JPH04325630A - 熱処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、曲がりを生じることな
く長軸材を焼入等するための熱処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】円管や棒材等の長軸材に焼入，焼戻，焼
鈍を施すと曲がりが発生する。このため、長軸材を熱処
理したのちに曲がり矯正ローラを有する矯正機を用いて
矯正している。

【０００３】また、曲がりが生じないようにしながら熱
処理を行うようにした以下の装置が用いられる。即ち、
図３（ａ），（ｂ）に示すように誘導加熱コイル１０の
両側にローラ１１ａ，１１ｂよりなるローラ群１１とロ
ーラ１２ａ，１２ｂよりなるローラ群１２とを設け、図
３（ｂ）に示すように夫々一対のローラで挟むようにし
て長軸材２を移送するとともに、ローラ群１２の回転を
ローラ群１１の回転よりも遅くするかローラ群１２にブ
レーキをかけて長軸材２に張力を加えながら誘導加熱コ
イル１０によって長軸材２を加熱する装置が用いられる
。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、熱処理後に
曲がり矯正するものでは、図４のように長軸材２の中央
に荷重Ｐを加えて矯正すると長軸材２に圧痕マークが付
き、また矯正ローラを通過させて矯正すると長軸材２の
外周面にロールマーク等がついてしまう。

【０００５】一方、張力を加えながら加熱すると、熱処
理を開始する最初の部分であるローラ群１１，１２間に
は張力の作用しない部分があり真直度が保証できない。 また、長軸材を回転させながら移動させることができな
いので、円周方向にスパイラル状の加熱のムラが生じる
。更に、軟らかい材質等にあってはロールマークがつい
たり、長軸材がパイプ状のものでは断面形状が楕円形に
なったりしやすい。

【０００６】そこで本発明は、ロールマーク等が生じる
ことがなく、長軸材の全長に亘って曲がりを保証でき、
かつコストを従来よりも低く押えることができる熱処理
装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】斯る目的を達成するため
の本発明の構成は、長軸材を長軸材の長さ方向と直角な
方向へ間欠的に移動させる移送手段と、移送手段の両側
の上方であって相互に対応する位置に具えられるととも
に長軸材に引張力を与える引張手段と、夫々の引張手段
に取り付けられるとともに相互に同期回転する出力軸を
有する回転機構と、夫々の出力軸の先端に具えられると
ともに長軸材の端部を把持する把持手段と、一対の把持
手段で把持された長軸材に接近させて長軸材の全長に亘
って略平行に設けられた誘導子と、誘導子と並列に具え
た冷却手段と、長軸材を移送手段上と把持手段との間で
昇降させる昇降手段とで構成されることを特徴とする。

【０００８】

【作用】間欠的に長軸材を移送させる移送手段が停止す
ると、昇降手段が長軸材を上昇させてこれを一対の把持
手段が把持し、引張手段と回転機構との作用にによって
張力と回転力を与えられた長軸材は誘導子により誘導加
熱される。その後に冷却手段によって冷却された長軸材
は把持手段に開放されて再び昇降手段によって移送手段
上へ戻る。そして、移送手段により長軸材は次の工程へ
と移送される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。本発明による熱処理装置の構成を、図
１〜図２に示す。図１に示すように上下方向へ伸びる長
軸材２をその長さ方向と直角な方向である図中の左方へ
間欠的に移動させる移送手段１が設けられる。移送手段
１は図示しない駆動手段と駆動手段によって図中の左方
へ間欠的に移動される一対のコンベア３とコンベア３上
に一定間隔で固定された部材受４とで構成される。なお
、ビレットの加熱等に用いるウォーキングビーム方式に
してもよい。

【００１０】コンベア３は１ストローク（部材受４どう
しの間隔の２倍分）ずつ間欠的に移動するように設定さ
れ、図２に示すように「供給」〜「排出」までの工程を
行うべきステーションが設定される。そして、「供給ス
テーション」には長軸材２を２本ずつ部材受４に載せる
ために図示しない供給手段が具えられ、「排出ステーシ
ョン」には同様にして図示しない排出手段が具えられる
。

