JPH0445757B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 弾薬付き弾丸であつて、推進装薬を収容する
ためのケーシング１１と、ほぼ完全に孔の直径を
有する玉１と、弾力のあるプラスチツク成形品か
らなる弾底板６とを具備し、前記玉１はその外表
面に、前記玉１の長手軸心の周囲に螺旋状に、ま
たはほぼ平行に延在する複数の充分な長さの溝４
を有し、前記弾底板６内には前記玉１が着座し、
前記弾底板６は前記玉を前記ケーシング１１内へ
封入し、また前記弾底板６は、前記玉１の直径よ
りも大きい直径を持つ少なくとも一部分８と、複
数の指９とを有し、前記指９は、前記玉１内の溝
４の各一に嵌合するとともに、前記弾丸を発射す
る銃身内の旋条溝と係合することにより前記弾底
板６が回転されるとき、前記玉をスピンさせるこ
とを特徴とする弾薬付き弾丸。

２ 弾薬付き弾丸であつて、推進装薬を収容する
ためのケーシング１１と、ほぼ完全に孔の直径を
有するばら弾１と、弾力のあるプラスチツク成形
品からなる弾底板６とを具備し、前記ばら弾１は
その外表面に、前記ばら弾の長手軸心の周囲に螺
旋状に、またはほぼ平行に延在する複数の充分な
長さの溝４を有し、前記弾底板６内には前記ばら
弾が着座し、前記弾底板６は前記ばら弾を前記ケ
ーシング内へ封入し、また前記弾底板は、前記ば
ら弾内の溝の各一内に着座される複数の指９を有
し、前記指は前記溝の深さとほぼ同一の厚さを有
するとともに、前記ばら弾のほぼ全長に亘つて延
在し、それにより前記ばら弾がそれを発射させる
銃身を通過する際、前記ばら弾を安定させるとと
もに、それが軸心から傾斜するのを防止すること
を特徴とする弾薬付き弾丸。

３ 弾薬付き弾丸であつて、推進装薬を収容する
ためのケーシング１１と、ほぼ完全に孔の直径を
有し且つほぼ円錐状にテーパーを付されたばら弾
１と、弾力のあるプラスチツク成形品からなる複
数の長尺要素１４とを具備し、前記ばら弾１はそ
の外表面に、前記ばら弾の長手軸心の周囲に螺旋
状に、またはほぼ平行に延在する複数の充分な長
さの溝４を有し、前記長尺要素１４は前記溝内に
着座され、且つ前記溝の深さとほぼ同一の厚さを
有するとともに、前記ばら弾のほぼ全長に亘つて
延在し、それにより前記ばら弾がそれを発射させ
る銃身を通過する際、前記ばら弾を安定させると
ともに、それが軸心から傾斜するのを防止するこ
とを特徴とする弾薬付き弾丸。

４ 弾薬付き弾丸であつて、推進装薬を収容する
ためのケーシングと、ほぼ完全に孔の直径を有し
且つほぼ円錐状にテーパーを付された玉もしくは
ばら弾１とを具備し、前記玉もしくはばら弾１が
その外表面に、前記玉もしくはばら弾１の長手軸
心の周囲に螺旋状に、もしくはほぼ平行に延在す
る複数の充分な長さの溝２を有している弾薬付き
弾丸において、前記溝の各々が、前記溝の断面の
直径とほぼ同一の直径を有する複数の球体４を収
容し、前記球体は、前記玉もしくはばら弾を発射
させる銃身内で前記玉もしくはばら弾を支持し且
つ安定させるとともに、それが軸心から傾斜する
のを防止するため、前記溝の各々の中で列の中に
配置されていることを特徴とする弾薬付き弾丸。

５ 前記各溝がほぼＶ字形またはＵ字形の断面を
有していることを特徴とする請求の範囲第１項か
ら第４項のいずれか１項に記載の弾丸。

６ 前記玉またはばら弾が鋼から作られているこ
とを特徴とする請求の範囲第１項から第５項のい
ずれか１項に記載の弾丸。

７ 前記弾底板が胴部分７を備え、この胴部分７
は前記指９の長さと比較して短かいことを特徴と
する請求の範囲第１項または第２項記載の弾丸。

８ 前記弾底板の指９の各々が、その自由端の近
くに縮小された部分１０を有することを特徴とす
る請求の範囲第１項または第２項記載の弾丸。

９ 前記弾底板の指９がそれぞれ部分的に円筒状
の半径方向外表面９′を有し、前記指が前記各溝
４に充満するとともに、前記溝間の前記玉の部分
５と一緒に、中身のほぼ円形の断面を形成するこ
とを特徴とする請求の範囲第１項または第２項記
載の弾丸。

