JPH0430149Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は化粧紙繰り出し容器に関し、特には、
容器内の残量が少なくなつたとき、積層された化
粧紙の底部を押し上げて、取り出される化粧紙が
最後の一枚まで完全に取出口から露出するように
保持できるとともに、容器の内部にゴミやホコリ
が侵入しないようにしたものである。

従来の技術 一般のコールドペーパー、拭き取り紙、テイツ
シユペーパー等の各種化粧紙を長方体形状の紙製
容器に箱詰めにし、上面の取出口から一枚一枚を
順次繰り出せるようにした所謂ポツプアツプスタ
イルの化粧紙繰り出し容器が知られている。取扱
性、作業性を考慮した場合、化粧紙を連続して取
り出せることは必須の事項であり、そのために化
粧紙は半折されて相互に入り組まされ、かつ、積
層されて箱詰めさら、取出口から一枚を抜き取る
と次の一枚の端部が取出口から繰り出され、次の
取出しに容易な準備が自動的にされるように構成
されている。したがつて、１つの繰り出し容器内
へ収納できる化粧紙の数量は、その化粧紙の折幅
によつて制限される。たとえば、容器の高さが化
粧紙の半折幅以上であるとすると、収納量が少な
くなると一枚を取り出した後に次の一枚の一端が
取出口に達しないで容器内に落込むことがある。
このことは日常我々がよく経験することであつ
て、容器内の化粧紙が残り少なくなつたとき、次
に取り出すべき化粧紙の一端が取出口から出ない
ため、取出口に手を突込んでその一端を引き上げ
ることをしばしば行なう。そこでテイツシユペー
パーの繰り出し容器では、取出口にビニール膜を
張設して、そのビニール膜の中央部にスリツトを
設け、そのスリツトからテイツシユペーパーを引
き出し、テイツシユペーパーをビニール膜が挟持
して常時持ち上げ、テイツシユペーパーの端部が
容器内へ落ち込まず、常に紙端が取出口から突出
するようにしている。

ところで、パーマ用のコールドペーパーを上記
テイツシユペーパーと同様の方法で繰り出し自在
に容器内に収納してなる化粧紙繰り出し容器で
は、コールドペーパーの展性をなるべく損なわな
いように、取出口にスリツトを備えたビニール膜
を張設することを行なつていない。スリツトを備
えたビニール膜を取出口に張設してコールドペー
パーを引き出すと、コールドペーパーにしわを生
じ、パーマ時に毛髪を束ねる巻紙として用いると
き、取扱い不便となり、また見栄えが良くないか
らである。更には、コールドペーパーはテイツシ
ユペーパーに比べれば極めて小さい紙であるの
で、容器の取出口にスリツトを備えたビニール膜
を張設することはコスト高を招来する以外に何ら
効果がないのである。そこで、コールドペーパー
に関しては、化粧紙の半折幅よりも大きな深さを
有する容器にＺ字形の樹脂板からなるスプリング
を収納して、化粧紙の積層束を取出口側へ付勢さ
せ、常に半折端が取出口に露出できるように押し
上げる構造を採用している。

また、テイツシユペーパーにおいても実開昭62
−203872号によれば、テイツシユペーパーの容器
として次のような構成が開示されている。即ち、
第４図乃至第６図に示したように、テイツシユペ
ーパー１を取り出し口２から一枚毎繰り出し可能
に収納した長方体形状の容器３に、その両側壁部
４，４から底部５にかけて、それぞれ相対向する
ミシン目６，６によつて形成される一対の切離部
７，７が形成されている。ミシン目６，６はそれ
ぞれ、側壁部４の高さの略中央部から下方へ延伸
し、底部５に至りほぼ同じ長さで形成された所定
の長さＬを有し、容器３の稜線８において直角に
曲がるのであり、これを展開すると、側壁部４か
ら底部５，５にかけて一直線状となるものであ
る。そして、ミシン目６，６間の幅Ｗは適宜のも
のである。そこで、容器３内のテイツシユペーパ
ー１が残り少なくなり、取り出し口２から露出し
難い状態となれば、取り出し口２を逆さまにし
て、テイツシユペーパー１の束１１を容器３の上
方へ移動させるとともに、切離部７，７を容器３
の内側へ折り込んで段部９，９を形成する。すな
わち、第５図に示したように、ミシン目６，６を
それぞれ切り離して角長孔１０，１０を、両側壁
部４，４から底部５にかけて形成し、稜線８を境
として切離された所定幅の側壁部４，４と底部５
の各部分を内方へ略直角にそれぞれ折り込むので
ある。その後、容器３を元の状態にすると、第６
図に示したように、残り少ないテイツシユペーパ
ー１の束１１が段部９，９上に支承され、底上げ
されるのである。したがつて、束１１は、取り出
し口２までの距離Ｄが従前に比し小さくなり、テ
イツシユペーパー１の半折幅の半分以下になるの
で、取り出し口２から露出することが容易にな
り、また段部９，９で剛性高く支承されるので、
自重で段部９，９および取り出し口２から落下す
ることもない。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、コールドペーパーのように樹脂
製のスプリングを収納することは、それだけ収納
量が制約されるほか、容器内にスプリングを挿入
する作業が必要であるからコスト高をもたらす。

