JPH0444832B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は、カセツト装置のテープ引き出し素子
が接近するテープ伸長部分のみがハウジングの外
に出る型式の磁気テープカセツトに関するもので
ある。この磁気テープカセツトにおいては、正面
壁とテープの伸長部分の間にスペースをもち、正
面回動カバーがテープ正面をおおうように回動
し、摺動カバーが挿入スペースをおおうようハウ
ジング外側面上を摺動し、２個の分離したカバー
がカセツトをカセツト装置に装填していないとき
テープの前記伸長部分を保護するようになつてい
る。

（技術的背景） この型式の磁気テープカセツトは実開昭51−
74417号公報から既知である。この既知のカセツ
トは周知の基準化された磁気ビデオカセツトの変
更例であり、追加カバーを追加して挿入スペース
をおおい、ハウジング外にあるテープ伸長部分を
保護させる。

しかし、この型式の磁気テープカセツトはカセ
ツト装置外にあるときには密閉されるが、カセツ
ト装置内に挿入するときには簡単に開放できる必
要がある。好適には正面回動カバーと摺動カバー
の両カバーを閉ざす手段はカセツト自身に設け
て、カセツトがカセツト装置外にあるときに、偶
発的に両カバーが開くことがあるにしても、その
一方は常に閉じているようにする。このために、
前記既知のカセツトは正面回動カバーを閉ざす第
一ばね手段と、摺動カバーを閉ざす第二ばね手段
を備える。この第二ばね手段は予め付勢したつる
巻き引張ばねで構成する。

また、既知カセツトの摺動カバーは摺動板で構
成し、この摺動板はハウジングの下部主壁の外側
面上をアンダカツト部分により側縁において案内
される。原則的には、前記ばねはハウジングの外
側から取付け、そのために下部主壁には両スプー
ルの間の中程に細長い開口を設ける。ばねの両端
にはフツク付きの延長部がある。下部主壁の前記
細長い開口で終わる正面壁のスロツト間の部分に
一方のフツクを取付ける。ハウジングの下部主壁
に面する摺動板の面に取付けたピンにばねの他方
のフツクを取付ける。このピンは主壁の細長い開
口部に入る。

しかし、ばねの一側端をカセツトハウジングに
取付け、他側端を摺動板に取付けるのは、摺動板
自身が主壁の前記細長い開口をおおうため、やつ
かいである。更に摺動板はカセツト上に軸線方向
に取付けることができない。摺動板は主壁のアン
ダカツト部に縁を配置するように半径方向に取付
ける必要がある。

それ故、上記既知の構造では、第二ばねはカセ
ツトの外から取付けることがきない。このばねの
両端を取付ける唯一の方法はカセツト内部から取
付ける方法である。

カセツトの組立てがこのように複雑であると、
幾つかの欠点である。先ず組立て時間が長くな
る。カセツト下部、摺動板及びハウジング上部が
定位置にない間、保持しておかなくてはならな
い。その際摺動板は附勢ばねによつてハウジング
下部から押離されようとする。カセツトの修理作
業も複雑になる。

（発明の目的） 正面回動カバーと摺動カバーが確実に開閉運動
をなすとと共に、これらカバーの組立てを簡単に
なし、従つてカセツトの組立てを簡単にし、組立
て時間を短縮し、カセツトの修理作業を簡単にな
した磁気テープカセツトを提供する。

