JPH04242184A - アンテナ追尾装置 - Google Patents

アンテナ追尾装置

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JPH04242184A
JPH04242184A JP329791A JP329791A JPH04242184A JP H04242184 A JPH04242184 A JP H04242184A JP 329791 A JP329791 A JP 329791A JP 329791 A JP329791 A JP 329791A JP H04242184 A JPH04242184 A JP H04242184A
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JP
Japan
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azimuth
antenna
angular velocity
moving body
moving object
Prior art date
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Pending
Application number
JP329791A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Eguchi
光一 江口
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Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
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Publication date
Application filed by Japan Radio Co Ltd filed Critical Japan Radio Co Ltd
Priority to JP329791A priority Critical patent/JPH04242184A/ja
Publication of JPH04242184A publication Critical patent/JPH04242184A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両、船舶等の移動体
に積載され、衛星を追尾して受信を行うアンテナ追尾装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】アンテナ追尾装置は、列車における衛星
放送受信用や海事衛星通信用として知られている。すな
わち、移動体においてはその移動等により移動体本体か
ら見た衛星の方向(衛星の相対方位)が変化する。この
ため、衛星から信号を受信して移動体に積載された衛星
通信・衛星放送受信機に供給するためには、搭載に係る
移動体の移動等による方位変化をアンテナの方位制御に
よって相殺する必要がある。アンテナ追尾装置は、この
ような動作を可能とするアンテナ装置である。
【0003】前述のように、アンテナ追尾装置の主な用
途としては、列車における衛星放送受信と、海事衛星通
信と、がある。
【0004】前者においては、追尾原理は一般にモノパ
ルス方式である。この方式は、追尾用の和差信号を生成
し、この和差信号を用いてアンテナを駆動する方式であ
る。このため、比較的追尾性能は良いとされる。
【0005】後者においては、ジャイロコンパス等の方
位基準を発生させる装置を用い、その出力を利用して船
舶の進路変更・旋回による相対的な衛星方位の変化を打
ち消すという方式が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アンテナ追尾装置においては、次のような問題点があっ
た。
【0007】まず、モノパルス方式においては、和差信
号の生成のためにアンテナ系、高周波回路、中間周波数
回路等の構成が複雑となり、高価格となる。また、山、
建築物、立木等の障害物により一時的にブロッキングを
受けて衛星からの電波が消失した場合、アンテナが迷走
してしまうという問題もある。さらに、近年、衛星の送
信電力を有効活用するために蓄積したデータを一括して
送信するバースト信号による衛星システムが増加してい
る。バースト信号は、モノパルス方式における追尾信号
として利用するのが困難である。
【0008】また、100トン未満の小型船舶や陸上移
動体においては、一般にジャイロコンパスのような信頼
性の高い方位基準を発生させる装置は設備コスト等の点
から搭載できず、ジャイロコンパス等の出力を利用する
方式を用いることができない。  本出願人は、このよ
うな問題点を解決した追尾型アンテナ装置を先に提案し
ている(特願平2−175014号)。すなわち、ジャ
イロコンパス等の信頼性の高い装置を搭載しない小型船
舶、陸上移動体にも搭載でき、迷走を起こさずにかつバ
ースト信号により正確に追尾できる安価な追尾型アンテ
ナ装置を提案している。
【0009】この装置においては、移動体の旋回角速度
を検出する手段、例えばレートセンサが用いられている
。レートセンサは、移動体の旋回角速度を検出するセン
サであり、その出力を積分することにより(一定期間の
値を用いることにより)移動体の旋回角度が求められる
。一方で、前時点の移動体の方位(移動体方位)が所与
であれば、この旋回角度を移動体方位に加算することに
よって、逐次移動体方位を更新しつつ求めることができ
る。求められた移動体方位は、現在の衛星の絶対方位か
ら減算され、この減算の結果、アンテナ方位の制御目標
(アンテナ指令角)が求められる。アンテナは、アンテ
ナ指令角に応じてサーボ制御される。
【0010】しかし、レートセンサは、直流オフセット
及びその温度によるドリフトを伴うため、精度良好な旋
回角速度を得るためには周囲温度を恒温化する必要があ
る。例えば、70〜80℃程度に加熱するようにすれば
、比較的良好な検出が期待できる。また、温度センサを
付設して演算により旋回角速度を補正することも有力な
手段である(前掲特願平2−175014号参照)。
【0011】このような温度対策は、装置構成の大型化
、複雑化の原因となりうるが、これは装置をより簡易な
構成とするのが好ましいとの要請に反する。そのために
は、レートセンサとして温度に対する不安定性が少ない
ものを用いれば良い。例えば、レートセンサには振動ジ
ャイロ、ガスレートセンサ、オプティカルファイバジャ
イロ等の種類があるが、振動ジャイロやガスレートセン
サよりはオプティカルファイバジャイロの方が、温度に
対して安定である。しかし、きわめて高価である。  
このように、レートセンサの価格は検出精度や温度安定
性の良さに応じて一般に高くなるため、良好な温度安定
性を確保するという要請は、アンテナ追尾装置の安価化
という要請に反してしまう。
【0012】このような矛盾を解決するためには、いわ
ゆるフラックスゲートコンパス(FGC)を用いれば良
い。FGCは、地磁気の水平面内成分を検出する手段で
ある。地磁気の水平面内成分は、磁北に対する移動体方
位を示しているため、FGC出力を用いさらに移動体方
位の変化をレートセンサ出力から求めれば移動体方位を
より正確に求めることが可能になる。従って、レートセ
ンサの温度特性による出力の不安定性をFGC出力によ
って補償することができ、安価なレートセンサを用いつ
つ、良好な移動体方位を求めることが可能になる。
【0013】一方、FGCを用いる場合、FGCにおい
て地磁気の水平方向成分として検出される量に移動体の
着磁による磁化成分が含まれる。従って、FGCの検出
精度を確保するためには磁化成分を除去することが必要
とされる。
【0014】従来から、着磁の影響を除去する方法とし
ては各種のものが提案されている。例えば、本願出願人
が先に提案している特開昭56−6169号公報や、特
願平2−240413号の方法がある。
【0015】しかし、前者の方法をアンテナ追尾装置に
適用した場合、移動体を所定角度以上旋回させなければ
ならない。このような旋回は、移動体の運行上常に行わ
れるとは限られず、また移動体に対して旋回を求めるの
は好ましくない。
【0016】一方で、後者の方法ではこのような問題点
は生じない。すなわち、移動体を旋回させること無く着
磁による磁化成分の影響を排除して、FGC出力による
移動体方位演算を可能とすることができる。逆に言えば
、磁化成分の排除演算が必要である。
