JPH0437626B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、例えばカラーブラウン管面上に複数
の独立した３原色映像信号を同時表示する場合、
一方の信号を強調するためその周辺の信号即ち、
他の信号を所定期間だけハーフトーン信号に切換
えるようにした映像ハーフトーン回路に関する。

〔発明の背景技術〕

一般に、時分割多重通信方式によりテレビジヨ
ン受像機、或いはコンピユータ端末装置としての
画像表示装置に送られて来る複数の独立した映像
信号は表示画面上に同時表示することができる。
この場合の同時表示とは背景画面に文字・図形等
の画像（動画・静止画）を浮き出して（いわゆる
スーパインポーズ表示）表示することをいうもの
とする。

この独立の画像信号を同時表示する場合、背景
画像に対して第１，第２…の文字・図形画像が見
ずらいという問題がある。これは２つの場合が起
り得る。第１に背景画像が白を主体の色で表現さ
れ、第１，第２の文字・図形画像も白系統の色で
表示される場合である。第２は背景部が白い色の
時に文字・図形画像が濃度の濃い色で表示される
場合であり、文字・図形画像が飽和して背景画像
ににじみ出るように表現されることがある。

かかる問題を解決するため、背景画像に対して
明るさを半減する処理が行なわれる。この処理を
映像ハーフトーン処理と称し、そのための回路を
映像ハーフトーン回路と呼ぶ。この処理によれば
例えば背景画素が白色で文字も白色の場合は、背
景画素をハーフトーンにした灰色とした文字を鮮
明に描写できる。

〔背景技術の問題点〕

上記処理にあたり、背景画像が白と黒の階調の
みで表示される場合は、文字・図形画像の表示期
間を検出した信号によつて背景画像信号がレベル
ダウンされるような信号経路を通るようにすれ
ば、白い文字・図形画像に対して背景画像が暗く
なつて容易にハーフトーン信号を得ることができ
る。

しかしながら、背景画像のみ、或いは文字・図
形画像及び背景画像共にカラー情報を含む場合、
現在のカラー表示技術からするとすこぶる困難が
ある。即ち、一般のカラー画像信号例えばカラー
テレビジヨン信号を再生するためには、所定の帯
域を有する色信号を周波数間挿法を利用して送ら
れきた映像信号から搬送色信号を取り出し、この
搬送色信号から所定の割合で色差信号が合成され
たＩ信号及びＱ信号を２つの色副搬送波から復調
して作り（又は直接色差信号を得）、このＩ・Ｑ
信号（又は色差信号）と階調を現す輝度信号とか
らＲ（赤）・Ｇ（緑）・Ｂ（青）の３種の３原色信号
を再生する。この３原色信号はカラーブラウン管
面上に走査に応じて所定の色を再現する。一方、
文字・図形画像信号の３原色信号は、文字・図形
をカラー表示するためのカラー情報に基づいて３
原色信号を符号化した２値信号をデコードして得
るもので、この出力がアナログ化されてカラーブ
ラウン管に印加されるものである。したがつて、
ハーフトーン処理する場合は各Ｒ・Ｇ・B3原色
信号の信号成分を同じ割合でレベルダウンさせし
かも３原色信号の直流成分は各信号間でばらつき
がなく、かつ変化しないことが必要である。即
ち、わずかのばらつきがあつてもハーフトーン期
間の背景画像に白バランス不良による色障害が生
ずることになる。

さらに、説明が後になつたが同時表示するため
には背景画像を表示する期間と文字・図形画像を
表示する期間に各画像信号を切換合成しなければ
ならない。この切換合成に際しても、ハーフトー
ンレベルに設定された信号によつてその切換速度
が電気的影響を受けないようにする必要がある。

このような条件を満たす映像ハーフトーン回路
は、例えば集積回路化した場合の前記レベルダウ
ンのための抵抗成分のため各３原色信号の信号成
分及び直流成分が変動してしまい有効な回路を得
難いものであつた。

