JPH0438584B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は蒸気透過性逆反射シートおよびその製
作方法に関する。

逆反射シートは時にはシートを所定の位置に付
着した後に気体蒸気を放出する塗装表面、重合体
物品、又は他の基体に付着される。このような蒸
気の放出は特に蒸気が急速に又は大量に放出した
時に従来技術の反射シートのふくれを生じてシー
トに見苦しい外観を残したり、またシートの積層
のはがれ、引裂き、又は他の破損の原因になつて
いた。しかしながら、我々の経験では、シートに
含まれた金属製の正反射層がふくれの主な原因で
あることが明らかになつている。金属製の正反射
層なしで作られたシートは従来経験したふくれを
回避するに充分な蒸気の泳動を許す。

しかしながら、透明な微小球体の下に金属製の
正反射層をもたない逆反射シートは非常に低いレ
ベルの逆反射を呈する。正反射層は必要であり、
且つ斯かる層を保持しながらふくれの問題を回避
しなければならない。知られている限り、誰も以
前にそれをいかにすべきかについて教示していな
かつた。

本発明は新規な蒸気透過性逆反射シートを提供
する。この新規なシートは、それが透明な微小球
体の単一層と、微小球体の下にあつてそれと光学
的に関連した金属製の正反射層と、通常は微小球
体及び正反射層の間に設けられた（微小球体によ
つて伝達される光のほぼ焦点に正反射層を配置す
るための）透明な離隔層と、微小球体を支持し又
はシートの平らな上面を形成する透明な固着剤の
１つ以上の層と、通常はシートを基体に付着させ
る接着剤層とを有することで従来のシートと類似
している。

新規なシートは金属製の正反射層が正反射層を
伸張することによつて形成されるき裂線のような
微小な不連続部の延びた列を有することで従来の
シートと相違する。正反射層の不連続部は非常に
小さく且つ正反射層の全面積の小さい比率をなす
が、従来の反射シート製品に生じるふくれを大き
く減少し且つ回避するに充分なだけ蒸気が上記不
連続部を通つて急速に泳動することが判明してい
る。また、不連続部にもかかわらず、シートの反
射性を目立つほど影響を受けず、また製品は物理
的に強く且つ耐久性をもつている。

金属製の正反射層をき裂させるように伸張する
ことは不連続部を形成する好ましい方法であり、
この伸張加工の好ましい工程、(a)通常は少なくと
も透明な微小球体の単一層と、微小球体の下にあ
つてそれと光学的に関連した透明な離隔層と、離
隔層の底表面に支持された薄い金属製の正反射層
とを有する伸張可能の中間段階の製品を作るこ
と、及び(b)この中間段階の製品を幅出し装置など
で伸張して金属製の正反射層をき裂させて前記し
た不連続部の列を形成することを含む。

他の部分は典型的には伸張加工後に付加され
る。例えば、透明な重合体材料の１つ以上の層が
製品の上部に付加されて平滑な上面を形成し、且
つシートを（雨水や他の水分などで）湿つている
時又は乾いている時に反射可能にすることがで
き、また典型的には接着剤層を含む１つ以上の層
が底に付加されることができる。

完成後、新規な逆反射シートは水蒸気が24時間
につき少なくとも15グラム／平方メートル、好ま
しくは少なくとも20グラム／平方メートルの割合
でシートを通過するに充分なだけ通気性を有す
る。（この測定を行なうには、試験シートを２つ
の密封された室を分離する膜として配置され、一
方の室を温度22℃及び相対湿度90パーセントに保
ち、且つ他方の室を温度22℃及び相対湿度０パー
セントに保つ。第二の室に水蒸気吸収剤を入れ、
その重量を試験期間の前後に測定し、測定した重
量差から水蒸気の伝達量を計算する。）対比する
と、同じ条件で水蒸気は24時間につき約６グラ
ム／平方メートルの割合で従来の逆反射シートを
通る。

図面に示したシート１０は、透明な微小球体１
１の層と、微小球体を本質的に単一層として支持
する透明な固着剤の層１２と、透明な上面層１３
と、微小球体の底の輪郭に全体的に従い、且つ反
対シートの前部に入射し且つ微小球体を通過する
光線に対するほぼ焦点において微小球体から離隔
した底面を有する透明な離隔層１４と、離隔層の
輪郭のついた表面に支持され且つ微小な不連続部
１７の延びた列を有する逆反射層１６と、最も典
型的にはシートを基体に接着するための感圧性接
着剤のような接着剤の層である底層１８とを有す
る。

