JPH0452217B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の背景） この発明はインクジエツトプリンタに、更に詳
しくは、少なくとも一つのジエツト点滴流からの
点滴がいずれかの極性の電荷を持つており且つそ
の後偏向静電界の通過時に二つの方向のいずれか
に偏向させられるような印刷装置及び印刷方法に
関する。

1978年４月18日パランペ（paranjpe）に発行
された米国特許第4085409号に示されたようなイ
ンクジエツトプリンタにおいては、一つ以上のジ
エツト点滴流における点滴は形成時に選択的に荷
電される。点滴は印刷ヘツドから出て来る流体フ
イラメントから形成される。ジエツト点滴流は移
動する印刷受止め媒体の方へ導かれるが、このジ
エツトの経路には電界が設けられているので、高
度に荷電した点滴は側方へ変位させられて点滴捕
獲装置に当たることになる。荷電していない点滴
及びより少ない電荷を持つた点滴は電界によつて
偏向させられないか又はわずかにしか偏向させら
れないので、電界を通過して印刷受止め媒体に当
たる。パランペ特許は、点滴が多くの異なつた荷
電レベルに荷電されており、従つて種種の量に偏
向させられるために、各ジエツト点滴流が印刷受
止め媒体上で多数の印刷位置を提供するようにな
つている多重ジエツトプリンタを示している。

ジエツト点滴流は一般にインクジエツトプリン
タにおいては印刷ヘツドの流体タンクに圧力下で
インクを供給することによつて形成される。印刷
ヘツドは、流体タンクと連通した、流体フイラメ
ントが出て来る多数のオリフイスを備えている。
代表的には、流体フイラメントは機械的に刺激さ
れて、一様な寸法及び間隔の点滴の流れに破断さ
せる。

点滴流における点滴の荷電は、点滴流の点滴形
成点に近接して荷電電極を配置し且つこの荷電電
極に流体フイラメントの電位とは異なつた電位を
印加することによつて行われる。従つて、電荷の
集中部分は流体フイラメントの先端部に形成さ
れ、そしてこの電荷は次の点滴がフイラメントか
ら破断されるときにこの点滴によつて運び去られ
る。

察知されるであろうが、印刷受止め媒体におけ
る正確な点滴配置は点滴の正確な荷電に一部分依
存する。荷電レベル誤差の一つの原因は点滴流に
おいて先に形成された点滴である。点滴流におけ
る点滴が電荷を持つていると仮定すれば、形成さ
れるべき次の点滴に誘起される電荷は荷電電極に
おける電圧と先に形成された点滴の所有する電荷
とによつて影響されることになる。察知されるで
あろうが、先に形成された点滴は次の点滴におい
て反対極性の電荷を誘起しようとする。それゆ
え、先に形成された点滴は荷電電極に加えられる
電圧の荷電効果をある程度変化させることにな
る。その結果生じる点滴荷電レベルの誤差のため
に、予期したよりも小さいか又は大きい点滴の偏
向が生じ、その結果印刷受止め媒体への点滴の誤
配等が生じる。

この現象は点滴間クロストーク（相互影響）と
呼ばれ、これは従来の装置においては連続した印
刷点滴間に「保護点滴」を挿入することによつて
補償されている。この保護点滴は連続した印刷点
滴に更に離隔距離を与えて印刷点滴間のクロスト
ークを減小させるものである。1971年２月９日ビ
シヨツフ（Bischoff）に発行された米国特許第
3562757号は、印刷受止め媒体上の付着に利用す
ることのできる点滴の間に保護点滴を設けてこの
保護点滴のすべてを荷電しないようにしたジエツ
ト点滴装置を示している。この非荷電の点滴は連
続して形成された荷電点滴の間の遮へい体として
作用するので、先に形成された荷電点滴は続いて
形成された点滴の保持する荷電レベルに悪影響を
与えない。