１０ 前記弾底板６が、直径を拡大された隆起部
８を有する円筒状の胴部分７を備え、前記隆起部
８の直径は前記玉１の直径よりも大きいことを特
徴とする請求の範囲第１項または第２項記載の弾
丸。

１１ 前記溝内の前記長尺要素または球体が鋼か
ら作られていることを特徴とする請求の範囲第３
項または第４項記載の弾丸。

１２ 前記弾底板の指が、前記玉の円筒状胴を越
えて前記玉の円錐状部分の中へ突出し、それによ
り前記円錐状部分の縮小された直径の周りで、孔
の直径を有する断続的な支持円を形成することを
特徴とする請求の範囲第１項または第２項記載の
弾丸。

１３ 円筒状胴部分７と、この胴部分の軸心に平
行に延在する、あるいは前記軸心の周りに螺旋状
に形成された複数の指９とを有する弾底板６。

明細書 本発明は、弾薬、および特に旋条を施された、
または旋条を施されていない銃身を有する従来の
小さい軍事用武器に使用するための弾薬に関す
る。

旋条を施された銃身のための従来の玉は、通常
鉛製のコアを有し、このコアは周囲を包囲する銅
製の被覆を有し、この被覆の直径は普通は溝の直
径と同一であるとともに、それゆえ、前記玉を使
用することを意図している武器の銃身の孔の直径
に関し、僅かに寸法が大きく、あるいは干渉状態
に嵌合され、そして前記玉の前記銅製被覆は、前
記武器の銃身を通過する際、前記銃身内の螺旋状
の旋条により刻みをつけられ且つ僅かに圧縮され
る。前記玉は、その飛びを安定させるために前記
旋条溝によりスピンを与えられるが、しかし前記
玉を収容するケーシング内の推進薬により発生さ
れるエネルギの大幅な比率が、前記玉に刻みをつ
けることにより発生する前記玉および前記ライフ
ル銑の銃身との間の摩擦を介して失なわれ、前記
摩擦は銃身に熱を発生させる。特に、完全に自動
的に射撃を行なう武器に関しては、銃身を通過す
る玉の摩擦により発生する熱が重要な問題とな
り、銃身を急速に腐食させるとともに、最悪の場
合銃身を膨張させ、あるいは破裂させる。

従来の散弾銃用ばら弾は、半球形の端部を有す
る中空で円筒状の鉛製カツプであるが、しかし散
弾銃は旋条溝を有していないので、前記ばら弾は
スピンを与えられず、一部はスピンの欠落によ
り、また一部は急速に速度を低下させるその非流
線形により、僅か100メートルもしくはそれ以下
の程度までの正確性しか持たない。

背景技術として関連性を持つ可能性のある従来
技術は、以下の特許明細書を包含する。US−Ａ
−4239006，US−Ａ−4083306，US−Ａ−
4063511，US−Ａ−405600，US−Ａ−3427648，
US−Ａ−3356029，US−Ａ−3311061，US−Ａ
−3141412，US−Ａ−3005409，US−Ａ−
2996992，US−Ａ−2983224，US−Ａ−2811901，
US−Ａ−2638051，US−Ａ−2382152，US−Ａ
−2306140，FR−Ａ−1124740，FR−Ａ−
861167，FR−Ａ−799933，FR−Ａ−736690，
GB−Ａ−1541291，GB−Ａ−107088，DE−Ｃ−
583098。

これらの明細書のあるものは、普通より小さい
ライフル銃の発射体をプラスチツク製カツプ（弾
底板）で包囲することは既知であるということを
示しており、前記弾底板は銃身の旋条により刻み
をつけられるとともにスピンを与えられ、次いで
緊密な摩擦による把持によりそのスピンを前記発
射体へ伝達する。その欠点は、前記弾底板の材料
が前記発射体上へのその把持を保持するため、大
きい摩擦係数を持たなければならず、それに対応
して銃身内で大きい摩擦による損失が生じること
である。さらにその結果は、弾底板と発射体の組
合わせ重量が、同一寸法の従来の発射体のそれよ
りも小さく、それゆえ同一のエネルギに対し小さ
い衝撃力を有することとなる。これの利点は銃の
反動が小さくなることであるが、しかし欠点は、
自動装填銃が変更されずに、もし大きい衝撃力を
有する従来の弾薬筒のために設計されているとす
れば、衝撃力が減少していることによりその自動
的サイクルを完成しなくなることである。

