるので、この血管に添つて前記カテーテ
ルを進行すれば、カテーテル操作が非常に簡単に
なる。

（発明が解決しようとする課題） 然し乍ら、従来のＸ線診断装置におけるロード
マツピングには、つぎのような問題がある。

第４図は前述した従来のロードマツピングによ
りTVモニタ２０に映つたロードマツプ像を示す
図である。同図において、２３はある程度の幅を
有し複数の方向に血流を分岐させる血管である。
この血管２３の内部に黒く図示され、血管造影撮
影のためのカテーテル２４が挿入されている。す
なわちロードマツピングにおいて得られるロード
マツプ像は、一般にカテーテル２４が黒い画像に
映され、これに対して血管２３が白い画像に映さ
れている。このためカテーテル２４の黒い画像が
血管２３の白い画像に相殺され、カテーテル２４
の先端が見えにくいものとなつていた。また血管
２３の内部が白くなつているため、血管２３の内
部の透視像が見えなくなつていた。

そこで本発明の目的は、血管の内部に挿入され
たカテーテルを見易くできるロードマツプ像を
得、術者の負担を軽減し得るＸ線診断装置を提供
することにある。

［発明の構成］ （課題を解決する為の手段） 本発明は上記の問題を解決し目的を達成する為
に次のような手段を講じた。本発明は、Ｘ線源か
ら曝射された被検者を透過したＸ線をイメージイ
ンテンフアイヤにより光学像に変換し、その光学
像をTVカメラで画像入力してモニタに透視像を
表示し、この透視像を見ながら前記被検者の血管
の内部にカテーテルを挿入し且つ血管造影剤を注
入し、前記血管造影剤注入前の画像と血管造影剤
注入後との画像を減算手段によりサブトラクシヨ
ンして血管像を得、この血管像と前記透視像とを
加算手段により加算してロードマツプ像を得るＸ
線診断装置において、前記減算手段から入力する
血管像に基き血管の両側のエツジのみを検出出力
する検出手段と、この検出手段からの検出出力に
基き血管のエツジのみを強調して画像を生成しこ
の生成画像を前記加算手段に出力する画像生成手
段と、を備えるようにした。

（作用） このような手段を講じたことにより次のような
作用を呈する。検出手段によりサブトラクシヨン
された血管像に基き血管のエツジが検出され、さ
らに画像生成手段により血管のうち血管エツジの
みが強調され血管内部が中抜きされて画像が生成
される。したがつて、生成画像に前記透視像を重
ね合せると、血管の内部には透視像が挿入され、
且つカテーテルが良く見えるようになる。またこ
れによりカテーテル操作が容易になるので、術者
の負担を軽減することができる。

（実施例） 第１図は本発明に係るロードマツプ像を表示す
るＸ線診断装置の概略構成を示すブロツク図であ
る。第１図において、Ｘ線管１は被検者２にＸ線
を曝射するものであり、イメージインテンフアイ
ヤ３は被検者２の透過したＸ線を入力し、光学像
に変換するものである。TVカメラ５はレンズ等
の光学系４を介してイメージインテンフアイヤ３
からの光学像を入力し、TV映像信号に変換する
ものである。

画像処理装置６は、前記TVカメラ５からの
TV映像信号を画像処理するものであり、次のよ
うに構成されている。

Ａ／Ｄ変換器７はTV映像信号をデイジタル信
号に変換するものである。イメージメモリ８は、
被検者２へ血管造影剤を注入する前においてＡ／
Ｄ変換器７から入力するデイジタル化された透視
像を記憶するものである。イメージメモリ９は、
被検者２へ血管造影剤を注入した後においてＡ／
Ｄ変換器７から入力するデイジタル化された透視
像を記憶するものである。減算器１０は前記イメ
ージメモリ８およびイメージメモリ９からそれぞ
れ入力するデイジタル化された透視像をサブトラ
クシヨンして血管像を得るものである。エツジ検
出器１１は減算器１０から入力するサブトラクシ
ヨンされた血管像に基き血管のエツジを検出する
ものである。イメージメモリ１２エツジ検出器１
１から入力する画像データを格納するものであ
る。ウインドウ回路１３はイメージメモリ１２か
ら入力する血管のエツジの部分のみの画像を強調
したり、重ね合せるエツジ血管の画像の強度を調
整するものである。またエツジ検出器１１の方法
としては、例えば従来より一般に知られている
Sobel filterのようなものを使用すれば良い。こ
のSobel filterにより得られるエツジは、途中跡
切れしたりすることもあるが、ロードマツピング
の目的には十分に使用できる。つまり完全なエツ
ジを作成する必要はない。加算器１４は、ウイン
ドウ回路１３から入力するエツジ生成画像とＡ／
Ｄ変換器７から入力する透視像を加算してロード
マツプ画像を得、このロードマツプ画像をアナロ
グ信号に変換するＤ／Ａ変換器１５を介してTV
モニタ１６に出力するものである。

