JPH04330990A

JPH04330990A - 糊抜廃水処理方法

Info

Publication number: JPH04330990A
Application number: JP10163191A
Authority: JP
Inventors: Yoshiteru Santo; 山東美照; Eiichi Nakano; 中野栄市; Hiroshi Ishidoshiro; 石徹白　博司; Koji Santo; 山東幸司
Original assignee: JAPAN SMALL CORP
Current assignee: JAPAN SMALL CORP
Priority date: 1991-05-07
Filing date: 1991-05-07
Publication date: 1992-11-18
Anticipated expiration: 2009-09-14
Also published as: JPH0671589B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば繊維織物処理廃
水中に含まれる物理的・化学的・生物学的に分解困難な
ポリビニールアルコールを廃水中から完全分離回収して
、排水のＣＯＤ負荷を軽減し、自然の海洋河川の環境汚
染を防止するための糊抜廃水処理方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】繊維産業では、例えば製織するにあたっ
て経糸の繊維を密着させて表面の毛羽立ちを伏せ摩擦に
よる糸切れを防止して製織を容易にするために糊付けが
行われる。糊付け剤としてポリビニールアルコール（以
下これをＰ．Ｖ．Ａと称す）、カルボキシルメチルセル
ローズ（以下これをＣ．Ｍ．Ｃと称す）、スターチ、油
剤（パラフィン各種動植物油、界面活性剤等）が使用さ
れている。

【０００３】近時織機の高速化に伴ってＰ．Ｖ．Ａの利
用率が高くなり糊抜廃水中には分解困難なＰ．Ｖ．Ａに
よるＣＯＤ負荷が大きく、海洋河川を汚染し溶存酸素が
欠乏し自然の生体系のバランスが崩れるので該廃水の排
水にはきびしい規制がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで業界では排水規
制の対策として従来では硼素キレート凝集分離回収ある
いは高分子有機物及び無機物の凝集剤の利用による浮上
又は沈殿法によるスラッヂ化処理が採られているが、回
収物の安定性、回収効率、発生するスラッヂの処置等に
問題を残すものであった。

【０００５】そこで本発明者はこの問題点に着目して、
Ｐ．Ｖ．Ａの分子量に関係なくその除去率を１００％近
くまで向上せしめると共に、スラッヂ化せずに廃水中の
Ｐ．Ｖ．Ａを酸化重合して凝析し、分離回収する方法と
して、例えば特願平２−１２７７２０号、特願平２−１
７７８７４号、特願平３−４６８９８号の出願をすませ
ている。

【０００６】すなわち、これら先行発明は主としてＰ．
Ｖ．Ａを回収する手段としてＰ．Ｖ．Ａを含有する排水
に、（１）ペルオキソ硫酸塩を加えて加熱してＰ．Ｖ．
Ａを凝析分離回収するもの。（２）ペルオキソ硫酸塩と
硫酸を加えて加熱してＰ．Ｖ．Ａを凝析分離回収するも
の。（３）ペルオキソ硫酸塩と硫酸を加えて加熱してＰ
．Ｖ．Ａを不溶化した後、硼素でキレートして分離回収
せしめるものである。ところが、これら先行技術である
Ｐ．Ｖ．Ａの分離回収方法にあっては、純粋なＰ．Ｖ．
Ａの凝析分離が比較的に容易であるが、一般的織布工場
における経糸の糊付剤の処法が各工場にノーハウがあっ
て一様ではない。

【０００７】例えばＰ．Ｖ．Ａの外にＣ．Ｍ．Ｃ、スタ
ーチ、油剤、界面活性剤等が併用されているため、これ
ら併用物質はペルオキソ硫酸塩を使用するＰ．Ｖ．Ａの
酸化重合反応を妨害して分離効果を低下するものであり
、その糊付剤の配合具合によっては先行技術では全く効
果がないという問題点がある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明はかかる問題に着
目してなされたもので、如何なる糊付剤の配合処法によ
る織布の糊抜廃水中に含まれるＰ．Ｖ．Ａを不溶化状態
の濾過分別の容易性と確実性の高いフロック状とするこ
とにある。