（発明の構成） 上記目的は本発明により、テープ出口開口のあ
る正面壁をもつハウジング中に２つの同一平面内
にあるテープリールを備え、テープの一部が一方
のテープリールから一方のテープ出口開口を通つ
てハウジングの外へ行きそして他方の出口開口を
通つてハウジング内へ戻つて他方のテープリール
へ行くようになつており、正面壁とハウジング外
にあるテープ部分の間に挿入スぺースを設けて、
カセツト装置の少なくとも１つの引出し素子を前
記テープ部分のうしろに挿入してテープループを
カセツトの外に引出すようになした磁気テープカ
セツトにおいて、ハウジング外にあるテープ部分
の前の閉位置と開位置の間を回動する正面回動カ
バーと、ハウジング外面上を摺動する摺動カバー
とを備え、前記摺動カバーは正面回動カバーから
分かれていて、前記挿入スペースをおおう閉じ位
置から挿入スペースを露出させる引込み位置へ引
込むことができ、ハウジングの固定部分と摺動カ
バーの間に附勢ばね手段を設けて摺動カバーを閉
位置へ附勢しており、摺動カバーの連結板はハウ
ジングの外にあるテープ部分のうしろ側と正面壁
の間の挿入スペースに入り、附勢ばね手段は摺動
カバーの前側部分とハウジングの固定部分の間に
配置した圧力ばねとし、摺動カバーを閉位置へ押
すようになしたことを特徴とする磁気テープカセ
ツトによつて達成される。

（発明の効果） 本発明においては、摺動カバーが挿入スペース
に延び入る連結板をもつこと、附勢ばね手段が引
張ばね手段ではなく、圧力ばねであつて、摺動カ
バーの前記連結板とハウジングの固定部分の間に
配置される構成を有するため、カセツトの組立が
下記の理由から簡単になる。

圧力ばねは両端を取付ける必要がない。

ハウジングの下部主壁に摺動カバーを半径方
向に取付けたため、摺動カバーの連結板が圧力
ばねの一前端に当るとただちに自動的に圧力ば
ねは附勢される。

摺動カバーを取付ける前にばね手段をハウジ
ングに取付けることができる。

圧力ばねの一前端に当るとただちに自動的に
圧力ばねと摺動カバーは外から取付けられるの
で、ハウジング下部とスプールは前もつて組立
てることができる。

本発明では、予め附勢した圧力ばねみを互に押
圧し合う部分間に配置すればよく、押ばねはこれ
らの部分に連結する必要はない。第二に、本発明
では、挿入スペースは摺動カバーの部分のみで使
用される。これらの部分は第二のカバーを引込位
置に移したときに離れるので、カセツト駆動装置
の部分の邪魔にならない。

好適例では、圧力ばねは摺動カバーを閉ざした
とき少なくとも１部が挿入スペース内に位置す
る。このため圧力ばねの寸法を大きくして、平ら
な力−変位特性が得られる利点がある。また、前
記圧力ばねはハウジング外から簡単に手が届くた
め、その組立て、分解が簡単になる。

他の好適例では、１つ以上の開口をハウジング
正面壁に設け、この開口が正面に開口し、圧力ば
ねを支持する底部をもつ。従つて圧力ばねは外か
ら各開口に差し込むだけでよく、その後摺動カバ
ーを組立てることができる。

他の好適例では、圧力ばねは両スプール間の中
程で正面壁の盲孔内に配置した１個のつる巻ばね
とする。この実施例は極めて構造が簡単であり、
ほこりやごみが通過してカセツトに入る余分の開
口を正面壁にもたないといる利点がある。

圧力ばねが荷重を受けて腰折れを起こすような
場合には、摺動カバーの前側部分に備えたピンが
正面壁の円筒形開口に入つてつる巻ばねと協働
し、このばねの横移動を防止する如き実施例が好
適である。

本発明には種々の実施例が可能である。圧力ば
ねはつる巻圧縮ばねとする必要はなく、閉位置か
ら引込位置に動いたとき摺動カバーの連結板を押
し、挿入スペースを通して前記連結板に作用する
１個又は複数の手段で構成してもよい。