【００１１】「焼入ステーション」及び「焼戻ステーシ
ョン」は以下のように構成される。図のように各ステー
ションでは２本の長軸材２を同時に熱処理するようにな
っているが、１本分のみについて説明する。コンベア３
の両側の上方であって相互に対応する位置には、長軸材
２に引張力を与えるための引張手段（図示せず）が具え
られる。引張手段としては、油圧シリンダやバネが用い
られる。

【００１２】夫々の引張手段には長軸材２を回転させる
ための回転機構６ａ，６ｂが取り付けられ、回転機構６
ａ，６ｂには図中の矢印方向へ引張力が与えられる。回
転機構としては減速機付モータが用いられ、双方が同期
回転して長軸材２にねじり力が加わらないようにするた
め、夫々のモータは電気的に同期回転するように設定さ
れる。なお、一対のうちの一方にはモータを用いて他方
には当該モータと機械的に連動連結された同期回転駆動
機構を具えるようにしてもよい。この回転機構６ａ，６
ｂの図示しない回転軸には矢印で示すように両側へ開い
て長軸材２の端部を把持する把持手段としてチャック７
が設けられる。

【００１３】チャック７により長軸材２の両端を把持し
たときの長軸材２の上側近傍には長軸材２の全長に亘っ
て長軸材２と略平行に誘導子８が設けられる。誘導子８
は図示しない加熱用電源装置に接続される。誘導子８の
側方には誘導子８と並列に冷却手段としての冷却液ノズ
ル９が具えられる（図１では省略）。

【００１４】このほか、誘導子８の真下には、部材受４
上の長軸材２を誘導子８の近傍まで上昇させたりあるい
は逆に部材受４上へ戻したりするための昇降手段が具え
られる。昇降手段としては、長軸材２の両端近傍を支持
する一対のリフト５と、リフト５を駆動するための図示
しない駆動手段とで構成される。

【００１５】次に、斯かる熱処理装置の作用を説明する
。図示しない供給装置により「供給ステーション」に位
置する部材受４上に長軸材２が２本ずつ供給され、この
あとベルトコンベア３が１ストローク分だけ移動して「
焼入ステーション」で停止している間に２本の長軸材２
は焼入処理され、以下、同様にして「焼戻ステーション
」，「後処理ステーション」で処理され、最後に「排出
ステーション」において排出装置により２本の長軸材２
はベルトコンベア３から排出される。

【００１６】「焼入ステーション」では以下の処理が行
われる。図２に示すように２対のリフト５が上昇して部
材受４上の長軸材２を誘導子８の近傍まで運び、このあ
とチャック７が長軸材２の両端を把持する。そして、図
示しない引張手段によって回転機構６ａ，６ｂが引っ張
られることにより長軸材２が張力を受け、それと同時に
回転機構６ａ，６ｂの出力軸つまりはチャック７と共に
長軸材２が回転する。チャック７は同期回転するので、
長軸材２にねじり力が加わることはない。次に、加熱用
電源装置から供給される電力により誘導子８が作用し、
長軸材２の外周面が加熱される。長軸材２は回転しなが
ら誘導加熱されるので加熱ムラが生じず、しかも張力が
与えられるので曲げ変形を生じない。そして長軸材２の
表面が所定の焼入れ温度になったことが温度センサや加
熱時間を測定するタイマ等で検出されると、誘導子８へ
の電力供給が断たれるとともに冷却液ノズル９から長軸
材２へ向かって冷却液が放出され、長軸材２が急冷され
ることによって焼入処理が完了する。曲がり等が実質上
生じない温度まで長軸材２が十分に冷却されると、長軸
材２への張力及び回転力の付与が停止し、チャック７が
開放状態になる。これにより長軸材２は再びリフト５上
に載り、リフト５が下降することにより長軸材２はベル
トコンベア３上の部材受４の上に戻る。