1974年９月３日チエン（Chen）に発行された
米国特許第3833910号は、連続した印刷点滴の間
に保護点滴が設けられているインクジエツトプリ
ンタを開示している。一つおきの点滴はそれぞれ
印刷上の必要に応じて選択的に荷電され、且つ介
在する保護点滴はそれぞれ先行する印刷点滴の電
荷に比例した反対極性の電荷で荷電される。その
結果、先行する印刷点滴からの次に形成される印
刷点滴へのクロストーク効果は中間の荷電した保
護点滴からの反対極性のクロストーク効果によつ
て実効上相殺される。

察知されるであろうが、多数のその他の要因が
移動印刷受止め媒体上にインク点滴の付着する正
確さに影響を与える。そのような要因には特に、
ジエツト点滴流に発生する点滴の質量の変動、イ
ンクの温度、圧力及び粘度の変化による点滴流速
度の変動、オリフイスの位置及び直線性における
製造誤差、荷電電極電圧のタイミングの不正確
さ、移動印刷受止め媒体の速度の変動、並びに点
滴の相互に及ぼす空気力学的効果による点滴流速
度の変動がある。

しかしながら、これらの誤差要因のあるものは
印刷点滴の偏向量をできるだけ大規模に減少させ
ることによつて最小限にすることができることが
認められている。1977年11月29日ヤマダ
（Yamada）に発行された米国特許第4060804号は
二つのインクジエツトノズルを持つたインクジエ
ツトプリンタを示している。各ノズルは、「継ぎ
目」に沿つて接している、印刷受止め媒体の各別
の帯域に沿つて印刷を行う。ヤマダは、継ぎ目に
沿つての点滴配置の正確さが最も重要であること
を認めているが、その理由は、点滴配置の継ぎ目
での誤差が印刷像における不連続性として観察者
に容易に明らかになるからである。誤差の量も最
も少なくするために、ヤマダが認めていることで
あるが、点滴配置の最高の正確さは印刷点滴を最
小量だけ偏向させること、従つて、点滴捕獲器を
通り越すのに必要な最少量だけ偏向させられる各
ノズルからの点滴で継ぎ目付近の印刷を行うこと
によつて得られる。しかしながら、察知されるこ
とであろうが、ヤマダの開示は２ノズル設計に専
ら限定されたインクジエツトプリンタ構造に関す
るものであり、且つ又、点滴配置正確度の改善は
各帯域の一方の縁部に沿つてのみ行われるもので
ある。

1971年７月27日スイート（Sweet）に発行され
た米国特許第3596275号はその第１１図、第１２
図ａ、第１２図ｂ及び第１３図において、連続し
た単一印刷点滴の間の対の保護点滴が十分に高い
荷電を受けていて偏向静電界によつて捕獲器に偏
向させられるようになつている構成を開示してい
る。印刷に使用される点滴は、第１２図ａに見ら
れるように、両極方式で見掛け上荷電されている
が、これはその点滴が正又は負の偏向電極の方へ
偏向させられるからである。スイートの開示は、
印刷受止め媒体上で広範囲に隔置されている印刷
位置に当てるためにはジエツトからの点滴を相当
に偏向させることが必要とされる単一ジエツトプ
リンタに関するものである。第１１図及びこれに
伴う説明にあるように、この装置はオシログラフ
として動作し、両極性の変動する電荷信号を受け
て、この信号の変動を表す曲線を印刷する。

従つて、ジエツト内の点滴間クロストークの影
響が補償されており且つ又印刷受止め媒体におけ
る点滴配置の正確さが点滴をわずかしか偏向させ
ないことによつて改善されているインクジエツト
プリンタに対する必要性の存在することがわか
る。

