JPH0434118B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は原子力発電設備の状態をCRT表示器
上に表示するプロセス表示装置に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

従来、原子力発電設備のプロセス表示装置は中
央制御室の制御盤上に各種の計器、表示灯等を配
置して構成されていた。しかし、原子力発電設備
の構成は複雑であるため、上記の計器、表示灯等
の数はきわめて多くなり、運転員がこれらを監視
するには多大の労力および注意力を必要とし、運
転員の負担が大きい不具合があつた。

このような不具合を解消するため、原子力発電
設備の各種のプロセス量を系統毎にまとめ、これ
をCRT表示器上に表示するプロセス表示装置が
開発された。このプロセス表示装置はプロセス量
検出部で検出したプロセス信号を信号処理部に送
り、この信号処理部でプロセス量を系統毎に表示
する複数の画面を作成し、これら画面をひとつず
つCRT表示器上に表示するものである。また、
このCRT表示器には上記プロセス量を表示する
画面の他に各画面を特定する記号とその画面の内
容とを対応させたメニユー画面と称される画面が
表示されるように構成されており、運転員はこの
メニユー画面を見て必要とする系統の画面の記号
を選び、画面選択スイツチを操作して必要な画面
をCRT上に表示させるように構成されている。

このようなプロセス表示装置は監視すべきプロ
セス量が系統毎にCRT表示器上に表示されるの
で、原子力発電設備の状態の把握、監視が容易で
あり、運転員の負担が軽減される利点がある。し
かし、このようなものでは画面を切換える際にそ
の都度メニユー画面を表示させて次に表示すべき
画面の記号等を選定しなければならず、操作が面
倒であつた。また、原子力発電設備の系統は互に
関連のあるものが多く、このためある系統の画面
をCRT表示器上に表示させてこの系統の把握、
監視をおこなつた後には次にこの系統に関連のあ
る系統の画面を表示させて把握、監視をおこなう
必要があり、このため運転員は表示させる画面の
順序にも注意を払わなければならない不具合もあ
つた。また、ある系統のプロセス量が制限値に近
づいた場合、あるいはある系統の運転状態が計画
された運転状態からずれた場合等にはこの系統を
他の系統より優先して監視する必要を生じるが、
上記のものではこの系統の画面が現にCRT表示
器上に表示されていない限り監視の優先度が大き
くなつたか否かを知ることができない不具合もあ
つた。

〔発明の目的〕

本発明は以上の事情にもとづいてなされたもの
で、その目的とするところは原子力発電設備のプ
ロセスデータを系統毎にCRT表示器上に表示さ
せ、この原子力発電設備の状態の把握、監視を容
易におこなうことができ、さらにCRT表示器の
画面の切換が簡単であり、また監視の優先度が高
くなつた系統の画面を優先的に表示することがで
きる原子力発電設備のプロセス表示装置を提供す
ることにある。

〔発明の概要〕

原子力発電設備のプロセス量を検出するプロセ
ス量検出部と、このプロセス量検出部からの各種
プロセス信号を処理して原子力発電設備の状態を
総合的に監視する監視部と、この監視部で処理さ
れた各種プロセス信号から複数の表示画面を原子
力発電設備の系統毎に作成して記憶する表示画面
作成記憶部と、前記監視部で処理された各種プロ
セス信号に基づいて各系統の監視優先度を判断し
その判断結果から前記表示画面作成記憶部で作成
された複数の表示画面の表示順序を設定する判断
部と、この判断部で設定された表示順序に基づい
て前記表示画面作成記憶部に記憶された表示画面
をCRT表示器に主画面として表示する主画面表
示部と、前記判断部からの信号を受けて次に表示
される画面情報を前記CRT表示器に副画面とし
て表示する副画面表示部と、前記主画面表示部に
接続され前記CRT表示器に主画面として表示さ
れている表示画面を切り換える画面切換スイツチ
とを具備したものである。したがつて、原子力発
電設備の状態がすべて正常の場合には各系統の関
連性にもとづいてあらかじめ設定された順序に従
つて各系統の画面がCRT表示器上に表示され、
またプロセス量が制限値に近ずいたり、運転状態
が計画された運転状態からずれて監視の優先度が
高くなつた系統の画面は優先的に表示されるの
で、原子力発電設備の状態を容易かつ効率的に把
握、監視できる。また、次に表示されるべき画面
に関する情報がCRT表示器に副画面として表示
されるので、運転員は次にどの系統の画面が表示
されるかをあらかじめ知ることができ、また画面
の切換は運転員が画面切換スイツチを操作するこ
とによつてなされるので不意に画面が切換ること
もなく、画面の切換の際に運転員が混乱すること
もないものである。

