JPH0441961B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は農用トラクターに作業機を装着する際
に、オペレーターの操作を必要とせず、トラクタ
ーの移動により素早く機械的に装着せんとするク
イツクヒツチ装置に関するものである。

(ロ) 従来技術 従来から、農用トラクターに作業機をワンタツ
チで装着すべく構成したクイツクヒツチ装置は数
多く出願されているのである。例えば米国特許第
4090725号公報や、特開昭53−27502号公報や特開
昭53−134606号公報の如き技術である。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 本発明は前記従来の技術を更に改良して、作業
機の装着の際に、連動して作業機駆動軸の連結を
行い、トラクター本体側の作業機駆動軸と、作業
機側の入力側との間に、軸芯のズレが発生した場
合において、このズレを吸収可能とする機構を設
けとものである。

(ニ) 問題を解決するための手段 本発明の目的は以上の如くであり、次に該目的
を達成する為の構成を説明すると。

逆Ｕ字型のヒツチ側フレーム１の上下に作業機
に向かつて係止する係止部を設け、作業機側に前
記係止部と係合する上下の係止部を配置し、ヒツ
チ側フレーム１の昇降操作により作業機の着脱を
行い、ヒツチ側フレーム１の装着操作に連動して
トラクター本体Ｔ側の作業機駆動軸２５と作業機
側の入力軸２０の自動連結を行う構成において、
作業機駆動軸２５を軸受支持する軸受板２９を、
ヒツチ側フレーム１の左右下端に配置したロアリ
ンクガイド２・２間を連結する軸受サポート８に
支持し、該軸受サポート８をロアリンクガイド２
に固定する部分に長孔嵌入孔２ｄを穿設し、軸受
サポート８のヒツチ側フレーム１に対する上下方
向の取付角度を調整可能とし、更に該軸受サポー
ト８に対して、軸受板２９に弾性板１０を介して
締結し、該軸受板２９の軸受サポート８に対する
左右方向への移動間隙と上下方向への僅少回動を
可能としたものである。

(ホ) 実施例と作用 本発明の目的・構成は以上の如くであり、次に
添付の図面に示した実施例の構成と、併せて発明
の作用を説明すると。

第１図は本発明のクイツクヒツチ装置の装着前
の側面図、第２図は同じく装着状態のクイツクヒ
ツチ装置の側面図、第３図は装着状態の前面図、
第４図は作業機駆動軸支持部の分解図、第５図は
作業機駆動軸と入力軸の側面断面図、第６図はロ
アリンクガイドと係止フツク部分の側面図、第７
図は作業機駆動軸支持部の側面断面図、第８図は
ロアリンクガイドと係止フツクの枢支部の断面
図、第９図は同じくロアリンクガイド部分の下面
図である。

第１図・第２図・第３図に基づいて、本発明の
クイツクヒツチ装置の全体構成について説明する
と。

農用トラクターの後部より、三点リンク式装着
装置が突出されており、該三点リンク式装着装置
のトツプリンク１８と左右２本のロアリンクが直
接に作業機のトツプリンクピンとロアリンクピン
に嵌着されるのである。しかし、本発明では該ト
ツプリンクとロアリンクを直接に作業機に装着せ
ずに、クイツクヒツチ装置を間に介装してから作
業機に装着しているのである。

故に、トツプリンク１８はクイツクヒツチ装置
の上端の上部係止ピン３９により支持されてお
り、ロアリンク（図示せず）はその後端をクイツ
クヒツチ装置の下部係止ピン６・６に嵌入支持し
ているのである。そして該トツプリンク１８と左
右のロアリンクによりクイツクヒツチ装置を支持
して油圧リフトアームにより上下に回動するので
ある。

クイツクヒツチ装置はヒツチ側フレーム１を主
体として構成されている。該ヒツチ側フレーム１
はパイプ材を逆Ｕ字型に曲げて構成しており、該
ヒツチ側フレーム１の左右中央部の最も高い位置
に、上部係止ピン３９とヒツチ側の上端係止部３
がフツク状に形成されている。該上端係止部３に
より作業機側の係止部であるトツプリンクピン９
を下から掬うように係止するのである。

