JPH04247233A

JPH04247233A - 成形吸着体

Info

Publication number: JPH04247233A
Application number: JP3568291A
Authority: JP
Inventors: Takayoshi Kaneda; 隆義金田; Takeshi Maeda; 武士前田; Yoshitaka Nakahigashi; 中東　義貴
Original assignee: Osaka Gas Co Ltd
Current assignee: Osaka Gas Co Ltd
Priority date: 1991-02-04
Filing date: 1991-02-04
Publication date: 1992-09-03
Anticipated expiration: 2014-12-13
Also published as: JP2989677B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、上水などを吸着処理す
る上で有用な成形吸着体に関する。

【０００２】

【従来の技術】水道水中の塩素臭などを除去するため、
家庭用、業務用等の浄水器には、活性炭素繊維をバイン
ダーで接合した抄紙構造の成形吸着体が装着されている
。この成形吸着体は、塩素成分などに対する吸着速度、
吸着能及び通水性が高い。しかしながら、前記成形吸着
体は殺菌作用がないので、大腸菌などの微生物が繁殖す
る可能性がある。

【０００３】一方、殺菌作用を示す物質として銀イオン
が知られている。この銀イオンを粒状活性炭に添着する
ことにより、殺菌作用を有する活性炭となる。しかしな
がら、活性炭素繊維の細孔は、粒状活性炭と比較して、
その径が小さいため、銀イオンを添着することができな
い。すなわち、活性炭素繊維の表面に銀イオンを添着し
ても、銀イオンが、活性炭素繊維のミクロポアに侵入し
ないので、処理水を通水すると、銀イオンが流出し、殺
菌作用を維持できなくなる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、活性炭素繊維を吸着材としているにも拘らず、高い
吸着能および殺菌作用を示す成形吸着体を提供すること
にある。

【０００５】

【発明の構成】前記目的を達成するため、本発明は、活
性炭素繊維、銀添着活性炭又は銀添着ゼオライト、およ
びバインダーを含む成形吸着体を提供する。

【０００６】活性炭素繊維は、例えば、ポリアクリロニ
トリル、フェノール樹脂、セルロース、レーヨン、ピッ
チなどの炭素繊維を賦活処理することにより得られる。活性炭素繊維の比表面積は、例えば、５００〜２５００
ｍ２　／ｇ程度であり、その特異なミクロポアの構造に
起因して、吸着速度および吸着能が大きいという特徴を
有する。なお、前記活性炭素繊維は、粉状又は粒状活性
炭と併用してもよい。

【０００７】銀添着活性炭及び銀添着ゼオライトは、多
孔質担体である粒状活性炭やゼオライトに銀を担持した
ものである。粒状活性炭としては、比表面積が、例えば
、５００〜２５００ｍ２　／ｇ程度のものが使用できる
。銀の添着量は、例えば、０．０１〜１０重量％、好ま
しくは１〜７．５重量％、さらに好ましくは３〜６重量
％程度である。銀の添付着量が０．０１重量％未満では
殺菌作用が小さく、１０重量％を越えると銀が溶出し易
い。銀添着活性炭及び銀添着ゼオライトは、単独で又は
組合せて使用できる。

【０００８】バインダーは、前記活性炭素繊維と、銀添
着活性炭及び／又は銀添着ゼオライトを接合して一体化
する。バインダーとしては、例えば、パルプ；熱接着性
繊維；熱接着性樹脂などが挙げられる。前記熱接着性繊
維には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
オレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊
維、ポリアクリロニトリル繊維や複合繊維などが含まれ
る。熱接着性樹脂には、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのオレフィン系ポリマー、ポリ酢酸ビニル
、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ナイロン、ア
クリル樹脂、ポリアクリロニトリル、スチレン系ポリマ
ーなどの慣用の熱可塑性ポリマーが使用できる。バイン
ダーの形態は、吸着体の製造方法に応じて選択でき、液
状、粉粒状、繊維状などのいずれであってもよいが、活
性炭素繊維のミクロポアの閉塞を抑制でき、吸引成形性
に優れる繊維状であるのが好ましい。特に好ましいバイ
ンダーは、パルプ及び／又は熱接着性繊維である。これ
らのバインダーは、一種又は二種以上使用できる。

