JPH0431524Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は、一般に自動化機械や産業用ロボツ
トに適用されるもので接触子を検出物に接触させ
ることにより、検出物の大きさ、形状ならびにそ
の位置などを検出する通称タツチセンサと称され
る接触位置検出装置に関する。

（従来技術） 接触子の検出物への接触により、その物体の大
きさ、形状またはそのものの位置を検出する接触
位置検出装置、例えば治具ボーラやフライス盤な
どの工作機械に装着された被加工物の位置等を検
出する装置は種々の形式のものが提案されてき
た、なかでも電気的導通の有無を利用し被加工物
に接触子が接触したときを検出するようにした形
式のものは、その接触時を発光ダイオード
（LED）により瞬時に表示させることが簡単に実
現できその使い易さから広く実用化されている。

（考案が解決しようとする問題点） この種の接触位置検出装置においては、接触子
は被加工物に接触した時に被加工物から受ける衝
撃を吸収し、更に迅速に元の位置に復帰すること
が効率の良い検出を達成するために必要であり、
また、接触子自体は検出装置から電気的絶縁がな
されていなければならない。そのために従来から
これらの点を満足させるための工夫がなされてき
た、その代表的なものを一例としてあげると、検
出装置の外枠に電気的に絶縁をした旋回揺動型継
手を取付け、この継手に一端を連結した案内軸に
導電性外軸を上下摺動自在に係合させ該外軸先端
部に金属球を固定し、かつ外軸上端から水平に延
在するフランジと前記継手の上端寄りとの間に３
本以上のバネを弾設するようにしている。このよ
うな装置構成では、構造が複雑なるばかりか多数
の部品を必要としその組立て時には精密な加工を
しなければならない。特に旋回揺動型継手の様な
複雑な機構でしかも高価な部品を必要とするなど
の欠点があつた。

［考案の構成］ （問題を解決するための手段、作用） この考案は、前記の従来技術の諸問題を解決す
ることを目的とし、構造が簡単であつてその構成
部品も一般市販品を用い簡易な加工によつて組立
てられる安価な接触位置検出装置を提供するもの
である。

この考案では旋回揺動型継手に代わる継手とし
て２つのＶ字形溝に球体を挟持したものを用い、
その電気絶縁手段としては球体にセラミツクの様
な絶縁物を用いる。そして衝撃吸収と復帰機構に
は２本のコイルバネを用いている。即ち外枠に内
設された円筒状支持枠内にコイルバネを弾設する
共にピストン部材を遊嵌、つぎに支持枠下部から
水平に延在させた上部フランジに下部フランジを
対設し、接触子としての金属球を先端に固定する
と共に他端を下部フランジに固着した触針を配設
する。そして、下部フランジ上面に断面Ｖ字形の
溝を設け、このＶ字形溝にピストン部材に固定し
たセラミツク球を挟持し、また、上部および下部
フランジ間に少なくとも３個のセラミツク球を挟
持する様に形成する。更に触針にコイルバネを周
設し金属球が検出物に接触して水平移動し下部フ
ランジが傾くとこれらバネ機構がその衝撃を吸収
すると同時に金属球が元の位置に復帰する機能を
果たす様にする。このような構成において、金属
球が被検出物に接触すると導電性材料で形成され
た金属球、触針、及び下部フランジを経て、外枠
に付設した発光素子が付勢される様な電気回路に
よつて表示が行なわれるようにしたものである。