これらの明細書の他のものは、小塔を包囲する
ためプラスチツク製弾底板を使用することと、こ
の弾底板のみに刻みをつける銃身の旋条を持つこ
とが既知であるということを示しており、前記弾
底板は、摩擦による把持の代りに前記小塔のフイ
ンに対する機械的係合により回転を前記小塔へ伝
達し、それゆえ前記弾底板のための摩擦係数の小
さい材料を使用することができ、その結果銃身内
での摩擦による損失が小さくなる。しかし、小塔
を用いることの１つの結果は、前記弾底板および
小塔の組合わせ重量が、同一の直径および長さを
有する従来の玉と比較して非常に軽く、それゆ
え、減少した衝撃力で機能するように特別な自動
銃を使用しなければならないことである。弾底板
を以つて発射される全ての発射体に関するその他
の結果および問題は、前記弾底板および発射体
が、同一速度で銃身から出るので、各々のエネル
ギが、互いに対するそれらの相対的重量により決
定されることである。前記発射体の重量に対して
前記弾底板がより重くなると、損失エネルギのパ
ーセントがより大きくなる。なぜなら、前記弾底
板は発射体として有用な目的に寄与しないからで
ある。小塔の胴直径（シヤフト）は、前記弾底板
の直径に比較して小さく、その結果前記弾底板に
おける重量およびエネルギの比率が大きくなり、
その結果前記小塔は全エネルギのうちの比較的小
量を占め、それゆえ前記弾底板タイプの発射体の
効果を最も少なくする。

FR−Ａ−1124740は従来の散弾銃用弾薬筒を示
し、これは円筒状ばら弾を有し、このばら弾は複
数の平行な溝を有し、同溝は第２の球形発射体を
収容している。前記散弾の後でガス圧を密閉する
ため、従来の基部の詰物を用いることを除いて
は、弾底板の利点を全く役立てていないが、しか
しそれにもかかわらず本発明の一つの特徴に関連
している。

本発明の一目的は、旋条によるスピンを（摩擦
の代りに）機械的に伝達することにより、弾底板
を有する弾薬の利点を増強するとともに欠点を最
小にし、同時に、流線形の発射体において断面お
よび重量を可能な限り最大にし、且つ前記弾底板
における重量を最小にすることである。

本発明は、ほぼ完全な孔の寸法を持つ流線形の
玉もしくはばら弾を提供するという目的を有す
る。本発明の一適用例は、ライフル銃に対するタ
イプの弾薬付き弾丸であり、第二の適用例は散弾
銃用弾薬筒に関する。

ライフル銃およびピストンの弾丸ならびに散弾
銃用弾薬筒に関連する問題は、幾つかの特徴を共
通に持つているけれども、異なる銃身の状況およ
び前記弾丸の用途により、細部において一般に異
なつていることが当業者には容易に理解されるで
あろう。

本発明の第１の特徴によると、弾薬付き弾丸
は、推進装薬を収容するためのケーシングと、ほ
ぼ完全に孔の直径を有する玉と、弾力あるプラス
チツク成形品からなる弾底板とを具備し、前記玉
はその外表面に、前記玉の長手軸心の周囲に螺旋
状に、またはほぼ平行に延在する複数の充分な長
さの溝を有し、前記弾底板内には前記玉が着座
し、前記弾底板は前記玉を前記ケーシング内へ封
入し、また前記弾底板は、前記玉の直径よりも大
きい直径を持つ少なくとも一部分と、複数の指と
を有し、前記指は、前記玉内の溝の各一に嵌合す
るとともに、前記弾丸を発射する銃身内の旋条溝
と係合することにより前記弾底板が回転されると
き、前記玉をスピンさせる。