〔発明の目的〕

本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、
ハーフトーンレベルにされた各３原色信号の信号
成分及び直流成分にばらつきがなく安定なハーフ
トーン信号を得、同時表示期間の文字・図形画像
が識別し易く、白バランス不良による画面品位の
劣化を防止することのできる映像ハーフトーン回
路を提供することを目的とする。

〔発明の概要〕

すなわち、本発明は入力される映像信号の３原
色信号を所定の直流レベルで再生後、この直流レ
ベルを得るための基準電圧源の基準電圧に基づき
再生後の３原色信号に対して信号成分のみが一定
の比率で振幅圧縮されるハーフトーン信号を得、
この信号を直流レベルが再生された３原色信号と
をハーフトーン切換信号によつて切換え、次段で
このハーフトーン映像期間に他の映像信号の３原
色信号を切換挿入し各独立した２つの映像が合成
されたハーフトーン合成出力を得るものであり、
ハーフトーン期間の映像信号直流レベルとフルト
ーン期間の映像信号直流レベルとが同じになつて
直流レベルの変化のないハーフトーン信号を形成
することができる映像ハーフトーン回路である。

第１図は本発明の実施例を示す回路図であり、
カラーテレビジヨン受像機に使用した場合を示
す。また第２図は第１図の動作説明用波形を示す
波形図である。

先ず第１図の構成について説明する。各第１入
力端子１_R，１_G，１_Bはアンテナ又は有線にて入
来した第１の映像信号から再生された第１の３原
色信号S₁が入力する端子であり、各第２入力端子
２_R，２_G，２_Bは同様経路にて入来する第２映像
信号から再生された第２の３原色信号S₂が入力す
る端子である。ここに、第１の映像信号は背景画
像の信号とし、第２の映像信号は文字・図形画像
の信号とする。各第１，第２入力端子に入来した
第１，第２の３原色信号S₁，S₂は２入力１出力型
スイツチで構成した信号切換回路３_R，３_G，３_B
の各入力端子に各々印加される。

各第１入力端子１_R，１_G，１_Bに入来した第１
の３原色信号S₁はコンデンサC₁，C₁，C₁，クラ
ンプ回路３_R，３_G，３_B及び抵抗４，４，４を介
してハーフトーン切換回路５_R，５_G，５_Bに供給
される。このクランプ回路３_R，３_G，３_Bは基準
電圧供給回路６の供給する基準電圧V_Bでその出
力（以下フルトーン信号V_Fという）の直流レベ
ルを固定するもので例えばペテスタルレベル再生
回路等に相当する。また、基準電圧供給回路６は
極めて安定した直流電圧を供給する例えばブライ
ト電圧源等である。本発明はこの基準電圧供給回
路６の電圧供給端とクランプ回路３_R，３_G，３_B
の出力端、即ちフルトーン信号V_Fの出力端間に
ハーフトーンレベル設定回路７_R，７_G，７_B（以
下ハーフレベル設定回路という）が介装されてい
る。このハーフトーンレベル設定回路７_R，７_G，
７_Bは例えば抵抗分割回路にて構成され、その分
割した中端よりハーフトーン信号V_Hを形成し、
この信号V_Hを前記ハーフトーン切換回路５_R，５
_Ｇ，５_Bの一方の入力端に導出している。即ち、こ
のハーフトーン切換回路５_R，５_G，５_Bは制御端
を有する２入力１出力型スイツチにて構成され、
その他方の入力端に前記フルトーン信号V_Fが供
給される。そして出力端からは、端子８を介して
制御端に印加されるハーフトーン切換信号S₄によ
つて各信号V_H，V_Fが切換信号S₄によつて各信号
V_H，V_Fが切換えられ合成されたハーフトーン合
成信号S₅が出力されるようになつている。