〔発明の実施例〕

以下図面を参照して本発明の一実施例を説明す
る。第１図は全体の概略構成図である。図中１は
プロセス量検出部である。このプロセス量検出部
１は原子力発電設備の各部に設けられた検出器、
信号伝送系、信号変換系等から構成され、原子力
発電設備の各種プロセス量を検出する。このプロ
セス量検出部１からのプロセス信号は信号処理部
２に送られる。この信号処理部２は以下の如く構
成されている。すなわち、３は監視部であつて、
上記プロセス量検出部１からの各種プロセス信号
はこの監視部３に送られ、この監視部３はプロセ
ス信号を処理して原子力発電設備の状態を総合的
に把握、監視する。この監視部３で処理された信
号は表示画面作成記憶部に送られる。この主画像
表示部４は各種プロセス量を各系統毎にまとめ、
これらを必要な図形、文字等とともに数字、グラ
フ等で表示する画像信号を各系統毎にたとえば画
面Ａ〜画面Ｐの複数画面作成し、これを記憶す
る。また、上記監視部３で処理された信号は判断
部５に送られる。この判断部５は原子力発電設備
の各系統が正常であるか異常であるか、および各
系統においてプロセス量が各種の制限値にどの程
度近づいているか、各系統の運転状態が計画され
た運転状態からどの程度ずれているか等原子力発
電設備の状態にもとづいて各系統の監視の優先度
を判断する。そして、各系統がすべて正常である
場合には、各系統の関連性を考慮してあらかじめ
設定された順序で各系統の画面Ａ〜画面Ｐの表示
順序を決定し、また異常が生じた系統、プロセス
量が制限値に近づいた系統、運転状態が計画され
た運転状態からずれた系統等がある場合にはその
監視すなわち表示の優先度を決定し、この優先度
に従つて上記の表示順序に割込ませる。そして、
このようにして決定された画面Ａ〜画面Ｐの表示
順序信号を主画面表示部６に送る。この主画面表
示部６は表示画面作成記憶部４で作成された各系
統の表示画面を上記の表示順序信号に従つて
CRT表示器７上に主画面８として表示するよう
に構成されている。また、上記判断部５からの表
示順序の信号は副画面表示部９に送られる。この
副画面表示部９は現在CRT表示器７上に主画面
８として表示されている画面の次に表示されるべ
き画面に関連した情報、たとえばその画面を特定
する符号、その画面表示の優先度たとえば原子力
発電設備の各系統がすべて正常で次に表示される
画面があらかじめ設定された順序によつて表示さ
れるものであるか、あるいはある系統に異常が生
じたりプロセス量が制限値に近ずいたりしてその
系統の画面が割り込まれたものであるかを示す文
字、その画面の内容を示す文字等の画像信号を作
成し、この画像をCRT表示器７の隅部等に副画
面１０として表示するように構成されている。ま
た、この副画面表示部９はたとえば次に表示され
る画面があらかじめ設定された順序に従つて表示
される場合には副画面は緑色で、また次に表示さ
れる画面が監視の優先度が高くなつて割込まれた
ものである場合には副画面が赤色あるいは点滅で
表示される等、その表示形態を優先度に応じて変
えるように構成されている。