本発明の第２の特徴によると、弾薬付き弾丸
は、推進装薬を収容するためのケーシングと、ほ
ぼ完全に孔の直径を有するばら弾と、弾力あるプ
ラスチツク成形品からなる弾底板とを具備し、前
記ばら弾はその外表面に、前記ばら弾の長手軸心
の周囲に螺旋状に、またはほぼ平行に延在する複
数の充分な長さの溝を有し、前記弾底板内には前
記ばら弾が着座し、前記弾底板は前記ばら弾を前
記ケーシング内へ封入し、また前記弾底板は、前
記ばら弾の溝の各一内に着座される複数の指を有
し、前記指は前記溝の深さとほぼ同一の厚さを有
するとともに、前記ばら弾のほぼ全長に亘つて延
在し、それにより前記ばら弾がそれを発射させる
銃身を通過する際、前記ばら弾を安定させるとと
もに、それが軸心から傾斜するのを防止する。

前記ばら弾または玉は、それを併合すべき弾丸
のタイプ、およびそれが意図されている用途のタ
イプに従つて、鉛または鋼または他の適宜の金属
で形成されることが可能である。

前記弾底板の前記指は、前記弾底板を軽量にす
るための中空に形成されていてもよい。

さらに本発明は、円筒状胴部分、およびこの胴
部分の軸心にほぼ平行な、あるいは同軸心の周り
に螺旋状に形成された複数の指とを有する弾底板
を備えている。

本発明の第１の特徴に従い弾底板を併合する弾
薬付き弾丸は、銃の銃身内で普通の玉よりも非常
に小さい摩擦を発生させる。なぜなら、前記弾底
板は、銃身内の旋条溝によりさらに容易に刻みを
つけられ、それゆえそれが銃身に沿つて通過する
際、より小さい摩擦を発生させるからである。そ
の結果、初期エネルギの大部分が運動エネルギ
（速度）として前記玉に与えられ、且つ初期エネ
ルギは銃身内で殆んど熱に変換されない。

好ましくは前記弾底板が胴を有し、この胴は前
記指の長さと比較して短かく、前記指は、それが
銃身を去つた後、前記玉および弾底板のスピンに
より、前記玉の長手軸心から外側の半径方向へ投
げ飛ばされ、それにより前記指の外側への運動
が、前記弾底板を前記玉の溝との嵌合状態から解
放するとともに、空気圧が、銃身を去つた直後の
前記弾底板を前記玉から完全に外すことを可能に
する。

前記弾底板は軸方向の孔を有していてもよく、
この孔は、推進装薬の圧力が前記弾底板を銃身の
壁に当てるように強制して、旋条溝と係合状態に
させることを可能にする。これの代りに、同一の
効果を奏するために、前記玉の後部が前記弾底板
の胴と嵌合るようテーパーを付されていてもよ
い。

前記玉の表面に充分な長さの溝を形成すること
により、前記玉はそれの空気の通過時にスピンお
よび／またはフインで安定化されることが可能で
あり、前記玉は螺旋状の溝を形成されていると
き、前記スピンの速さは飛翔中の前記玉の前進速
度に適合し、その結果前進速度が減少するに従い
スピンも減少する。好ましくは、軍事用として、
前記玉が鋼または同様の硬い金属から形成され
る。

前記溝を前記玉の鼻または先行端部まで延在さ
せることにより、前記玉の断面または前部領域が
減少され、それゆえ防護具の透過性および透過範
囲を増大させる。

本発明の第３の特徴によると、弾薬付き弾丸は
推進装薬を収容するためのケーシングと、ほぼ完
全に孔の直径を有し且つほぼ円錐状にテーパーを
付されたばら弾と、弾力あるプラスチツク成形品
からなる複数の長尺要素とを具備し、前記ばら弾
はその外表面に、前記ばら弾の長手軸心の周囲に
螺旋状に、またはほぼ平行に延在する複数の充分
な長さの溝を有し、前記長尺要素は前記溝内に着
座され、且つ前記溝の深さとほぼ同一の厚さを有
するとともに、前記ばら弾のほぼ全長に亘つて延
在し、それにより前記ばら弾がそれを発射させる
銃身を通過する際、前記ばら弾を安定させるとと
もに、それが軸心から傾斜するのを防止する。

本発明のさらに他の特徴によると、弾薬付き弾
丸は推進装薬を収容するためのケーシングと、ほ
ぼ完全に孔の直径を有し且つほぼ円錐状にテーパ
ーを付された玉もしくはばら弾とを具備し、前記
玉もしくはばら弾がその外表面に、前記玉もしく
はばら弾の長手軸心の周囲に螺旋状に、もしくは
ほぼ平行に延在する複数の充分な長さの溝を有し
ており、この弾薬付き弾丸において、前記溝の
各々は断面がほぼ「Ｕ」字形であるとともに、前
記溝の断面の直径とほぼ同一の直径を有する複数
の球体を収容し、前記球体は、前記玉もしくはば
ら弾を発射させる銃身内で前記玉もしくはばら弾
を支持し且つ安定させるため、前記溝の各々の中
で列の中に配置されていることを特徴とする。