このハーフトーン合成信号S₅は信号切換回路９
_Ｒ，９_G，９_Bを介して出力端子１０_R，１０_G，１０
_Ｂに切換挿入出力S₆として導出される。この信号
切換回路９_R，９_G，９_Bは制御端を有する２入力
１出力形スイツチにて構成され、端子１１を介し
て制御端に印加される切換挿入信号S₃が例えばハ
イレベルの期間、前記第２の３原色信号S₂を選択
し、前記ハーフトーン合成信号S₅のハーフトーン
信号V_H期間にこの第２の３原色信号S₂を切換挿
入するものである。尚、前記第２の３原色信号S₂
はコンデンサC₂，C₂，C₂を介して信号切換回路
９_R，９_G，９_Bの入力端子に入力するとともに、
ハーフトーン合成信号S₅の導出ラインとの間に介
装されたレベル調合回路１２_R，１２_G，１２_Bに
よつてハーフトーン信号S₅との信号レベル及び直
流レベルが調節されて信号切換回路９_R，９_G，９
_Ｂに入力されるようになつている。

第２図は上記構成において説明した各信号S₁〜
S₆を示す波形であつて、各横軸は一水平周期を示
し、以下この一水平期間における回路動作を説明
する。尚、説明上Ｒの信号の回路を代表して説明
する。

先ず、時刻T₁において、水平同期パルスのバ
ツクポーチが終了すると映像表示期間になる。こ
のとき、ハーフトーン切換回路５_Rは、端子８の
ハーフトーン切換信号S₄がロウレベルＬになつて
いるので、入力端子１_R、コンデンサC₁、クラン
プ回路３_R、抵抗４を介して供給される第１のＲ
信号S₁、フルトーン信号V_Fを選択する。さらに、
このとき端子１１の切換層信号S₃はロウレベルＬ
になつているため、信号切換回路９_Rはフルトー
ン信号V_Fをそのまま出力端子１０_Rに導出する。
この期間はハーフトーン切換信号S₄のレベルが切
換えられる時刻T₂まで続き、この時刻T₂におい
てハーフトーン切換回路５_Rは、ハーフトーンレ
ベル設定回路７_Rの出力を選択する。これによつ
て、ハーフトーン切換回路５_Rの出力するハーフ
トーン合成信号S₅はハーフトーン信号V_Hを呈す
る。このハーフトーン信号V_Hは信号切換９_Rで選
択されて出力端子１０_Rに導出される。

次に、時刻T₃と、切換挿入信号S₃のレベルが
ハイＨなるため、今までハーフトーン切換回路５
_Ｒで選択されていたハーフトーン信号V_Hは、信号
切換回路９_Rで第２のＲ信号S₂が挿入される。つ
まり、背景画像に対して文字・図形画像は、その
主体となる信号のみを表示すれば良いため、第２
図S₂に示すようにパルス状波形となるもので、し
かも、この表示期間に一致させて切換挿入信号S₃
をハイレベルＨにするものである。この挿入期間
は時刻T₄で終了し、再びハーフトーン信号V_Hが
選択された後、ハーフトーンにする必要がなくな
ると時刻T₅でハーフトーン切換信号S₄がロウレ
ベルになり、ハーフトーン切換回路５_Rはフルト
ーン信号V_Fを選択する。このフルトーン信号V_F
は一水平期間が終了する時刻T₆まで出力される。

上記動作において、クランプ回路３_Rから導出
される信号の直流レベルは基準電圧VBによつて
固定され、その端子P₁の電位はV_Bとなる。した
がつて、ハーフレベル設定回路７_Rの一端P₁は直
流電位V_Bとなる。また、その他端P₂は言うまで
もなくV_Bに保持されている。したがつて当然出
力端P₃の電位もV_Bとなるのである。

