JPH04768B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ねじ締結作業を自動で行う自動ねじ
締め機に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来よりねじ締め作業は、その適用範囲が広く
製品の組立工程には欠かすことのできない作業で
ある。現在生産の自動化が大きく図られている中
ねじ締めの自動化は非常に重量であり、これまで
にも数多くの自動ねじ締め機が製作されている。

第１図は従来の自動ねじ締め機を示すものであ
る。第１図において、ホツパー部１に貯溜された
ねじはブレード２によつてすくい上げられ、シユ
ート部３に整列される。整列されたねじは、シユ
ート部３を流下し、エスケープ部４で１箇づつ分
離されキヤツチヤー部５へ送り込まれる。キヤツ
チヤー部５に保持されたねじは、キヤツチヤー部
５上方に位置し、かつ昇降用シリンダー６に連動
した吸着パイプ７によつて吸着され、締付位置ま
で下降し、回転駆動源であるドライバー８に連結
したビツト９によつて締付けられる。

しかしながら、このような構成のねじ締め機で
は、キヤツチヤー部５でのねじの上下方向を規正
する規正材を設けることができず、首下の短いね
じの場合、ねじの重心がねじ頭部あるいはそれに
近い位置にあるため、ねじが傾斜したシユート部
３から水平なキヤツチヤー部５へ移る際、シユー
ト部３とキヤツチヤー部５との角度の違いや、流
下の勢いによつてねじのはね上りが起り、キヤツ
チヤー部５にてねじが反転し、安定したねじ供給
を行うことができず、従来よりこのような首下の
短いねじの、ねじ締めの自動化は不可能であつ
た。

発明の目的 本発明は上記欠点に鑑み、ねじ供給途中にねじ
の反転が起ることなく安定したねじ供給を行うこ
とによつて、首下の短いねじであつても確実なね
じ締め作業ができる自動ねじ締め機を提供するも
のである。

発明の構成 本発明の自動ねじ締め機はエスケープ部にて分
離したねじを直接キヤツチヤー部へ流下させるの
ではなく、一旦水平シユート上に保持し、前記水
平シユート上部に頭規正ブロツクを設ける事のよ
りそれまで不可能であつた傾斜シユート部からキ
ヤツチヤー部へのねじの移動時のねじのはね上り
等の動作を抑える事を可能とし、その後プツシユ
ロツドにてねじの姿勢を一定に保つたままキヤツ
チヤー部へ押し込むため、首下の短いねじであつ
ても傾斜シユート部とキヤツチヤー部との間で反
転する事がなく、確実にねじをキツチヤーへ供給
する事ができるもので、またプツシユロツドを作
動させるエアーシリンダーをエスケープ用にも兼
用して、構成を簡単にしたものである。

実施例の説明 以下本発明の一実施例について第２図から第７
図によつて説明する。

１０はホツパー部（図示せず）によつて整列さ
れたねじでブロツク１１に固定された傾斜シユー
ト１２上に整列されている。１３は頭規正板でね
じ１０の上下方向を規正しており、ねじの寸法に
合せて上下方向に調整可能に傾斜シユート１２に
取付けられている。１４は傾斜シユート１２の下
端に位置する水平シユートで、ベース１５に取付
けられている。１６は水平シユート１４上のねじ
１０の上下方向を規正する頭規正ブロツクで、ね
じ１０の寸法に合せて調整可能にブロツク１１に
固定された垂直板１７に取付けられている。１８
は傾斜シユート１２を流下したねじ１０ａを水平
シユート１４上で停止させるねじストツパーで、
ストツパーピン１９を中心に回転可能に頭規正ブ
ロツク１６に支持されており、かつストツパーば
ね２０にて流下したねじ１０ａを停止可能な方向
に位置決めされている。

２１は水平シユート１４上のねじ１０ａをキヤ
ツチヤー部へ送り込むプツシユロツドで、水平シ
ユート１４後方に位置しベース１５上を摺動可能
に、ベース１５に固定された一対のガイド２２に
て保持されている。２３は前記プツシユロツド２
１に前後動作を与える単動式のエアーシリンダー
であり、シリンダブラケツト２４にてベース１５
に固定されている。また、前記エアーシリンダー
２３先端には、当り板２５が取付けられており、
後端にはスピードコントローラ２６が取付けられ
ている。２７はエアーシリンダー２３の行限を調
整するシリンダーストツパーで、前後方向に調整
可能にガイド２２に取付けられている。２８はプ
ツシユロツド２１下部のベース１５に形成された
長穴内に位置し、プツシユロツド２１が常時後方
へ位置するよう力を及ぼす引張ばねで、プツシユ
ロツド２１下部に取付けられたばね掛けピンＡ２
９とベース１５に取付けられたばね掛けピンＢ３
０との間に取付けられている。