また、ヒツチ側フレーム１の左右端には左右端
係止部２ａ・２ａを構成するロアリンクガイド２
が固定されているのである。該ロアリングガイド
２は内側にヒツチ側フレーム１を溶接固定してお
り、外側には係止フツクブラケツト１７を固設し
ているのである。該係止フツクブラケツト１７は
第８図・第９図に示す如く、下部係止ピン６・６
の基部を支持しており、該下部係止ピン６・６の
基部が係止フツク５の回動枢支軸を兼務している
のである。

即ち、下部係止ピン６・６のうちで、係止フツ
クブラケツト１７よりも側方へ突出した部分はト
ラクターのロアリンクの嵌入する軸として利用さ
れており、係止フツクブラケツト１７とロアリン
クガイド２の間に支架された部分に、係止フツク
５と解除ハンドル４の一体化した部品を枢支して
いるのである。第６図において示す如く、係止フ
ツク５は左右端係止部２ａ・２ａを囲む形状のフ
ツク部を形成すると共に、背面が作業機側のロア
リンクピン７の侵入により後退するように、ガイ
ド面をも構成しているのである。

故に、トラクターを後退していくと、ロアリン
クガイド２のガイド突片２ｂと係止フツク５の裏
面ガイド部によりガイドされて、ロアリンクピン
７は最奥の左右端係止部２ａに嵌入して、係止フ
ツク５が係止して抜け止めの役目を果たすのであ
る。

該構成により、クイツクヒツチ装置を作業機に
装着する場合には、係止フツク５を左右端係止部
２ａ方向に付勢状態で、トラクターを後退させ
て、クイツクヒツチ装置を下方から徐々に上げて
いくと、まず上端係止部３がトツプリンクピン９
に嵌入して、次にロアリンクガイド２のガイド突
片２ｂが作業機側のピンブラケツト１５を内側へ
ガイドして、正規の位置に至らしめ、ロアリンク
ピン７を左右端係止部２ａ・２ａに導いて、係止
フツク５を押し開けて、左右端係止部２ａに嵌入
し、付勢バネにより戻つて来た係止フツク５によ
り係止それて抜け止めされるのである。

該係止状態を解除する場合には、支点越えバネ
を介装した解除ハンドル２を解除側に回動してお
いて、クイツクヒツチ装置をトラクターにより下
げ乍ら前方へ移動させれば、係止フツク５が後退
しているので、左右端係止部２ａよりロアリンク
ピン７が出ていくのである。同様に係止フツクの
無い上端係止部３の部分は、下方へ移動させるこ
とにより外れるのである。

作業機側はロータリー耕転装置を図示してお
り、該ロータリー耕転装置のトツプリンクマスト
１３にトツプリンクピン９が配置されている。ま
たベベルギアボツクス１１より前方へ入力軸２０
が突出しており、該入力軸２０に作業機駆動軸と
ユニバーサルジヨイント２６・３４とユニバーサ
ルジヨイント軸３３により、トラクターのPTO
軸からの動力をベベルギアボツクス１１に入力さ
せているのである。

該ベベルギアボツクス１１の左右に付設してメ
インビーム１４Ｌ・１４Ｒを付設して、該メイン
ビーム１４Ｌ・１４Ｒにピンブラケツト１５・１
５を固設しているのである。該ピンブラケツト１
５にロアリンクピン７が配置されている。通常の
トラクターへの装着の場合には、トラクター側の
ロアリンクに直接ロアリンクピン７が嵌入される
のである。本発明においては、該通常の装着用の
ロアリンクピン７を利用可能なクイツクヒツチ装
置を構成しているのである。

同様にトツプリンクマスト１３と補強ステー１
２の部分に支持されたトツプリンクピン９も通常
の作業機の装着に対しては、直接にトツプリンク
が装着されるものであり、本発明のクイツクヒツ
チ装置は通常の作業機をそのまま利用して、ワン
タツチ装着に変換可能であるという利点があるの
である。

