JPH0432536Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ソレノイドに設けたプツシユロツ
ドの押圧力に応じて、スプールを切り換える電磁
切換弁に関する。

（従来の技術） 第３図に示した従来の電磁切換弁は、バルブボ
デイ１にポンプポート２と、一対のアクチユエー
タポート３，４を形成するとともに、このボデイ
１にスプール５を内装している。このスプール５
の両端は、室６，７に臨ませるとともに、この室
６，７に突出させたソレノイド８，９のプツシユ
ロツド１０，１１を、上記スプール５の端面に当
接させている。また、上記室６，７に設けたセン
タリングスプリング１２，１３のばね力を、スプ
ール５の端面に作用させ、当該スプールをノーマ
ル位置である図示の中立位置に保つようにしてい
る。

そして、上記スプール５には、ポンプポート２
と常時連通する第１環状溝１４を形成し、この第
１環状溝１４の両側に第２，３環状溝１５，１６
を形成するとともに、第３環状溝１６を常時タン
クＴに連通させている。

スプール５が図示の中立位置にあるとき、第１
環状溝１４と両アクチユエータポート３，４、第
２，３環状溝１５，１６とアクチユエータポート
３，４とのそれぞれがアンダラツプとなるように
している。

さらに、上記スプール５にはその軸中心線に沿
つて貫通する環流通路１７を形成し、この環流通
路１７を介して上記両室６，７を連通させるとと
もに、第２，３環状溝１５，１６も、この環流通
路１７を介して連通している。

上記のように環流通路１７を介して両室６，７
を連通したのは、スプール端面に作用する圧力の
バランスがくずれ、当該スプールが必要以上に動
作したりしないようにするためである。

しかして、いずれか一方のソレノイド、例えば
ソレノイド８を励磁して、そのプツシユロツド１
０でスプール５を押すと、当該スプール５は、プ
ツシユロツド１０の押圧力に応じて、図面右方向
に切り換わる。

スプール５が図面右方向に切り換わると、その
第１環状溝１４と一方のアクチユエータポート３
とのラツプ量が小さくなる反面、第１環状溝１４
と他方のアクチユエータポート４とのラツプ量が
大きくなる。

このラツプ量の割り合いに応じて、ポンプＰか
らの圧力流体が、第１環状溝１４からアクチユエ
ータポート４を経由して、シリンダＳの一方の室
１８に供給されるとともに、このときの余剰流量
は、シリンダＳの他方の室１９の戻り流量ととも
に、第２環状溝１５→環流通路１７→第３環状溝
１６を経由してタンクＴに戻される。

また、他方のソレノイド９を励磁すれば、スプ
ール５が図面左方向に切り換わり、シリンダＳの
他方の室１９に圧力流体が供給されることにな
る。

（本発明が解決しようとする問題点） 上記のようにした従来の電磁切換弁では、スプ
ール５を右方向に切り換えたとき、環流通路１７
に流れが生じるが、このように環流通路１７に流
体が流れると、そこに圧力損失が生じる。そのた
めに上記一方の室６側の圧力に対して、他方の室
７側の圧力は、上記圧力損失分だけ低くなる。

このように両室６，７間に圧力差が生じると、
その圧力差によつてスプール５がさらに右方向に
移動してしまい、ソレノイドの操作力以上にスプ
ールが作動してしまう。

また、スプール５を左方向に移動したときに
は、シリンダＳに供給される流量以外の流量が、
上記環流通路１７を通過してタンクＴに戻される
が、このときにも上記圧力損失が生じる。この場
合には一方の室６側の圧力が高くなるので、この
圧力がソレノイド９の操作力に抗する力として作
用する。したがつて、ソレノイドの操作力が不足
し、当該スプール５を所望量だけ切り換えること
ができなくなる。

いずれにしても、上記従来の電磁切換弁では、
環流通路を通過する流量に応じて圧力損失が発生
し、それがソレノイドの操作力に影響を及ぼすの
で、スプールの切り換え制御が正確にできないと
いう問題があつた。