（実施例） 以下、この考案を図面に示す実施例にもとずい
て説明する。

第１図はフライス盤等の工具取付軸に着脱可能
にした接触位置検出装置の取付軸１を固定した外
枠上蓋２を外枠３にネジ止めし、シリンダを形成
する円筒状の支持枠４を外枠３内に固定し、この
支持枠４内にピストン部材５を遊嵌し、このピス
トン部材５を押下げる様に第１のコイルバネ６を
支持枠４内に弾設する。そして、支持枠４の下端
部には上部フランジ７を水平に延在させ、これに
対向して下部フランジ８を配設し、この下部フラ
ンジ８の上面中央には断面Ｖ字形に円形溝１０が
凹設されている。ついでこの断面Ｖ字形円形溝１
０に挟持できるように第１のセラミツク球９をピ
ストン部材５の下部に固定する。この固定にあた
つてはピストン部材５に好ましくは半球面状のく
ぼみを設け、接着その他適宜の方法で固定する。
つぎに下部フランジ８には第２図に示すように中
央に設けた断面Ｖ字形円形溝１０を囲繞するよう
に少なくとも３個の半球面をもつたくぼみ１１を
凹設し、そこに第２のセラミツク球１２を載置し
接着固定して、これら第２のセラミツク球１２を
上部フランジ７と下部フランジ８間に挟持するよ
うに形成する。そして、下部フランジ８に固着さ
れて垂下する触針１３を設け、その先端に接触子
としての金属球１４を固定し、この触針１３の円
周面に第１図に示すように第２のコイルバネ１５
を配し、外枠３内の下端寄りに螺着したリング状
のバネ保持金具１６により下部フランジ８との間
に第２のコイルバネ１５を弾設する。更に、外枠
３には発光ダイオード１６とコネクタ１７が装着
されているそして発光ダイオード１６の一端子と
下部フランジ８を可撓性リード線（図示せず）で
接続し、他方の端子を電源に接続されたコネクタ
１７の一端子に接続されてある。そしてコネクタ
の他方の端子は、例えば外枠３に接続してアース
をとるようにしてある。

このように構成した装置において、第３図に示
すように触針１３の金属球１４は導電性のある検
出物１８に接触するとその衝撃で破線から実線の
位置に移動し、下部フランジ８はほぼ第２のセラ
ミツク球１２を支点として、水平状態から傾くと
共に第２のコイルバネ１５は図のように変形し、
同時に第１のコイルバネ６は圧縮される。したが
つて、金属球１４に加わる衝撃はこれらバネ作用
によつて吸収されるため、金属球１４の移動は最
少限に押えられると共に金属球１４や触針１３の
変形や破損は効果的に防止される。

同時に、これら付勢された第１、第２のバネ
６，１５は原型に戻ろうとするため迅速に金属球
１４は原位置に復帰する。そして導電性である金
属球１４、触針１３、下部フランジ８及び上記リ
ード線からなる導電路と、検出物１８、図示され
ていないアース部、コネクタ１７からなる導電路
は発光ダイオード１６に接続されているので、金
属球１４と検出物１８の接触により前記導電路は
閉路されて発光ダイオード１６は発光することに
なる。

［考案の効果］ 以上述べたように、この考案の接触位置検出装
置はその構造は極めて簡単であつて組立て加工に
当たつて精密な加工を必要とせず、しかも装置の
構成部品は一般の市販品のみで充分に賄えるの
で、安価な装置とすることができる。そして複雑
な動きをする接触自体の電気的絶縁に特別な配慮
をする必要がなく、しかの装置全体に亘つて精密
で複雑な機構を採用していないので故障によるト
ラブルの発生も極めて少ない実用的効果に優れて
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の断面図、第２図は
同じく下部フランジの平面図、第３図は同じく金
属球接触時の断面図である。 ３……外枠、４……支持枠、５……ピストン部
材、６……第１のコイルバネ、７……上部フラン
ジ、８……下部フランジ、９……第１のセラミツ
ク球、１２……第２のセラミツク球、１０……断
面Ｖ字形円形溝、１３……触針、１４……金属
球、１５……第２のコイルバネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １個の第１のセラミツク球を下部に固定したピ
   ストン部材と、このピストン部材を遊嵌し第１の
   コイルバネを内蔵し上部フランジを下端部から水
   平に延在させた円筒状支持枠と、上部フランジに
   対向して第１のセラミツク球を挟持する断面Ｖ字
   形の円形溝を有する下部フランジと、この下部フ
   ランジには少なくとも３個の第２のセラミツク球
   を載置固定し、これら各球を両フランジ間に挟持
   するとともに、下部フランジ下面に垂下固着した
   先端に金属球を固定した触針と、この触針に周設
   し下部フランジとバネ保持具間に介在した第２の
   コイルバネと、前記金属球が導電性検出物に接触
   したとき外枠に設けた発光素子を付勢する金属
   球、触針、下部フランジを経る回路手段とを具備
   する接触位置検出装置。