JPH0431393B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

（発明が属する分野） 本発明は印刷又は電子写真法、静電法等によつ
て形成された像が記録材上に圧力定着、加熱定
着、加熱加圧定着された固定画像の画質向上処理
装置に関する。 本発明は、ある種の画像形成装置で形成された
画像をより一層優れた画質にするための画質向上
処理装置に関する。 （従来技術の問題点） 従来から実用化されている複写機、プリンタ
ー、印刷機等の画像形成装置では、画像を粉体現
像剤で構成し、紙や樹脂等の記録材にこの画像を
固定し、出力しているものが多い。 電子写真複写機の利用はオフイスから家庭まで
広範囲にわたり急激に広がり、それにつれて高速
機、中速機、低速機、パーソナル複写機が揃い、
コピーの色も黒色トナー、赤トナー、青トナー、
緑トナー、セピアトナーのモノクロカラーコピー
やパンクロカラーコピーと多種多様化している。 又、画像が形成される記録材も通常の事務用普
通紙、図面用第二原図フイルム等あらゆる種類に
まで可能であり、名札等のコピーまで大きさ、厚
さを問わずほとんど全てにコピーが利用されてい
る。 しかしながら、各種のトナーや各種の記録材を
用いるようになつてくると、画像を固定するため
種々の定着方法（例えば２度定着）を用いても、
半定着な状態になつてしまう場合もある。この定
着性に関しては固定画像を記録材に形成する画像
形成装置自体の問題であるが、いずれにしても、
出力され日常で使用されている画像は不十分定着
画像や完全定着画像等の固定画像である。 これらの固定画像を見ると、美術的な美観や豪
華さがなく、原画と同程度の美しさをもつた固定
画像を簡単にしかも安価に得たいという需要を満
足するものではなかつた。特に記録材の中でも年
賀状、案内状、礼状、クリスマスカード等の葉書
類や飲食店のメニユー、チケツト、賞状、名札等
のコピーでは特に鮮明で濃度の高い光沢のある高
画質のコピーが望まれているにもかかわらず、満
足のいく再生画像は提供されていない。 （本発明の目的） 本考案は、上記需要を満足すべく、固定画像を
有する記録材に対して、新たにその画像の画質を
向上できる画質向上処理装置を提供するものであ
る。 本発明は、従来の固定画像の問題を解明し、そ
の画質を大幅に向上できる画質向上処理装置を提
供するものである。 （本発明の概要） 従来の固定画像は粉体のトナー像を定着装置で
定着することが行われている。一般に、トナー定
着装置は通常高速で瞬間的な定着機構であるため
得られるコピー画像の品質はあまり鮮明でなくし
かも光沢が少ないことがわかつた。この理由はト
ナー粒子間の十分な溶融結合がなされないために
濃度が十分に現われないこと及び画像周辺にトナ
ー粒子がまばらにあり鮮明さに欠けること、更に
支配的なのはトナー画像表面が加熱溶融後、直ち
に定着ローラから分離しそのまま空気中に自然放
置されるため凹凸が生じ、従い光の乱反射により
光沢が得られないということにあると本発明者ら
は理解している。 上記問題点を解決する本発明は画像形成装置か
ら排出済の定着されたトナー像を支持する記録材
のトナー画像にシートを重ねる手段と、内部にヒ
ータを有しシートを重ねたままの記録材を挟持搬
送する回転体対と、記録材からシートを剥離する
手段と、を有することを特徴とするものである。 本発明によれば、高画質で豪華さのある画像を
提供できる。 （本発明の実施例） 以下、本発明を図面及び従来画像との比較を用
いながらさらに説明する。 まず、第３図、第４図を用いて従来画像につい
て説明する。第３図は複写機の定着装置一例の説
明図である。１は表面に離型層を有する剛体定着
ローラー、２は任意の加圧を行なうゴム加圧ロー
ル、３はトナー融点温度以上に定着ローラー１の
表面を加熱する加熱源、４は記録材、５は定着後
のトナー画像、１０は定着入口ガイド、１１は分
離ツメ、１２は排紙ロールであり、矢印に記録材
４がロール１，２間を挟持搬送されると記録材４
上に定着トナー画像が固定される。 しかし高速で定着されるために第３図の如く熱
容量、加圧不足のときは特に顕著で、十分な加熱
が行われるときもわずかに残つているが、いずれ
もトナー粒子５ａ間が充分に結合されずにトナー
粒子空間５Ｃが残つてしまう。この空間５Ｃがあ
ると、トナー画像濃度は空間５Ｃ部に対応する記
録材の反射濃度も加わるため十分濃度とはならな
い。 又、トナー画像周辺５ｄもまばらでダレていて
画質が荒い。更に支配的なのはトナー画像５と密
着ロール１との分離点Ａにおいてトナー画像５の
全体が軟化された内でも特に最も高い温度で熱を
受けて溶融している表面部分が分離後５ｂの如き
細かい凹凸が生じてしまうことである。これによ
つて定着画像表面は光を乱反射して光沢が少なく