【0017】このように、FGCを用いる技術において
は、移動体の着磁への対策が必要とされていた。
【0018】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、FGCを用いるこ
となく、かつ安価な装置により、良好な移動体方位を求
めて衛星の追尾を行うことが可能なアンテナ追尾装置を
提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、送信及び/又は受信に係る方位が
可変のアンテナaと、アンテナaの方位θAVをアンテ
ナ指令角θAVC に応じて制御するアンテナ方位制御
手段bと、衛星の絶対方位θSNを入力する衛星方位入
力手段cと、移動体の方位θVNを入力する移動体方位
入力手段dと、衛星の絶対方位θSN及び移動体の方位
θVNから衛星の相対方位θSVを求めアンテナ指令角
θAVC としてアンテナ方位制御手段bに供給する相
対方位演算手段eと、を備え移動体に搭載されるアンテ
ナ追尾装置において、移動体の速度vを求める移動体速
度演算手段fと、移動体の速度v及びその精度を判別し
、当該速度及びその精度が所定の水準以上の場合には第
一の追尾モードを、これ以外の場合には第二の追尾モー
ドを、追尾モードとして選択決定する追尾モード決定手
段gと、追尾モードとして第一の追尾モードが選択され
た場合には第一の移動体方位データを、第二の追尾モー
ドが選択された場合には第二の移動体方位データを、そ
れぞれ選択し、移動体の方位θVNとして移動体方位入
力手段dに供給させる移動体方位入力切替手段hと、移
動体の位置及び時刻に基づき移動体の方位θVNに対応
する第一方位データを求める第一方位データ入力手段i
と、移動体の旋回速度を検出する角速度検出手段jと、
移動体の旋回角速度ωに基づき移動体の方位θVNの増
分に対応する第二方位データを求める第二方位データ入
力手段kと、第一方位データと第二方位データとを加算
して第一の移動体方位データを求める第一の加算手段l
と、移動体の旋回角速度ωを積分して第二の移動体方位
データを求める積分手段mと、を備えることを特徴とす
る。
【0020】また、本発明の請求項2は、移動体の速度
vがほぼ零であるときの角速度検出手段iの出力をゼロ
点オフセットとして格納するゼロ点オフセットレジスタ
と、角速度検出手段jの出力をゼロ点オフセットに基づ
き補正し、移動体の旋回角速度ωとして積分手段mに供
給する第二の加算手段と、を備えることを特徴とする。   請求項3は、角速度検出手段jの動作温度Tを検出
する温度検出手段と、温度検出手段により検出された動
作温度Tに応じて角速度検出手段jの出力を補正する角
速度オフセット補正手段と、を備えることを特徴とする
【0021】請求項4は、第二の加算手段又は角速度オ
フセット補正手段により得られる移動体の旋回角速度ω
が零近傍の値である場合に当該旋回角速度ωに零を設定
することにより、移動体の旋回角速度ωについての不感
帯付与処理を施して積分手段mに供給する不感帯付与回
路を備えることを特徴とする。
【0022】請求項5は、第一方位データ入力手段iが
、第一方位データを低減ろ波し第一の加算手段lに供給
するディジタルフィルタである第一低域ろ波手段を有し
、第二方位データ入力手段kが、角速度検出手段iの出
力である移動体の旋回角速度ωを低域ろ波し第二方位デ
ータとして第一の加算手段lに供給するディジタルフィ
ルタである第二低域ろ波手段を有し、第一低域ろ波手段
の伝達関数が、角速度検出手段j及び第二低域ろ波手段
の合計伝達関数と、移動体の方位θVNに対して相補的
な特性であることを特徴とする。
【0023】請求項6は、電源投入、ブロッキング等の
所定の場合に所定角度刻みの探索角ΔθSRCHを移動
体の旋回角速度ωに代え積分手段mに供給し、移動体の
方位θVNの探索を通じて衛星の相対方位θSVを求め
る方位探索制御回路を備えることを特徴とする。
【0024】請求項7は、アンテナaの受信出力からキ
ャリアを検出し、キャリアが検出された場合にはキャリ
ア検出信号CDを出力する復調器を備え、追尾モード決
定手段gが、キャリア検出信号CDの有無に応じて追尾
モードを決定する手段と、キャリア検出信号CDがない
場合に方位探索制御回路に方位探索を実行させる手段と
、を備えることを特徴とする。
【0025】そして、請求項8は、アンテナaが、アン
テナ指令角に応じビーム方向が切り替えられることによ
り電子的に方位が変化する電子制御型アンテナであるこ
とを特徴とする。
【0026】
【作用】まず、本発明における各方位の関係について説
明する。
【0027】図2には、本発明における方位の関係が示
されている。この図においてNで示されるのは各方位の
基準となる方角、例えば北である。また、Vは本発明の
装置が搭載される移動体を、Aは本発明の装置に含まれ
るアンテナaを、SN はアンテナaによる追尾の対象
となる衛星を、それぞれ示している。
【0028】この図に示されるように、衛星の方位は、
絶対方位θSN及び相対方位θSVの2種類で表すこと
ができる。まず、絶対方位θSNは、基準Nから見た衛
星の方位である。この方位θSNは、例えば移動体の旋
回や、アンテナの回動等によって変化することはない。 次に、相対方位θSVは、移動体の方向を基準とした衛
星方位である。従って、この方位θSVは、移動体の旋
回等により変化するものである。しかし、この方位θS
Vは、本発明の装置が搭載される移動体を基準としてい
るため、アンテナaの方位制御に関しては絶対方位θS
Nより適するものである。
【0029】相対方位θSVは、絶対方位θSNから移
動体方位θVNを減ずることによって求められる。さら
にまた、アンテナaの方位制御において誤差θAEが生
じている場合、アンテナ方位θAVは相対方位θSVか
ら当該誤差θAEを減じた値となる。
【0030】このような仮定の下に、本発明の各請求項
の作用を説明する。
【0031】まず、請求項1においては、衛星方位入力
手段cにより入力される衛星の絶対方位θSNと、移動
体方位入力手段dにより入力される移動体方位θVNと
、から衛星の相対方位θSVが相対方位演算手段eによ
り求められる。求められた相対方位θSVは、アンテナ
指令角θAVC としてアンテナ方位制御手段bに供給
される。アンテナ方位制御手段bは、アンテナaの方位
を制御する。
【0032】このような制御が行われると、アンテナa
が追尾対象となる衛星の方角を常に向くことになる。す
なわち、アンテナの追尾制御が実現される。
【0033】また、この請求項においては、移動体方位
入力手段dにより入力され相対方位演算手段eに供給さ
れる移動体方位θVNは、第一の加算手段lまたは積分
手段mから供給される。
【0034】第一の加算手段lは、移動体方位入力手段
dにより相対方位演算手段eに供給されるべき移動体方
位θVNを、第一方位データ入力手段iにより得られる
第一方位データと、第二方位データ入力手段kにより得
られる第二方位データと、の加算により生成する手段で
ある。すなわち、第一の加算手段lは、第一方位データ
入力手段lから第一方位データを取り込む。この第一方
位データは、第一方位データ入力手段iにより、移動体
の位置及び時刻に基づき移動体の方位θVNに対応する
データとして得られるものである。
【0035】一方で、第一の加算手段lは、第二方位デ
ータ入力手段kから第二方位データを取り込む。この第
二方位データは、角速度検出手段jによって検出される
移動体の旋回角速度ωに基づいて得られるものであり、
移動体方位θVNの増分に対応するデータである。
【0036】従って、第一加算手段lが、第一方位デー
タと第二方位データを加算すると、移動体方位θVNに
相当する第一の移動体方位データが求められることにな
る。
【0037】一方で、角速度検出手段jの出力は、積分
手段mにより積分される。積分手段mは、移動体の旋回
角速度ωを積分して第一の移動体方位データを求め、移
動体方位入力手段dに供給する。移動体方位入力手段d
は、移動体方位入力切替手段hによる選択に従って、第
一の移動体方位データと第二の移動体方位データのいず
れかを移動体方位θVNとして相対方位演算手段eに供
給する。
【0038】移動体方位入力切替手段hは、追尾モード
決定手段gにより決定される追尾モードに応じて第一の
移動体方位データと第二の移動体方位データのいずれか
を選択する手段である。すなわち、追尾モード決定手段
gにより選択された追尾モードが第一の追尾モードであ
る場合には、移動体方位入力切替手段hは第二の移動体
方位データを選択し、第二の追尾モードである場合には
第二の移動体方位データを選択する。