（発明の要約） 移動する印刷受止め媒体上の複数の印刷位置に
インクの点滴を付着させるためのイクジエツトプ
リンタにはその媒体の方へ導かれる点滴の少なく
とも一つのジエツト点滴流を発生するための印刷
ヘツド装置がある。荷電電極装置はジエツト点滴
流の点滴形成点に近接して配置され、又媒体に付
着するべきでない点滴を捕獲するために捕獲器装
置が設けられている。偏向電界装置はジエツト点
滴流における点滴が通過する電界を与える。荷電
装置は少なくとも二つ目ごとの点滴を保護荷電レ
ベルに荷電するために少なくとも二つ目ごとの点
滴の形成期間中に荷電電極に比較的高い保護点滴
電位を繰り返して加える。荷電電極は残りの点滴
の形成期間中荷電電極に選択的に、多くの比較的
低い印刷電位のいずれか一つを加えて残りの点滴
の多くの比較的低い印刷荷電レベルの関連の一つ
への両極性荷電を行うか、又は相当に大きい捕獲
電位を加えて残りの点滴の捕獲電位レベルへの荷
電を行う。保護点滴電位、印刷電位、及び捕獲電
位はすべて印刷ヘツド装置に対して同じ電気的極
性のものであり、点滴の両極性荷電は保護荷電レ
ベルを持つた先に形成された点滴からの点滴間ク
ロストークによつて得られるものである。保護荷
電レベルを持つた点滴及び捕獲電荷レベルを持つ
た点滴は偏向電界によつて捕獲器装置に偏向させ
られ、又印刷荷電レベルを持つた点滴は電界によ
つて媒体上の関連の印刷位置に偏向させられる。

荷電装置には荷電電極への捕獲電位又は印刷電
位の連続した印加の間の二つの連続した点滴の形
成期間中荷電電極に保護点滴電位を繰り返して加
うるための装置がある。荷電電極への保護電位又
は印刷電位の各印加は単一の点滴の形成に必要と
される時間中に行えばよい。

偏向電界装置には静電界を与えるための装置を
設ければよく、これによつて印刷荷電レベルを持
つた点滴は電界に平行なジエツト点滴流の初期軌
道から点滴の保有する電荷の極性に依存した方向
に偏向させられる。電界は印刷受止め媒体の移動
方向に対して傾斜した方向に延びていればよい。

インクジエツトプリンタには、印刷受止め媒体
の移動方向に対して傾斜した行に沿つて配置され
た、印刷受止め媒体の方へ導かれる複数のジエツ
ト点滴流を発生するための印刷ヘツド装置を設け
てもよい。複数の荷電電極が設けられていて、こ
の各電極はジエツト点滴流の関連のものの点滴形
成点に近接して配置されており、偏向電極に加え
られる電位に応じて点滴流の点滴に選択的に電荷
を誘起する。荷電装置は各ジエツト点滴流におけ
る少なくとも二つ目ごとの点滴の形成期間中は荷
電電極に保護点滴電位を繰り返して加え、又各ジ
エツト点滴流における残りの点滴の形成期間中は
複数の印刷電位のうちの一つか又は捕獲電位を前
記の電極に選択的に加える。印刷電位、捕獲電位
及び保護点滴電位はすべて印刷ヘツド装置に対し
て同じ電気的極性のものであり、又印刷電位は保
護点滴電位よりも相当に小さい。

捕獲器装置は印刷ヘツド装置と印刷受止め媒体
との間においてジエツト点滴流の行の一方側に配
置されていてそれに偏向した点滴を捕獲する。偏
向電界装置はジエツト点滴流が通過する偏向電界
を与える。電界は概して前記の媒体に平行に且つ
前記の行に垂直に延びている。捕獲電位で荷電さ
れた点滴は捕獲器装置に当たるように偏向させら
れ、保護点滴電位で荷電された点滴は捕獲器装置
に当たるように偏向させられ、又印刷電位で荷電
された点滴は前記の行のいずれかの側の、印刷受
止め媒体上の関連の印刷位置に偏向させられる。

荷電装置には荷電電極への捕獲電位又は印刷電
位の連続した印加の間の二つの連続した点滴の形
成期間中に荷電電極に保護点滴電位を繰り返して
加えるための装置がある。偏向電界装置には静電
界を与えるための装置があり、これにより印刷荷
電レベルを持つた点滴は電界に平行なジエツト点
滴流の初期軌道から点滴の保有する電荷の極性に
依存した方向に偏向させられる。