なつてしまう。この表面の凹凸はトナー画像バイ
ンダーが瞬時に冷えるときの凝集力によるものと
推定される。例に、充分な熱と圧力で充分にトナ
ー画像粒子を溶融一体化しても表面の凹凸５ｂを
生じてしまうのが従来のものである。これに対
し、本発明では従来の作用効果を奏し本発明は第
１図及び第４図乃至第８図及び以下の説明で理解
できるような優れた装置を提供する。 第１図は本発明の一実施例の画質向上処理装置
２０を示し、２１は内部にトナー軟化点以上の温
度に設定された、加熱源２３を内部に有する（表
面が金属又はゴム）加熱ローラー、２２は任意の
加圧手段によつて加熱ローラー側へ押圧された
（表面がゴム又は金属）加圧ローラーである。 第６図は第１図の要部上面図を示しており、第
１図、第６図を参照するとわかるように、２４ａ
は分離ローラーで、加熱ローラー１の所定位置で
加熱処理を受けた画像５が軟化又は融解した状態
から固化状態に復帰するのに十分な距離だけ、加
熱ローラー１から離間している。本例ではこの距
離を短縮するために、分離ローラー２４ａと加熱
ローラー１との間の記録材搬送路に冷気又は空冷
を供給できる冷却フアン３３を設けてある。 ２９は記録材４及びその固定画像５に密着する
平滑処理シートで、加熱ローラー２１の表面、分
離ローラー２４ａの表面、テンシヨンローラー２
５及び支持ローラー２６にわたつて掛け渡されて
エンドレス回転を行う。このシート２９は薄く熱
によつてわずかに変形するものである。３４は加
熱ローラー２１の表面温度を、加圧ローラー２２
の加圧力とで画像５の表面が軟化又は溶融できる
ような温度に加熱制御するための温度センサー
で、不図示の制御手段とにより、加熱源２３への
通電を制御する。 ２４ｂは分離コロで、記録材４の端部に当接し
て分離ローラーの分離効果を高めるものである。
２８ｂは排紙コロで、分離コロ２４ｂと共に分離
ベルト３０が掛け渡されており、記録材４を排紙
側へ導びく。２８ａは排紙ロールで、排紙コロ２
８ｂと同軸上に回転駆動されている。尚、３１は
分離ローラー２４ａと共同する搬送ローラー、３
２は排紙コロ２８ｂ、排紙ロール２８ａと共同す
る排出補助ローラー、３５は入口ガイド、３７は
シートに当接し、支持ローラー２６にシート２９
を押圧しながら、シートを平滑化すると共に清掃
を行う部材である。 さて、操作者が、画質向上が必要だと思われ
る、コピーの如きトナーから形成された定着済の
画像５が固定された記録材４を入口ガイド３５に
沿つて装置２０内に入れると、まず加熱ローラー
２１と加圧ローラー２２との間に達する。このロ
ーラー２１，２２間では画像５の少なくとも表面
を溶融又は軟化できるような加熱加圧条件が満た
されているため、矢印の方向に挟持搬送させると
記録材４及びこれに固定されている画像５は平滑
処理シート２９で覆われると共に加熱及び加圧さ
れる。この時シート２９は薄く柔軟であるので記
録材４及び画像５に均一に定着し、第５図のよう
にトナー画像５の斜線部はシート２９によつてパ
ツキングされた如き状態になり、トナー粒子５ａ
は溶融結合し一体化する。 この状態で更に搬送され冷却フアン３３のエア
ー送風により記録材４及びトナー画像５はトナー
軟化点以下に冷却され続いて記録材４の一端部が
分りベルト３０によりシート２９から分離され
る。即ち第６図の如く、記録材４の一端４ａはシ
ート２９からわずかに任意の巾でずらして挿入さ
れることにより分離ベルト３０により分離され
る。 トナーが冷えた後のシート２９の剥離は第７図
の如く、記録材４上の画像５と、シート２９の剥
離点Ｐでシート２９の曲率が記録材４よりも大き
くなることでより確実に行われる。トナー画像５
とシート２９の剥離点Ｐにこの角度Q₁は、支持
体４とトナー画像５の剥離点Ｑでの角度Q₂より
大きくすれば、夫々の剥離点で両者を剥離するた
めの剥離応力はＰ点が大となるため、画像５はシ
ート２９側から簡単でしかも表面の乱れがなく安
定して剥離される。 画質向上処理装置２０によつて得られた画像５
は、第８図で示されるように再生され形が整つて
おり、トナー画像正面５ｂが一様ななめらかさを
有し、平滑処理シートの平滑面にならつて均一と
なり、となー周辺５ｄもきれのよい、なめらかな
面となる他、入射光Ｉが矢印の如くほとんど反射
される。従つて装置２０によると、鮮明で濃度の
高い光沢のある高品質の画質が確実に得ることが
できた。 本発明の画質向上処理装置の適用例１，２を示
す。 １ キヤノンパーソナル複写機（PC−25）にて、
官制年賀ハガキを記録材としてこれに黒トナ
ー、赤トナー、青トナー、緑トナーを夫々用い
て文字、絵等のコピー画像を形成した。 この官制年賀ハガキコピーを第１図に示す装
置で平滑処理シートに12μポリイミドフイルム
を用い、定着ローラー温度155℃に設定し任意