３１は傾斜シユート２１上のねじ１０を１箇づ
つ分離するためのアームで、ESピン３２を支点
として揺動可能にブロツク１１に取付けられてい
る。３３及び３４はアーム３１の揺動運動によつ
てねじ１０に交互に当接し、ねじ１０を１箇づつ
分離する爪Ａ及び爪Ｂで、アーム３１の両先端に
取付けられている。３５はアーム３１に揺動運動
を与えるESロツドで前方端は、アーム３１との
間で回転可能に取付けられており、後方端は当り
板２５に形成された穴を通り先端にはESばねＲ
３６とESカラー３７が取付けられている。３８
はESロツド３５が後方へ移動した後、再び前方
へ復帰させるためのESばねＦで、ESロツド３５
と、垂直板１７に圧入されたピン３９との間に取
付けられている。４０はアーム３１の揺動の振幅
を調整するアジヤストボルトで頭規正板１３に取
付けられている。

４１はねじを吸着保持する吸着パイプで、ブロ
ツク１１によつてガイドされ、昇降用シリンダー
（図示せず）に上方を連結され上下方向に運動す
る。吸着パイプ４１内にはねじ１０ａを回転させ
るビツト４２があり、上部のドライバー（図示せ
ず）に連結されている。４３プツシユロツド２１
によつて押し出されたねじを吸着パイプ４１の下
方にて受けるキヤツチヤーで、水平シユート１４
から連続するようねじ径よりわずかに広い溝が形
成されており、ブロツク１１に取付けられたホル
ダー４４にCTピン４５を支店に軸支され、かつ
吸着パイプ４１の押し下げに反する方向にCTバ
ネ４６が取付けられている。４７はキヤツチヤー
４３の位置を調整するCTストツパーでホルダー
４４に上下方向に位置調整可能に取付けられてい
る。

第７図は本発明の一実施例の空圧回路図であ
る。４８は空圧源、４９はエアーフイルターと圧
力調整を兼ねたインテグレータ、５０はエアー圧
力の低下時、ドライバー部の自重による落下を防
ぐ落下防止シリンダー、５１はドライバー部用昇
降シリンダ５２を制御する電磁弁、５３は昇降シ
リンダ５２へのエアー圧力を調整するレギユレー
タ、５４は昇降シリンダ５２の速度を調整するス
ピードコントローラ、５５は吸着パイプ４１にて
ねじを吸着する際に、吸着パイプ４１内に真空を
発生させる真空発生器、５６はフイルター、５７
はマフラー、５８はエアーシリンダー２３の動作
を制御するマイクロバルブでドライバー部上限位
置にある時に作動する。

以上のように構成された自動ねじ締め機につい
て、以下その動作を説明する。

まず、エスケープ部によつて分離されたねじ１
０ａは頭規正板１３によつて上下方向を規正され
つつ傾斜シユート１２上を流下する。水平シユー
ト１４上に達すると方向を平方向に変えてさらに
前方へと流れるが、ねじ１０ａが方向を変える際
はね上つても、ねじ１０ａの上下方向は規正ブロ
ツク１６によつて規正され続けているため、ねじ
１０ａは反転する事なく正確に水平シユート１４
に乗り移る。流下によつて勢いのついたねじ１０
ａはねじストツパー１８によつて水平シユート１
４上に停止させられる。次にねじ締めが終了しド
ライバー部（図示せず）が上昇すると、前記ドラ
イバー部がメカニカルバルブ５８を作動させるこ
とによりエアーシリンダー２３が動作し、プツシ
ユロツド２１が前進する。ねじ１０ａは水平シユ
ート１４を規正ブロツク１６によつてガイドされ
ているため、プツシユロツド２１の前進によつて
そのままの姿勢でキヤツチヤー４３の溝部へ押し
込まれる。この時ねじストツパー１８はプツシユ
ロツド２１上方へ押し上げられているその後ねじ
締めのため電磁弁５１が作動し、昇降シリンダー
５２によつてドライバー部が下降すると、メカニ
カルバルブ５７の作動が停止するため、エアーシ
リンダー２３の動作は終了し、プツシユロツド２
１は引張バネ２８の力によつて後退し、ねじスト
ツパー１８はストツパーばね２０によつて元の状
態に戻る。

このねじ押し込み動作と並行してエスケープ部
では、まずエアーシリンダー２３の作動によつて
当り板２５がSEロツド３５後端のESバネＲ３６
からはなれるため、アーム３１はESバネＦ３８
によつて第６図のＤ方向へ揺動し爪Ｂ３４にねじ
１０ｂが当接する。次にエアーシリンダー２３の
作動が終ると当り板２５がESバネＲ３６と介し
てESロツド３５を後退させるため、アーム３１
は第３図のＥ方向へ揺動し爪Ｂ３４はねじ１０ｂ
から外れ、傾斜シユート上を流下させ、代つて爪
Ａ３３がねじ１０ｃと当接する。従つてプツシユ
ロツド２１のねじ押込み動作が終了すると、次の
ねじ１０ｂが水平シユート１４上に分離される。

