JPH044293A

JPH044293A - 固体潤滑剤

Info

Publication number: JPH044293A
Application number: JP10283190A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Sugiura; 勉杉浦; Maki Sato; 真樹佐藤; Kenichi Fujimoto; 研一藤本; Sunao Sasada; 笹田　直; Takashi Nakano; 隆中野
Original assignee: Nippon Steel Corp; Nippon Steel Chemical Co Ltd
Current assignee: Nippon Steel Corp; Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Priority date: 1990-04-20
Filing date: 1990-04-20
Publication date: 1992-01-08

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は黒鉛系の新規な固体潤滑剤に関するものである
。

本発明の固体潤滑剤は、従来の固体潤滑剤の用途に加え
て、これまでに黒鉛系固体潤滑剤が用いられ得なかった
、高真空下における温・熱間鍛造等の塑性加工、軸受は
等の摺動部材等の分野、あるいは宇宙・航空分野等の極
高真空用固体潤滑剤としても用いることができる。

（従来の技術）従来、黒鉛系固体潤滑剤は、主として塑性加工用潤滑剤
、例えばパイプ、機械部品等の熱間圧延。

熱間押し出し、熱間鍛造等に広く用いられている。

これは、黒鉛が空気中で良好な潤滑特性を示すこと、高
い耐熱性を持つこと、比較的安価に得られること等によ
ると考えられる。

黒鉛の潤滑性は、その炭素六角網面の積層構造に由来し
ていると考えられているが、黒鉛が良好な潤滑性を示す
ためには、微量の水や酸素等のガスの存在が必要であり
、従って、真空中においては、良好な潤滑性は示さない
。例えば、黒鉛を乾燥空気中で、ピン・オン・ディスク
型試験機にて、炭素や種々の金属と擦り合わせた場合、
摩擦係数は０．１〜０．２と良好な潤滑特性を示すが、
同様な試験を真空中で行った場合には、摩擦係数は０．
６〜０．８となる（トライボロシスト、第３４巻、第８
号、１４９頁（１９８９））。

すなわち、これまで黒鉛系固体潤滑剤は、大気中で用い
る場合には、良好な潤滑特性を示すが、真空中では良好
な潤滑特性が認められず、これ故に真空用の固体潤滑剤
としては用いることができなかった。

（発明が解決しようとする課題）本発明は、従来の黒鉛系固体潤滑剤に優り、高真空中で
も優れた摩擦特性を示す新規な固体潤滑剤を提供するも
のである。

（課題を解決するための手段）本発明は、１〜１００μｍまでの平均粒径を持つ黒鉛層
間化合物またはその残留化合物を黒鉛系固体潤滑剤に配
合してなる固体潤滑剤である。

以下本発明について詳細に説明する。

本発明で用いる黒鉛層間化合物とは、炭素の六角網面の
積層構造を持つ黒鉛の眉間に種々の物質を挿入すること
により得られる化合物である。この黒鉛層間化合物の原
料として用い得る黒鉛は、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛繊
維、黒鉛ウィスカーシート状黒鉛、高配向性熱分解黒鉛
など、黒鉛層間化合物を生成し得るものであれば良い。

また、黒鉛層間化合物に挿入する物質としては、金属塩
化物、金属フッ化物、ハロゲン、アルカリ金属、酸等、
黒鉛に挿入されて黒鉛層間化合物を生成するものであれ
ば良いが、金属塩化物、金属フッ化物、ハロゲン等の大
気中で比較的高い安定性を持つ黒鉛層間化合物を形成す
るものが好ましい。黒鉛層間化合物中の挿入物質の量は
黒鉛層間化合物全体の０．０１％から７０％の範囲、好
ましくは０．１％から２０％の範囲とする。挿入物質が
０．０１％未満では黒鉛層間化合物の潤滑性能が発揮さ
れず、通常の黒鉛と同様の物性となる。また、挿入物質
が７０％超の場合には、潤滑に寄与する黒鉛層面の割合
が小さくなり、優れた潤滑性能が発揮されない。

黒鉛層間化合物の製造方法に関しては特に規定はなく、
例えば広く知られる定圧気相法、電気化学的合成法（炭
素ＮＱｉ１１．１７１頁（１９８２，））等いかなる方
法を用いても良い。

また、本発明で用いる黒鉛層間化合物の残留化合物とは
、前記の黒鉛層間化合物を高温で熱処理して熱分解させ
たものである。この際の温度、処理時間等の熱処理条件
は用いる黒鉛層間化合物により異なるが、分解の際の副
反応や黒鉛の酸化反応を抑制するため、雰囲気ガスはア
ルゴン、窒素等の不活性ガスを用いることが好ましい。