【００１７】このあとベルトコンベア３が１ストローク
だけ移動すると２本の長軸材２は「焼戻ステーション」
へと移動することになる。「焼戻ステーション」では長
軸材２の加熱温度が前記のものより低い焼戻し温度であ
ること以外は前記の「焼入ステーション」での作用と同
じなので説明を省略する。

【００１８】このあと、ベルトコンベア３が１ストロー
クだけ移動すると２本の長軸材２は「後処理ステーショ
ン」へ移動する。ここではエアパージによる水切りやス
ケール取り、そして最終冷却等が行われる。そして、「
排出ステーション」へ２本の長軸材２が移動すると、前
記のように２本の長軸材２は排出装置によってベルトコ
ンベア３上から排出される。長軸材２は次々に供給され
ることから流れ作業となり、長軸材２の熱処理は連続的
に行われる。

【００１９】なお、本実施例は長軸材２を２本ずつ間欠
的に移送するようにしたが、１本ずつ又は３本ずつ移送
するようにしてもよい。また、本実施例のように長軸材
２がパイプ状のものに限らず丸棒状，ねじ軸状，スプラ
イン軸状のものであってもよい。

【００２０】なお、長軸材の熱処理としては焼入，焼戻
しのほかに焼鈍や焼準などがあり、これらの場合におい
ても本発明による熱処理装置を用いて熱処理することに
より真直度を保持し、ねじれを生じることなく熱処理す
ることができる。焼鈍，焼準の場合には熱処理工程は一
行程のみなので「焼戻ステーション」は不要であり、「
焼入ステーション」のみで足りることになる。

【００２１】

【発明の効果】以上の説明からわかるように、本発明に
よる熱処理装置によれば長軸材に軸方向の張力を付与す
る引張手段を設けるとともに長軸材の両端を同期回転さ
せる回転機構を設けたので、熱処理による長軸材の曲が
りが防止され、しかも長軸材表面が均一に加熱され、ね
じれ変形が生じるということもない。従って、高い寸法
精度を維持することができ、長軸材の品質の安定と向上
が図れる。

【００２２】均一な熱処理を行うようには長軸材を回転
させる必要があるが、従来一般に行われているように片
側にのみ回転力を付与するのでは、張力をも付与する場
合には比較的軸径が小さかったり高い寸法精度が要求さ
れるものにおいてはねじれ変形が生じたりねじれ残留応
力が生じるという問題があった。本発明では長軸材の両
端を同期回転させる回転機構を具えるのでこれらの問題
が解決し、高品質化した。

【００２３】また、本発明では長軸材を連続的に移送し
て流れ作業的に長軸材を熱処理できるので、生産性が向
上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る熱処理装置の実施例を示す平面図
。

【図２】本発明に係る熱処理装置の実施例を示す正面図
。

【図３】従来の熱処理装置に係り、図３（ａ）は平面図
、図３（ｂ）は右側面図。

【図４】従来の長軸材の矯正作業を示す説明図。

【符号の説明】

１…移送手段 ２…長軸材 ５…リフト ６ａ，６ｂ…回転機構 ７…チャック ８…誘導子 ９…冷却液ノズル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　長軸材を長軸材の長さ方向と直角な方
   向へ間欠的に移動させる移送手段と、移送手段の両側の
   上方であって相互に対応する位置に具えられるとともに
   長軸材に引張力を与える引張手段と、夫々の引張手段に
   取り付けられるとともに相互に同期回転する出力軸を有
   する回転機構と、夫々の出力軸の先端に具えられるとと
   もに長軸材の端部を把持する把持手段と、一対の把持手
   段で把持された長軸材に接近させて長軸材の全長に亘っ
   て略平行に設けられた誘導子と、誘導子と並列に具えた
   冷却手段と、長軸材を移送手段上と把持手段との間で昇
   降させる昇降手段とで構成されることを特徴とする熱処
   理装置。