電磁弁５１が作動するとドライバー部の下降と
同時に真空発生器５５によつて吸着パイプ４１内
が真空となり、ドライバー部の下降によつて吸着
パイプ４１先端にねじ１０ａを吸着保持し、さら
にキヤツチヤー４３を押し開きねじ締め位置まで
下降し、ビツト４２によつてねじ締めが行なわれ
る。

ねじ締めが完了すると電磁弁５１の作動が停止
し昇降用シリンダーによつて吸着パイプ４１は元
の位置へ上昇し、キヤツチヤー４３はCTバネ４
６によつて元の位置へ閉じる。さらにドライバー
部の上昇によつてメカニカルバルブが作動するこ
とによりエアーシリンダー２３の動作でプツシユ
ロツド２１が次のねじ１０ｂをキヤツチヤー４３
へ押し込む。

以下前記動作を繰り返す。

以上のように、エスケープ部にて分離されたね
じを一旦水平シユート部にて受け、その後ねじの
姿勢を一定に保ちながらキヤツチヤー部へ押し込
むため、首下の短い姿勢の不安定なねじであつて
も確実にねじをキヤツチヤー部へ供給する事がで
きる。

なお、本実施例では傾斜シユート１２から流下
するねじ１０を受け止めるねじストツパー１８を
設けたが、水平シユート１４の水平部分が充分長
ければねじストツパー１８はなくても良い。

また、エアーシリンダー２３は単動式とした
が、複動式であつても良い。

発明の効果 以上のように本発明は、ねじ押し込み部を設け
ることにより、シユート部からキヤツチヤー部間
までねじ頭の規正を行うことが可能で、首下の短
い姿勢の不安定なねじであつても確実にねじをキ
ヤツチヤー部へ供給する事ができる。

また、メカニカルバルブによつて、ドライバー
部の上限位置を検出し、ねじ押し込み用のエアー
シリンダーを動作させており、さらにエスケープ
部でのねじ分離動作をねじ押し込み用のエアーシ
リンダーの動作によつて行つているため、機械の
構成が非常に簡単である。

従つて首下の短いねじであつても簡単な構成に
よつて自動にて確実なねじ締めを行うことができ
生産工程の自動化に対してその結果は大なるもの
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動ねじ締め機の概観側面図、
第２図は本発明の一実施例におけるシユート部、
ねじ押込部、エスケープ部、キヤツチヤー部を示
す側面図、第３図は第２図におけるＡ方向矢視
図、第４図は第２図におけるＢ方向矢視図、第５
図はキヤツチヤー部へのめじ押込みの状態を示し
た側面図、第６図は第５図におけるＣ方向矢視
図、第７図は同実施例の空圧回路図である。 １２……傾斜シユート、１３……頭規正板、１
４……水平シユート、１６……頭規正ブロツク、
１８……ねじストツパー、２０……ストツパーば
ね、２１……プツシユロツド、２３……エアーシ
リンダー、２５……当り板、３１……アーム、３
３……爪Ａ，３４……爪Ｂ、３５……ESロツド、
４１……吸着パイプ、４２……ビツト、４３……
キヤツチヤー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ねじを整列する傾斜シユートと、ねじの上下
   方向を規正する頭正板と、前記傾斜シユート下部
   に位置し、傾斜シユートから流下されたねじを水
   平に保持可能な水平シユートと、前記水平シユー
   トに保持されたねじの上下方向を規正するよう固
   定して設けられた頭規正ブロツクと、前記傾斜シ
   ユートから流下されたねじを前記水平シユート上
   に停止させるねじストツパーと、前記ねじストツ
   パーを復帰させるストツパーばねと、前記ストツ
   パーばねにより停止され、かつ頭規正ブロツクに
   より上下方向を規正され、前記水平シユート上に
   保持されたねじを前記ストツパーばねに抗してキ
   ヤツチヤーへ押込むプツシユロツドと、前記プツ
   シユロツドに前後動作を与えるエアーシリンダー
   と前記エアーシリンダーの動作をアームに伝達す
   る伝達手段と、前記傾斜シユート上に整列された
   ねじを分離するアームと、前記アームの両端に取
   付けられた一対の爪と、前記プツシユロツドによ
   り押し出されたねじを保持するキヤツチヤーと、
   ねじを吸着保持する吸着パイプを吸着パイプ内に
   位置しねじを回転させるビツトとを有する自動ね
   じ締め機。