得られた黒鉛層間化合物または黒鉛層間化合物の残留化
合物を、従来の黒鉛系固体潤滑剤に配合する。配合量は
１〜９５％の範囲、好ましくは２０〜８０％の範囲であ
る。配合量がｌｔｍｔ％未満では黒鉛系固体潤滑剤の特
性と変わらず、本発明の効果は得られない。

本発明で用いる、黒鉛層間化合物または残留化合物を配
合させる相手の黒鉛系固体潤滑剤とは、天然黒鉛１人造
黒鉛等の黒鉛粉末、黒鉛フレークの他、これに金属粉や
防錆剤、樹脂その他を添加したもの等、黒鉛を主成分と
する固体潤滑剤であれば良い。

本発明で用いる黒鉛層間化合物またはその残留化合物の
平均粒径は配合前に１〜１００μｍとする。

配合前の黒鉛層間化合物または残留化合物の平均粒径が
１〜１００μｍであれば黒鉛系固体潤滑剤にそのまま配
合すれば良い。黒鉛層間化合物または残留化合物が、シ
ート状、繊維状、フレーク状の場合は、これを粉砕して
平均粒径１００μ−以下にした後、黒鉛系固体潤滑剤に
配合して用いる。配合する黒鉛層間化合物またはその残
留化合物の平均粒径が１μｍ未満の場合には、嵩比重が
小さく、黒鉛系固体潤滑剤への均一な配合が困難である
。また、配合する黒鉛層間化合物またはその残留化合物
の平均粒径が１００μｍ超の場合には、良好な潤滑性能
は得られ難い。

本発明の固体潤滑剤は、従来の黒鉛系固体潤滑剤の用い
られている、あるいは今後用いることが考えられるあら
ゆる分野、装置機器、およびこれまで黒鉛系固体潤滑剤
を用いることができなかった真空雰囲気や高温等の分野
で、用いることができる。その使用方法については、特
に規定するものでないが、本発明の効果を発揮する分野
としては、熱間鍛造、熱間圧延、温間鍛造、温間圧延、
真空装置用、宇宙で使用される各種装置・機材用等に用
いられているあるいは今後用いられることが考えられる
分野である。また、比較的高温で用いられる潤滑油の添
加剤等に用いることも可能である。

（作　用）本発明により得られた固体潤滑剤は、従来の黒鉛系固体
潤滑剤に比較して真空中で優れた特性を示す。これは配
合した黒鉛層間化合物またはその残留化合物が真空中ま
たは高温下で優れた潤滑性能を有するこ゛とに加えて、
黒鉛系固体潤滑剤中の黒鉛が本来高潤滑性を示さない条
件下においても、配合した黒鉛層間化合物または残留化
合物の存在により潤滑性を示すことによる。

黒鉛層間化合物およびその残留化合物が、高真空中で優
れた潤滑性を示す機構の詳細は不明であるが、挿入され
た物質の一部が摩擦相手の表面に作用し活性化したり、
挿入された物質が黒鉛の層面間の滑りを改善することに
起因すると考えられる。黒鉛系固体潤滑剤中の黒鉛は、
配合した黒鉛層間化合物またはその残留化合物の存在す
なわち挿入物質が摩擦相手の表面に作用し活性化したり
黒鉛表面に作用することにより、本来高潤滑性を示さな
い条件下においても、優れた潤滑性能を示すと考えられ
る。

（実施例）実施例１塩化第二銅を挿入物質、人造粉末黒鉛を黒鉛材料とする
黒鉛層間化合物を、天然黒鉛に配合して固体潤滑剤を得
た。黒鉛層間化合物の配合量は３３、：ｈｔ％とした。

用いた黒鉛層間化合物は、平均粒径が約１５μｍ、塩化
第二銅の挿入量が３５ｗｔ％、また天然黒鉛の平均粒径
は約１０μｍであった。この黒鉛層間化合物５０ｇを天
然黒鉛１００ｇと容器中で混合して固体潤滑剤を得た。

得られた固体潤滑剤を、真空中ピン・オン・ディスク型
試験機にて、固体潤滑剤をピンに、炭素および鉄、銅、
釦、ニッケルの各金属をディスクに用いて、荷重１．９
Ｎ、摩擦速度１５６ｍｍ／ｓの条件で擦り合わせたとこ
ろ、摩擦係数は、いずれも０．１０〜０．２０であり、
良好な潤滑特性を示した。

