JPH0469305A - 低分子量キトサンを使用した芝の防除方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は芝の栽培に関し、春の芽出し期に部分的に芽が
出ないかもしくはわずかじか発芽しない「春はげ症」を
改善する芝の防疫方法に関する。

（従来技術及び発明が解決すべき課題）芝は公園とか、
ゴルフ場とか非常になじみやすいものであるが、その管
理、育成については大変である０例えば、Ｃｅｒａｔｏ
ｂｏｓｉｄｕｍ　Ｃｏｒｎｉｇｅｒｕｍによる春はげ症
とかＲｈ１ｚｏｃｔｏｎｉａ　５ｏｌａｎｉによる葉腐
病（ラー７バノチ）にかかりやすく、日本のゴルフ場に
おいては年々歳々、強い農薬を使用するとか使用量の増
加傾向をきたし、その結果河川とか地下水の農薬汚染問
題を引きおこし、深刻な社会問題を提起するにいたった
。

これらの問題を回避する方法として、天然有機物で人畜
無害であるキチン、キトサンが注目された。

キトサンの抗菌性については、食品工業界において、検
討が開始され、例えばフードケミカル（１９８８−２）
の２２ページのキチン、キトサンの抗菌性（内田泰：佐
賀大農）によればＦｕｓａｒｉｕ−属のカビに対して０
．１％濃度で増殖を抑制し有効である事を説明している
が他の植物病原菌であるＢ−ｏｔｒｙｔｉｓ病、Ｐｅ５
ｔａｌｏｔ　ｉａ属及びＲｈ１ｚｏｐｕｓ属、１ｌｕｃ
ｏｒ属、Ｐｅｎｉｃｉｌｌｉｕｍ属、Ａｓｐｅｒｇｉｌ
ｌｕｓｌＸ等のカビに対しては０．１％濃度では抑制効
果は見られないと説明している。

一方、細菌増殖抑制についてもＰ、　ａｒｅｒｕｇｉｎ
ｏｓａ、Ｂ、５ｕｂｔｉｌｉｓ、　Ｓ、ａｕｒｅｕｓに
対し有効であると説明している。

このようにキトサンはカビ類及び細菌類に対して興味あ
る効果を示すが、日本経済新聞１９９０年５月２９日に
よれば、カニ殻から蛋白質を除いた原料を微生物のエン
トロバクター菌で処理して得た水溶性のグルコサミンポ
リマーが芝の病気であるラージパッチに有効である記事
を記載している。キトサンは水に不溶であるが、微生物
分解等によりキトサンオリゴ糖となれば、水に可溶とな
る。これらの水溶性牛トサン、即ちキトサンオリゴ糖に
ついては島根大学、検出教授によれば、農芸化学会年次
大会発表で微生物処理キトサンはアセチル残基が５０〜
４０％で糖鎖が単量体から８量体であり、５及び６量体
が主成分であると説明し、フザリュウム菌の場合は７糖
体以上キトサンオリゴ糖が有効であるとのべている。

本発明者等は芝の病気である春はげ症とか葉質病に対し
て最も効果のあるキトサンとその使用方法について鋭意
検討を加えた。

（課題を解決するための手段） 上記の目的は（１）分子量３．０００以上、３０．００
０以下からなる低分子量キトサンを濃度として０．０５
重量％以上、０．５重量％以下の範囲で二叉ＰＨを５．
０以上６．５以下に調整し、これを芝の１平方メートル
当たり５００ｚ（１以上１１０００ｚ以下の使用量で少
なくとも１回以上散布もしくは土壌潅水する事により達
成される。

キトサンは天然物であるカニ殻等に含まれるキチンより
誘導される物質であり、製法としては例えば粉砕したカ
ニ殻を室温下に希酢酸で処理して付着しているタンパク
質を除去し、次いで１２０℃荊後の濃いアルカリで脱ア
セチル化して分子量が５０万前後のキトサンを定法通り
得ることが出来る。