【0039】さらに、追尾モード決定手段gにおける追
尾モードの選択は、移動体速度演算手段fにおける演算
結果、すなわち移動体の速度v及びその精度に基づき行
われる。すなわち、移動体の速度v及びその精度が一定
の水準以上の場合には、第一の追尾モードが選択され、
これ以外の場合には第二の追尾モードが選択される。こ
こで、このような追尾モードの選択を行うのは、次のよ
うな理由による。
【0040】まず、第一の追尾モードにおいては、第一
方位データ入力手段iによる得られる第一方位データが
用いられる。この第一方位データは、移動体の位置及び
時刻に基づき求められるものであり、従って、移動体の
速度による影響を受ける。移動体の速度vが所定の水準
を下回っている場合には、第一方位データ入力手段iに
より得られる第一方位データについても誤差が発生し易
い。従って、移動体の速度v及びその精度が所定の水準
を保っている場合にのみ、第一方位データ入力手段iに
より得られる第一方位データを基礎とした情報、すなわ
ち第一の移動体方位データが、移動体方位θVNとして
相対方位演算手段eに供給されることになる。逆に、第
一方位データ入力手段iにより得られる第一方位データ
について誤差が発生し易い場合、すなわち移動体の速度
v及びその精度が所定水準を下回る場合には、角速度検
出手段jにより得られる移動体の旋回角速度ωのみに基
づいて移動体方位θVNが決定される。すなわち、角速
度検出手段jにより得られる移動体の旋回角速度ωは、
移動体方位θVNの時間変化に係る情報である。従って
、これを積分手段mにより積分すれば、移動体方位θV
Nに対応する情報が得られる。この情報を、すなわち第
二の移動体方位データは、移動体方位入力切替手段hに
よる選択に基づき移動体方位入力手段dを介して相対方
位演算手段eに供給される。
【0041】従って、この請求項においては、例えばF
GC等の装置を用いることなく移動体方位θVNを求め
、アンテナaによる衛星の追尾を実行することができる
。 例えば、第一方位データ入力手段iとしては、GPS等
の装置の出力を利用する手段を採用することができ、角
速度検出手段jとしては、レートセンサ等の安価な装置
を用いることができる。この結果、移動体着磁の影響を
考慮する必要がなくかつ安価な装置が構成される。
【0042】請求項2においては、移動体の速度vがほ
ぼゼロであるときに、積分手段mに供給される移動体の
旋回角速度ωについてゼロ点オフセット補正が施される
。ここに言うゼロ点オフセット補正は、移動体の速度v
がほぼゼロであるときの角速度検出手段jの出力(ゼロ
点オフセット)により、角速度検出手段jの出力を補正
することである。従って、この請求項においては、移動
体方位入力手段dに供給される第二の移動体方位データ
について、ゼロ点オフセット分の積分による誤差が発生
することがない。従って、移動体方位θVNを良好な精
度で得ることができる。
【0043】請求項3においては、温度検出手段により
、角速度検出手段jの動作運動Tが検出される。この動
作温度Tは、角速度オフセット補正手段による角速度オ
フセット補正に供される。すなわち、動作温度Tに応じ
、角速度検出手段jの出力が補正される。この結果、第
二の移動体方位データがより精度良く得られ、移動体方
位θVNがより正確になる。
【0044】請求項4においては、移動体の旋回角速度
ωについて不感帯付与処理が施される。この不感帯付与
処理は、移動体の旋回角速度ωがゼロ近傍の値である場
合において、当該旋回角速度ωにゼロを設定することで
ある。このような場合においては、移動体の旋回角速度
ωについていわゆる温度ドリフトが発生している場合が
多く、本請求項における不感帯付与処理はこの温度ドリ
フトを排除するよう作用するものである。従って、本請
求項においては、温度ドリフトが排除された第二の移動
体方位データが得られ、移動体方位θVNがより正確と
なる。
【0045】請求項5においては、第一方位データ及び
移動体の旋回角速度ωがそれぞれ第一低域ろ波手段及び
第二低域ろ波手段により低域ろ波される。先に述べたよ
うに、第一の追尾モードが選択されている場合には、第
一方位データと第二方位データの和である第一の移動体
方位データが移動体方位入力手段dにより移動体方位θ
VNとして相対方位演算手段eに供給される。この請求
項においては、第一の低域ろ波手段と第二の低域ろ波手
段とが互いに相補的な特性を有しているため、両者の周
波数特性が相殺され、より精度の高い第一の移動体方位
データ、従って、移動体方位θVNが得られる。すなわ
ち、先に述べたように、角速度検出手段jにより得られ
る移動体の旋回角速度ωは、移動体の方位変化に係る情
報である。言い換えれば、角速度検出手段jの出力は、
移動体の方位を微分しつつ検出する手段に相当する。こ
の結果、第二の角速度検出手段jと第二低域ろ波手段の
組み合わせの伝達関数には、分子に微分要素が含まれる
ことになる。従って、これを第一の低域ろ波手段と相補
的な伝達関数に設計することが可能となる。これにより
、上記作用を、すなわち移動体方位θVNの高精度化の
作用が得られることになる。  次に、請求項6におい
ては、方位探索制御回路により移動体の方位θVNが探
索され、衛星の相対方位θSVが求められる。すなわち
、電源等においてブロッキング等により良好な第一方位
データを得ることが期待できない場合において、方位探
索制御回路は、探索角ΔθSRCHを積分手段mに供給
する。積分手段mは、この場合角速度検出手段jから得
られる相対の旋回角速度ωではなく、探索角ΔθSRC
Hを積分し、移動体方位入力手段dに第二の移動体方位
データとして供給する。このとき、同時に移動体方位入
力切替手段hにより第二の追尾モードが選択されている
ため、方位探索制御回路から出力される探索角ΔθSR
CHを積分した角度が、移動体方位θVNとして相対方
位演算手段eに供給されるようになる。これにより、第
一の追尾モードから第二の追尾モードへの移行時等にお
いても、衛星を長時間見失うことなくアンテナaによる
当該衛星の追尾が可能となる。
【0046】請求項7においては、復調器によりキャリ
ア検出信号CDが出力される。このキャリア検出信号C
Dは、アンテナaによる受信が良好に行われていること
を示す信号である。このとき、追尾モード決定手段gは
、キャリア検出信号CDの有無に応じて追尾モードを決
定し、さらにキャリア検出信号CDがない場合において
方位探索制御回路に方位探索を実行させる。従って、こ
の請求項においては、アンテナaの受信出力からのキャ
リア検出という簡易な手段により、追尾モードの決定及
び方位探索が可能となる。
【0047】そして、請求高8においては、アンテナa
の方位が電子的に制御される。すなわち、アンテナaの
方位を機械的に変化させることなく、アンテナ指令角に
係る信号によってビーム方向が切り替えられる。これに
より、例えばアレイアンテナ等を用いて動的機構のない
アンテナ追尾装置を構成することが可能になる。
【0048】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。
【0049】(1)実施例の実体構成 特に、図3には、本発明の一実施例に係るアンテナ追尾
装置の構成が示されている。図3(a)には斜視外観が
、図3(b)には側面が、それぞれ示されている。
【0050】この装置は、1軸で水平面内を回動するよ
う所定角度で支持されたアンテナ10を備えている。ア
ンテナ10は、例えばパラボラアンテナ、フェーズドア
レイアンテナ等のアンテナであり、この図においては平
板状のアンテナとして示されている。このアンテナ10
は追尾対象とする衛星からの電波を受信可能なように設
計され、椀状のレドーム12に覆われている。
【0051】アンテナ10は、方位軸モータ14とギヤ
により連結されており、この方位軸モータ14の駆動に
より回動する。アンテナ10の回動は、アンテナ10の
軸とベルトにより連結されたロータリエンコーダ16に
よりその角度の変化として検出される。
【0052】アンテナ10のネック部には、受信機18
が配設されている。この受信機18は、アンテナ10に
より受信された衛星からの信号を処理し、所定周波数の
中間周波数信号(以下、IF信号と言う)として出力す
る。
【0053】アンテナ10の周囲には、レートセンサ2
0、エレクトロニクスユニット22及び電源装置24が
配設されている。レートセンサ20は、この装置が搭載
される車両、小型船舶等の移動体の旋回に係る角速度、
すなわち旋回角速度を検出するセンサである。エレクト
ロニクスユニット22は、本実施例を構成する回路を収