実施例２塩化第二銅を挿入物質、天然粉末黒鉛を黒鉛材料とする
黒鉛層間化合物を、天然黒鉛に配合して固体潤滑剤を得
た。黒鉛層間化合物の配合量は３３．３すｔ％とした。

用いた黒鉛層間化合物は、平均粒径が約１０μｍ、塩化
第二銅の挿入量が４０ｗｔ％、また天然黒鉛の平均粒径
は約１０μｍであった。この黒鉛層間化合物５０ｇを天
然黒鉛１００ｇと容器中で混合して固体潤滑剤を得た。

得られた固体潤滑剤を、真空中ピン・オン・ディスク型
試験機にて、固体潤滑剤をピンに、鉄、銅、ニッケルの
各金属をディスクに用いて、荷重１．９Ｎ、摩擦速度１
５６ｍｍ／ｓの条件で擦り合わせたところ、摩擦係数は
、いずれも０．１０−０．１５であり、良好な潤滑特性
を示した。

実施例３フッ化バナジウムを挿入物質、人造粉末黒鉛を黒鉛材料
とする黒鉛層間化合物を、天然黒鉛に配合して固体潤滑
剤を得た。黒鉛層間化合物の配合量は２３ｗｔ％とした
。

用いた黒鉛層間化合物は、平均粒径が約２．５μ鳳、塩
化第二銅の挿入量が５０ｗｔ％、また天然黒鉛の平均粒
径は約１０μｍであった。この黒鉛層間化合物３０ｇを
天然黒鉛１００ｇと容器中で混合した。

上記で得られた固体潤滑剤を真空中、ピン・オン・ディ
スク型試験機にて、固体潤滑剤をピンに、鉄、銅、ニッ
ケルの各金属をディスクに用いて、荷重１．９Ｎ、摩擦
速度１５６ｍｍ／ｓの条件で擦り合わせたところ、摩擦
係数は、いずれも０．１５〜０．１８であり、良好な潤
滑特性を示した。

実施例４塩化第二銅を挿入物質、人造粉末黒鉛を黒鉛材料とする
黒鉛層間化合物を窒素気流中で５００℃２時間の熱処理
をして得た残留化合物を、天然黒鉛に配合して固体潤滑
剤を得た。残留化合物の配合量は３３．３ｗｔ％とした
。

用いた残留化合物は、平均粒径が約１５μｍ、塩化第二
銅の挿入量が約１ｗｔ％、また天然黒鉛の平均粒径は約
１０μｍであった。この残留化合物５０ｇを天然黒鉛１
００ｇと容器中で混合した。

得られた固体潤滑剤を、真空中ピン・オン・ディスク型
試験機にて、固体潤滑剤をピンに、鉄、銅、ニッケルの
各金属をディスクに用いて、荷重１．９Ｎ、摩擦速度１
５６ｍｍ／ｓの条件で擦り合わせたところ、摩擦係数は
、いずれも０．１θ〜０．１５であり、良好な潤滑特性
を示した。

比較例天然黒鉛を固体潤滑剤として用い、真空中、ピン・オン
・ディスク型試験機にて、固体潤滑剤をピンに、炭素及
び鉄、銅、釦、ニッケルの各金属をディスクに用い、荷
重１．９Ｎ、摩擦速度１５６ｍ＋ｉ／ｓの条件で擦り合
わせたところ、摩擦係数は、０．７０〜Ｏ，ＳＯであり
、良好な潤滑特性は得られなかった。

実施例１〜４に見られるように、黒鉛に黒鉛層間化合物
または残留化合物を加える場合には、真空中で良好な潤
滑特性が得られるが、これを行わない比較例、すなわち
従来の黒鉛系固体潤滑剤では真空中での優れた潤滑特性
は得られない。

（発明の効果）本発明により、従来の黒鉛系固体潤滑剤の用いられてい
る、あるいは今後用いることが考えられるあらゆる分野
、装置機器、およびこれまで黒鉛系固体潤滑剤を用いる
ことができなかった真空雰囲気や高温等の分野で、良好
な潤滑特性を示す固体潤滑剤を提供することができる。

Claims

【特許請求の範囲】

１〜１００μｍの平均粒径を持つ黒鉛層間化合物または
その残留化合物を、黒鉛系固体潤滑剤に含有させたこと
を特徴とする固体潤滑剤。