これらの実施例は、主として散弾銃用ばら弾と
して用いるように意図され、また前記玉もしくは
ばら弾は鋼、または従来のように鉛で作られても
よい。前記テーパーを付されたばら弾の溝内に前
記長尺要素または球体が存在することにより、前
記ばら弾は発射時に銃身を通過するとき、傾斜ま
たは起立するのを防止される。前記溝内に位置す
る前記要素または球体は、鋼、プラスチツク、ま
たは任意の他の適宜材料で形成されることが可能
である。

好ましくは、従来のデイスクまたは詰物が、推
進ガスの圧力から直接力を受け取るとともに、そ
れゆえその力を前記玉もしくはばら弾と、前記要
素もしくは球体へ均一に伝達するため、前記玉も
しくはばら弾の後部へ直接に設けられる。

市民が使用するためには、たとえば普通の散弾
銃で鹿撃ち猟を行なうときに使用するため、前記
ばら弾は鉛で形成されるのが好ましいであろう。

軍事的用途のものは、鋼で形成され且つ鋼製の
ポールが前記溝内に位置するのがよく、その結果
多段発射体を持つ弾丸が提供される。前記ボール
は散弾銃のように短かい範囲で飛散し、また中央
の流線形の発射体は長い範囲に亘りエネルギと正
確性とを有し、それゆえ前記弾丸は、通常旋条を
必要とする適用例におけるごとく使用されること
が可能である。

散弾銃用ばら弾を直上に記載したように形成す
ることにより、高度に流線形に形作られた発射体
は従来の散弾銃用弾薬の中へ設けられることがで
き、この発射体は点火されたときに銃身内で起立
するおそれがない。従来の散弾銃用ばら弾は、ほ
ぼ円筒状であるので、銃身内で傾斜または起立し
ないであろうが、しかし弾道学的形状としては極
めて非能率的であり、最初の100メートル内でそ
のエネルギの60％以上を失なう。これを従来の尖
頭せりもちのあるライフル銃用玉と比較すると、
ライフル銃用玉は同様のエネルギを以つて出発す
るが、同一の距離に亘つてその僅か18％しか失な
わない。

さらに、前記弾底板の要素が、散弾銃用の場合
のようにスピンを伝達する必要がない場合、前記
発射体を案内する前記弾底板の部分が、その後、
前記弾底板の基部から分離されることが可能であ
るとともに、安定化用ガイドとして、および第２
発射体としての両方の役目をなすように作られる
ことが可能である。

ライフル銃用玉の場合のように、前記丸みぞひ
だ、もしくは溝は前部領域と風の抵抗を減少さ
せ、飛翔中のばら弾の安定化を助けるため、流線
形にすることとフインを形成することに助力す
る。しかし、本発明の第１の特徴とは異なり、前
記ばら弾は銃身内でスピンを与えられず、それゆ
えスピンを伝達するために前記丸みぞひだに嵌合
する指を持つた弾底板を必要としない。前記溝内
の前記ボールの代りに、流線形のばら弾が、その
尖頭せりもちのある形状を以つて、銃身内での傾
斜を防止する。普通の散弾銃用ばら弾は傾斜を防
ぐため円筒形状を有しているが、しかし勿論、結
果として、流線形には形作られていない。

前記ボールは前記ばら弾を安定させるととも
に、前記溝が前記ばら弾の軸心に対して螺旋状ま
たは平行の何れであつても、前記ばら弾から等し
く分離するが、しかし、もしそれらが螺旋状であ
ると、そ後、前記溝を通る風の流れが、前記ボー
ルの分離後に前記ばら弾をスピンさせ、スピンは
それの飛翔を安定化させて正確性を改善する。

円錐状にテーパーを付されたばら弾が、現代的
な星形に圧着されるタイプの弾薬筒に特に適し、
この弾薬筒においては前記ケーシングの端部が、
前記発射体および推進剤を完全に包囲するため重
畳されている。