第２図はウインドウ回路１３により生成された
画像を示す図である。同図において、血管２３ａ
はエツジ処理され且つ強調処理されているので、
血管２３ａのエツジ部２３ｂの輪郭がある幅をも
つて構成されている。また血管内部２３ｃには黒
いカテーテル２４が挿入され、前記エツジ部２３
ｂとカテーテル２４との間は中抜き処理されてい
る。

次にこのように構成された実施例の作用を説明
する。まず、Ｘ線管１から曝射された被検者２を
透過したＸ線は、イメージインテンフアイヤ３に
より光学像に変換され光学系４を介して、TVカ
メラ５によりTV映像信号に変換される。さらに
このTV映像信号は、画像処理装置６に取込ま
れ、Ａ／Ｄ変換器７によりデイジタル化された透
視像に変換される。そしてまず最初に被検者２の
血管に造影剤を注入する前における透視像は、イ
メージメモリ８に格納される。次に被検者２の血
管に造影剤を注入したときにおける画像はイメー
ジメモリ９に格納される。そしてイメージメモリ
８およびイメージメモリ９に格納された２枚の画
像は、減算器１０によりサブトラクシヨンされ
る。そうすると、サブトラクシヨン像のバツクは
消去され、造影剤により染まつた血管のみの画像
が得られる。次にエツジ検出器１１によりSobel
filter等の処理がされて血管のエツジのみが検出
されこの検出されたエツジデータはイメージメモ
リ１２に格納される。このデータは、ウインドウ
回路１３により血管のエツジ部分のみの画像が処
理され、かつ血管内部が中抜き処理されて画像が
生成される。そして生成された画像は、加算器１
４によりＡ／Ｄ変換器７から入力される透視像と
加算される。かくして血管のエツジのみ重ね合せ
たロードマツプ像は、Ｄ／Ａ変換器１５により
Ｄ／Ａ変換され、第２図に示す如くTVモニタ１
６に表示される。

したがつて、血管内部２３ｃが中抜きされてい
るので、血管の中の透視像が良く見えるようにな
り、カテーテルも良く見えるようになる。

このように本実施例によれば、エツジ検出器１
１によりサブトラクシヨンされた血管像に基き血
管のエツジが検出され、さらにウインドウ回路１
３により血管のうち血管エツジのみが強調され血
管内部が中抜きされて画像が生成される。したが
つて、生成画像に前記透視像を重ね合せると、血
管の内部には透視像が挿入され、且つカテーテル
が良く見えるようになり、血管のエツジが途切れ
る画像であつても血管の走行が明瞭になる。また
カテーテルが見易いことからカテーテル操作が簡
単になり、術者の負担を軽減することができるよ
うになる。

なお本発明は、上述した実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形実施可能であるのは勿論である。

［発明の効果］ 本発明によれば、Ｘ線源から曝射された被検者
を透過したＸ線をイメージインテンフアイヤによ
り光学像に変換し、この光学像をTVカメラで画
像入力してモニタに透視像を表示し、この透視像
を見ながら前記被検者の血管の内部にカテーテル
を挿入し且つ血管造影剤を注入し、前記血管造影
剤注入前の画像と血管造影剤注入後との画像を減
算手段によりサブトラクシヨンして血管像を得、
この血管像と前記透視像とを加算手段により加算
してロードマツプ像を得るＸ線診断装置におい
て、前記減算手段から入力する血管像に基き血管
の両側のエツジのみを検出出力する検出手段と、
この検出手段からの検出出力に基き血管のエツジ
のみを強調して画像を生成しこの生成画像を前記
加算手段に出力する画像生成手段と、を備えたの
で、血管の中に挿入されたカテーテルを見易くで
きるロードマツプ像を得ることができ、しかもカ
テーテルが見易いことからカテーテル操作が簡単
になり、術者の負担を軽減し得るＸ線診断装置を
提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るロードマツプ像を表示す
るＸ線診断装置の一実施例の概略構成を示すブロ
ツク図、第２図はウインドウ回路により生成され
たロードマツプ像を示す図、第３図は従来のＸ線
診断装置におけるロードマツピング機能を用いて
ロードマツピング像を得るためのフロー図、第４
図は従来のロードマツプ像を示す図である。 １……Ｘ線管、２……被検者、３……イメージ
インテンフフアイヤ、４……光学系、５……TV
カメラ、６……画像処理装置、７……Ａ／Ｄ変換
器、８，９……イメージメモリ、１０，２１……
減算器１、１１……エツジ検出器、１２……イメ
ージメモリ、１３……ウインドウ回路、１４，２
２……加算器、１５……Ｄ／Ａ変換器、１６，２
０……TVモニタ、２３……血管、２４……カテ
ーテル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被検体のＸ線透視像を撮影する手段と、 前記被検体の血管に血管造影剤を注入する前に
   得られた第１画像と、血管に血管造影剤を注入し
   た後に得られた第２画像と記憶する手段と、 前記第２画像から前記第１画像をサブトラクシ
   ヨンして血管像を求める手段と、 前記血管像から血管のエツジ像を抽出する手段
   と、 前記撮影手段から出力されるＸ線透視像と前記
   血管エツジ像とを重ね合わせてロードマツプ像を
   作成する手段と、 を具備することを特徴とするＸ線診断装置。