１６はロータリー耕転装置の耕転カバー、３２
はユニバーサルジヨイントカバーである。

次に第４図より第７図の図面に基づいて、入力
軸２０と作業機駆動軸２５の自動連結部の構造に
ついて説明すると。

該自動連結部の基本的な構造としては、入力軸
２０の前端に嵌入した噛合爪２２と作業機駆動軸
２５の後端に嵌入した噛合爪２３を、クイツクヒ
ツチ装置の連結と共に、同時に噛み合いをさせる
ものである。

該目的の為には、入力軸２０は作業機側で一定
の位置に固定されているが、作業機駆動軸２５は
従来はトラクターに対してフリーな状態で位置が
固定されていなかつたので、まずクイツクヒツチ
装置に対して、一定の位置に固定する必要がある
のである。該クイツクヒツチ装置に対する作業機
駆動軸２５の固定を、左右のロアリンクガイド
２・２の間に渡架した軸受サポート８と軸受板２
９により支持しているのである。

しかし、該作業機駆動軸２５と入力軸２０のど
ちらも、一定の位置に固定してしまうと両軸の間
で軸芯が一致しない場合に、動力伝達回転時に噛
合爪を破壊する可能性があるので、本軸受サポー
ト８においては、作業機駆動軸２５側の支持にお
いて、軸芯調節の為の移動可能ギヤツプを構成し
ているのである。

即ち、第６図において図示するごとく、ロアリ
ンクガイド２と軸受サポート８を連結する為のボ
ルト４０の嵌入孔２ｃ・２ｄのうち、嵌入孔２ｄ
側を長孔として、軸受サポート８の螺子孔８ｂ・
８ｃに螺装したボルト４０が移動することによ
り、ロアリンクガイド２に対して軸受サポート８
が前後に回動可能としているのである。

該構成により作業機駆動軸２５の前後の動きの
ギヤツプの可能性について示したが、更に、軸受
サポート８に対して弾性板１０を介してボルト２
８・２８により支持している軸受板２９が左右に
移動可能なギヤツプを構成しているのである。即
ち、ボルト２８・２８は軸受板２９の後面から挿
入され軸受サポート８の前面のナツト８ｅに螺装
されているのであるが、該軸受板２９の嵌入孔２
９ａを大径孔として、内部でボルト２８・２８が
左右に移動可能としているのである。該構成によ
り軸受板２９に嵌入支持された軸受３８・３８が
クイツクヒツチ装置に対して、前後左右に移動可
能なギヤツプを構成することができ、該ギヤツプ
により、作業機駆動軸２５は回転に際して入力軸
２０との間に軸芯のズレがある場合には自動的に
調芯作用を行うことができるのである。

更に、前記の如く軸受サポート８と軸受板２９
の間に介装した弾性板１０によつても、若干の前
後方向のギヤツプを得ているのである。

また、作業機とクイツクヒツチ装置の連結時に
おいて、噛合爪２２と噛合爪２３が一致していな
い場合には、該爪部どうしで突き合つて、左右端
係止部２ａとロアリンクピン７が係止状態になれ
ない場合が発生するのである。本発明において
は、該状態においても、左右端係止部２ａとロア
リンクピン７が係合できるように、爪の長さの分
だけ噛合爪２３の方が、後退可能に構成されてい
るのである。

即ち、作業機駆動軸２５のスプライン部に噛合
爪２３のスプライン筒が嵌入しており、該スプラ
イン部により噛合爪２３は前後にスライド可能と
しているのである。そして、作業機駆動軸２５の
回転が開始して、噛合爪２２と噛合爪２３が合致
した時には、該合致状態が外れないように、噛合
爪２３の前方から付勢バネ２４を付勢しているの
である。

この場合において、該付勢バネ２４は実際には
噛合爪２２の側に介装しても良いのであるが、本
実施例においては、作業機駆動軸２５の側の噛合
爪２３に嵌装しているのである。これにより、入
力軸２０は従来のベベルギアボツクス１１の入力
軸２０に何の加工もせずに、唯噛合爪２２を嵌装
して、固定ボルト２７により入力軸２０のピン孔
により一定の位置に固定するだけで良いのであ
る。もしこれが逆となり、付勢バネ２４を入力軸
２０の側に配置すると、噛合爪のスライドを止め
る為のＯリング３７の嵌入孔や、付勢バネ２４の
バネ受け３６を係止するＣリング３５の嵌入孔等
を、入力軸２０に設ける必要が生ずるので、従来
から普及している作業機をそのままで利用してク
イツクヒツチ装置にて装着可能とするということ
が不可能となるのである。