納するユニットであり、電源装置24はこれら各部材に
電力を供給する装置である。
【0054】(2)実施例の全体回路構成図4には、実
施例の全体回路構成、主にエレクトロニクスユニット2
2に内蔵される構成が示されている。
【0055】この図に示される構成は、アンテナ10を
内蔵するアンテナ系26と、GPS等の装置により得ら
れる移動体位置データ(時刻データを含む)を取り込み
衛星の位置に基づき衛星の絶対方位θSNを求める衛星
方位系28と、当該移動体位置データに基づき第一方位
データを演算し出力する第一方位データ演算系30と、
レートセンサ20を含み移動体の旋回角速度を出力する
レートセンサ系32と、移動体方位θVNを格納する移
動体方位レジスタ34と、移動体位置データに基づき追
尾モードを切り替える追尾モード切替系36と、所定の
指令に応じて探索角を生成する方位探索制御回路38と
、受信レベル信号に応じてステップ角を生成し移動体方
位レジスタ34に供給するステップトラック制御回路4
0と、を備えいている。また、第一方位データ演算系3
0及びレートセンサ系32の後段には両者の出力を取り
込む加算器42が配置され、加算器42の後段には追尾
モード切替系36から出力されるモード選択信号により
切り替えられるスイッチ44が配置されている。さらに
、スイッチ44の一方の入力には加算器46が接続され
ており、移動体方位レジスタ34、加算器46及びスイ
ッチ44により積分ループが形成されている。方位探索
制御回路38及びレートセンサ系32の後段には、両者
の出力を追尾モード切替系36から出力される探索指令
信号に応じて切り替えつつ加算器46に供給するスイッ
チ48が設けられている。そして、衛星方位系28と移
動体方位レジスタ34の後段には相対方位θSVから移
動体方位θVNを減算して相対方位θSVを求める加算
器50が設けられている。
【0056】次に、各部の構成について説明する。
【0057】(3)アンテナ系 図5には、アンテナ系26の構成が示されている。また
、図6(a)にはモータ制御及び駆動回路の構成が、図
6(b)には角度検出手段の構成が、それぞれ示されて
いる。
【0058】アンテナ系26は、アンテナ10を回動さ
せる方位軸モータ14の他、アンテナ10の回動角度を
検出するロータリエンコーダ16及びアンテナ角度レジ
スタ52を含む角度検出手段54と、アンテナ指令角レ
ジスタ56と、加算器58と、誤差レジスタ60、D/
A変換器62及びサーボ駆動回路64を含むモータ制御
及び駆動回路66と、を備えている。
【0059】すなわち、方位軸モータ14によってアン
テナ10が回動され、このアンテナ10の回動に係る角
度がロータリエンコーダ16により検出されると、その
検出結果はアンテナ角度レジスタ52に格納される。ア
ンテナ角度レジスタ52からは、アンテナ角度θAVが
出力される。
【0060】一方、アンテナ指令角レジスタ56には、
加算器58からアンテナ指令角θAVC が供給格納さ
れており、加算器58はこのアンテナ指令角θAVC 
からアンテナ角度θAVを減算してサーボ誤差θAEを
出力する。このサーボ誤差θAEは、誤差レジスタ60
に一旦格納された後、D/A変換器62によりアナログ
値に変換される。サーボ駆動回路64は、D/A変換さ
れたサーボ誤差θAEに基づき方位軸モータ14を駆動
し、アンテナ10を回動させる。
【0061】このようなアンテナ系26の動作の結果、
アンテナ10の角度は、アンテナ指令角θAVC に一
致するようサーボ制御される。
【0062】また、アンテナ10には受信機68が接続
されている。受信機68は、アンテナ10により受信さ
れた電波を所定周波数のIF信号に変換する。
【0063】更に、アンテナ系26は、復調器70及び
受信レベル信号発生手段72を含んでいる。
【0064】復調器70は、IF信号の復調を行うと共
に、キャリア検出を行う。復調器70のキャリア検出は
、一般の復調器における基本技術の1つであり、例えば
PLLによる方法など多数の方式が開発または実用化さ
れている。キャリア検出の結果得られるキャリア検出信
号(CD)は、所望の信号を一定レベル以上で受信でき
ているかどうかを表す信号である。
【0065】受信レベル信号発生手段92は、IF信号
に含まれるキャリアのレベル等からC/No (搬送波
対雑音比)を推定し、受信レベル信号を生成する。例え
ば、その値がC/No に対して単調増加となるよう、
受信レベル信号を生成する。
【0066】これらCD及び受信レベル信号は、ステッ
プトラック制御回路40において用いられる。また、C
Dは、追尾モード切替系36における追尾モード切替に
おける判定に用いられる。
【0067】(4)衛星方位系 図7には、衛星方位系28の構成が示されている。
【0068】衛星方位系28は、衛星方位演算手段74
を備えている。衛星方位演算手段74は、GPS等の装
置から移動体の位置データ(緯度、経度及び時刻)を取
り込み衛星方位θSNを演算する装置である。すなわち
、衛星の軌道データは予め明らかとなっているため、衛
星の位置に係るデータと、移動体の位置に係るデータと
、を用いて衛星方位θSNを求めることができる。
【0069】衛星方位演算手段74によって求められた
衛星方位θSNは、衛星方位レジスタ76に格納される
【0070】衛星方位レジスタ76の内容は、衛星方位
θSNとして加算器50に供給され、この加算器50に
より衛星方位θSNから移動体方位レジスタ34に格納
されている移動体方位θVNが減ぜられ、得られた相対
方位θSVがアンテナ指令角レジスタ56に格納される
【0071】(5)第一方位データ演算系図8には、第
一方位データ演算系30の構成が示されている。この図
に示されるように、第一方位データ演算系30は、第一
方位データ演算手段78、第一方位データレジスタ80
及び第一低域ろ波手段82を含んでいる。
【0072】第一方位データ演算手段78は、衛星方位
系28の衛星方位演算手段74と同様、移動体位置デー
タを取り込む。第一方位データ演算手段78は、取り込
んだ移動体位置データにより移動体方位θSVに対応す
るデータである第一方位データを演算する。求められた
第一方位データは、第一方位データレジスタ80に一旦
格納された後、第一低域ろ波手段82によって低域ろ波
されて、後段の加算器42に供給される。
【0073】ここで、第一方位データ演算手段78にお
いて移動体位置データに基づき第一方位データが求めら
れるのは次のような理由による。すなわち、移動体位置
データは、先に述べたように、移動体の位置を示すデー
タの他時刻のデータを含む。従って、移動体位置データ
を経時的に追跡することにより、移動体の位置変化方向
、すなわち移動体の進行方向が判ることになる。これに
より、第一方位データ演算手段78は、移動体方位θS
Vを求めることができる。求められたデータは、第一方
位データとして先に述べたように第一方位データレジス
タ80に供給される。但し、第一方位データ演算手段7
8における演算の精度は、移動体の位置データが良好に
得られている場合にのみ確保できる点に留意すべきであ
る。
【0074】また、第一低域ろ波手段82は、次の式(
1)に示されるような伝達関数を有している。
【0075】
【数1】
【0076】但し、Xn は第二低域ろ波手段の入力、
Znは出力、dtはサンプリング周期、ωa はフィル
タの遮断角周波数である。
【0077】すなわち、第一低域ろ波手段82は、角周
波数ωa をカットオフ周波数とするディジタルフィル
タである。後述するように、第一低域ろ波手段82は、
レートセンサ系32に含まれる第二低域ろ波手段と相補
的な特性を有している。
【0078】(6)レートセンサ系 次に、レートセンサ系32の構成及び動作について説明
する。
【0079】図9には、レートセンサ系32の構成が示
されている。
【0080】レートセンサ20は、移動体が旋回した場
合にこの移動体の旋回角速度を検出するセンサである。 また、レートセンサ20自身は微分の伝達関数を有して
いる。一般に、レートセンサ20はジャイロコンパス等
に比べ安価であるが、一方でその不完全さのために直流
成分(オフセット)を有し、さらに温度等の環境要因で
ドリフトを生じるために対策を講じなければならない。
【0081】このため、前掲特願平2−175014号
では、レートセンサを断熱材で覆うとともに、温度セン
サを付設して補正を行う方法を提案している。
【0082】しかし、本願では、以下のようにフィルタ
の伝達関数の相補的設定により、第一方位データをもっ
て補償する方式を採用する。