（同時係属中の他の分割出願発明との関係） 本願は特願昭54−56854号を原出願とする同時
係属中の複数の分割出願の１つである。これらの
分割出願は原出願に記載されていた磁気テープカ
セツト及びカセツト装置に含まれていた種々の新
規な構成を対象として夫々分割出願したものであ
る。これら分割出願発明の相互関係を明らかにす
るため、本願を含め各分割出願発明の対象の差異
を明らかにするため以下簡単に説明する： １ 特願昭60−160387号は、２つの分離したカバ
ーをもち、一方のカバーのみに直接弾性手段の
負荷を及ぼし、他方のカバーは上記直接負荷を
及ぼされたカバーにより動かすように構成した
点に主な特徴を有するカセツトに関するもので
ある。

２ 本願の特願昭60−160388号は、カセツトハウ
ジングの主壁上を摺動する摺動カバーをもち、
摺動カバーがハウジングの横側壁上を摺動する
案内部をもつていて、摺動運動の案内を確実に
行うよう構成した点に主な特徴を有するカセツ
トに関するものである。

３ 特願昭60−160389号は、正面回動カバーと摺
動カバーをもち、閉鎖状態で摺動カバーが回動
カバーの回動を阻止するように構成した点に主
な特徴を有するカセツトに関するものである。

４ 特願昭60−160390号は、旋回する正面回動カ
バーと摺動カバーをもち、摺動カバーがカセツ
ト両側に摺動板をもち、摺動板がカセツトの平
行な主壁上を移動し、また両側で側壁により相
互連結されており、摺動カバーの側壁がカセツ
トハウジングの側壁上を移動するよう構成した
点に主な特徴を有するカセツトに関するもので
ある。

５ 特願昭60−160391号は、カセツトの側壁に沿
つてカセツトハウジングの外側に配置した２つ
の旋回アームをもつ回動する正面回動カバー
と、摺動する摺動カバーとをもち、旋回アーム
を破損から十分に保護するため、両カバーの閉
鎖状態で旋回アームの外側を摺動カバーで覆う
ように構成した点に主な特徴を有するカセツト
に関するものである。

６ 本願の特願昭61−59081号は、回動する正面
回動カバーとばね負荷された摺動カバーをも
ち、摺動カバーがカセツトハウジングの主壁上
を摺動してカセツト装置のテープ引き出し素子
挿入用に備えたテープ背後の挿入スペースを閉
鎖し、挿入スペースに入り込むがテープの背後
に位置する摺動カバーの連結板とハウジング間
に圧力ばねを配置した点に主な特徴を有するカ
セツトに関するものである。

以下、本発明を添付図面を参照して詳述する。

（実施例の説明） 第１〜１２図に於いて、本発明の一実施例の磁
気テープビデオカセツトは４７で示す。該カセツ
トは中心開口５０，５１と、最初に述べた開口の
回りに配列した開口５２，５３を有する。カセツ
トハウジングは第一主壁５４と第２主壁５５を有
し、これらは夫々第一開口５６と５７及び第二開
口５８と５９をリールハブ４８と４９のためにも
つている。主壁５４，５５は側壁６０，６１及び
後壁６２により相互連結している。後壁の反対側
には第５〜７図に示す如く正面６３がある。カセ
ツトハウジングは伸長テープ部分６５を正面６３
近くにして磁気テープ６４を入れる。

正面回動カバー６６は実質的にカセツトハウジ
ングの全正面６３を覆い、旋回アーム６７，６８
（第５図）を両側に有し、これらのアームは側壁
６０，６１に沿つて延び、又閉位置でカセツトハ
ウジングの後壁６２に向く自由端６９，７０をも
つ。側壁６０，６１及び旋回アーム６７，６８は
旋回アームの自由端６９，７０近くに協働する旋
回支承手段をもつ。正面回動カバー６６はその閉
位置から（第１〜３図参照）、２個の異なつた閉
位置へ、即ち第１開位置で第一主壁５４に向かう
第一旋回方向７１（第５図）に旋回することによ
り、又第二旋回位置でカセツトハウジングの第二
主壁５５を向かう第二旋回方向７２（第６図）に
旋回することにより旋回することができる。