この発明は更に、点滴形成点の近くにジエツト
点滴流に近接して配置された荷電電極を用いた点
滴の両極性荷電によつて少なくとも一つのインク
ジエツト点滴流からの点滴の移動印刷受止め媒体
への付着を制御する方法を含んでいる。この方法
には、媒体の方へ導かれる点滴のジエツト点滴流
を発生する段階、少なくとも二つ目ごとの点滴の
形成期間中に荷電電極に保護点滴電位を加える段
階、及び残りの点滴の形成期間中に荷電電極に多
くの印刷電位のうち一つ又は保護電位を選択的に
加える段階がある。電極への保護点滴電位の印加
中に形成された点滴は保護荷電レベルを持つてい
る。電極への捕獲電位の印加中に形成された点滴
は捕獲荷電レベルを持つている。最後に、電極へ
の印刷電位の印加中に形成された点滴は対応する
両極性印刷荷電レベルを持つている。保護点滴電
位、捕獲電位及び印刷電位はすべて単極性であ
り、保護点滴電位は印刷電位よりも相当に大きい
大きさを持つている。電極への印刷電位の印加中
に点滴に誘起される電荷の大きさ及び極性は印刷
電位により発生させる電界及び先に形成された点
滴の持つている保護荷電レベルにより発生される
電界の関数である。

電極に保護点滴電位を加える段階は、電極への
印刷電位又は捕獲電位の連続した印加の間の少な
くとも一つの点滴の形成期間中に電極に保護点滴
電位を加える段階からからなることができる。こ
の方法には更に、点滴が通過する偏向電界を発生
する段階を含めて、これにより点滴がこれの持つ
ている荷電レベルに応じた量だけこの荷電レベル
の極性に依存した方向に電界に平行に偏向させら
れるようにすればよい。電界は静的なものでよ
く、又この方法には更に、点滴流に近接し且つ捕
獲荷電レベル又は保護荷電レベルを持つた点滴を
遮つてこれが印刷受止め媒体上に付着しないよう
にするように配置された捕獲器装置を設ける段階
を含めていてもよい。

従つて、この発明の目的は、弱く荷電された印
刷点滴が更に強く荷電された保護点滴の間に発生
されるようなプリンタ及び印刷方法を与えるこ
と、印刷点滴が正及び負の極性の電荷を持つてい
るようなプリンタ及び印刷方法を与えること、並
びに先に荷電された保護点滴からにょクロストー
クの結果として印刷点滴が正又は負の極性に弱く
荷電されるようなプリンタ及び印刷方法を与える
ことである。

（選択した実施例の詳細な説明） 図面の第１図はこの発明によるインクジエツト
プリンタを例示しており、これは移動する印刷受
止め媒体１０上の複数の印刷位置にインクの点滴
を付着させるものである。印刷ヘツド装置１２は
移動印刷受止め媒体１０の方へ導かれる点滴の少
なくとも一つのジエツト点滴流１４を発生する。
媒体１０は、例えば、ベルト移送装置によつて運
ばれる紙のシートでよい。印刷ヘツド装置には流
体タンク２０を形成しているマニホルド１８があ
る。タンク２０は少なくとも一つのオリフイス２
２と連通しており、従つて圧力下でタンク２０に
供給された流体はオリフイス板２４のオリフイス
２２から出てジエツト点滴流１４を形成する。点
滴流における点滴の形成は一般に、印刷ヘツドや
オリフイス板の機械的振動エネルギーを加えるこ
とによつて又はこのエネルギーをタンク２０中の
インクに結合することによつて高められる。この
目的のために、圧電変換器は都合よく使用するこ
とができる。採択した実施例では、印刷受止め媒
体の移動方向に対して傾斜した線に沿つて行２７
（第２図）に配置された多数のオリフイス２２に
よつて複数のジエツト点滴流１４が発生される。
第１図は行２７に概して垂直な線に沿つて取られ
たプリンタの断面図である。

プリンタには更に、一縁部に複数の切欠き部を
備えた荷電電極板２６からなる荷電電極装置があ
る。各切欠き部には荷電電極２８を形成する導電
材料で裏張りが施されている。各電極２８は板２
６上の多数の印刷配線導体のそれぞれのものに電
気的に接続されている。荷電電極はジエツト点滴
流１４の点滴形成点に近接して配置されており、
従つて電極２８に荷電電位を印加することによつ
て点滴流中の点滴に電荷を誘起することができ
る。

