JPH042517B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はエレベーターの保守方法に係り、特に
遠方よりエレベーターの動作状態を調べるのに好
適なエレベーターの保守方法に関するものであ
る。従来、エレベーターの保守は、実際にエレベ
ーターが設置されている現場へ定期的に行つて、
エレベーターをテスト運転してその動作状態を調
べ、摩耗部品の交換や故障場所を修理することに
よつて行つていた。しかし、これでは現場へ行つ
て始めて摩耗等がわかり、手持ちの交換部品がな
いときは、作業を中断して交換部品を取りに行く
といつたことや、現場には十分な計器類やデータ
処理装置がないために正確な分析ができないとい
つたことが起り得るという欠点が生ずる。

本発明は上記に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、エレベーターの動作状態情報
を遠隔地の保守センターで定期的に把握すること
ができるエレベーターの保守方法を提供すること
にある。

本発明は、エレベーターの保守は定期的に実施
されることに着目してなされたもので、タイマー
装置により定期点検時を検出しデータ制御装置を
動作させ、電力制御装置、マイクロコンピユー
タ、速度制御回路、および安全回路を有するエレ
ベーター制御装置からエレベーターの動作状態情
報を収集記録するに当り、前記タイマー装置が動
作し、前記エレベーターを保守する時期になる
と、前記データ制御装置が該エレベーターの運転
状態を監視し、保守に必要なデータが得られる運
転状態になると、自動的に該データを収集し、収
集した前記データの取捨選択を行い、選択された
必要なデータを収集記録し、情報が不足している
時は、前記データ制御装置は、前記タイマー装置
が動作する時のエレベーターの運転状態を監視
し、前記エレベーターが一定期間運転されていな
いことを検出した場合には、前記エレベーターの
運転を必要な情報が得られるように設定して運転
し、そのときの前記エレベーターの動作状態情報
も収集記録し、前記データ制御装置に収集記録さ
れた前記エレベーターの動作状態情報を信号変換
装置により直列デジタル信号に変換し保守センタ
ーに電送し、該直列デジタル信号を情報処理装置
により受信することを特徴とするものである。

以下、本発明の実施例を第１図〜第５図、第８
図に示したエレベーター保守装置、および第６
図、第７図を用いて詳細に説明する。

第１図はシステム構成図で、エレベーターの乗
りかご１とカウンタウエイト２とがロープ３を介
してシーブ４につるべ状に吊られており、シーブ
４の軸には、減速機を介してブレーキ装置５、電
動機６、速度発電機７が取り付けてある。電動機
６、サイリスター制御装置８、断路器９から構成
されていて三相交流電源１０から供給される電力
を制御する電力制御装置１１の出力で回転方向や
速度が制御される。サイリスタ制御装置８は、速
度発電機７の出力とマイクロコンピユータ１２の
出力とが入力されている速度制御回路１３の出力
で制御される。電力制御装置１１の制御信号は、
エレベーターに設置された各種の安全装置からの
信号１４およびマイクロコンピユータ１２からの
信号が入力されている安全回路１５からの出力で
あり、エレベーターの進行方向やブレーキ装置５
等の制御を行う。マイクロコンピユータ１２は、
乗りかご１に接続されたテールコードを介して入
力される乗りかご情報、エレベーター乗り場の情
報、速度発電機７からの情報および安全装置から
の情報１４等が入力され、それらの情報を用いて
エレベーターを制御する。

ところで、電力制御装置１１、マイクロコンピ
ユータ１２、速度制御回路１３、安全回路１５か
ら構成されているエレベーター制御装置１６に
は、保守期間がきたことを検出するタイマー装置
１７およびエレベーター制御装置１６の各部の動
作状態情報を収集記録するデータ制御装置１８よ
りなる保守装置本体１９が接続してあり、保守装
置本体１９には、データ制御装置１８からの情報
を音声信号に変換するモデム装置２０が接続して
あり、モデム装置２０には通信路を介して音声信
号を電気信号に変換するモデム装置２１が接続し
てあり、モデム装置２１は保守センターの情報処
理装置２２に接続してある。この保守装置本体１
９、モデム装置２０，２１、通信路および情報処
理装置２２よりなる部分がエレベーター保守装置
である。