磁気テープカセツト４７では、旋回支承手段
は、第一主壁５４の側近くに位置する第一旋回軸
７３（第５図）の回りにその第一方向７１に正面
回動カバー６６を旋回させるため、第二主壁５４
の側近くに位置した第二旋回支承手段と、第二主
壁の側近くに位置する第二旋回軸７４の回りに第
二旋回方向７２に正面カバーを旋回させるため、
第二主壁５５の側近くに位置した第二旋回支承手
段を有する。第一旋回支承手段は第一支承ジヤー
ナル７５，７６（第７図）、及び第一支承ジヤー
ナルを受ける第一支承凹部７７を画成する磁気テ
ープカセツト４７の部分を有する。前記第一支承
凹部のうち、支承ジヤーナル７５と協働する支承
凹部のみを第６，７図に示している。第二旋回支
承手段は第二支承ジヤーナル７８，７９及びこれ
らの支承ジヤーナルを受ける第二支承凹部８０を
画成する磁気テープカセツトの部分を有する。第
二支承凹部のうち支承ジヤーナル７８を受けるた
めの支承凹部を第５，７図中に示している。

支承凹部７７と８０は、正面回動カバーが第二
旋回軸７４の回りに旋回するとき支承ジヤーナル
７５，７６を対応する支承凹部の外に動かすた
め、又正面回動カバー６６が第一旋回軸７３の回
りに旋回するとき支承ジヤーナル７８，７９を関
連した支承凹部の外に動かすためにそれらの周辺
部で部分的に開放している。

アーチ形第一案内スロツト８１（第７図）は、
正面回動カバー６６がその第二旋回方向７２に旋
回するとき遊びをもつて第一支承ジヤーナル７
５，７６を案内するため第一支承凹部７７で終わ
つている。アーチ形第二案内スロツト８２は正面
回動カバー６６がその第一旋回方向７１に旋回す
るとき遊びをもつて第２支承ジヤーナル７８を案
内するため第二支承凹部８０で終わつている。図
より明らかな如く、支承凹部と案内スロツトはカ
セツトハウジングの側壁６０，６１に位置し、支
承ジヤーナルは正面回動カバー６６の旋回アーム
６７，６８上に配列している。

磁気テープカセツト４７の両主壁５４，５５は
大きなカセツトアウト（切除部）８９，９０（第
１，２図）をもち、これらはビデオカセツト装置
の素子をテープ伸張部分６５の後側で通過させる
ためにカセツトハウジングの正面に向かつて解放
している。又正面回動カバーを開いたとき、磁気
テープカセツト内にごみの侵入するのを最小限度
となすため、カセツトは閉鎖正面壁９１（第６，
７図）を有し、これは磁気テープ６４を取り出す
目的のみで夫々２個のテープ案内ローラ９４，９
５の位置に２個の出口開口９２，９３を具えてい
る。

第一及び第二主壁の近くに、第一と第二の摺動
カバー９８がある。これらは第一摺動板６６（第
７図）と第二摺動板９７の形をなしている。これ
らはカセツトハウジングの後壁６２近くの引込位
置（第５，６図）とカセツトハウジングの正面６
３近くの閉位置（第１〜第４図）の間を摺動する
ことができる。引込位置では、摺動板９６，９７
は対応する主壁５４と５５中のカツトアウト８９
と９０を解放状態となす。閉位置ではカツトアウ
トは完全に閉ざされる。本発明のこの実施例で
は、摺動板はお互いに無関係には動かない。２つ
の摺動板９６，９７は単一の摺動カバー９８の部
分を形成し、これらの摺動板は一体をなして引込
位置（第５，６図参照）と閉位置（第１〜４図参
照）の間を動くことができ、該単一の摺動カバー
は２個の前記摺動板９６，９７及び２個の案内部
９９，１００を具え、該案内部はカセツトハウジ
ングの側壁６０，６１に沿つて延びかつこれと摺
動するように協働し、また摺動板を相互連結す
る。判り易くするため、摺動カバー９８は以後
“スライド”と称する。