印刷受止め媒体１０上に付着するべきではない
点滴を捕獲するために捕獲器装置３０が設けられ
ている。捕獲器装置３０には多孔質金属部材３２
があつて、これには電圧源３４によつて正電位が
印加されている。捕獲器装置３０には更に、ジエ
ツト点滴流１４の初期軌道に比較的近接した位置
まで延びている唇部３８を備えた捕獲板３６があ
る。板３６に当たる点滴は適当な液体吸込装置に
よつて運び去られるが、この点滴は再使用のため
に集めて印刷ヘツド１２に戻すことができる。更
に、板３２の後ろの室４０は真空ポンプから部分
真空を受けているので、インク点滴は板３２の表
面に当たると室４０内に飲み込まれる。室４０内
に引き入れられたインクは真空源によつて室から
取り出される。

偏向電界装置は、部材４８によつて形成された
真空室４６を覆う多孔質電極板４４を備えた偏向
電極４２からなつている。偏向電界装置は更に、
板４４に電気的に接続された電位源４９を備えて
いる。板４４の表面に集まるようなインク霧滴は
この多孔質板に飲み込まれ、室４６に接続された
真空源によつて運び去られる。板３２と４４との
間の電位差のために、これらの板の間には電界が
発生し、これをジエツト点滴流の点滴が通過す
る。

回路５０からなる荷電装置は線５２及び板２６
における印刷配線導体により荷電電極２８に電気
的に接続されている。回路５０は荷電電極に荷電
電位を与えてオリフイス２２から出て来る流体フ
イラメントの先端部に電荷を誘起するようにす
る。この電荷は流体フイラメント先端部から点滴
が形成されるときにこれによつて運び去られる。

荷電装置は少なくとも二つ目でこの点滴の形成
中に荷電電極に比較的高い保護点滴電位を加えて
二つ目でこの点滴を保護荷電レベルに荷電する。
残りの点滴の形成中、回路５０は荷電電極２８に
多数の比較的低い印刷電位の一つを加えて多数の
比較的低い印刷荷電レベルの関連の一つの点滴の
両極性荷電を行うか、又は相当に大きい捕獲電位
を加えて残りの点滴を捕獲荷電レベルに荷電す
る。保護点滴、印刷、及び捕獲の電位は印刷ヘツ
ド装置に対して同じ電気的極性のものである。以
下において更に詳しく説明するように、点滴の両
極性荷電は、保護荷電レベルを持つた前に形成さ
れた点滴からの点滴間クロストーク（相互影響）
の結果として行われるものである。

保護荷電レベルを持つている５４で示したもの
のような点滴、及び捕獲荷電レベルを持つている
その他の点滴は板３２と４６との間の電界によつ
て捕獲器装置３０へ偏向させられる。印刷荷電レ
ベルのいずれかを持つている点滴、例えば点滴５
６は電界によつて媒体上の関連の印刷位置に偏向
させられる。第２図に見られるように、偏向電解
は板３２と４４との間で矢印５８の方向に、すな
わちジエツト点滴流の行に垂直に延びている。点
滴の偏向は電界に平行、従つてこの行に垂直であ
る。見られるように、各ジエツト点滴流からの点
滴は行２７のいずれの側にも偏向させられ、負に
荷電した点滴は下方且つ第２図で見たときの左方
へ、破線の円６０で示した印刷位置に偏向させら
れ、又正に荷電した点滴は上方且つ第２図で見た
ときの右方へ、実線の円６２で描いた印刷位置に
偏向させられる。印刷位置６０及ひ６２に点滴を
付着させることによつて、複数の行６４の点滴を
媒体１０上に印刷することができる。印刷位置に
おける点滴の選択的付着の結果それの集合として
印刷像が形成されることになる。