図示した逆反射シートの製作は、典型的には上
面層１３を形成する材料を溶液又はその他の液化
体から支持ウエブ上に塗布し、その材料を固化
し、次に固着剤層１２のための材料を塗布するこ
とから始まる。層がまだ湿つている間に透明な微
小球体を、塗布した固着剤層上に滝流し式に落し
て微小球体を層中へ部分的に埋込むようにする。
塗布された層が乾燥され又は別の方法で固化され
た後、離隔層のための材料を溶液又は他の液化体
から微小球体上へ塗布し、且つ固化させる。次
に、逆反射層を典型的には金属の蒸着によつて離
隔層に形成する。

図示した製品と対照的に、本発明による別の製
品は離隔層を含んでいない。斯かる製品は、微小
球体の前面が重合体材料に埋込まれていないで空
気中に露出している所謂「露出レンズ」シートを
含み、且つ微小球体が高い屈折率を有するシート
を含む。これらの製品では、逆反射層が微小球体
の後面に直接に形成され（この作業は例えば微小
球体の前面を取外し可能の支持シートに仮りに保
持している間に行なうことができる）、且つ固着
剤層が正反射層上に形成されて微小球体を支持す
る。

製作工程の次の段階として、上記したようにし
て作られた製品は伸張即ち幅出し加工を受けるこ
とができる。シート製品が幅出し装置の長さ方向
に進む時にそれぞれ横方向へ伸張する通常の幅出
し装置が有効である。シート製品を10パーセント
伸張することが好ましいが、シート製品の横幅の
５パーセント伸張は前記した微小な不連続部の列
を形成するに通常は充分である。逆反射層を除い
て、伸張された製品の層は全体的に伸張し且つ損
なわれないままであり、且つ製品の材料及び構造
はその結果が得られるように選ばれる。

伸張加工に続いて、シート材料は典型的には収
縮され又はそれが収縮するように加熱され、それ
によりそれは通常は伸張加工前のその元の寸法よ
りたつた２パーセント大きくなる。シートは次に
接着剤の層を形成することによつて完成され、こ
の接着剤は典型的には感圧性接着剤であるが、別
に熱活性又は溶剤活性接着剤であることができ
る。

正反射層に不連続部を形成する別の方法は、離
隔層を膨脹させて逆反射層のき裂を生じさせるよ
うに前記した中間段階の製品に溶剤を加えるか、
又は正反射層に割れ目を作るように中間段階のシ
ート製品を鋭い縁上で引張るか、又は中間段階の
製品を高圧力下のロールニツプ間に通すことを含
む。

また、薄い正反射層の溶着は蒸気の著しい泳動
に充分な不連続部を残し且つ充分な反射を生じる
ことができる。しかしながら、斯かる方法は不連
続部及び反射の所望の釣合いを再現可能に得るよ
うに操作を制御することが困難であり、また反射
を低下させるので好ましくはない。

正反射層に形成される不連続部はしばしば微小
球体に集中される傾向がある細い線の網状をして
いる。最も使用されるシートは不連続部が小さい
幅を有してそれらが通常は１メートル以上の典型
的な視距離から肉眼で見ることができないように
なつている。典型的には、それらはシートの微小
球体の平均直径より小さい幅を有する。

本発明の逆反射シートの各種の層は通常の材料
から作られ得る。例えば、図示した逆反射シート
の固着剤層１２、上面層１３、及び離隔層１４は
一般にアルキド、ビニル、又はアクリル樹脂のよ
うな重合体材料で作られ、層１８は感圧性アクリ
レイト共重合体であることができ、且つ正反射層
は蒸着されたアルミニウム又は銀であることがで
きる。

本発明を図示した次の例により更に説明する。
紫外線及び熱安定剤を含む展延可能の可塑化され
たビニル樹脂を、アルキド離型剤を予じめ塗つた
紙の支持ウエブ上に溶液から塗布し、且つ塗布し
た層を加熱して最終のシートの上面層として有効
な厚さ55マイクロメートルの膜に溶融した。次
に、ウラルキド（uralkyd）樹脂及びメラニン架
橋体を含む溶液を、溶融した上面膜上に塗布し
た。この層の半乾燥後、平均直径57マイクロメー
トル及び屈折率2.26を有する透明なガラスの微小
球体を、塗布層上に稠密な単一層として滝流れ式
に落した。微小球体は部分的に塗布層中に埋込ま
れ且つ部分的に塗布層の上に延在するようになつ
た。加熱による固着剤層の硬化後（厚さ34.2マイ
クロメートルの固着剤層を作つた）、ポリビニル
ブチラール樹脂及びブチレーテツドメラニン硬化
剤を含む溶液を微小球体上に塗布して透明な離隔
層１４を設け、その厚さは乾燥及び硬化後約19マ
イクロメートルであつた。乾燥及び硬化した離隔
層の露出表面上にアルミニウムを蒸着して金属の
逆反射層を作つた。