また、上記CRT表示器７の近傍には画面切換
許可スイツチ１１が設けられており、運転員がこ
の画面切換許可スイツチ１１を操作することによ
つて前記主画面表示部６に画面切換許可信号を送
るように構成されている。また、上記CRT表示
器７の近傍には画面切換選択スイツチ１２が設け
られている。この画面切換選択スイツチ１２は各
画面に対応してＡ〜Ｐの複数の操作部１３……を
有し、各操作部１３……にはランプ等が組み込ま
れ、これら操作部１３……が点灯するように構成
されている。そして、これら操作部１３……を操
作すると操作された操作部に対応した画面を指定
する画面選択信号が上記主画面表示部６に送られ
る。そして、この主画面表示部６内には第２図に
示す如き論理回路が構成されている。すなわち、
第２図中１４は第１のアンド回路で、この第１の
アンド回路１４には前記判断部５からの表示順序
信号および画面切換許可スイツチ１１からの画面
切換許可信号が入力する。この第１のアンド回路
１４の出力はオア回路１５に入力する。また、１
６は第２のアンド回路である。この第２のアンド
回路１６には上記第１のアンド回路１４の出力が
インバータ回路１７を介して入力するとともに前
記画像切換選択信号が入力される。そして、この
第２のアンド回路１４の出力は前記オア回路１５
に入力する。そして、このオア回路１５からの出
力は前記の表示画面作成記憶部４に送られる。

また、前記判断部５から出力された表示順序信
号はスイツチ表示部１８にも送られる。このスイ
ツチ表示部１８は表示順序信号にもとづいて次に
表示する画面に対応した画面切換選択スイツチ１
２の操作部１３……を点灯させるように構成され
ている。また、次に表示する画面があらかじめ設
定された順序に従つたものである場合にはたとえ
ば操作部１３……を連続点灯し、また次に表示す
る画面が優先度が高くなつて割込まれたものであ
る場合には操作部１３……を点滅させる等、次に
表示される画面の優先度に対応して操作部１３…
…の点灯表示形態を変えるように構成されてい
る。

次に上記一実施例の作用を説明する。まず、原
子力発電設備の各系統がすべて正常な場合にはあ
らかじめ設定された表示順序に従つて最初の画面
たとえば原子炉の再循環系のプロセスデータを表
示する画面Ａが第３図に示す如くCRT表示器７
上に主画面８として表示される。また、これと同
時に上記あらかじめ設定された表示順序に従つた
次の画面Ｂに関する情報がCRT表示器７の隅部
等に副画面１０として表示される。したがつて、
運転員はこの主画面８である画面Ａによつて系統
の状態を把握、監視し、同時に副画面１０によつ
て次に表示される画面がどの画面であるか、その
優先度、内容等を知ることができる。そして、運
転員がこの主画面８の把握、監視を終了したら画
面切換許可スイツチ１１を操作すると主画面表示
部６の第１のアンド回路１４に画面切換許可信号
が送られる。この第１のアンド回路１４には判断
部５からの表示順序信号が送られているので、こ
の第１のアンド回路１４からオア回路１５に信号
が送られ、このオア回路１５から表示画面作成記
憶部４に信号が送られ、CRT表示器７の画面が
Ｂ画面に切換えられる。以下同様にして順次画面
を切換え、各系統の把握、監視をおこなう。ま
た、ある系統に異常等が生じた場合にはその系統
に対応した画面たとえば画面Ｎが割込まれ、第４
図に示す如く副画面１０にこの画面Ｎに関する情
報たとえばこの画面Ｎの記号、その優先度が緊急
であること、その内容が発電機負荷に関するもの
であること等が表示され、運転員が画面切換許可
スイツチ１１を操作することによつてCRT表示
器７にこの画面Ｎが表示される。なお、上記の場
合、画面切換選択スイツチ１２……の操作部１３
……のうち次に表示されるべき画面に対応した操
作部１３……が点灯あるいは点滅しているので、
前記の画面切換許可スイツチ１１を操作する代わ
りに画面切換選択スイツチ１２の点灯あるいは点
滅している操作部１３……を操作して画面を切換
えてもよい。この場合、画面切換許可スイツチ１
１は操作されないので第２図の第１のアンド回路
１４には画面切換許可信号が入力していないので
この第１のアンド回路１４からの出力はローレベ
ルとなり、これがインバータ回路１７によつて反
転されてハイレベル信号が第２のアンド回路１６
に入力されているので、画面切換選択スイツチ１
２からの画面選択信号がこの第２のアンド回路１
６に入力されるとこの第２のアンド回路１６から
オア回路１５に信号が送られ、このオア回路１５
から主画面表示部４に信号が送られ、画面を切換
えることができる。