の加圧にて1m／1minのスピードで通紙処理し
たところ、黒トナーにおいて表１のような濃度
を示し、鮮明な光沢のある濃度の高いコピー画
質が得られた。

【表】 ２ 記録材としてキヤノン・ドライ用トランスペ
アレンシーシートにキヤノンパーソナル複写機
（CP−25）にて、黒トナー、赤トナー、青トナ
ー、緑トナーを夫々用いて文字、絵等のコピー
画像を形成した。このトランスペアレンシーシ
ートコピーを適用例１と同じく処理し表２の結
果が得られた。

【表】 処理前のコピーはCABIN、A4−ATTACHE
OHPプロジエクターで投影しても赤コピー、青
コピー、緑コピーがカラーに投影されずほとんど
黒コピーと同じ投影像になつていたのに対し、処
理後は鮮明な赤、青、緑の有彩色カラー投影像が
得られた。 尚、シート２９を画像５に対して押圧し、加熱
処理を行うための構成は他の平板等を用いても良
いが、ローラー構成が好ましく、上記ローラー２
１，２２は２本ロールでなく３本でもよい。 記録材４は事務用普通紙、第二原図、フイル
ム、アツガミ等の種々のものが適用でき、画像５
を構成している材料としてはモノクロトナー、カ
ラートナー、単色カラーの複合重ね合せでも良
い。分離ロール２４はゴム、又は金属で構成され
ても良く、各ローラーは樹脂表面でも良い。平滑
処理シート２９は耐熱性があり、トナーとは加熱
又は加圧による相溶的接着を起こさないもので、
記録材４及びトナー画像５に密着するもので、し
かも画像表面の凹凸をより平滑に付着するために
薄くて平滑性の高いものが望ましい。 具体的にはポリイミドフイルム、ポリエステル
フイルム等の材質が良く、厚さは50μm以下、好
ましくは25μmが表面粗さは平均して10μm以下好
ましくは0.1μm以下が用いられる。第１図の如
く、平滑処理シート２９はテンシヨンロール２５
により張設されたエンドレスベルト状のときクリ
ーニングパツドの部材３７で表面をきれいにして
いる。このようなシートは耐久使用に劣るので第
４図の如くシート２９は平滑処理シートロール２
６ａからまきとりロール２６ｂに巻き取るように
して、一度の画像処理にのみ用いるように構成し
ても良い。 上述したように本実施例では画像形成装置から
排出済のトナー像を支持した記録材を装置２０に
挿入することによつてトナー像を再溶融するもの
である。 シート２９には紙面上の定着トナー画像を全面
的に覆うもので画像への熱が与えられる際の熱に
対して耐熱性があり、トナー画像の融点より高い
融点のものが適する。定着トナー画像の凹凸にな
らうシート２９の被覆性を別に定義すれば、張力
が作用していず、熱によつて容易に凹凸に対して
ラミネートする熱変形自在なシートであることで
あろう。 このシート２９に樹脂フイルムを用いる場合
は、形成された定着トナー画像のトナーを形成す
る樹脂成分とは異なる樹脂フイルムとすること
が、画像に対するシート６の離型性を向上する効
果をもたらすので好ましい。 また加熱源はトナー画像面側のローラー、ある
いは複数のローラーに設けてもよく、加熱源とし
てはローラー内部のヒーター３に限らず外部加熱
やヒートパイプ、PTCセラミツクヒーター等の
他の手段によつてもかまわない。また、ローラー
にかえて、ベルトやプレス板で行つても良いが、
トナー像とシート６とを密着できるような弾性を
持つた挟圧手段を用いることがより好ましい。 （本発明の効果） 本発明は画像形成装置から排出済の定着された
トナー像を支持する記録材のトナー像面にシート
を重ねる手段と、内部にヒータを有しシートを重
ねたままの記録材を挟持搬送する回転体対と、記
録材からシートを剥離する手段と、を有するので
トナー像の表面が平滑化され、特にモノカラーや
フルカラーのトナー像をOHP用シートのような
樹脂シートに形成すると透光性の良好なトナー画
像を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の装置概略説明図、第
２図は従来の複写機の定着装置概略図、第３図は
従来の画像の説明図、第４図はシート２９の他の
実施例説明図、第５図、第８図は夫々第１図装置
に基づく効果説明図、第６図は第１図装置の要部
上面図、第７図は第１図装置におけるシート２９
と画像５との剥離状態を示す説明図である。 ２１は加熱ローラー、２２は加圧ローラー、２
９は平滑処理シート、３０は分離ベルト、４は記
録材、５は画像。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 画像形成装置から排出済の定着されたトナー
   像を支持する記録材のトナー像画にシートを重ね
   る手段と、内部にヒータを有しシートを重ねたま
   まの記録材を挟持搬送する回転体対と、記録材か
   らシートを剥離する手段と、を有することを特徴
   とする画質向上処理装置。