【0083】まず、レートセンサ20を含む角速度検出
手段84は、第二低域ろ波手段86に接続されている。 角速度検出手段84には、さらに、ゼロ点オフセットレ
ジスタ88、加算器90及び不感帯付与回路92が順次
接続されている。加算器90の他の入力端には、角速度
検出手段84の出力が接続されている。第二低域ろ波手
段86の出力は加算器42に接続されており、不感帯付
与回路92の出力端はスイッチ48に接続されている。
【0084】すなわち、レートセンサ18によって検出
される移動体の旋回角速度は、ディジタル値として第二
低域ろ波手段86及びゼロ点オフセットレジスタ88に
供給される。
【0085】第二低域ろ波手段86は、角速度検出手段
84の出力を低域通過ろ波するような伝達関数を有する
ディジタルフィルタとして構成される。例えば、その伝
達関数は、次のような式(2)によって表すことができ
る。
【0086】
【数2】
【0087】但し、Xn は第二低域ろ波手段の入力、
Znは出力、dtはサンプリング周期、ωa はフィル
タの遮断角周波数である。
【0088】この伝達関数は、ラプラス演算子sを用い
、周波数領域に置き代えて表すと、1/(s+ωa )
となる。従って、第二低域ろ波手段86と角速度検出手
段84の合計伝達関数はs/(s+ωa )と表すこと
ができる。一方で、第一低域ろ波手段82の伝達関数を
同様に表示するとωa /(s+ωa )であるため、
両者の和、従って加算器42の出力側から見た両手段8
2及び84,86の合計伝達関数は1となる。
【0089】この結果、スイッチ44の切替により加算
器42出力が移動体方位θVNに採用されているモード
では、移動体方位θVNに周波数特性が現れない。
【0090】また、一方で、角速度検出手段84から出
力される移動体の旋回角速度ωは、ゼロ点オフセットレ
ジスタ88に速度v=0の場合において一旦格納される
。ゼロ点オフセットレジスタ88に格納される角速度は
、いわゆるゼロ点オフセットである。すなわち、速度v
=0のときの角速度検出手段84の出力であり、これを
角速度検出手段84の出力から減じてやれば、ゼロ点オ
フセットが補正された角速度ωが得られる。このため、
ゼロ点オフセットレジスタ88の後段の加算器90にお
いて、ゼロ点オフセットレジスタ88の出力が角速度検
出手段84の出力たる旋回角速度ωから減ぜられ、不感
帯付与回路92に供給される。
【0091】不感帯付与回路92は、角速度不感帯付与
処理を実行する。
【0092】この角速度不感帯付与処理の内容が、図1
0において図示されている。
【0093】すなわち、不感帯付与回路92は、ゼロ点
オフセット補正された角速度(図10の「角速度入力」
)の零近傍の所定範囲500について、画一的に零値に
変換し、出力する。
【0094】この範囲は、ゼロ点オフセット補正後の残
留オフセット量の最大値(正の符号)及び最小値(負の
符号)を含む範囲に設定される。
【0095】このように、ゼロ点オフセット補正及び角
速度不感帯付与によりレートセンサ20のオフセットの
影響を抑圧することができる。
【0096】(7)移動体方位レジスタレートセンサ系
32の出力、すなわち第二低域ろ波手段86及び不感帯
付与回路92の出力は、それぞれ加算器42及びスイッ
チ48に供給される。
【0097】このうち、加算器42に供給される出力は
、第一方位データ演算系30において求められた第一方
位データと加算される。その加算結果は、後述する追尾
モード切替系36において発生するモード選択信号によ
りスイッチ44が図の上側に切り替えられている場合に
おいて、移動体方位レジスタ34に格納され、さらに加
算器50に出力される。
【0098】他方の出力、すなわち不感帯付与回路92
の出力は、追尾モード切替系36において発生する探索
指令信号によりスイッチ48が図の上側に切り替えられ
ている場合において、加算器46に供給される。加算器
46は、前述したように移動値方位レジスタ34に係る
積分ループを構成しており、その加算器46の出力はス
イッチ44が図の下側に切り替えられている場合におい
て移動体方位レジスタ34に格納される。
【0099】移動体方位レジスタ34は、スイッチ44
及び48の切替により供給されている情報を、移動体方
位θVNとして格納するレジスタである。この移動体方
位レジスタ34の出力は、衛星方位系28から出力され
る衛星方位θSNから減ぜられ、加算器50から相対方
位θSVとしてアンテナ系26に供給される。
【0100】従って、移動体方位レジスタ34にいずれ
の構成により求められた移動体方位θSVが格納される
かは、本実施例装置の追尾モードに対応するものである
と言える。この追尾モードの切替の動作については、後
に追尾モード切替系36の構成及び本実施例装置の動作
説明において詳述する。
【0101】(8)ステップトラック制御回路ステップ
トラック制御回路40は、移動体方位レジスタ34にお
いて移動体方位の修正角として用いられるステップ角を
生成する回路である。ステップトラック制御回路40に
おけるステップ角の生成は、受信レベル信号に基づき行
われる。ここで、受信レベル信号は、ステップトラック
制御回路40の前段に接続される受信レベル信号発生手
段72により受信機68の出力に基づき生成される信号
である。
【0102】すなわち、受信機68は、アンテナ10に
より受信された信号について所定の処理を施して、所定
周波数の中間周波数信号(IF信号と呼ぶ)として出力
する。受信レベル信号発生手段72は、このIF信号に
含まれるキャリアのレベル等からC/No を推定し、
受信レベル信号を生成する。例えば、受信レベル信号は
、その値がC/No に対して単調増加となるよう、生
成される。
【0103】この受信レベル信号は、ステップトラック
制御回路40に供給され、ステップトラック制御回路4
0は、受信レベル信号の増減に応じてステップ角を求め
る。このステップ角は移動体方位レジスタ34に入力さ
れ、移動体方位の修正に用いられる。
【0104】この実施例において、ステップ角を移動体
方位の修正に用いる意義は、ステップ角により受信のC
/No が良好となるようアンテナ10の角度を調整で
きる点にある。このため、ステップトラック制御回路4
0には、受信のC/No をモニターしてステップ角を
生成するという機能が求められる。かかる機能を実現す
べく、ステップトラック制御回路62は図11に示され
るような構成を有している。  図11は、この実施例
におけるステップトラック制御回路40の構成を示すブ
ロック図である。
【0105】この図においては、受信レベル信号の値を
格納する累積レジスタ94が示されている。この累積レ
ジスタ94の入力端にはスイッチ96を介して加算器9
8が接続されており、この加算器98には受信レベル信
号及び累積レジスタ94の内容が入力される。
【0106】すなわち、スイッチ96がオンしている場
合、累積レジスタ94の内容には受信レベル信号の値が
逐次加算器98により加算される。また、スイッチ96
は、加算指令パルス発生器100の出力(加算指令パル
ス)によって制御される。加算指令パルス発生器100
は、キャリア検出信号CDが存在するときのみ、一定間
隔で加算指令パルスを発生するように構成される。なお
、受信レベル信号がアナログ信号の場合は、図示しない
A/D変換器等によりディジタル量に変換されているも
のとする。従って、累積レジスタ94への受信レベル信
号の値の累積加算は、キャリア検出信号CDが存在する
ときのみ行われる。
【0107】加算指令パルス発生器100の後段には、
カウンタ102及び一致回路104が順次接続されてい
る。
【0108】カウンタ102は、加算指令パルス発生器
100から加算指令信号を取り込み、加算指令信号の出
力回数をカウントする。
【0109】一致回路104は、カウンタ102による
カウント結果を取り込み、所定の値と比較する。すなわ
ち、このカウント結果は累積レジスタ94における累積
加算の回数を示しており、一致回路104は累積加算が
所定回数だけ行われたかを判断することになる。一致回
路104は、比較の結果一致している場合にはステップ
角加算指令信号及び比較指令信号を出力する。
【0110】一方で、累積レジスタ94の後段にはスイ
ッチ106を介して第2累積レジスタ108が接続され
ている。また、第2累積レジスタ108の後段には比較
器110、ステップ角発生器112及びスイッチ114
が順次接続されている。
【0111】すなわち、一致回路104からステップ角
加算指令信号が発せられたときには前述の累積加算が所
定回数だけ行われているため、スイッチ106がステッ