その具体的回路例を第３図に示す。第３図にお
いて、第１図の要素と同一のものは同一記号を記
してある。第２図において、入力端子１_Rは第１
図と同様に第１のＲ信号S₁が入力される。次段の
クランプ回路３_Rはトランジスタ１３〜１７で構
成され、トランジスタ１７のベースはクランプパ
ルス供給端子１８に接続され、トランジスタ１６
のベースに印加された基準電圧V_Bによつてトラ
ンジスタ１５のベースに入力した第１のＲ信号の
直流レベルを再生している。このクランプ回路３
_Ｒの出力はトランジスタ１５のコレクタから取り
出され、トランジスタ１９を介して抵抗４の一端
P₁に供給される。この一端P₁は第１図における
クランプ回路３Ｒの出力端P₁に相当する。この
抵抗４の他端は、トランジスタ２０，２１，ダイ
オード２２，２３で構成したハーフトーン切換回
路５_Rの増幅部５_RAのトランジスタ２０ベースに
接続される。このトランジスタ２０，２１はハー
フトーン切換回路５_Rの切換部５_RBが端子８に印
加するハーフトーン切換信号S₄によつてこの切換
部５_RBの要素の一つである電流源２８をいずれに
供給するかによつてフルトーン信号V_Fかハーフ
トーン信号V_Hを選択出力する。尚、この切換部
５_RBはトランジスタ２４〜２７を主体に構成さ
れ、トランジスタ２７のベースにハーフトーン切
換信号S₄が印加される。前記トランジスタ２０，
２１及びダイオード２２，２３によつて導かれる
ハーフトーン合成信号S₅は信号切換回路９_Rの入
力端に接続された端子２９に導出される。また、
前記基準電圧V_Bはトラジスタ３０，３１にて構
成される基準電圧供給回路６で構成され、抵抗３
２，３３の直列で構成したハーフトーンレベル設
定回路７Ｒの他端P₂に印加される。この回路７_R
の一端、即ち抵抗３２側の端子は前記抵抗４の一
端P₁に接続される。そして、この一端P₁の電圧
は基準電圧VBをトランジスタ１９のPN接合順
方向電圧V_BEだけ降下させたV_B−V_BEとなる。一
方、抵抗３３側の端子P₂の電位もV_B−V_BEとな
り、ハーフレベル設定回路７_Rの両端電圧が一致
している。かくて、中端P₃電圧もV_B−V_BEとな
り、出力端子２９の電位も当然V_B−V_BEとなる。

以上の理由により、ハーフトーン信号V_Hの直
流レベルと、フルトーン信号V_Fの直流レベルは
一致してその合成信号であるハーフトーン合成信
号S₅の直流レベルの変化は微としてない。したが
つて、信号成分のみ抵抗３２と３３の値によつて
振幅圧縮されたハーフトーン信号が中端P₃に導
出されるものである。これは、３原色信号全体に
ついて見ても基準電圧V_Bは各回路共通に印加さ
れるため信号間でばらつきを生ずることはない。

尚、信号切換回路で９_Rにおいて直流レベルが
変動することは、レベル調合回路１２によつて補
正される。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、３原色信
号をクランプ回路を通した後、この出力端と前記
クランプ回路のクランプレベルを決めるための基
準電圧の供給源との間にハーフトーン信号を得る
ためのハーフレベル設定回路を介装したので、フ
ルトーン信号、ハーフトーン信号によらず直流レ
ベルのばらつきが生ぜずさらに各３原色信号間に
おいても統一された直流レベルとなり安定な合成
出力が得られ、ハーフトーン映像の識別性の良好
な画面を再現する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す回路図、第２
図は第１図の動作を説明するための動作波形を示
す波形図、第３図は集積化に適した第１図のさら
に具体的一例を示す回路図である。 ３_R……，３_G，３_B……クランプレベル回路、
５_R……ハーフトーン切換回路、６……基準電圧
供給回路、７_R，７_G，７_B……ハーフトーンレベ
ル設定回路、９_R，９_G，９_B……信号切換回路、
３２，３３……抵抗、V_B……基準電圧。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数の独立な映像信号を同一画面上に同時表
   示するにあたつて、一方の映像信号を強調するた
   めに背景画となる他の映像信号を限定した同時表
   示期間のみハーフトーンに切換える回路であつ
   て、 第１の映像信号の直流レベルを基準電圧に基づ
   いて固定するクランプ回路と、このクランプ回路
   を出力端と前記基準電圧の供給源との間に介装さ
   れ前記クランプ回路の出力するフルトーン信号を
   ハーフトーンにするハーフトーンレベル設定回路
   と、これらハーフトーン信号とフルトーン信号と
   を切換選択して合成するハーフトーン切換回路
   と、ハーフトーン期間の第１の映像信号に第２の
   映像記号を切換挿入する信号切換回路とを具備し
   た映像ハーフトーン回路。