この目的のために、各ジエツト点滴流はそれぞ
れの連続した印刷又は捕獲点滴の間に少なくとも
一つの保護点滴を発生する。察知されるであろう
が、ある種のプリンタにおいては連続した印刷又
は捕獲点滴の間に二つ以上の連続した保護点滴を
発生することができる。荷電電極に印刷電位を加
えて、そのとき形成されている点滴に印刷荷電レ
ベルが印加されるようにすると、点滴は比較的弱
い印刷荷電レベレに作用する電界によつてジエツ
トと関係のある四つの印刷位置の一つに偏向させ
られる。偏向はジエツト点滴流の行に垂直な方向
に行われ、且つ比較的小さい偏向が与えられるの
で、点滴が印刷位置に付着する正確さは増大す
る。しかしながら、さもなければ点滴を受けるで
あろう印刷位置をインクのないままにした場合に
は、電極に捕獲電位を加えて点滴に捕獲荷電レベ
ルを発生させる。このような点滴は保護点滴が捕
獲器３０に偏向させられたのと正に同じ方法で捕
獲器３０に偏向させられる。

単一のジエツト点滴流の荷電を制御するために
使用することのできる回路構成は第３図に図示さ
れており、又それの機能は第４図に示した時間図
によつて示されている。段階波関数発生器６６は
クロツク６８から２分周回路７０を経由してクロ
ツクパルスを受けて、第４図に示したように線７
２に出力を供給する。クロツク６８はプリンタの
点滴形成周波数と同期している。段階波関数発生
器出力はそれゆえプリンタの点滴形成周波数の２
分の１において電圧レベルを変え、従つて二つの
点滴の形成期間中にその出力にそれぞれの連続し
た電圧を与える。

スイツチ回路７４はその出力７６に、線７２上
に受けた入力電位か又は線７８上に受けた入力電
位を与えるが、その選択は制御入力７９によつて
制御される。スイツチ７４は機械的スイツチとし
て図示されているが、この機能を行うためにはト
ランジスタ・スイツチング回路を使用することが
望ましい。入力７９には一連の二進印刷制御信号
が加えられる。この印刷制御信号は、ジエツト点
滴流によつて印刷されるべき像を規定するもので
あつて、計算機によつて、再現されるべき元の書
類を走査する光学式走査器によつて、又はその他
任意の適当な信号源によつて発生すればよい。線
７９上の「１」によつてスイツチはその下方切換
位置に切り換えられて線７２を線７６に接続す
る。線７９上の「０」は、スイツチ７４をその上
方切換位置に切り換して線７８を線７６に接続す
ることになる。線７８は比較的高い＋60ボルト直
流源に接続されている。

線７９における「０」は、ジエツトにつてその
そのとき提供されている印刷位置に点滴を付着さ
せるべきでないことを示している。従つて、＋60
ボルト直流電位は究極滴には荷電電極に加えられ
てそのとき形成されている点滴に捕獲荷電レベル
を持たせることになる。これに反して、点滴を印
刷位置に付着させるべき場合には、線７９上の
「１」により線７２からの段階波関数発生器出力
が線７６に、従つて究極的には荷電電極に加えら
れて、点滴を所望の印刷位置に偏向させるレベル
である、より低い印刷荷電レベル点滴を荷電す
る。

前に述べたように、保護荷電レベルを持つた保
護点滴は連続した印刷又は捕獲点滴の発生の間に
発生させる。荷電電極に保護点滴電位を加えるよ
うにするために、スイツチ回路８０にはその入力
の一方として線７６が接続されており且つ又線８
２によりそれら他方の入力に＋60ボルト直流保護
点滴電位が加えられている。スイツチ回路８０に
対する制御は、出力が入力に接続されており且つ
「10」パターンでロードされているシフトレジス
タ８６によつて線８４上に与えられる。シフトレ
ジスタ８６は線８８に加えられたクロツク信号に
よつて点滴形成周波数でクロツクされる。この構
成によつて、スイツチ８０は、二つ目の点滴の形
成中はその下方切換位置に切り換えられて線８２
からの＋60ボルト直流の保護点滴電位をそれの出
力線９０に接続し、又その他のすべての点滴の形
成中は印刷電位又は捕獲電位を持つている線７６
を線９０に接続する。線９０は適当な駆動増幅器
回路部を経て関連の荷電電極に接続されている。
察知されることであろうが、例えば、レジスタ８
６の代わりに３段シフトレジスタを用い、これを
「110」パターンでロードし、且つ回路７０の代わ
りに３分周回路を使用することによつて、連続し
た印刷点滴間に二つの保護点滴を設けることがで
きる。