【０００９】すなわちＰ．Ｖ．Ａ、Ｃ．Ｍ．Ｃ、スター
チ、油剤、界面活性剤を含む糊抜廃水中のＰ．Ｖ．Ａを
、ペルオキソ硫酸塩（ペルオキソ燐酸塩も代用すること
が出来る）で酸化重合してＰ．Ｖ．Ａの親水基を封じて
分離回収するのであるが、共存するＣ．Ｍ．Ｃ、スター
チ、油剤、界面活性剤がＰ．Ｖ．Ａの酸化重合を妨害す
るので、該妨害物質の妨害を防止しなければならない。

【００１０】その防止剤としては無機質では、鉄塩、ア
ルミニウム塩、カルシウム塩。有機質では、高分子電解
質がすぐれた凝集剤として有効に作用して如何なる条件
の糊抜廃水中からもＰ．Ｖ．Ａを不溶化して分離回収す
ることが出来る。

【００１１】繊維織物の糊抜処理は毛焼処理後に湯洗槽
で精練処理の前に行われる。この湯洗によって織物の着
糊は、Ｐ．Ｖ．Ａ、Ｃ．Ｍ．Ｃ、油剤等は９０％、澱粉
は４０％程度で溶脱する。この湯洗廃水が分解困難なＣ
ＯＤの発生源である分離回収に要する凝析剤は、ＣＯＤ
負荷物のモル比でなく液量比となるので出来る限り少な
い用水量とする事が望ましい。

【００１２】該湯洗時の用水量は加工スピード生地の種
類等により異るも、３〜６ｔｏｎ／Ｈｒである。この廃
水のＣＯＤ負荷は通常平均１６０００ＰＰＭでその中浮
上、凝沈分解困難なＰ．Ｖ．Ａの占めるＣＯＤ負荷は約
１００００ＰＰＭである。この湯洗処理の発生源でＰ．
Ｖ．Ａを分離して取り除く事により総合排水時のＣＯＤ
は環境基準以下の５０ＰＰＭ程度まで減少する。

【００１３】該湯洗時の温度は、８５〜９０℃として、
この廃水を廃水タンクに集めて硫酸鉄、硫酸バント、塩
化カルシウム、有機高分子電解質等の凝集剤２〜３ｇ／
ｌ（Ｐ．Ｖ．Ａ凝析妨害物の抑制剤として）とＰ．Ｖ．
Ａ凝析剤としてペルオキソ硫酸塩２〜３ｇ／ｌを加えて
酸でｐＨ１．５〜２の条件の下で９０〜９５℃で１０〜
１５分間の反応を行うと糊抜廃水中のＰ．Ｖ．Ａがペル
オキソ硫酸塩の酸化作用を受けて重合してＰ．Ｖ．Ａの
親水性が減じて約８０％分離する（ペルオキソ硫酸塩の
添加量が過剰となると酸化重合が進み過ぎとなり親水基
を全く失ってフロック化せず、砂状となり固液の分離が
困難となる）。

【００１４】次に苛性ソーダ又は苛性カリ等の強アルカ
リ剤でｐＨ４〜５に調整すると塩析効果を伴って分離物
同士が結合してフロックが大きくなり粘性も減少する（
アルカリの添加量が過剰となりｐＨが９以上となると逆
効果となり粒子が細かくなり泥状化するので濾別分離が
困難となる）。

【００１５】次に硼酸又は硼砂を０．１〜０．５ｇ／ｌ
を添加するとＰ．Ｖ．Ａの残余の水酸基（ＯＨ）が硼素
によってキレートされて、濾別分離に適したＰ．Ｖ．Ａ
フロックとなり１００％回収する事が出来る該回収物は
ｐＨに安定で長期日保存するも糊化する事はない。

【００１６】

【実施例】以下に本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。

【００１７】１は布帛の湯洗処理工程であって、この湯
洗処理工程から排出される液中に含まれるＰ．Ｖ．Ａ濃
度は、不図示の濃度センサにより、そのＰ．Ｖ．Ａ濃度
から約１．０〜１．２％となるように給水量によって調
整されている。またこの排出液の濃度は、８５〜９０℃
である。

【００１８】上記Ｐ．Ｖ．Ａ濃度が所望値に調整された
排液は廃液受槽２内に供給されるが、この排液温度は、
廃液受槽２に供給されるまでの間で、約６０℃程度まで
に低下されてしまうので、上記廃液受槽２内にはヒータ
３を設備して廃液受槽２内の排液を再度８０〜９０℃近
くまで加熱する。

【００１９】廃液受槽２内で再加熱された排液は、反応
槽４へ送り込まれるが、この反応槽４内では凝集剤容器
５、酸化剤容器６、酸容器７から供給される適量の凝集
剤、酸化剤、酸が上記排液中に混入される。