プ角加算指令信号に応じて閉じられ、累積レジスタ94
の内容が第2累積レジスタ108に転送格納される。こ
のとき、ステップ角加算指令信号はカウンタ102及び
累積レジスタ94にも供給され、カウンタ102及び累
積レジスタ94の内容がリセットされると共に累積レジ
スタ94における累積加算が新に開始される。この後、
累積加算が継続され再びカウンタ102のカウント回数
が所定値に達したとき、一致回路104から比較器11
0に比較指令信号が供給され、比較器110は累積レジ
スタ94の内容と第2累積レジスタ108の内容を比較
する。比較器110は、比較の結果、前者が後者よりも
小さいときにはステップ角の符号を保存し、大きい場合
には反転するよう、ステップ角発生器112に指示する
。すなわち、累積レジスタ94の内容より第2累積レジ
スタ108の内容の方が大の時は、アンテナ10の角度
の修正がよりC/No が大となる方向に行われている
と見なせるため、現在のステップ角の符号を保存する。 この逆の場合、C/No が小さくなる方向に修正され
ていると見なせるため、ステップ角の符号を反転する。
【0112】ステップ角発生器112は、比較器110
の指示に応じて符号を付した所定の大きさのステップ角
を出力する。ステップ角発生器112の出力側に設けら
れたスイッチ114は、一致回路104からのステップ
角加算指令信号に応じて閉じられる。これにより、ステ
ップ角発生器112からスイッチ114を介して移動体
方位レジスタ34にステップ角が供給することになる。
【0113】従って、ステップトラック制御回路40に
より、C/No に応じた符号を有するステップ角が生
成され、移動体方位θVNの修正に用いられることにな
る。
【0114】(9)追尾モード切替系 図12には、本発明の特徴に係る追尾モードの切替を実
現するための装置である追尾モード切替系36の回路構
成が示されている。
【0115】この図に示されるように、追尾モード切替
系36は、移動体速度演算手段116及び追尾モード決
定手段118から構成されている。
【0116】移動体速度演算手段116は、衛星方位系
28の衛星方位演算手段74や、第一方位データ演算系
30の第一方位データ演算手段78と同様に、移動体の
位置データを時刻データと共に取り込んで所定の演算を
行う。移動体速度演算手段116における演算は、移動
体の位置データに基づき移動体の速度vを求める演算で
ある。すなわち、移動体方位演算手段116は、移動体
位置データの時刻による変化に基づき、移動体の速度v
を求め、追尾モード決定手段118に出力する。  追
尾モード決定手段118は、所定の条件が満たされた場
合には第一の追尾モードを、これ以外の場合は第二の追
尾モードを選択決定する手段である。この選択の基礎と
なる情報は、移動体速度演算手段116によって得られ
る速度vと、アンテナ系26の復調器70によって得ら
れるキャリア検出信号CDである。すなわち、追尾モー
ド決定手段118は、移動体速度演算手段116によっ
て求められる速度vが著しく変化しており実際には移動
体の位置データが得られていないと見なせる場合や、ア
ンテナ系26によって得られるキャリア検出信号CDが
OFFとなり、アンテナ10が衛星を捕えていないと見
なせる場合において、第二の追尾モードを選択する。
【0117】また、追尾モード決定手段118は、第一
方位データ演算系30において良好な精度が得られない
と見なせる場合、すなわち移動体速度演算手段116に
よって求められる速度vがほぼゼロに等しい場合におい
ても、第二の追尾モードを選択する。
【0118】追尾モード決定手段118は、選択したモ
ードに対応する値を有するモード選択信号を出力する。 このモード選択信号は、移動体方位レジスタ34に前置
されたスイッチ114に供給され、当該スイッチ44の
切替信号となる。すなわち、追尾モード決定手段118
により第一の追尾モードが選択されている場合にはスイ
ッチ44が図4の上側に切り替えられ、第一低域ろ波手
段82の出力と第二低域ろ波手段86の出力との合計に
係るデータが移動体方位θVNとして移動体方位レジス
タ34に格納される。逆に、追尾モード決定手段118
において第二の追尾モードが選択された場合には、モー
ド選択信号が当該モードを表す値に変化することに応じ
て、スイッチ44が図4において下側に切り替えられ、
積分ループによって得られるデータが移動体方位レジス
タ34に移動体方位θSNとして格納されることになる
【0119】さらに、追尾モード決定手段118は、方
位探索回路38に対し方位の探索を指令すると共に、ス
イッチ48を図4において下側に、すなわち方位探索制
御回路38側に切り替える探索指令信号を出力する。こ
の探索指令信号は、例えば追尾モードが第一の追尾モー
ドが第二の追尾モードに切り替えられた場合において発
せられる信号である。すなわち、第一の追尾モードから
第二の追尾モードに切り替えた場合には、レートセンサ
系32の不感帯付与回路92の出力は、直ちに加算器4
6に供給されるのではなく、まず方位探索制御回路38
の出力がスイッチ48を介して加算器46に供給され、
積分されて移動体方位レジスタ34に格納される。方位
探索によりアンテナ10が衛星を捕えON値のキャリア
検出信号CDが得られると、追尾モード決定手段118
は探索指令信号の値を反転し、スイッチ48を図4にお
いて上側に切り替えて、不感帯付与回路92の出力に係
るデータを加算器46に供給する。この場合、当該不感
帯付与回路92の出力が積分され移動体方位θSVとし
て移動体方位レジスタ34に格納されることになる。 (10)方位探索制御回路 ここで、方位探索制御回路38について説明する。
【0120】図13には、方位探索制御回路38の構成
が示されている。この回路38は、復調器70からのキ
ャリア検出信号CDを受けとり、キャリア検出信号CD
がOFFの場合、カウンタA120により計時を開始す
る。
【0121】すなわち、復調器70からキャリア検出信
号CDが供給されると、この信号はANDゲート122
に供給される。ANDゲート122には、タイミング信
号発生器124により発生させられるタイミングクロッ
クT1が入力されており、このクロックT1とキャリア
検出信号CDとのANDがカウンタA120に供給され
る。すなわち、タイミングクロックT1によりキャリア
検出信号CDのカウンタ120への入力タイミングが制
御される。タイミング制御回路124は、電源投入、サ
ーチ指令、探索指令信号により起動する。
【0122】カウンタA120の後段には、一致回路1
26及びANDゲート128を介して探索フリップフロ
ップ130が接続されている。ANDゲート128には
、前述のタイミングクロックT1と同様にタイミング信
号発生器124によって発生するタイミングクロックT
2が供給されている。
【0123】すなわち、カウンタA120の計数値が一
致回路A126に設定されている所定の値に達した場合
、一致回路A126の出力がANDゲート128を介し
て探索フリップフロップ130に同期出力される。探索
フリップフロップ130の出力は、ANDゲート132
に接続されている。ANDゲート132にはタイミング
信号発生器124から供給されるタイミングクロックT
3が入力されており、探索フリップフロップ130から
の出力がこのタイミングクロックT3と同期してスイッ
チ134に供給される。
【0124】スイッチ134は、探索ステップ角発生器
136の出力ΔθSRCHをスイッチ48に対して出力
するために切り替えるスイッチである。
【0125】すなわち、衛星を探索するためにアンテナ
10を回動させる場合、この回動は所定の角度刻みで行
う必要がある。探索ステップ角発生器136からスイッ
チ134及び48を介して加算器46に探索ステップ角
ΔθSRCHが出力されると、この探索ステップ角Δθ
SRCHによって移動体方位θVNが修正され、結果と
してアンテナ指令角θAVC が変化することとなる。 従って探索ステップ角発生器136からの出力を加算器
46に供給することによってアンテナ10の回動、従っ
て衛星の探索が可能となる。
【0126】この実施例においては、一致回路A126
の出力がANDゲート128を介して探索フリップフロ
ップ130に供給されている状態、すなわち探索フリッ
プフロップ130のセット状態においては、スイッチ1
34がオンされ、探索ステップ角発生器136から出力
される探索ステップ角ΔθSRCHが加算器46に出力
される。
【0127】この状態において、キャリア検出信号CD
がONとなった場合、探索フリップフロップ130のリ
セットが実行される。