以下、本発明に従つて構成される弾薬付き弾丸
の４つの実施例を添付図面に関連して説明する。
添付図面において、 第１図は、玉の側面立面図、 第２図は、第１図の−線断面図、 第３図は、弾底板の側面立面図、 第４図は、第３図の矢印方向に見た端面立面
図、 第５図は、前記玉の端部に組付けられた前記弾
底板、およびケーシングの端部内に取り付けられ
たその組立体を示し、 第６図は、散弾銃のばら弾の断面図、 第７ａ図および第７ｂ図は、第１散弾銃用薬莢
（弾薬筒）の軸方向断面図および半径方向断面図、 第７ｃ図は、第７ａ図および第７ｂ図の薬莢の
弾底板の立面図、 第８ａ図および第８ｂ図は、第２散弾銃用薬莢
の半径方向断面図および軸方向断面図、 第９図は、第３散弾銃用ばら弾の側面立面図、 第１０図は、その上に複数の球体を取り付けら
れた前記ばら弾の側面立面図、 第１１図は、第１０図の矢印方向に見た端面立
面図、 第１２ａ図、第１２ｂ図および第１２ｃ図は、
それぞれピストルの弾丸の側面立面図と２つの断
面図である。

第１図におけるように立面図で見るとき、玉１
は従来の輪郭を有し、この輪郭は平行な側部２と
テーパーのある鼻３とを有している。前記玉は、
それを用いることを意図している銃身の口径にほ
ぼ完全に匹敵する直径を有しているが、後述する
ように射撃の際に刻みをつけられないように直径
が僅かだけ小さくなつている。しかし、従来の玉
とは異なり、前記玉の表面は滑らかな円筒状のテ
ーパー付き表面ではなく、複数のＶ字形溝４が前
記玉１の長手軸１′と平行に延在するように形成
されており、本実施例では４つの溝があり、同溝
の各々はその基部にほぼ90゜に含まれる角度を有
している。それゆえ、これは第２図で示されるよ
うに、４つの細長いフランジ５を十字形に形成す
る。前記溝４は前記玉の鼻３まで延在し、したが
つて前記玉は従来の玉よりもかなり小さい正面領
域を呈し、それに対応して防護板等を貫通する玉
の能力が増大している。

前記鼻から遠い前記玉の端部、以下「後部」と
呼ばれる、には、ナイロンのような弾力のあるプ
ラスチツク材料から形成される弾底板が使用状態
に取り付けられている。前記弾底板６は第３およ
び第４図で示されるように、ほぼ円筒状の胴部分
７を有し、胴部分７は直径を拡大された隆起部８
を有し、隆起部８は旋条により刻みをつけられる
ように充分な直径を有し、且つそれゆえ前記玉１
の普通の直径よりも僅かに大きくなつている。こ
れは第５図に最もよく示されている。前記胴部分
７からは、複数の、本実施例では４本の指９が突
出し、指９の各々は前記円筒状胴部分７の中心軸
７′とほぼ平行に延在し、また指９の各々は、第
４図におけるように断面図で見るとき、ほぼ90゜
の扇形部分からなり、これは前記玉の各溝４内に
緊密に嵌合する。

その自由端部に各脚が厚みを減少された部分１
０を有し、この部分１０は、前記弾底板および玉
からなる組立体を一緒に内部へ取り付けられるケ
ーシング１１が、前記玉および弾底板からなる前
記組立体を内部へ嵌合されるその小直径端部１３
において、前記組立てられた玉１および弾底板６
（符号１２で示される）の上へ圧着されることを
可能にする。前記弾底板のプラスチツク材料は、
前記弾丸を貯蔵時に水密性にするため、前記圧着
部において前記ケーシングを密閉する。前記弾底
板の前記指は、前記圧着部の後側で前記玉の溝に
充満し、それゆえ発火時にガスが前記溝を通つて
洩れるのを防止する。

例示すると、標準の5.56軍事用銃身または
0.223レミングトン（Remington）銃身は、0.219
インチの通常の孔の直径を有し、また旋条溝の基
部までの直径は普通は0.224インチであり、旋条
溝の幅は0.07インチである。嵌合用の玉（図示さ
れているように）の直径は、最大直径0.21875イ
ンチのものであり、前記フランジ５の幅は0.060
インチである。前記玉１の全長は1.127インチで
ある。前記弾底板胴部分７の通常の直径は0.216
インチで、前記拡大直径部８の直径は0.224イン
チ、同拡大直径部８の長さは0.062インチで、前
記胴部７の全長は0.125インチである。