保守装置本体１９はマイクロコンピユータで構
成してあり、第２図に示すように、マイクロプロ
セツシングユニツト（MPU）５０、アドレスや
制御信号をMPU５０と後述の周辺の装置とやり
取りするシステムバス５１、マイクロコンピユー
タのクロツクを発生するCPG５２、プログラム
を格納するリード・オンリイ・メモリ（ROM）
５３、データの一時記憶に用いるランダム・アク
セス・メモリ（RAM）５４、システムバス５１
に直結された時計機能を有するRTC（例えば日立
製作所製のHD146818）５５、調歩同期信号を発
生してモデム装置２０と信号をやり取りする
ACIA５６、エレベーター制御装置１６からのデ
ジタル信号とMPU５０との入出力を行うPIA５
７及びアナログ信号をデイジタル信号に変換して
MPU５０に取り込むＡ−Ｄ変換器５８を有する。
なお、PIA５７には保守装置本体１９への指示を
与える入力装置２３が接続してある。

次に、保守装置本体１９における処理のフロー
チヤートである第３図について説明する。第３図
は、電源が投入されると各種のレジスタ類や変数
等の初期設定を行うリセツト処理ステツプ100、
キーボード等で各種の動作状態を設定するか否か
を判断し、入力があるときはその動作を行うステ
ツプ200、ステツプ200で設定するタイマーがエレ
ベーターの動作状態情報を収集する時点になつた
か否か判断するステツプ300、データを収集する
時点になつたときにPIA５７、Ａ−Ｄ変換器５８
等でエレベーターの動作状態情報をMPU５０に
取り込んで処理を行うステツプ400、データの収
集が終つた時点でモデム装置２０へデータを送受
信するステツプ500とからなつている。

第４図は上記のステツプ400でデータを収集す
るときの処理の詳細を示すフローチヤートであ
る。ステツプ400は、第４図に示すように、エレ
ベーターにおいては各種の運転モード、例えば、
１階から５階へ運転する場合と１階から２階へ運
転する場合とでは動作する位置検出器、最高速度
および着床レベル等が異なつているため、保守の
ときに実施する運転の手順を運転モード毎にわ
け、それを保守装置本体１９に登録しておき、エ
レベーターが減速開始か否かを判断し、減速開始
ならばステツプ410へ、それ以外のときは戻りと
するステツプ405、上記運転モードのうちｉ番目
のモードが運転されたか否かを判断し、そのデー
タが未収であればステツプ420を、収集済であれ
ばステツプ440を実行させるステツプ410、エレベ
ーター運転モードｉの各部データを収集するステ
ツプ420、ｉモードのデータ収集が終ると、モー
ドｉのデータ収集フラグをセツトし、検査モード
ｉを更新するステツプ430、すべての運転モード
のデータ収集を終了したか否かを判断し、終了し
ていないときはステツプ410を実行させ、終了し
ている場合は戻りとするステツプ440とから構成
してある。

第５図は第４図のステツプ410の詳細を示すフ
ローチヤートである。ステツプ410は、第５図に
示すように、第６図のメモリマツプに示してある
ようにエレベーターが動き出す出発階床と到着階
床が記憶されているデータベースの先頭アドレス
をアドレスレジスタに格納するステツプ4100、ア
ドレスレジスタの示すメモリの内容が出発階と等
しいときにはステツプ4300を、それ以外のときは
ステツプ4800を実行させるステツプ4200、アドレ
スレジスタの内容を１増加させるステツプ4300、
アドレスレジスタの内容が到着階と等しいか否か
を判断し、等しければステツプ4500を、等しくな
ければステツプ4900を実行させるステツプ4400、
アドレスレジスタの現在の値からモードｉを求
め、モードｉに対するON、OFF状態（ONはす
でにデータを収集、OFFはデータ未収集である
こと示す。）を記憶してあるテーブルData1から
モードｉに対応するアドレスを計算するステツプ
4500、そのアドレスのデータを持つてきてOFF
であればステツプ4700を、OFFでなければステ
ツプ440（第４図参照）を実行させるステツプ
4600、モードｉに対応する上記Data1のアドレス
のメモリ内容をONにするステツプ4700、アドレ
スレジスタの内容を２増加し、次の出発階が格納
されているアドレスを求めるステツプ4800、アド
レスレジスタの内容を１増加させるステツプ4900
および最終アドレスより大きいか否かを判断し、
大きければこの運転モードのデータは収集する必
要がないと判断しステツプ440へ戻り、まだチエ
ツクしていないモードがあればステツプ4200へ戻
す判断ステツプ5000とからなつている。