【0128】すなわち、復調器70から供給されるキャ
リア検出信号CDは前述のANDゲート122と共にO
Rゲート138にも入力されている。ORゲート138
の出力端は探索フリップフロップ130のリセット端子
に接続されており、キャリア検出信号CDがONすると
探索フリップフロップ130がリセットされることとな
る。このとき、探索フリップフロップ130の出力が反
転し、これに応じてスイッチ134がOFFし加算器4
6への探索ステップ角ΔθSRCHの供給が断たれるこ
ととなる。
【0129】これらの動作の結果、キャリア検出信号C
DがOFFしている状態では探索ステップ角ΔθSRC
Hが加算器46に供給されてアンテナ10の回動による
衛星の探索が行われ、キャリア検出信号CDがONに変
化するとこの探索が終了する。
【0130】このような探索動作において、アンテナ1
0が一回転した場合、すなわち移動体方位レジスタ34
に格納されている移動体方位を一回転させきった場合、
方位探索制御回路38全体のリセット動作が実行される
【0131】すなわち、前述のANDゲート132の出
力はスイッチ134のみでなく、カウンタB140にも
接続されている。カウンタB140の出力は、一致回路
B142に接続されており、一致回路B142は更にO
Rゲート138に接続されている。ORゲート138の
出力は、前述の探索フリップフロップ130の他、カウ
ンタA120、一致回路A126、カウンタB140及
び一致回路B142のそれぞれのリセット端子に接続さ
れている。
【0132】すなわち、ANDゲート132の出力によ
りスイッチ134がONされている場合、カウンタB1
40はこの動作による探索ステップ角の供給回数を計数
し、一致回路B142はカウンタB140による計数結
果を所定の値と比較する。この所定の値は、移動体方位
の一回転に相当する値である。一致回路B142におい
て、カウンタB140の計数結果がこの所定値と一致す
ると判定された場合、すなわち移動体方位が一回転した
場合、一致回路B142の出力がORゲート138を介
してカウンタA120、一致回路A126、探索フリッ
プフロップ130、カウンタB140及び一致回路B1
42のリセット端子に供給される。これにより、リセッ
ト端子への信号供給を受けた故障回路はリセット動作を
行うため、方位探索制御回路38全体がリセットされる
こととなる。
【0133】なお、探索用に利用する搬送波(キャリア
)がバースト信号の場合はカウンタA120による計時
を最大バースト間隔より長くする。
【0134】(11)実施例の動作 この実施例は、以上説明したような構成を有している。 次に、この実施例の動作について説明する。
【0135】この実施例における衛星追尾動作は、第一
の追尾モード及び第二の追尾モードの各モードに係る動
作に区分される。
【0136】まず、第一の追尾モードの場合を考える。 すなわち、追尾モード決定手段118が、移動体位置デ
ータから求めた移動体の速度v及びキャリア検出信号C
に基づき、アンテナ10が衛星を好適に追尾しておりか
つ第一方位データ演算系30により得られる第一方位デ
ータの精度が十分確保できると判定した場合について考
える。
【0137】この場合、追尾モード決定手段118は、
第一の追尾モードである旨を示すモード選択信号をスイ
ッチ44に出力し、スイッチ44を加算器42側に切り
替える。従って、この場合、移動体方位レジスタ34に
は第一方位データ演算系30とレートセンサ系32の出
力の和が移動体方位θVNとして格納される。この時、
第一方位データ演算系30とレートセンサ系32におい
て、第一低域ろ波手段82及び第二低域ろ波手段86に
係る相補特性が実現されているため、移動体方位θVN
として周波数特性の良好な値が得られる。
【0138】移動体方位レジスタ34に格納されている
移動体方位θVNは、加算器50に入力される。一方で
、加算器50には、衛星方位系28において移動体位置
データから求めた衛星方位θSNが入力されている。加
算器50は、衛星方位θSNから移動体方位θVNを減
じ、アンテナ系26に供給する。アンテナ系26は、こ
の相対方位θSVをアンテナ指令角θAVC として取
扱い、アンテナ10はこのアンテナ指令角θAVC に
基づきサーボ制御される。
【0139】次に、追尾モード切替系36により、第二
の追尾モードが選択された場合を考える。このような選
択は、例えば移動体の速度vが0となり第一方位データ
演算系30における演算精度を確保できなくなった場合
や、アンテナ系26によって得られるキャリア検出信号
CDがOFFとなりアンテナ10が衛星を見失ったと見
なされる状態となった場合等に実行される。
【0140】すなわちこの場合、追尾モード切替系36
の追尾モード決定手段118は、第二の追尾モードを示
す値を有するモード選択信号を出力する。このモード選
択信号は、前述のようにスイッチ44に供給されており
、この場合にはスイッチ44が加算器46側に切り替え
られる。従って、第一方位データ演算系30において得
られる第一方位データは、第一の追尾モードにおいては
移動体方位レジスタ34に格納される移動体方位θVN
の演算の基礎とはならない。
【0141】この場合、移動体方位レジスタ34、加算
器46及びスイッチ44により積分ループが構成される
。この積分ループは、加算器46に入力されるデータを
逐次加算して移動体方位θVNを生成するループであり
、加算器46には、スイッチ48の切替によりレートセ
ンサ系32の出力または方位探索制御回路38の出力が
選択的に供給される。
【0142】スイッチ48は、追尾モード切替系36の
追尾モード決定手段118から発せられる探索指令信号
により切り替えられる。この探索指令信号は、追尾モー
ドが第一の追尾モードから第二の追尾モードに切り替わ
った場合や、アンテナ系26から得られるキャリア検出
信号CDがOFFとなりアンテナ10が衛星を見失った
と見なせる場合において発せられる信号である。この信
号が発せられると、方位探索制御回路38から出力され
る探索角ΔθSRCHがスイッチ48を介して加算器4
6に供給される。方位探索制御回路38からの当該探索
角ΔθSRCH出力は、最大、アンテナ10の一回転に
相当する期間だけ継続して出力される。すなわち、アン
テナ10が衛星を捕え、良好な受信レベル信号が得られ
た場合、キャリア検出信号CDはONとなり、追尾モー
ド切替系36は方位探索制御回路38の動作を停止させ
かつスイッチ48を図4において上側に切り替える。こ
のような探索を実行すると、アンテナ10により衛星が
捕捉され、追尾が実行されることになる。
【0143】追尾モード切替系36において第二の追尾
モードが選択されており、かつ方位探索制御回路38に
よる方位探索が終了した場合、追尾モード切替系36は
探索指令信号の値を変更し、スイッチ48をレートセン
サ系32側に切り替える。レートセンサ系32の不感帯
付与回路92の出力は、このスイッチ48に接続されて
いるため、従って、角速度検出手段84により検出され
た角速度ωについてゼロ点オフセット補正及び不感帯付
与が施されたデータがスイッチ48を介して加算器46
に供給される。加算器46を含む積分ループは、このデ
ータを積分し、移動体方位θVNとして移動体方位レジ
スタ34に格納しかつ加算器50に出力する。
【0144】従って、第二の追尾モードにおいては、精
度が低下している恐れがある第一方位データ演算系30
の出力が使用されず、かつゼロ点オフセット補正及び不
感帯付与が施されたレートセンサ20出力が使用される
ことになる。従って、移動体が停止している場合等にお
いても、アンテナ10が衛星を良好に捕捉できる。
【0145】また、以上の動作において、アンテナ系2
6において得られる受信レベル信号に応じて、ステップ
トラック制御回路40によりステップ角が得られる。こ
のステップ角により移動体方位レジスタ34に格納され
ている移動体方位θVNにステップトラックが施され、
受信レベルが良好となるようアンテナ10の方位が調整
される。
【0146】(12)実施例の効果 このように、本実施例においては、FGCを用いること
なく、かつレートセンサ20を使用して、アンテナ10
による衛星の追尾を実行することができる。すなわち、
FGCの採用にともなって必要となる移動体磁化成分の
除去演算の必要がなくかつ、安価なレートセンサを用い
てアンテナ追尾装置を構築することが可能である。
【0147】(13)第2実施例 図14には、本発明の第2実施例に係るアンテナ追尾装
置の構成、特にアンテナ系の構成が示されている。
【0148】この実施例において採用されているアンテ