また、前記実開昭62−203872号に開示の構成に
よれば、第５図に示したように角長孔１０，１０
が形成されることにより、開口部２１が形成され
ることとなり、この開口部２１より容器３の内部
にゴミやホコリが侵入する惧れがあつて、不衛生
である。

そこで本考案は上記実情に鑑み、残量が少なく
なつた場合に、積層束の底部を支持力高く上方へ
持ち上げて嵩上げし、最後の一枚まで完全に繰り
出すことができるとともに、容器内にゴミやホコ
リが侵入することがなく、しかも安価な化粧紙繰
り出し容器を提供することを目的とするものであ
る。

課題を解決するための手段 本考案は上記課題を解決するため、上面の取出
口から一枚毎繰り出し可能に化粧紙の積層束を収
納した長方体形状の化粧紙繰り出し容器におい
て、容器の側壁部から底部にかけて連続した一対
のミシン目などから形成される切離部を設け、該
切離部と直交するミシン目などの切離線を側壁部
と底部との稜線に沿い容器の端部方向に所定長さ
で設け、容器内の残量が少なくなると前記切離部
を容器内に折り込んで段部を形成し、該段部に積
層束を支持せしめて底上げするとともに、前記切
離線を切り離して三角形状のフラツプを形成し、
該三角形状のフラツプを内方へ折込むことを特徴
とする化粧紙繰り出し容器を構成したものであ
る。

作 用 上記構成の本考案によれば、容器の残量が少な
くなり、取り出し口から化粧紙が露出し得ない状
態となると、容器を逆様にして積層束を取り出し
口側に寄せ、ついで切離部を切り離して略直角の
帯状体を形成し、その帯状体を稜線に沿つて内方
へ折り込み、内部において略直角の段部を形成す
るとともに、稜線に沿つて切離部と直交するよう
に容器の端部方向へ形成した切離線を切り離して
三角形状のフラツプを形成し、該三角形状のフラ
ツプを内側へそれぞれ折り込むことにより、段部
を形成することによつて生じる角長孔による開口
部を覆うものである。そして、容器を元の状態に
戻すと、積層束はその段部に支持されて底上げさ
れ、よつて化粧紙は取り出し口から容易に露出で
きるとともに、内側へ折り込まれた三角形状のフ
ラツプによつて、容器内にゴミやホコリが侵入す
ることがない。

実施例 以下に本考案を図面に示す一実施例に基づき説
明する。

なお、前記第４図乃至第６図に示して説明した
従来例の構成は本考案においても共通するもので
あり、同一の符号を付して重複した説明を省略す
る。

本考案は段部９を形成することに関する構成は
第４図乃至第６図に示した前記従来例と共通する
ものであり、本考案は段部９を形成することによ
つて生じるゴミとホコリの容器３内の侵入を防ぐ
ものである。即ち、前記した構成によれば、段部
９を形成することにより、角長孔１０，１０が生
じて開口部２１が形成されるので、この開口部２
１から容器３の内部にゴミやホコリが侵入する惧
れがあつて、不衛生である。そこで、本考案は第
１図及び第２図に示したように、稜線８に沿つて
ミシン目６，６と直交するミシン目からなる切離
線６ａ，６ａを容器３の端部方向へ形成し、段部
９を形成した後、そのミシン目からなる切離線６
ａ，６ａを切り離して三角形状のフラツプ４ａ，
５ａを形成し、この三角形状のフラツプ４ａ，５
ａをそれぞれ内側へ折り込み、角長孔１０によつ
て生じた開口部２１を覆うものである。これによ
り、開口部２１が被覆されるため段部９を形成し
ても、容器３内にゴミやホコリが侵入することが
なく、衛生的である。なお、第１図及び第２図に
おいて、１１はテイツシユペーパーの積層体、２
は取出口、４は側壁部、５は底部を示すものであ
る。