【０００９】成形吸着体は、前記成分以外に、非熱接着
性の補強繊維を含んでいてもよい。補強繊維としては、
例えば、木綿、麻等の天然繊維；芳香族ポリアミド繊維
、芳香族ポリエステル繊維等の合成繊維；レーヨンなど
の半合成繊維；ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、
金属繊維等の無機繊維が例示される。これらの補強繊維
は、一種又は二種以上使用できる。成形吸着体を補強す
るためには、機械的強度の大きな合成繊維及び無機繊維
が好ましい。

【００１０】活性炭素繊維と、銀添着活性炭及び／又は
銀添着ゼオライトとの割合は、吸着性および殺菌性を損
わない範囲で選択でき、例えば、活性炭素繊維／銀添着
活性炭及び銀添着ゼオライト＝１０〜９０／９０〜１０
、好ましくは２５〜７５／７５〜２５（重量比）程度で
ある。活性炭素繊維と銀添着活性炭及び銀添着ゼオライ
トの総量は、例えば、成形吸着体中、５０〜９９重量％
、好ましくは７５〜９９重量％、さらに好ましくは９０
〜９９重量％、特に好ましくは９５〜９８重量％程度で
ある。

【００１１】また、バインダーの含有量は、成形吸着体
の一体性および処理効率を損わない範囲で選択でき、例
えば、１〜５０重量％、好ましくは１〜２５重量％、さ
らに好ましくは１〜１０重量％、特に２〜５重量％程度
である。

【００１２】前記吸着体は、吸着能及び強度に悪影響を
及ぼさない範囲で、分散剤、安定剤、粘度調整剤、沈降
防止剤、増粘剤、充填剤、紙力増強剤、凝集作用を有す
る界面活性剤、特に高分子凝集剤や歩留り向上剤などの
種々の添加剤を含有していてもよい。

【００１３】このような成形吸着体は、前記活性炭素繊
維と銀添着活性炭及び／又は銀添着ゼオライトとを組合
せているので、主に、活性炭素繊維の高い吸着能と、銀
添着活性炭及び銀添着ゼオライトの高い殺菌作用との双
方の機能が発現する。従って、上水を処理する場合には
、被処理流体中の、大腸菌などの微生物の繁殖を防止し
つつ、塩素成分、臭気成分、黴臭などを除去できる。従って、処理水は衛生的である。さらに、前記銀添着活
性炭及び銀添着ゼオライトにより被処理流体が乱流化す
るので、成形吸着体により被処理流体を処理すると、被
処理流体の処理行程が長くなり、処理効率を高めること
ができる。特に、バインダーとして、パルプ及び／又は
熱接着性繊維を用いる場合には、活性炭素繊維及び銀添
着活性炭などの含有量を高め、かつ活性炭素繊維のミク
ロポアの閉塞を防止できると共に、流路がさらに複雑化
するので、処理効率をさらに高めることができる。

【００１４】成形吸着体の形状は、用途に応じて適宜決
定でき、例えば、シート状、中空筒状などであってもよ
い。また、シート状の成形吸着体は、エンボス加工が施
されていたり、ハニカム構造に加工されていてもよい。

【００１５】なお、前記のように、バインダーにより成
形吸着体を調製する場合には、活性炭素繊維のミクロポ
アや銀添着活性炭などの活性部位が塞がれ易い。従って
、通常、高い吸着能及び殺菌作用を維持しつつ、活性炭
素繊維と銀添着活性炭などとを複合化することは一般に
困難である。高い吸着能及び殺菌作用を有する本発明の
成形吸着体は、例えば、次のような方法で作製できる。

【００１６】（１）　前記成分を含むスラリーを吸引成
形型により吸引し、吸引成形型上に前記成分を堆積させ
たり、吸引成形型内にスラリーを注入して吸引する吸引
成形法。