【００２０】この反応槽４内の混合排液は、反応槽８、
９を順次経る間に、充分なタイミングと添加剤混和がな
されて、中和キレート槽１０内に供給される。この中和
キレート槽１０内の排液には、アルカリ容器１１から供
給されるアルカリ剤と、硼砂容器１２から供給される硼
砂とが添加混合され、その結果中和とキレートが行なわ
れて固液分離の容易なフロック状Ｐ．Ｖ．Ａ凝析物とな
る。

【００２１】次いで、このフロック状Ｐ．Ｖ．Ａ凝析物
を水分と共にフィルター１３に供給してＰ．Ｖ．Ａ凝析
物と濾液とに分離され、夫々のＰ．Ｖ．Ａ凝析物容器１
４と濾液槽１５とに回収される。これによってＰ．Ｖ．
Ａの有効回収がきわめて容易かつ確実に行なえるもので
ある。

【００２２】（実験例）糊抜廃水（Ｐ．Ｖ．Ａ　　１．
２％、Ｃ．Ｍ．Ｃ、スターチ、油剤等０．８３％を含む
）１００リットルに対して硫酸バンド２５０ｇ、硫酸で
ｐＨ１．８に調整して過硫酸アンモニウム２００ｇを加
えて９４℃で１０〜１５分間反応させることにより廃液
中のＰ．Ｖ．Ａは親水性が減少して約８０％分離する。この時点で苛性ソーダーでｐＨ４．５に調整することに
より前記Ｐ．Ｖ．Ａ凝析物が集合して粘性が減少しフロ
ックが大きくなる。次にこれに硼砂（１０水塩）３０ｇ
を加えると残余の親水基がキレートされフロックがさら
に生長して濾別の容易なＰ．Ｖ．Ａ凝析物となった。

【００２３】次にＣＯＤの減少度合について調べた結果
下記の如くであった。

【００２４】糊抜原廃水のＣＯＤ　　１６０００ＰＰＭ
がこの処理により４６４０ＰＰＭとなった。残った４６
４０ＰＰＭの負荷物質は常法の浮上沈澱活性汚泥処理が
容易であるので総合排水時のＣＯＤは３０ＰＰＭであっ
た。

【００２５】Ｐ．Ｖ．Ａ分離処理を行わない総合排水Ｃ
ＯＤは２５０ＰＰＭと高く本発明による糊抜廃水処理方
法における有効性が明確である。

【００２６】

【発明の効果】以上のように本発明はＰ．Ｖ．Ａ、Ｃ．
Ｍ．Ｃ、スターチ、油剤を含む糊抜廃水に凝集剤ペルオ
キソ硫酸塩を酸性下で作用させてＰ．Ｖ．Ａを一部不溶
化した後これをアルカリでｐＨを調整してフロック同志
を継ぎ更に残余の親水基を硼素でキレートして不溶化物
のフロックを再に生長をはかる糊抜廃水処理方法である
から、これによれば分離装置によるＰ．Ｖ．Ａの回収が
きわめて容易かつ確実となり単純構造の周液分離装置に
よって高効率のＰ．Ｖ．Ａ回収が実現するという効果が
得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の糊抜廃水処理法を実施する装置の説明
図。

【符号の説明】

１…湯洗処理工程　　　　　　　　　　　　　　２…廃
液受槽３…加熱手段　　　　　　　　　　　　　　　　
　　４…反応槽５…凝集剤容器　　　　　　　　　　　
　　　　　６…酸化剤容器７…酸容器　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　８…反応槽９…反応槽　　　
　　　　　　　　　　　　　　　１０…中和キレート槽
１１…アルカリ容器　　　　　　　　　　　　１２…硼
砂容器１３…フィルター　　　　　　　　　　　　　　
１４…Ｐ．Ｖ．Ａ凝析物１５…濾液

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　ポリビニールアルコール、カルボキシ
メチルセルローズ、スターチ、油剤等を含有する糊抜廃
水に、凝集剤と酸化剤を添加しさらに酸を加えてｐＨ１
．５〜２に調整し加熱して廃水中のポリビニールアルコ
ールを一次凝析した後、アルカリでｐＨ４〜５に調整し
て二次凝析を行い更に硼素で残余の親水基をキレートし
て凝析物を濾別に適したフロックにする事を特徴とする
糊抜廃水処理方法。