第４図に見られるように、この構成では保護点
滴に続いて印刷点滴（又は、印刷中の像に応じて
捕獲点滴）が形成されることになるが、その間線
７２における段階波関数出力は連続した各電圧段
階にとどまつている。認められるように、段階波
関数は＋１ボルト（直流）から＋22ボルトまで７
ボルトの増分で増大し、その後この過程を繰り返
す。従つて、印刷点滴の形成中に荷電電極に供給
される印刷電位はすべて正極性のものである。

荷電電極２０は板２６の縁部におけるめつきさ
れた切欠き部からなつている。この切欠き部は点
滴が形成されているときの流体フイラメントを完
全には取り囲んでいないので、前に形成された保
護点滴からのクロストークは印刷点滴が形成され
ているたびごとに発生する。察知されることであ
ろうが、保護点滴は＋60ボルト（直流）の比較的
大きい保護点滴電位が荷電電極に印加されている
間に形成される。従つて、保護点滴は相当の負電
荷レベルを持つている。次に、前の保護点滴から
の負電荷は続いて形成される印刷点滴に正電荷を
誘起しようとする。しかしながら、やや低い方の
印刷電位は、極性が正であるので、この点滴間ク
ロストークを妨げようとして、印刷点滴に負の電
荷レベルを誘起しようとする。直流15ボルト及び
22ボルトの高い方の印刷電位が荷電電極に加えら
れると、前に形成された保護点滴からの点滴間ク
ロストークは十分に克服されて印刷点滴には正味
負の電荷が発生される。しかしながら、直流１ボ
ルト及び８ボルトの低い方の印刷電位が荷電電極
に加えられると、そのとき形成された点滴は、こ
の比較滴弱い印刷電位が保護点滴の正荷電効果を
克服するのに十分でないために正味正の電荷を受
ける。

この発明は多くの利点を与えるものであり、特
に印刷点滴の非常に正確な配置を行うことによつ
て印刷像の質を改善するものである。第１図及び
第２図に見られるように、印刷受止め媒体上に付
着するべき点滴はジエツト点滴流の初期の直線軌
道のいずれかの側にわずかに偏向している。印刷
点滴の偏向量は小さいので、媒体上の印刷点滴の
配置における正確さは改善されている。点滴の両
方向における偏向は点滴の両極性荷電によつて行
われる。しかしながら、この荷重はすべて同じ荷
電極性の印刷電位で行われるので、荷電回路の構
成は簡単になる。前に述べたように、この両極性
荷電は前に形成された保護点滴の印刷点滴に及ぼ
す荷電効果の使用に起因するものである。このよ
うに、点滴間クロストークを除去するものではな
いが、この発明のプリンタはそれが印刷正確度に
有害な影響を与えず、又実際、印刷点滴の荷電過
程の一体滴部分であるような方法でそれを利用す
るものである。

この発明は連続した印刷点滴間に単一の保護点
滴を使用したインクジエツトプリンタに限定され
ないものと理解させるべきである。むしろ、この
発明は連続した印刷点滴間に二つ、三つ、又は四
つ以上の保護点滴を使用したプリンタにも適用す
ることができるものである。