【００１７】（２）　バインダーを除く各成分のスラリ
ーを用い、吸引成形法により成形体を成形し、成形体に
バインダーを含浸又は塗布する含浸法や塗布法。

【００１８】（３）　石膏などの吸湿性鋳型に、前記成
分を含むスラリーを注入し、スラリー中の水分を鋳型に
吸収させ、成形する方法など。

【００１９】前記（１）　吸引成形法では、吸引成形型
から脱型した成形体を、加熱乾燥することにより、成形
吸着体を得ることができる。この吸引成形法において、
成形型の内面又は外面形状に対応する種々の形状の成形
体を得ることができる。また（２）　含浸法及び塗布法
では、溶液状バインダーを成形体の少なくとも表面に適
用することにより、バインダーの含浸量及び塗布量が少
なくても、一体化した成形体が得られる。さらに（３）
　の方法では、銀添着活性炭や銀添着ゼオライトなどの
微小な粉粒体を用いてもスラリー中の成分の漏出がない
ので、銀添着活性炭や銀添着ゼオライトなどの含有量を
高めることができる。

【００２０】なお、スラリーの調製に際しては、活性炭
素繊維などを叩解するのが好ましい。スラリー中の固形
分濃度は、前記（１）（２）の方法では、例えば、０．
１〜２重量％程度であり、前記（３）　の方法では、例
えば、５〜５０重量％程度である。バインダーが熱接着
性を有する場合には、加熱乾燥により、バインダーは、
粒状活性炭及び／又は補強繊維と接合する。湿潤状態の
成形吸着体の加熱乾燥は、例えば、１００〜２００℃程
度の温度で行なうことができる。

【００２１】このようにして得られた成形吸着体は通水
性及び通気性に優れた抄紙構造を有している。従って、
吸着処理時の圧力損失が小さく、吸着能が高い。

【００２２】本発明の成形吸着体は、上水中の塩素成分
などの除去、上水中の微生物の殺菌、液体の脱臭脱色な
どの種々の処理に使用できる。

【００２３】

【発明の効果】本発明の成形吸着体は、高い吸着能およ
び殺菌作用を示すと共に処理効率が高い。

【００２４】

【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。

【００２５】実施例銀添着活性炭［武田薬品工業（株）製、商品名銀コート
白鷺］８重量部、繊維長１〜３ｍｍのチョップ状に切断
した、公称比表面積１５００ｍ２　／ｇのピッチ系活性
炭素繊維［（株）アドール製、商品名Ａ−１５］８７重
量部、繊維長１〜３ｍｍに切断した、バインダーとして
のポリアクリロニトリル繊維５重量部を、水２０００重
量に加え、水槽中で撹拌し、均一なスラリーを調製した
。

【００２６】そして、内径３０ｍｍφ、深さ３０ｍｍで
あり、底板に多数の小孔が形成され、かつ吸引部が形成
された吸引成形型をスラリー槽内に浸漬し、吸引成形し
た後、成形体を取出して、１４０℃の温度で２時間乾燥
し、成形吸着体を得た。

【００２７】得られた吸着体の寸法は、直径３０ｍｍφ
、高さ３０ｍｍの円柱状であり、重量は３．２ｇ、その
比表面積は１３８０ｍ２　／ｇであった。

【００２８】次いで、大腸菌濃度６０ｃｅｌｌｓ　／ｍ
ｌの試料水を、ポンプを用いて流速１ｍｌ／分の速度で
成形吸着体に供給した。そして、所定時間毎に所定量の
流出水を採取し、温度５０℃に保温した寒天培地上に滴
下し、平板状に固化させた後、温度３７℃のインキュベ
ーターで３日間培養した後、コロニーの数から生菌数を
求め、殺菌効率を評価した。その結果、試料水を５０時
間供給した後、流水中の大腸菌量は５４００ＣＦＵ　／
ｍｌであった。

【００２９】比較例銀添着活性炭を用いることなく、実施例の活性炭素繊維
９５重量部を用いる以外、実施例と同様にして成形吸着
体を得た。

【００３０】得られた吸着体の重量は２．９ｇ、その比
表面積は１４６０ｍ２　／ｇであった。そして、実施例
と同様にしてコロニーの数から生菌数を求めたところ、
試料水を５０時間供給した後、流水中の大腸菌量は５４
８００ＣＦＵ　／ｍｌであった。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　活性炭素繊維、銀添着活性炭又は銀添
着ゼオライト、およびバインダーを含む成形吸着体。