スライド９８（摺動カバー）はプラスチツクか
ら一体に作られる。別法として第１４図に示すご
ときスライド１０１を使うことができる。これは
摺動板１０２，１０３及び案内即ち側壁１０４，
１０５を有する。このスライドは２個の同じ部品
からなり、これらの部品はプラスチツクから作ら
れ、１部品は摺動板１０２と側壁１０４を有し、
他部品は摺動板１０３と側壁１０５を有する。こ
れらの部品はプラスチツク結合部によりお互いに
連結する。第１５図は摺動板１０２を側壁１０４
を連結するスナツプ結合部の横断面を示す。連結
手段は太くした円錐台形状端１０７をもつピン１
０６を有する。ピン１０６の位置に摺動板１０２
は２個の同軸開口１０８，１０９をもつ。開口１
０９は大きな直径をもち、ピン１０６の円錐形状
端１０７を受け入れる動きをする。この円錐形状
端は開口１０８より僅かに大きい直径をもち、摺
動板１０２を側壁に取り付けたとき、開口１０９
に達するまで僅かに弾性変形する。スライド１０
１はスライド９８と同じ方法で作用する。

磁気テープカセツト４７において、正面回動カ
バー６６の２個の旋回アーム６７，６８はカセツ
トハウジングの外に置かれる。スライド９８がそ
の閉位置にあるとき、旋回アーム６７，６８はス
ライドの側壁即ち案内部９９，１００により覆わ
れ、そのため磁気テープカセツト装置から除かれ
るとき、旋回アーム、かくして旋回支承手段は機
械的損傷を受けないように満足に保護される。更
に、すつきりした外観がこうして得られる。

完全なスライド９８は圧力ばね１１０（第７
図）によりその閉じ位置に向かつて押圧される。
そのため摺動板９６，９７は伸長テープ部分６５
の後側で案内部９９と１００間の中程で連結板１
１１により相互連結される。連結板にはピン１１
２を配置している。圧力ばね１１０はピン１１２
の周りに嵌着し、カセツトハウジングと連結板１
１１に対して押当てる。この目的でカセツトハウ
ジングはその側壁６０，６１間の中程に円筒形開
口１１３をもつ（第７図参照）。連結板は圧力ば
ね１１０の取付点として役立つばかりでなく、ス
ライド９８を強固にする働きもする。比較的薄い
摺動板９６，９７は容易に曲がることができる
が、これは連結板１１１により有効に防止するこ
とができる。連結板１１１は２個のスロツト１１
４，１１５をもち、これらは摺動板９６，９７の
中心の２個のリツジ１１６，１１７と掛合する。

分離した連結板１１１をもつスライド９８の代
わりに、連結板１１９と一体のスライド１１８を
使うことも別方法として可能である。（第１３図
参照）。摺動板１２０，１２１及び側壁即ち案内
部１２２，１２３、及び連結板１１９とこの板上
に配置したピン１２４は射出成形により適当なプ
ラスチツクから一体に作られる。かかる摺動板を
用いるとき、種々の構成部品は、スライドを嵌合
するときにカセツト正面に沿う伸張テープ部分６
５が邪魔をしないような順序で、取付けられるべ
きである。圧力ばねの取り付けを容易にするた
め、ピン１２４より実質的に短いピンが使用され
る。ピンの代わりに連結板表面の局部的凹部を、
圧力ばねの端の望ましくない横移動を防止するた
めに使用することができる。

第１４図に示すスライド１０１は磁気テープが
カセツトハウジング中に置かれた後に取り付ける
ことができる。このスライドは連結板１２５を有
し、これは摺動板１０２及び摺動板１０３の夫々
一体の２個の部品１２５ａ，１２５ｂからなる。
部品１２５ｂは第１５図の形式のスナツプ結合部
により摺動板１０２に連結され、部品１２５ｂは
同様のスナツプ結合部により摺動板１０３に連結
される。ピンも又２個の部品からなる。このピン
に関しては、上記ピン１２４につき説明したこと
を同様に当て嵌めることができる。