ここに説明した方法、及びこの方法を実施する
ための装置の形態はこの発明の採択した実施例を
構成するものであるが、この発明はここに説明し
たとおりの方法及び装置形態に限定されず、且つ
又これにはこの発明の範囲から外れることなく種
種の変更を施すことができるものと理解されるべ
きである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による多ジエツトインクプリ
ンタの断面図であつて、プリンタによつて発生さ
れるジエツト点滴流の行にほぼ垂直な平面におい
て取られたものである。第２図はこのプリンタに
よつて提供される印刷位置のパターン、印刷受止
め媒体に対するジエツトの行の向き、及びこの媒
体の移動方向を示す線図である。第３図はこのプ
リンタの荷電制御回路部を例示する構成図であ
る。第４図は階段波関数発生器の出力と、保護点
滴、印刷点滴及び点滴形成の発生との間の時間関
係を示す時間図である。 これらの図面において、１０は移動印刷受止め
媒体、１２は印刷ヘツド装置、１４はジエツト点
滴流、２７はジエツト点滴流の行、２８は荷電電
極、３０は捕獲器装置、４２は偏向電極、４４は
多孔質電極板、４９は電位源、５０は回路、６０
及び６２は印刷位置、８０はスイツチ回路、８６
はシフトレジスタを示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 移動印刷受止め媒体１０上の印刷位置にイン
   ク点滴を付着させるためのインクジエツトプリン
   タであつて、 前記の移動印刷受止め媒体１０の方へ導く複数
   のジエツト点滴流１４を発生するための印刷ヘツ
   ド装置１２であつて、前記の複数のジエツト点滴
   流が前記の媒体１０の移動方向に対し傾斜した行
   ２７に沿つて位置した前記の印刷ヘツド装置１
   ２、 複数の荷電電極２８であつて、各荷電電極が、
   前記のジエツト点滴流１４の関連したものの点滴
   形成点に近接して位置していて、前記の荷電電極
   に加えられる電位に応じて前記の点滴流内の点滴
   に電荷を選択的に誘起するようになつている、前
   記の複数の荷電電極２８、 前記の荷電電極に電位を供給するための回路装
   置５０、 前記の印刷ヘツド装置と前記の媒体との間にお
   いてジエツト点滴流の前記の行の一方側に位置し
   ていて、偏向してきた点滴を捕獲するようになつ
   ている捕獲器装置３０、並びに 概して前記の媒体に平行に且つ前記の行に垂直
   に延在している、前記のジエツト点滴流の通過す
   る偏向電界を与えるための偏向電界装置４２，４
   ９、 を備えているインクジエツトプリンタにおいて、
   前記の回路装置が、 前記の各ジエツト点滴流内の少なくとも二つ目
   ごとの点滴の形成中に前記の電極に保護点滴電位
   を繰り返し加え、且つ又各ジエツト点滴流内の残
   りの点滴の形成中に複数の印刷電位のうちの一つ
   又は捕獲電位を前記の電極に選択的に加えるため
   の荷電装置であつて、前記の複数の印刷電位、前
   記の捕獲電位及び前記の保護点滴電位がすべて、
   前記の印刷ヘツド装置に対して同じ電気的極性の
   ものであり、且つ前記の複数の印刷電位が前記の
   保護点滴電位よりも実質的に小さくなつているよ
   うな荷電装置５０を備えており、これにより前記
   の捕獲電位で荷電した点滴を前記捕獲器装置に当
   たるように偏向させ、前記の保護点滴電位で荷電
   した点滴を前記の捕獲器装置に当たるように偏向
   させ、且つ前記の印刷電位で荷電した点滴を前記
   の行のいずれかの側で前記の媒体上の関連の印刷
   位置へ偏向させること、 を特徴とするインクジエトプリンタ。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載のインクジエツ
   トプリンタにおいて、前記の荷電装置が、前記の
   荷電電極への前記の捕獲電位又は印刷電位の連続
   した印加の間の単一の保護点滴の形成中に、前記
   の荷電電極に前記の保護点滴電位を繰り返し加え
   るための装置８０，８６を備えていること、を更
   に特徴とするインクジエツトプリンタ。 ３ 特許請求の範囲第２項に記載のインクジエツ
   トプリンタにおいて、前記の荷電電極への前記の
   捕獲電位又は印刷電位の連続した各印加を、単一
   の点滴の形成に必要とされる時間中に行うこと、
   を更に特徴とするインクジエツトプリンタ。 ４ 特許請求の範囲第１項に記載のインクジエツ
   トプリンタにおいて、前記の偏向電界装置が静電
   界を与えるための装置４９を備えており、これに
   より前記の印刷電荷レベルをもつた点滴を、前記
   の点滴流の初期軌道から前記の電界に平行で且つ
   点滴の保有する電荷の極性に依存した方向に偏向
   させるようになつていること、を更に特徴とする
   インクジエツトプリンタ。 ５ 特許請求の範囲第１項に記載のインクジエツ
   トプリンタにおいて、前記の電界が前記の印刷受
   止め媒体の移動方向に対して傾斜した方向に延在
   していること、を更に特徴とするインクジエツト
   プリンタ。