次に本考案をコールドペーパーに適用した例に
ついて説明する。コールドペーパーは美容院にお
いてパーマをかける際に、カーラーに巻き着けて
使用するものであり、テイツシユペーパー１の略
14分の１程度の面積しかない、方形のやや固めの
紙である。したがつて、このコールドペーパーを
１枚毎繰り出し可能に収納する容器は、テイツシ
ユペーパー１の容器３と比べれば極めて小さい箱
体である。そして、前記テイツシユペーパー容器
の場合と同様に段部１９を形成することによつて
生じる角長孔２０によつて形成される開口部３１
を被覆するものである。その構成は前記テイツシ
ユペーパー容器の場合と同様であつて、第３図に
示したようにミシン目からなる切離部１６，１６
に直交するミシン目からなる切離線１６ａ，１６
ａを稜線１８に沿つて容器１３の端部方向に設
け、そのミシン目からなる切離線１６ａ，１６ａ
を切り離して三角形状のフラツプ１４ａ，１５ａ
を形成し、この三角形状のフラツプ１４ａ，１５
ａそれぞれ内側へ折り込むで開口部３１を被覆す
るものである。なお、第３図において、１１ａは
コールドペーパーの積層体、１２は取出口、１４
は側壁部、１５は底部を示すものである。

考案の効果 以上説明した本考案によれば、容器の残量が少
なくなり、取り出し口から化粧紙が露出し得ない
状態になると、容器を逆様にして積層束を取り出
し口側に寄せ、ついで切離部を切り離して略直角
の帯状体を形成し、その帯状体を稜線に沿つて内
方へ折り込み、内部において略直角の段部を形成
するとともに、稜線に沿つて切離部と直交するよ
うに容器の端部方向へ形成した切離線を切り離し
て三角形状のフラツプを形成し、該三角形状のフ
ラツプを内側へそれぞれ折り込むことにより、段
部を形成することによつて生じる角長孔による開
口部を覆うものである。そして、容器を元の状態
に戻すと、積層束はその段部に支持されて底上げ
され、よつて化粧紙は取り出し口から容易に露出
できるとともに、内側へ折り込まれた三角形状の
フラツプによつて、開口部が被覆されるため、段
部を形成することによつて、容器内にゴミやホコ
リが侵入することがなく、衛生上の心配ものなく
使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案をテイツシユペーパーに実施し
た中央部縦断側面図、第２図は第１図の要部斜視
図、第３図は本考案をコールドペーパー容器に実
施した中央部縦断側面図、第４図は従来例を示す
斜視図、第５図は段部を形成した状態を示す斜視
図、第６図は第５図の中央部縦断側面図である。 １……テイツシユペーパー、１ａ……コールド
ペーパー、２，１２……取出口、３，１３……容
器、４，１４……側壁部、４ａ，５ａ，１４ａ，
１５ａ……フラツプ、５，１５……底部、６，６
ａ，１６ａ……ミシン目、７，１７……切離部、
８，１８……稜線、９，１９……段部、１０，２
０……角長孔、１１，１１ａ……積層束、２１，
３１……開口部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上面の取出口から一枚毎繰り出し可能に化粧
   紙の積層束を収納した長方体形状の化粧紙繰り
   出し容器において、 容器の側壁部から底部にかけて連続した一対
   のミシン目などから形成される切離部を設け、
   該切離部と直交するミシン目などの切離線を側
   壁部と底部との稜線に沿い容器の端部方向に所
   定長さで設け、容器内の残量が少なくなると前
   記切離部を容器内に折り込んで段部を形成し、
   該段部に積層束を支持せしめて底上げするとと
   もに、前記切離線を切り離して三角形状のフラ
   ツプを形成し、該三角形状のフラツプを内方へ
   折込むことを特徴とする化粧紙繰り出し容器。 (2) 化粧紙がテイツシユペーパーである請求項１
   記載の化粧紙繰出し容器。 (3) 化粧紙がコールドペーパーである請求項１記
   載の化粧紙繰出し容器。