第６〜８図において、第１〜５図のものと同様
の部品には同一の参照符号が付されている。

これらの図に示されているばら弾は、散弾銃の
ばら弾であると意図されている。ばら弾１は、高
度に円錐状にテーパーを付された尖頭せりもちの
ある形状を有し（「円錐状」により本明細書では、
ほぼその全長に亘つてテーパーを付すことが意味
され、また同用語はテーパーを形成された非直線
を含む）、前記ばら玉の直径に対する同ばら玉の
長さの比は単位値に接近し、各溝は弾底板６の指
９（第７ａ〜７ｃ図）または長尺の金属製要素１
４（第８ａおよび８ｂ図）のどちらかを収容す
る。

第１ばら弾における指９の各々は、前記弾底板
を軽量にするため、その半径方向外表面に中空部
を有している。

第８ａおよび８ｂ図に示されている前記金属製
要素１４は湾曲した二等辺三角形状の鋼製要素か
らなり、この鋼製要素は第２ばら弾１の溝４内に
適合状態で嵌合し、また円盤形栓１５が同ばら弾
の後部の直近に位置され、それにより溝足できる
シールを形成して前記ばら弾の側部周囲をガス圧
が通過するのを防止するとともに、それゆえ推進
ガス圧の力を前記ばら弾および前記長尺要素へ均
一に伝達する。

第８ａおよび８ｂ図に示されている前記弾薬筒
（薬莢）は星形の圧着された端部１７を有し、端
部１７は前記ばら弾および長尺要素を固く（移動
が可能でないように）前記ケーシング内に保持す
る役目をする。第９〜１１図は鋼製の散弾銃用ば
ら弾１を示し、このばら弾１は円錐状にテーパー
を付された尖頭せりもちのある外形を有し、この
外形は、その中心軸心３の周囲に等角に位置され
た４つの螺旋状の溝２を有している。溝２の各々
の中には４つの球体４が位置され、球体４の各々
は、前記溝２の断面の直径よりも僅かに小さいけ
れどもほぼ同一の直径を有している。前記球体も
好ましくは鋼で作られ、また従来のボールベアリ
ングからなつていてもよい。前記溝２の断面円形
壁が前記球体４を支持し、球体４は溝２内で、発
射前は前記ケーシングの壁により、また発射後は
銃身の壁により、半径方向に支持される。

前記ばら弾１の後部は、満足できるシールを形
成するため栓もしくは円盤（第８ａおよび８ｂ図
の例におけるものと同じ）により当接され、それ
によりガス圧が前記ばら弾の側部周囲を通過する
のを防止し、それゆえ推進ガスの力を前記ばら弾
および球体へ均一に伝達する。前記ケーシング
も、第８ａおよび８ｂ図の例におけるものと同じ
ように、その端部で星形に圧着されるであろう。

第９〜１１図に示されている例は螺旋状の溝を
有しているが、その代りとして、第６〜８図の例
におけるように前記ばら弾の長手軸線に平行な溝
を設けることもできる。

第１２図で見られるように、前記弾底板６の指
９は前記玉の直線的な円筒部分の前部へ、および
前記玉の円錐状部分の内部上へ突出することがで
き、それにより直線的な円筒の効果を連続させ
る。これはピストルの玉にとつて特に有用であ
り、ピストンの玉は散弾銃のばら弾のように、そ
の直径に関連して必らず短く、且つそれゆえ流線
形となるためにその長手の大部分に亘つて円錐状
でなければならない。前記突出した指９を支持す
ることにより、前記玉が銃身を通過する際軸心か
ら傾斜することが防止される。

ライフルおよびピストンは両方とも玉にスピン
を与えるため旋条を施された銃身を有するので、
ライフルおよびピストルの玉の両方は、指を円錐
状部分の中へ突出させることの結果として生じる
幾何学から、次のような利点を得る。すなわち、
前記円錐体の直径を越えて突出する前記柔かい弾
底板の先行エツジは、前記柔かい弾底板および前
記硬い玉が前記弾薬筒ケースの外へ出て銃身の旋
条を施された部分の中へ前進するとき、前記硬い
玉よりも前に前記旋条に接触するということであ
る。したがつて、前記指の先行エツジにより形成
される突起は、前記玉が旋条の中へ入る際のクツ
シヨンの役目をし、銃身に対する損傷を防止す
る。