また、副画面１０に表示されている画面以外の
画面を表示したい場合にはその表示させたい画面
に対応した画面切換選択スイツチ１２の操作部１
３を操作すればその画面をCRT表示器７上に表
示させることができる。

また、本発明は上記の一実施例には限定されな
い。

たとえば上記一実施例は運転員の操作によつて
画面を切換えることができる画面切換スイツチと
して画面切換許可スイツチおよび画面切換選択ス
イツチの両方を用いることができるようにした
が、必ずしも両者を設ける必要はなく、どちらか
一方でもよい。

〔発明の効果〕

上述の如く本発明は原子力発電設備のプロセス
量を検出するプロセス量検出部と、このプロセス
量検出部からの各種プロセス信号を処理して原子
力発電設備の状態を総合的に監視する監視部と、
この監視部で処理された各種プロセス信号から複
数の表示画面を原子力発電設備の系統毎に作成し
て記憶する表示画面作成記憶部と、前記監視部で
処理された各種プロセス信号に基づいて各系統の
監視優先度を判断しその判断結果から前記表示画
面作成記憶部で作成された複数の表示画面の表示
順序を設定する判断部と、この判断部で設定され
た表示順序に基づいて前記表示画面作成記憶部に
記憶された表示画面をCRT表示器に主画面とし
て表示する主画面表示部と、前記判断部からの信
号を受けて次に表示される画面情報を前記CRT
表示器に副画面として表示する副画面表示部と、
前記主画面表示部に接続され前記CRT表示器に
主画面として表示されている表示画面を切り換え
る画面切換スイツチとを具備したものである。し
たがつて、原子力発電設備の状態がすべて正常の
場合には各系統の関連性にもとづいてあらかじめ
設定された順序に従つて各系統の画面がCRT表
示器上に表示され、またプロセス量が制限値に近
づいたり、運転状態が計画された運転状態からず
れて監視の優先度が高くなつた系統の画面は優先
的に表示されるので、原子力発電設備の状態を容
易かつ効率的に把握、監視できる。また、次に表
示されるべき画面に関する情報がCRT表示器に
副画面として表示されるので、運転員は次にどの
系統の画面が表示されるかをあらかじめ知ること
ができ、また画面の切換は運転員が画面切換スイ
ツチを操作することによつてなされるので不意に
画面が切換ることもなく、画面の切換の際に運転
員が混乱することもない等その効果は大である。
また、本発明では監視部で処理された各種プロセ
ス信号に基づいて各系統の監視優先度を判断しそ
の判断結果から表示画面作成記憶部で作成された
複数の表示画面の表示順序を設定するので、監視
度の高い順から各系統のプロセス状態をCRT表
示器に表示させることができ、原子力発電設備全
体の状態を容易にかつ適確に把握することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示し、第１図は概略構
成図、第２図は主画面選択部の論理回路の構成
図、第３図および第４図はCRT表示器上の表示
例を示す図である。 １……プロセス量検出部、２……信号処理部、
３……監視部、４……主画面表示部、５……判断
部、６……主画面選択部、７……CRT表示部、
９……副画面表示部、１１……画面切換許可スイ
ツチ、１２……画面切換選択スイツチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 原子力発電設備のプロセス量を検出するプロ
   セス量検出部と、このプロセス量検出部からの各
   種プロセス信号を処理して原子力発電設備の状態
   を総合的に監視する監視部と、この監視部で処理
   された各種プロセス信号から複数の表示画面を原
   子力発電設備の系統毎に作成して記憶する表示画
   面作成記憶部と、前記監視部で処理された各種プ
   ロセス信号に基づいて各系統の監視優先度を判断
   しその判断結果から前記表示画面作成記憶部で作
   成された複数の表示画面の表示順序を設定する判
   断部と、この判断部で設定された表示順序に基づ
   いて前記表示画面作成記憶部に記憶された表示画
   面をCRT表示器に主画面として表示する主画面
   表示部と、前記判断部からの信号を受けて次に表
   示される画面情報を前記CRT表示器に副画面と
   して表示する副画面表示部と、前記主画面表示部
   に接続され前記CRT表示器に主画面として表示
   されている表示画面を切り換える画面切換スイツ
   チとを具備したことを特徴とする原子力発電設備
   のプロセス表示装置。