JPH0428593B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動車のタイヤカバー装置に関する
ものである。

（従来の技術） 一般に、自動車においては、フエンダパネルに
タイヤが車体内方側に位置する切欠き状のホイー
ルアーチ部が形成されているので、該ホイールア
ーチ部においてフエンダパネルに凹みが位置する
こととなり、空気抵抗の点において不利であつ
た。

そこで、空気抵抗の低減のために、例えば実開
昭52−148641号公報に記載されるように、フエン
ダパネルのホイールアーチ部にタイヤカバーを取
付けることが考えられる。

（発明が解決しようとする課題） ところが、タイヤカバーを固定すると、旋回時
にタイヤを操舵した場合、タイヤカバーとタイヤ
とが干渉するというおそれがある。

本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、タ
イヤの操舵に影響を与えることなく、空気抵抗の
低減を図ることができる自動車のタイヤカバー装
置を提供するものである。

（課題を解決するための手段） 本発明は、ステアリング部材によつて操舵され
るタイヤの外側を覆うようにフエンダパネルのホ
イールアーチ部にタイヤカバーが配設され、かつ
ステアリング部材の操舵に追従してタイヤの動き
に応じてタイヤカバーが変位する自動車のタイヤ
カバー装置を前提とするもので、一端が上記タイ
ヤカバーの前後部に枢着され車体に対して車幅方
向に平行移動可能な支持された一対の可動ロツド
と、該一対の可動ロツドの他端にそれぞれ両端が
連係され、タイヤの前後方向中心の車体内方側に
回動軸を有する回動レバーと、該回動レバーに、
ステアリング部材の車幅方向変位を回動変位とし
て伝達するリンク機構とを備え、上記ステアリン
グ部材の中立時回動レバーによつて前後一対の可
動ロツドを支持し、タイヤカバーを、フエンダパ
ネルと略面一に保持するように構成されている。

（作用） 直進時は、タイヤカバーはその外側表面がフエ
ンダパネルの外側表面と略面一となり、ホイール
アーチ部を覆つているので、空気抵抗が低減され
ることとなる。

一方、旋回時には、ステアリング部材の車幅方
向の変位が、回動レバーに対し、リンク機構によ
つて回動変位として伝達され、それにより、可動
ロツドが回動レバーによつて所定方向に平行移動
せしめられる。

その結果、タイヤカバーが、タイヤの動きに応
じて回動変位することになり、タイヤの操舵は円
滑に行われる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に沿つて詳細に説
明する。

自動車の前部を示す第１図において、１はタイ
ヤカバーで、フエンダパネル２（フロントフエン
ダ）のホイールアーチ部２ａに位置しステアリン
グ部材によつて操舵されるタイヤ３外方に配置さ
れ、車体幅方向に回動変位可能に取付けられてい
る。

このタイヤカバー１は、直進時には外側表面１
ａがフエンダパネル２の外側表面２ｂと略面一と
なり、空気抵抗の低減に寄与する一方、旋回時に
はステアリング部材の操作に連動してタイヤ３と
ともに回動変位し、タイヤ３の操舵を妨げないよ
うになつている。

前記タイヤカバー１を回動変位せしめる機構を
示す第２図ないし第４図において、タイヤカバー
１の内側面の前後部に固設した固定ブラケツト４
ａ，４ｂ，５ａ，５ｂに鉛直方向の回動軸６，７
が回動可能に支承され、該回動軸６，７の中間部
に車体内方へ延びる可動ロツド８，９の一端部が
固着されている。

各可動ロツド８，９はその中間部が、タイヤハ
ウス１０の前後壁部１０ａ，１０ｂに固設した断
面略コ字形状の支持ブラケツト１１，１２によつ
て、軸線方向に即ち車体に対して車幅方向に平行
移動可能なるように支承されている。

また、可動ロツド８，９の他端部には係合部８
ａ，９ａが形成され、そして該係合部８ａ，９ａ
と支持ブラケツト１１，１２（車体内方側の突片
部１１ａ，１２ａ）との間にスプリング１３，１
４が介装され、それによつて可動ロツド８，９が
車体内方側へ常時付勢されている。

１５は回動レバーで、その中間部が、タイヤ３
の前後方向中心の車体内方側に位置する、鉛直方
向の回動軸１６の上端部に固設され、それによつ
て前記回動軸１６について水平回動可能となつて
いる。この回動レバー１５の両端部には当接係合
部１５ａ，１５ｂが形成され、該当接係合部１５
ａ，１５ｂが前記可動ロツド８，９の係合部８
ａ，９ａに当接係合している。