圧力ばね１１０は、カセツトをカセツト装置上
に置いていないときにスライド９８がその閉位置
を占め、かくしてカセツトハウジングの主壁中の
カセツトアウト、即ち開口８９，９０を覆うこと
を確実となす。その閉位置で、スライドは装置デ
ツキ上に具えた位置決めピンの助けによりカセツ
トをカセツト装置に対して位置決めするための普
通の位置決め開口１２６〜１２９のごとき主壁中
の他の開口を覆う。しかし、圧力ばね１１０はも
う１つの機能をもつ。即ちスライド９８がその閉
位置に移されるとき正面回動カバー６６を閉鎖さ
せる。この目的で、スライド９８と正面回動カバ
ー６６は、正面回動カバーがその２つの開位置の
何れを占めているかに拘わりなく、正面回動カバ
ーをその閉位置へ旋回せしめるための協働部分を
有している。前記協働部分は第５，６図から明白
な如く、旋回ブーム６７，６８の側面及び摺動す
るようにそれと協働する摺動板９６，９７の部分
とを有する。

スライド（摺動カバー）９８と正面回動カバー
６６はもしスライド９８がその閉位置にあれば正
面回動カバー６６が開位置へ移動しないように防
止するための協働する掛金手段を有し、それ故装
置から取り出した磁気テープカセツトは容易に開
くことはできない。それを開くことはスライド９
８が圧力ばね１１０の抗して少なくとも部分的に
その引込位置に戻つた後にのみ起こり得る。前記
掛金手段は正面回動カバー６６の旋回アーム６
７，６８の側面と、スライド９８の摺動板９６，
９７の部分を含み、即ちスライドがその閉位置に
あるとき側壁９９，１００に共に旋回アーム６
７，６８を覆う摺動板の部分を含む。掛金手段は
又正面回動カバー６６の両側にある２個の突出部
１３０，１３１を含む。

特に第２図と第４図に示される如く、正面回動
カバー６６はカセツトハウジングの後壁６２から
遠い側のスライド９８の側壁即ち案内部９９，１
００の正面側１３２，１３３をカセツトハウジン
グの主壁５４，５５近くに位置する場所で解放し
た状態にしている。これは磁気テープカセツトが
カセツト装置のカセツトホルダー中に置かれてい
るときにスライド９８をその引込み位置へ動かす
ための止め手段のためになされている（第１６，
１７図参照）。これらの図はカセツトホルダー１
３５の位置でカセツト装置１３４の一部を横断面
で示す。このカセツトホルダーはヒンジピン１３
６の周りに旋回でき、かくして第１６図に示すカ
セツト挿入位置から第１７図に示す作用位置に移
動することができる。その正面カセツトホルダー
１３５はカセツト挿入開口をもつ。張力ばね１３
９によりレバー１３８は部分的に解放した底板１
４０に対してカセツトを押付け、該底板は突出部
１４１を有する。カセツトの挿入中これらの突出
部はスライド９８の正面側１３２，１３３と協働
する。磁気テープカセツト４７がカセツトホルダ
ー１３５に挿入されるとき、スライド９８はかく
してその閉位置からその引込んだ位置に簡単に動
かされる。

スライド９８の側壁部即ち案内部９９と１００
は正面回動カバーの側方の突出部１３０，１３１
をその閉位置で受け入れることのできる凹部１４
２，１４３をもつ。こうして、突出部１３０，１
３１はスライド９８の案内部９９，１００の関連
部分と共に正面回動カバーをその閉位置に掛止す
るための掛金手段として作用する。しかし、該突
出部はカセツト４７がカセツト装置のカセツトホ
ルダー内に挿入された後正面回動カバーを解放す
るために役立つ。この目的のため、第１６，１７
図に見られる如く、カセツト装置１３４はカバー
開放具１４４を具え、該開放具は圧力ばね１４５
とピン１４６の助けによりスロツト孔１４７内で
移動できるようにカセツト装置デツキ上に取付け
られる。第１７図では、スライド９８は既にその
引込んだ位置を占めており、そのため正面回動カ
バー６６は旋回できる。正面回動カバーはカセツ
トホルダー１３５が下方へ動くとき旋回し、その
移動中にカバー開放具１４４は正面回動カバー６
６上の突出部１３０と協働する。突出部１３１は
同様に正面回動カバー開放具と協働することがで
きる。