でき上つた集成体を支持ウエブから剥離し且つ
１秒間に10メートルの速度で幅出し装置に通し、
4.7パーセント／メートルのシート前進速度で集
成体を10パーセント伸張した。次に集成体を加熱
してそのほぼ元の寸法に戻した。アルミニウムの
正反射層は微小球体の間に全体的に延びた線に沿
つてき裂の広範囲にわたる列をもつことが判明し
た。

シートは次に不連続なアルミニウム層の上に感
圧性アクリレイト樹脂の層１８を積層することに
よつて完成された。シートは入射光の１ルツクス
につき90カンデラ／平方メートルの反射率を示
し、且つ24時間につき24.2グラム／平方メートル
の割合で水蒸気をシートに通した。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の代表的な逆反射シートの拡大断
面図である。 １０…シート、１１…透明な微小球体、１２…
透明な固着剤層、１３…透明な上面層、１４…透
明な離隔層、１６…正反射層、１７…不連続部、
１８…底層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 透明な微小球体の単一層と、該微小球体の下
   にあつてそれと光学的に関連した金属製の鏡面状
   の正反射層と、該微小球体を支持する透明な重合
   体層とを有し、該正反射層が水蒸気を24時間につ
   き少なくとも15グラム／平方メートルの割合でシ
   ートを透過させるのに充分な微小なき裂線の不連
   続部の広範囲にわたる列を有する蒸気透過性逆反
   射シート。 ２ 平滑な表面を有する透明な上面層を透明な微
   小球体の上に配置した特許請求の範囲第１項に記
   載の蒸気透過性逆反射シート。 ３ 水蒸気を24時間につき少なくとも20グラム／
   平方メートルの割合で透過させる特許請求の範囲
   第１項に記載の蒸気透過性逆反射シート。 ４ 透明な微小球体の単一層と、該微小球体の上
   に配置されてシートの平滑な外部表面を形成する
   透明な上面層と、該微小球体の下にあつてそれと
   光学的に関連しかつ該微小球体の底表面から離隔
   した底表面を有する透明な離隔層と、該離隔層の
   底表面に蒸着された金属製の鏡面状の正反射層
   と、該金属性の鏡面状の正反射層の上に配置され
   た接着剤の層とを有し、該鏡面状の正反射層が水
   蒸気を24時間につき少なくとも15グラム／平方メ
   ートルの割合でシートを透過させるのに充分な微
   小なき裂線の広範囲にわたる列を有する蒸気透過
   性逆反射シート。 ５ 透明な上面層と透明な離隔層の間に配置され
   た透明な固着剤層をさらに有し、その中に透明な
   微小球体が部分的に埋込まれて支持されている特
   許請求の範囲第４項に記載の蒸気透過性逆反射シ
   ート。 ６ 水蒸気を24時間につき少なくとも20グラム／
   平方メートルの割合で透過させる特許請求の範囲
   第４項に記載の蒸気透過性逆反射シート。 ７ (A)透明な微小球体の単一層と、該微小球体の
   下にあつてそれと光学的に関連し、かつ該微小球
   体の底表面から離隔した底表面を有する透明層
   と、該透明層の底表面に支持された金属製の鏡面
   状の正反射層とを有する伸張可能なシート材料を
   作る段階、および(B)前記シート材料を少なくとも
   一方向へ伸張させて該金属製の鏡面状の正反射層
   をき裂させて該正反射層に微小な不連続部の広範
   囲にわたる列を形成する段階を含む、蒸気透過性
   逆反射シートの製作方法。 ８ シートが水蒸気を24時間につき少なくとも15
   グラム／平方メートルの割合で透過させるのに充
   分に前記シート材料を伸張させる特許請求の範囲
   第７項記載の蒸気透過性逆反射シートの製作方
   法。