この考案の目的は、環流通路に流体が流れて
も、スプール両端を臨ませた室が同圧にし、スプ
ールの切り換え制御を正確にできるようにするこ
とである。

（問題点を解決する手段） この考案のスプールの両側の室は、そのスプー
ルの切換位置に関係なく他の流路との連通が遮断
される構成とするとともに、これら両側の室を、
環流通路とは別の連通路を介して連通させた点に
特徴を有する。

（本考案の作用） 上記のようにスプール両端を臨ませた室を連通
する連通路と、第２，３環状溝を連通する環流通
路とを別々にしたので、環流通路の流れが、上記
両室の圧力に影響を及ぼすことがなくなる。しか
も、上記室は他の流路との連通が遮断されている
ので、これら両室は、その他の流路の圧力の影響
を一切受けない。

（本考案の実施例） 第１図に示した第１実施例は、スプール５に形
成した第２，３環状溝１５，１６を環流通路２０
で連通しているが、この環流通路２０は、従来の
ように室６，７には連通していない。そして、上
記室６，７は、環流通路２０とは別個に、バルブ
ボデイ１に形成した連通路２１を介して連通して
いる。しかも、上記のようにした室６，７は、他
の流路との連通を完全に遮断している。

そして、上記以外の構成は、前記従来と同様な
ので、その詳細な説明を省略する。

次に、この実施例の作用を説明する。

この実施例の切換弁は、両室６，７が、連通路
２１を介してのみ連通するので、両室は常に同圧
に維持される。このように室６，７が同圧に維持
できれば、スプール５の作動がソレノイド８，９
の操作力と比例し、安定したものになる。

第２図に示した第２実施例は、スプール５を中
空にするとともに、この中空部分を貫通するパイ
プを設けたもので、このパイプ内を連通路２２と
している。そして、このパイプと区画された中空
部分を環流通路２３とし、第２，３環状溝１５，
１６と環流通路２３とは、その底部に形成した通
孔２４，２５を介して連通している。この場合に
も、スプールの両側の室６，７は、他の流路の連
通が完全に遮断された状態にある。

このスプール５以外の構成は、前記従来と同様
である。

したがつて、この場合にも、両室６，７は環流
通路２３を介してのみ連通するので、その室内の
圧力を常に等しく保つことができる。

（本考案の効果） この考案によれば、スプール両端を臨ませた室
を連通する連通路と、第２，３環状溝を連通する
環流通路とを別々にしたので、環流通路の流れ
が、上記両室の圧力に影響を及ぼすことがなくな
る。換言すれば、スプール両端を臨ませた室内の
圧力を、常に同圧に保てるので、当該スプールを
ソレノイドの操作力に比例して制御でき、スプー
ルの正確な切り換え制御ができる。

【図面の簡単な説明】

図面第１図はこの考案の第１実施例を示す断面
図、第２図は第２実施例の要部の断面図、第３図
は従来の電磁切換弁の断面図である。 １……バルブボデイ、２……ポンプポート、
３，４……アクチユエータポート、５……スプー
ル、６，７……スプール両端を臨ませた室、８，
９……ソレノイド、１０，１１……プツシユロツ
ド、１４〜１６……第１〜３環状溝、２０，２３
……環流通路、２１，２２……連通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バルブボデイに、ポンプポートと一対のアクチ
   ユエータポートとを形成するとともに、このバル
   ブボデイにスプールを内装し、このスプールには
   第１〜第３環状溝を形成し、第１環状溝を上記ポ
   ンプポートに常時連通させ、上記第２あるいは第
   ３環状溝のいずれか一方をタンクに常時連通させ
   るとともに、スプール内に形成した環流通路を介
   して第２，３環状溝を連通させ、かつ、スプール
   の両端にソレノイドを設け、このソレノイドのプ
   ツシユロツドをスプールに当接させるとともに、
   これらプツシユロツドを当接させたスプールの両
   側の室を連通させてなり、しかも、このスプール
   の切り換え位置に応じて、第１環状溝といずれか
   一方のアクチユエータポートとのラツプ量、及び
   第２，３環状溝と他方のアクチユエータポートと
   のラツプ量を制御する構成にした電磁切換弁にお
   いて、スプールの両側の室は、そのスプールの切
   換位置に関係なく他の流路との連通が遮断される
   構成にするとともに、これら両側の室を、環流通
   路とは別の連通路を介して連通させた電磁切換
   弁。