前記回動軸１６は、取付具１７を介してタイヤ
ハウス１０の内壁部１０ｃに固設した支承ブラケ
ツト１８に回動可能に支持されている。

前記回動軸１６の下端部は、第１連結ロツド１
９、第２連結ロツド２０および連結具２１を介し
て、ステアリング部材であるタイロツド２２に連
結されている。第１連結ロツド１９と第２連結ロ
ツド２０との間および第２連結ロツド２０と連結
具２１との間にはそれぞれボールジヨイント２
３，２４が介設され、それによつて各部材が相互
に前後方向および上下方向に回動可能となつてい
る。これによつて、タイロツド２２の車幅方向の
変位を回動変位として回動レバー１５に伝達する
リンク機構が構成される。

上記のように構成すれば、直進時は、タイヤカ
バー１はその外側表面１ａがフエンダパネル２の
外側表面２ｂと略面一となり、ホイールアーチ部
２ａを覆つているので、空気抵抗が低減されるこ
ととなる。

一方、旋回時には、タイロツド２２が例えば右
旋回の場合車体外方へ移動するので、それと連動
して回動レバー１５が時計方向Ａ（第２図参照）
に回動する。

それにより、後側の可動ロツド９の係合部９ａ
が回動レバー１５の当接係合部１５ｂによつて押
圧され、スプリング１４の弾発力に抗して車体外
方に移動する。一方、前側の可動ロツド８は、当
接係合部１５ａが係合部８ａとの係合を解除する
方向に移動するので、スプリング１３の弾発力に
より車体内方へ移動することになる。

その結果、タイヤカバー１が、タイヤ３の動き
に応じて回動変位することになり、タイヤ１の操
舵は円滑に行われる。

なお、左旋回の場合も、回動レバー１５が反時
計方向に回動することにより、同様にして、タイ
ヤカバー２がタイヤ３とともに逆方向に、回動変
位する。

このように、旋回時におけるタイヤ３の操舵
が、タイヤカバー２とタイヤ３とが干渉すること
なく、円滑に行われる。

上記実施例では、回動レバー１５の回動軸１６
を、連結ロツド１９，２０および連結具２１を介
してステアリング部材の１つであるタイロツド２
２を連結することにより、タイヤカバー１をステ
アリング部材の操作に連動して回動変位させる駆
動入力を取出しているが、その他、ラツクアンド
ピニオン式ステアリング装置のラツクロツドから
連係ワイヤを介して駆動入力を取出してもよい
し、またステアリングシヤフトに固設したギヤに
噛合によりリンク部材あるいは連係ワイヤを介し
て駆動入力を取出すようにすることもできる。

（発明の効果） 本発明は、上記のように、１対の可動ロツド、
回動レバー及びリンク機構を介して、タイヤの動
きに応じてタイヤカバーを回動変位させるように
したので、タイヤの操舵に影響を与えることな
く、空気抵抗の低減を図ることができるし、ま
た、歩行者等の安全保護にも有利である。さら
に、タイヤカバーを回動変位させる可動ロツドを
タイヤカバーの前後部に設けたので、タイヤのバ
ンプ時に干渉するおそれがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
自動車前部の斜視図、第２図は第１図における
−線に沿う断面図、第３図は第２図における
方向の矢視図、第４図は第２図における方向の
矢視図である。 １……タイヤカバー、２……フエンダパネル、
２ａ……ホイールアーチ部、３……タイヤ、８，
９……可動ロツド、１５……回動レバー、２２…
…タイロツド（ステアリング部材）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ステアリング部材によつて操舵されるタイヤ
   の外側を覆うようにフエンダパネルのホイールア
   ーチ部にタイヤカバーが配設され、かつステアリ
   ング部材の操舵に追従してタイヤの動きに応じて
   タイヤカバーが変位する自動車のタイヤカバー装
   置において、 一端が上記タイヤカバーの前後部に枢着され車
   体に対して車幅方向に平行移動可能に支持された
   一対の可動ロツドと、 該一対の可動ロツドの他端にそれぞれ両端が連
   係され、タイヤの前後方向中心の車体内方側に回
   動軸を有する回動レバーと、 該回動レバーに、ステアリング部材の車幅方向
   変位を回動変位として伝達するリンク機構とを備
   え、 上記ステアリング部材の中立時回動レバーによ
   つて前後一対の可動ロツドを支持し、タイヤカバ
   ーを、フエンダパネルと略面一に保持するように
   構成されていることを特徴とする自動車のタイヤ
   カバー装置。