本発明で用いられるキトサンは分子量をさらに低下せし
めて微生物の細胞壁及び植物の細胞膜を透過しうる分子
量に改善したものであり、この透過性は分子１３．　Ｏ
［１０以上、３０．　Ｇｏｏ以下のものであれば良好で
あるか、この低分子量キトサンは次の方法で製造するこ
とが出来る。即ち、カニ殻より得られたキトサンを濃度
として４重量％として５０％過酢酸水溶液に溶解せしめ
、次いで６０°Ｃで４時間程度反応させ、さらに苛性ソ
ーダ水溶液でＰＨＩＯ５としたのち、３倍量（容積）の
アルコールを添加して低分子量キトサンの沈澱物を得る
。この沈澱物を水洗い、乾燥して製造することが出来る
。

このようにして、得られた分子量３．０００以上、３ｏ
、　ｏｏａ以下からなるキトサンはＰＨ５，０以上６゜
５以下、好ましくはＰＨ５，５〜６．５で用いられる。

低分子量キトサンは、００５重量％で植物に対する活性
が高まるが、微生物に対する静菌効果は０．１重量％で
効果的であり、キトサンオリゴ糖の２００倍希釈に較べ
２０００倍希釈液で有効となる。

なお、散布方法は発芽初期又は発病予想期に１週間に１
回以上、好ましくは数回程度圃場へ散布するか若しくは
潅水施用する。

（作　　用） 低分子量のキトサンを施用した植物はアジュバント活性
してキチン加水分解酵素であるキチナーゼや牛トサナー
ゼ及びキトビアーゼ、β−グルカナーゼを産生じて分子
内にカルポキ／ル基をもった微生物でキチン質を細胞壁
にもつ微生物の細胞壁やグルカンを加水分解する。細胞
壁を分解された微生物のキチン質オリゴ糖は、微生物自
身のＤＮＡよりＲＮＡの転写阻害を行い微生物の増殖を
を阻害する、又低分子量キトサンもＤＮＡやＲＮＡの合
成を阻害するといわれている。

一方低分子量のキトサンを施用された植物は、細胞内の
カル／ニウムイオン濃度が上昇しカルモジュリンと結合
し、植物のＤＮＡが賦活されファイトアレキンンなどの
抗菌物質の産生やリグニンを形成するフェニルアラニン
アンモニアリアーゼの産生が高まる。

（実施例） カニ殻より得たキトサンをさらに５０％過酢酸で処理し
、分子量範囲が３，０００から３０．０００の低分子量
キトサンを得た。

精製水１０ｇに低分子量キトサン５ｇを添加攪拌して溶
解し、重量濃度００５％の溶液を、ＰＨ５に調整した。

施用量は１平方メートル当たり５００ｉを１回施用した
。芝の防疫試験は、鳥取県果樹野菜試験場に依頼して、
前年リゾクトニアによる１春はげ症」多発圃場を使用し
、芝の成育休眠期の２月２２日に施用し、最終段階の調
査は３月２３日に実施した。

試験圃場の位置は、鳥取県東伯郡東伯町金屋の０．２ａ
の芝栽培圃場を試験圃場として実施し、同地区内の圃場
０．５ａてコントロールを、又同一地区内で殺菌剤グラ
ンサーＸ　−５００を使用した２０ａを対照としてデー
ターを取得した。結果を表１にボす。

表１より明らかなように低分子量キトサンは、リンクド
ニア閑の増殖阻害を行った。

（発明の効果） 低分子量キトサンは低ａ度の散布で芝の防除に効果的で
あり、しかも天然物のキチンより得られるものである事
より微生物分解も容易でしがも土壌中に残留化せず２次
汚染も全くせず、有用なる芝の防除剤である。

以上

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）分子量３，０００以上３０，０００以下からなる
   低分子量キトサンのＰＨ５．０以上、６．５以下の水溶
   液を用いて春はげ症であるリゾクトニア性担子菌類及び
   葉腐病の原因である担子菌類を静菌せしめる事を特徴と
   する芝の防除方法。
2. （２）低分子量キトサン溶液の濃度が０．０５重量％以
   上、０．５重量％以下である事を特徴とするクレーム１
   記載の芝の防除方法。
3. （３）１平方メートル当たり５００ｍｌ以上、１，００
   ０ｍｌ以下の使用量で少なくとも１回以上散布もしくは
   土壌潅水する事を特徴とするクレーム１及び２記載の芝
   の防除方法。