(ヘ) 発明の効果 本発明は以上の如く構成したので、次のような
効果を奏するものである。

第１に、作業機駆動軸を軸受支持する軸受サポ
ート８とロアリンクガイド２の締結部において、
嵌入孔２ｃ・２ｄのうち２ｄ側を前後方向に長い
長孔としたので、軸受サポート８を前後に傾動す
ることが可能となり、クイツクヒツチ装置に対し
て作業機駆動軸２５の角度を自動調整することが
出来たのである。

第２に、前記軸受サポート８に対して、作業機
駆動軸２５の軸受板２９を固定する部分に、弾性
板１０を介装したので、該弾性板１０の部分によ
り、軸受板２９を左右に僅少間隙の移動を可能と
することが出来たのである。

第３に、同様に、軸受サポート８と軸受板２９
の間に弾性板１０を介装したので、該弾性板１０
の厚さの分だけ、軸受板２９を軸受サポート８に
対して前後に回動することができ、この部分にお
いても、作業機駆動軸２５と入力軸２０の軸芯線
の不一致を補正することが可能となつたのであ
る。

第４に、作業機駆動軸と入力軸の間の軸芯のズ
レが発生したままの状態で、両者を連結した場合
に徐々に発生する噛合爪の部分の摩耗や、また軸
受サポートと軸受板との間のガタの発生という不
具合いを、嵌入孔２ｄと弾性板１０により、ガタ
を積極的に吸収することにより解消することが出
来たのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のクイツクヒツチ装置の装着前
の側面図、第２図は同じく装着状態のクイツクヒ
ツチ装置の側面図、第３図は装着状態の前面図、
第４図は作業機駆動軸支持部の分解図、第５図は
作業機駆動軸と入力軸の側面断面図、第６図はロ
アリンクガイドと係止フツク部分の側面図、第７
図は作業機駆動軸支持部の側面断面図、第８図は
ロアリンクガイドと係止フツクの枢支部の断面
図、第９図は同じくロアリンクガイド部分の下面
図である。 １……ヒツチ側フレーム、２……ロアリンクガ
イド、２ａ……左右端係止部、２ｂ……ガイド突
片、２ｄ……長孔嵌入孔、３……上端係止部、４
……解除ハンドル、５……係止フツク、６……下
部係止ピン、７……ロアリンクピン、８……軸受
サポート、９……トツプリンクピン、１０……弾
性板、１１……ベベルギアボツクス、２０……入
力軸、２５……作業機駆動軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 逆Ｕ字型のヒツチ側フレーム１の上下に作業
   機に向かつて係止する係止部を設け、作業機側に
   前記係止部と係合する上下の係止部を配置し、ヒ
   ツチ側フレーム１の昇降操作により作業機の着脱
   を行い、ヒツチ側フレーム１の装着操作に連動し
   てトラクター本体Ｔ側の作業機駆動軸２５と作業
   機側の入力軸２０の自動連結を行う構成におい
   て、作業機駆動軸２５を軸受支持する軸受板２９
   を、ヒツチ側フレーム１の左右下端に配置したロ
   アリンクガイド２・２間を連結する軸受サポート
   ８に支持し、該軸受サポート８をロアリンクガイ
   ド２に固定する部分に長孔嵌入孔２ｄを穿設し、
   軸受サポート８のヒツチ側フレーム１に対する上
   下方向の取付角度を調整可能とし、更に該軸受サ
   ポート８に対して、軸受板２９に弾性板１０を介
   して締結し、該軸受板２９の軸受サポート８に対
   する左右方向への移動間隙と上下方向への僅少回
   動を可能としたことを特徴とするクイツクヒツチ
   装置。