磁気テープカセツト４７では、カセツトハウジ
ングとスライド９８は、正面回動カバー６６が未
だ取り付けられていないか除去されたとき、一旦
取り付けたスライドがカセツトハウジングら滑り
出るのを防止するように協働する止め手段を具え
る。該スライドは２個のフツク１６２，１６３
（第７，８，９図参照）をもつが、該ハウジング
の側壁６０，６１はフツクと掛合するスロツトを
もつ。第４，７図はカセツトハウジングの側壁６
０中にあるかかるスロツト１６４を示す。スロツ
ト１６４の端１６５の場所の側壁６０の部分（第
７図参照）は該フツク用の止めとして働く。側壁
６１は同様のスロツト（図示せず）をもち、フツ
ク１６３用の止めを有する。スロツト１６４の端
１６５の場所は次の如く選択されている。即ちフ
ツク１６２がスライド９８の閉位置で端１６５に
達し、そのためばね１１０の圧力がこの閉位置で
フツク１６２によりカセツトハウジングの側壁６
０に、又フツク１６３によりカセツトハウジング
の側壁６１に伝えられるように選択されている。
正面回動カバー６６、とくに支承ジヤーナル７５
〜７９はスライド９８の閉位置で圧力ばね１１０
により負荷を受けない。その理由は閉位置のスラ
イド９８と正面回動カバー６６間に若干のすき間
が常に存在するからである。