このような構成にすると、タイマー装置１７が
動作し、エレベーターを保守する時期になると、
エレベーターの運転状態を監視し、保守に必要な
データが得られる運転状態になると、自動的にデ
ータを収集する。そしてそのデータが不必要なと
きは捨て、例えば、第６図のモード零の出発階に
１、到着階に５と書き込んでおいて、出発階が１
で到着階が２または３という組合せが書いてない
とすると、エレベーターが１階から運転を開始
し、第７図に示す速度曲線でエレベーターは走行
するがＡまたはＢ点で減速を開始し、２階または
３階に停止しても、そのデータは無視されて収集
されないが、減速開始点がｃ点のときは、出発階
は１階、到着階は５階ということがわかるので、
モード零の運転としてデータを収集記録する。そ
の動作が各モードに対して終了すると、自動的に
公衆回線（電話回線など）を介して遠隔地に設置
された保守センターのデータ処理装置２２へ入力
され、保守員はその情報からエレベーターの保守
すべき部位を判断し、必要な保守部品を持つて現
地へ行くことができ、現場から保守部品を取りに
戻るといつたことがなくなるようにすることがで
きる。なお、データが揃つた時点で保守センター
へ通報する方式を採用することにより、通信費用
の削減を図ることができる。

第８図は本発明の他の実施例を示す第４図に相
当するフローチヤートであり、第４図と同一部分
は同じ符号で示してある。第４図と異なるところ
は、第４図のステツプ410を、真夜中などでエレ
ベーターに一定時間以上呼びがなく、エレベータ
ーが停止している状態にあるか否かを判断し、稼
働状態のときは一定時間以上呼びがなくなるまで
待ち、一定時間エレベーターが停止しているとき
はステツプ460を実行させるステツプ450、上記エ
レベーターの運転モードｉのデータ収集が終了し
たか否かを判断し、未収集であればステツプ470
を、すでにデータを収集していたならばステツプ
440を実行させるステツプ460およびPIA５７の出
力を用い、エレベーター制御装置１６へのエレベ
ーターの運転モードがｉになるように呼び等が発
生させるステツプ470とに変えた点にある。この
ような構成にすると、エレベーターが乗客を運ば
ない期間に必要とする運転を指示できるため、す
べての運転状態を作り出せるという新らたな効果
が生ずる。

なお、上記した実施例では、保守装置本体１９
は、エレベーター制御装置１６のマイクロコンピ
ユータ１２と別個のマイクロコンピユータで構成
してあるが、その機能をマイクロコンピユータ１
２に持たせるようにしてもよく、また、モデム装
置１９を省略して直接通信路へ接続するようにし
てもよく、同一の効果を得ることができる。

以上説明したように、本発明によれば、エレベ
ーターの動作状態情報を遠隔地の保守センターで
定期的に把握することができ、その情報からエレ
ベーターの保守すべき部位を判断し、必要な保守
部品を持つて現地へ行くことができ、現場から保
守部品を取りに戻つたり、現場へ大型の装置を持
ち込まなくてもよいという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のエレベーターの保守方法の一
実施例に用いるエレベーター保守装置を示すシス
テム構成図、第２図は第１図の保守装置本体の詳
細を示す構成図、第３図は保守装置本体における
処理の一実施令を示すフローチヤート、第４図は
第３図のステツプ400における処理の詳細の一実
施例を示すフローチヤート、第５図は第４図のス
テツプ410における処理の詳細を示すフローチヤ
ート、第６図はデータを収集する条件を記憶する
メモリ構成図、第７図はエレベーターの動作図、
第８図は本発明の他の実施例を実施するエレベー
ター保守装置の第４図に相当するフローチヤート
である。 １……乗りかご、６……電動機、１６……エレ
ベーター制御装置、１７……タイマー装置、１８
……データ制御装置、１９……保守装置本体、２
０，２１……モデム装置、２２……保守センター
情報処理装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ タイマー装置により定期点検時を検出しデー
   タ制御装置を動作させ、電力制御装置、マイクロ
   コンピユータ、速度制御回路、および安全回路を
   有するエレベーター制御装置からエレベーターの
   動作状態情報を収集記録するに当り、前記タイマ
   ー装置が動作し、前記エレベーターを保守する時
   期になると、前記データ制御装置が該エレベータ
   ーの運転状態を監視し、保守に必要なデータが得
   られる運転状態になると、自動的に該データを収
   集し、収集した前記データの取捨選択を行い、選
   択された必要なデータを収集記録し、情報が不足
   している時は、前記データ制御装置は、前記タイ
   マー装置が動作する時のエレベーターの運転状態
   を監視し、前記エレベーターが一定期間運転され
   ていないことを検出した場合には、前記エレベー
   ターの運転を必要な情報が得られるように設定し
   て運転し、そのときの前記エレベーターの動作状
   態情報も収集記録し、前記データ制御装置に収集
   記録された前記エレベーターの動作状態情報を信
   号変換装置により直列デジタル信号に変換し保守
   センターに電送し、該直列デジタル信号を情報処
   理装置により受信することを特徴とするエレベー
   ターの保守方法。 ２ 前記信号変換装置がデジタル信号を音声信号
   に変換するモデム装置である特許請求の範囲第１
   項記載のエレベーターの保守方法。