図示の実施例とは異なつた多くの実施例を使用
できる。本発明は一方向のみに動く正面回動カバ
ーをもつカセツトに使用することができる。数種
類のビデオカセツトが一方向のみに開く正面回動
カバーをもち、只一つの主壁が１つ又は２つ以上
のカセツトアウトをもつ。これらはハウジングの
外部で動く１つの摺動カバーにより閉じることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は磁気テープビデオカセツトを示す図
で、その正面回動カバーが２個の旋回軸の回りに
旋回可能であり、該カセツトは主壁中のカセツト
アウトを閉じるための一体のスライドとして形成
される摺動カバーを備えているものを示す図、第
２図は第１図の磁気テープカセツトの正面図、第
３図は第１図と同様の図で、磁気テープカセツト
の異なつた主表面を示すもの、第４図は第１〜３
図のカセツトの斜視図で、摺動カバーは閉位置に
あり、正面回動カバーはその閉位置にある状態で
示すもの、第５図は第４図と同様の図を再び示す
もので、ここでは摺動カバーはその引込み位置に
あり、正面回動カバーは第一旋回方向に開いてい
るものを示す図、第６図は第５図と同様の図を再
び示すもので、ここでは正面回動カバーは第二旋
回方向に開いているものを示す図、第７図は第１
〜６図に示す磁気テープカセツトの部分分解図、
第８図は摺動カバーの中心でとつた横断面図で、
第７図の矢印−上でとつた図、第９図は
第１１図の矢印−上でとつた部分横断面
図、第１０図、第１１図、第１２図は第１〜７図
磁気テープカセツト中の摺動カバーの摺動板を相
互連結するための連結部材を示す図、第１３図は
第１〜７図の磁気テープカセツト用の摺動カバー
の一体成型したプラスチツク部品を示す図、第１
４図は第１〜７図の磁気テープカセツト用のスナ
ツプ結合した２個のプラスチツク部品からなる摺
動カバーを示す図、第１５図は第１４図の摺動カ
バーの部品を相互連結するスナツプ結合部の１つ
の詳細を示す図、第１６図は本発明の磁気テープ
ビデオカセツトを含むヒンジ結合したカセツトホ
ルダーをもつビデオカセツト装置の一部を示す図
で、摺動カバーはカセツトの挿入中その引込んだ
位置に移動した状態で示す図、第１７図は第１６
図のものの断面図を示すもので、カセツトホルダ
ーは作用位置にあり、正面回動カバーはビデオカ
セツト装置のデツキ上に備えた手段により解放さ
れている状態で示す図である。 ４７……磁気テープカセツト、６５……テープ
伸張部分、６６……正面回動カバー、６７，６８
……旋回アーム、７５，７６……支承ジヤーナ
ル、７８，７９……旋回支承手段、７７，８０…
…支持凹部、８１，８２……案内スロツト、８３
〜８６……取付けスロツト、８９，９０……カセ
ツトアウト、９６，９７……摺動板、９８，１０
１……摺動カバー又はスライド、１０２，１０３
……摺動板、１１０……圧力ばね、１１１，１１
９……連結板、１１２……ピン、１１３……円筒
形開口、１２４……ピン、１３０，１３１……突
出部、１３５……カセツトホルダー、１３９……
張力ばね、１４……突出部、１４４……カバー解
放具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ テープ出口開口９２，９３のある正面壁９１
   をもつハウジング中に２つの同一平面内にあるテ
   ープリールを備え、テープの一部６５が一方のテ
   ープリールから一方のテープ出口開口を通つてハ
   ウジングの外へ行きそして他方の出口開口を通つ
   てハウジング内へ戻つて他方のテープリールへ行
   くようになつており、正面壁９１とハウジング外
   にあるテープ部分６５の間に挿入スペースを設け
   て、カセツト装置の少なくとも１つの引出し素子
   を前記テープ部分のうしろに挿入してテープルー
   プをカセツトの外に引出すようになした磁気テー
   プカセツトにおいて、ハウジング外にあるテープ
   部分の前の閉位置と開位置の間を回動する正面回
   動カバー６６と、ハウジング外面上を摺動する摺
   動カバー９８とを備え、前記摺動カバーは正面回
   動カバーから分かれていて、前記挿入スペースを
   おおう閉じ位置から挿入スペースを露出させる引
   込み位置へ引込むことができ、ハウジングの固定
   部分と摺動カバーの間に附勢ばね手段１１０を設
   けて摺動カバーを閉位置へ附勢しており、摺動カ
   バー９８の連結板１１１はハウジングの外にある
   テープ部分６５のうしろ側と正面壁９１の間の挿
   入スペースに入り、附勢ばね手段は摺動カバー９
   ８の連結板１１１とハウジングの固定部分の間に
   配置した圧力ばね１１０とし、摺動カバーを閉位
   置へ押すようにしたことを特徴とする磁気テープ
   カセツト。 ２ 摺動カバー９８が少なくとも閉位置にあると
   き前記圧力ばね１１０は少なくとも１部がカセツ
   トハウジングの外で挿入スペース内にあることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の磁気テー
   プカセツト。 ３ ハウジングの正面壁９１に少なくとも１つの
   開口１１３を設け、前記開口はカセツト正面に開
   放し、かつ圧力ばね１１０を支持する底部をもつ
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の磁
   気テープカセツト。 ４ 圧力ばね１１０は１個のつる巻きばねで構成
   し、前記開口１１３は円筒形開口とし、正面壁９
   １のみに開放しかつ２つのスプール間に配置した
   ことを特徴とする特許請求の範囲第２項又は第３
   項記載の磁気テープカセツト。 ５ 摺動カバー９８の連結板１１１はピン１１２
   をもち、このピンはハウジングの正面壁９１の円
   筒形開口１１３に入込んで、つる巻きばね１１０
   と協働してその横移動を防止することを特徴とす
   る特許請求の範囲第４項記載の磁気テープカセツ
   ト。