ナは、いわゆるアレイアンテナである。すなわち、アレ
イアンテナ144は、アンテナ素子を所定の位置に配置
してこれらの並列接続により電波を送受信するアンテナ
である。この実施例においては、アレイアンテナ144
として、360°の範囲内でビーム指向特性を切り替え
られるアレイアンテナが用いられている。
【0149】また、このアレイアンテナ144を制御し
かつビーム指向特性の切替に係る駆動を実行するため、
アンテナ指令角レジスタ56の後段にアンテナ制御及び
駆動回路146が接続されている。このアンテナ制御及
び駆動回路146は、アンテナ指令角レジスタ56から
アンテナ指令角θAVC を取り込み、この指令角θA
VC に応じてアレイアンテナ144のビーム指向特性
を切り替える回路である。この切替は、例えばアレイア
ンテナ144を構成するアンテナ素子の移相量の切替等
によって実行できるものである。
【0150】このような構成を有する第二実施例によっ
ても、前述の第一実施例と同様の効果を得ることができ
る。さらに、この実施例によれば、アンテナをより小型
に構築することが可能になるため、装置の小型化という
効果を得ることができる。また、アンテナの回動の必要
がなく、駆動が容易で小型の移動体により適した装置が
得られる。
【0151】(14)第3実施例 図15には、本発明の第3実施例に係るアンテナ追尾装
置、特にそのレートセンサ系の構成が示されている。
【0152】この実施例が前述の第1実施例と異なる点
は、レートセンサ系において速度v=0の際の角速度検
出手段84の出力、すなわちゼロ点オフセットを用いて
角速度検出手段84の出力を補正するのではなく、角速
度検出手段84の動作温度に基づき角速度オフセット補
正を実施する点にある。この必要のため、本実施例に係
るレートセンサ系は、角速度検出手段84に付設され断
熱容器148に角速度検出手段84と共に収納される温
度検出手段150を備えている。
【0153】この温度検出手段150は、角速度検出手
段84の温度を検出してディジタル出力する温度計であ
る。角速度検出手段84及び温度検出手段150は、断
熱容器148により外部と熱的に遮断されているため、
温度検出手段150は角速度検出手段84の動作温度を
好適に測定することができる。なお、好ましくは温度検
出手段150は角速度検出手段84に近接して配置する
のが好ましい。また、温度検出手段150としてアナロ
グ値を出力する温度検出手段150をもちい出力をA/
D変換するようにしても良い。
【0154】このようにして得られるディジタルの温度
情報は、温度検出手段150の後段に反射されるアドレ
ス発生器152に供給される。アドレス発生器152は
、ディジタルの温度情報をアドレスに変換する回路であ
る。アドレス発生器152によって得られるアドレスは
、アドレス発生器152の後段に接続されるゼロ点オフ
セット記憶手段154のアドレスである。
【0155】ゼロ点オフセット記憶手段154には、角
速度検出手段84の温度によるオフセット特性が格納さ
れている。従って、ゼロ点オフセット記憶手段154は
、例えばROMから構成される。従って、ゼロ点オフセ
ット記憶手段154のアドレスを指定することによって
、このアドレスに対応する温度における角速度検出手段
84のオフセットが読み出される。
【0156】角速度検出手段84におけるオフセットは
、例えば図16において破線600により示されるよう
な温度特性を有している。ゼロ点オフセット記憶手段1
54には、この特性600を温度によりディジタル化し
た数値が記憶されている。ゼロ点オフセット記憶手段1
54から出力されるオフセット値は、ゼロ点オフセット
レジスタ156に格納され、さらに加算器90に入力さ
れる。
【0157】加算器90においては、角速度検出手段8
4の出力からゼロ点オフセットレジス156の内容が減
ぜられる。すなわち、角速度検出手段84の出力である
角速度ωから、当該角速度検出手段84の現時点での動
作温度におけるオフセット値が減ぜられる。これにより
、例えば図16において実線610で示されるように、
オフセットが補正された角速度ωが得られる。この角速
度は、不感帯付与回路92によって不感帯付与処理が施
された上で、スイッチ48に出力される。
【0158】従って、この実施例においても、前述の第
一及び第二実施例と同様の効果を得ることができる。但
し、この実施例においては、速度v=0である場合の角
速度検出手段84の出力ではなく、温度検出手段150
の出力に応じて角速度検出手段84の出力が補正される
ことになり、第一及び第二実施例とは異なった内容の補
正が実行されることになる。
【0159】(15)第4実施例 さらに、第2及び第3実施例による特徴を共に兼ね備え
た第4実施例を提案することができる。
【0160】すなわち、本発明の第4実施例は、アンテ
ナ系として図14に示されるようなアレイアンテナ14
4に係る構成を有し、さらにレートセンサ系として図1
5に示されるような構成を有するものである。この実施
例においても、前述の第3実施例と同様の効果を得るこ
とができる。
【0161】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
移動体の位置及び時刻に基づき第一方位データを求める
第一方位データ入力手段をFGCに代えて用いるように
したため、FGCを用いた場合に必要となる移動体の磁
化成分の除去演算が不要となる。従って、回路構成及び
動作アルゴリズムが簡素化した追尾装置が得られる。さ
らに、所定の場合に追尾モードを切り替え、第一方位デ
ータ入力手段において誤差の生ずる可能性がある場合に
この使用を中止して第二の移動体方位データを採用する
ようにしたため、アンテナの追尾精度が低下せず、かつ
移動体が停止している場合においても当該追尾が可能な
アンテナ追尾装置が得られる。
【0162】また、請求項2によれば、角速度検出手段
の出力についてゼロ点オフセット補正を行うようにした
ため、移動体方位θVNとしてより精度の高いデータを
得ることができる。
【0163】請求項3によれば、角速度検出手段の出力
について角速度オフセット補正を行うようにしたため、
角速度検出手段の動作にかかわらずより正確な移動体方
位θVNを得ることができる。
【0164】請求項4によれば、移動体の旋回角速度ω
について不感帯付与処理を施すようにしたため、角速度
検出手段におけるドリフトの影響を排除してより正確な
移動体方位θVNを得ることができる。
【0165】請求項5によれば、第一方位データ及び移
動体の旋回角速度ωについて相補的な特性を有する2個
のディジタルフィルタにより低域ろ波を行い両者の出力
を加算するようにしたため、周波数特性が平坦な移動体
方位θVNを得ることができる。  請求項6によれば
、所定の場合に移動体方位θVNの探索を行い、衛星の
相対方位θSVを求めるようにしたため、追尾モードを
切り替えた場合やアンテナの衛星を見失った場合におい
ても、長時間追尾を中断することなしに迅速に追尾を再
開できる。
【0166】請求項7によれば、キャリア検出信号CD
の有無に応じて追尾モードを決定した方位探索を実行さ
せるようにしたため、請求項6における効果をより顕著
とすることができる。
【0167】そして、請求項8によれば、アンテナを電
子制御型アンテナとして構成するようにしたため、アン
テナの小型化、ひいては装置の小型化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンテナ追尾装置の構成を示す図
である。
【図2】本発明における各方位の関係を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係るアンテナ追尾装置の実
体構成を示す図であり、図3(a)は斜視外観を、図3
(b)は側面を示す図である。
【図4】本発明の第1〜第4実施例に係るアンテナ追尾
装置の全体回路構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1及び第3実施例におけるアンテナ
系の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1及び第3実施例におけるアンテナ
系の部分構成を示すブロック図であって、図6(a)は
モータ制御及び駆動回路の構成を、図6(b)は角度検
出手段の構成を、それぞれ示すブロック図である。
【図7】第1〜第4実施例における衛星方位系の構成を
示すブロック図である。
【図8】第1〜第4実施例における第一方位データ演算
系の構成を示すブロック図である。
【図9】第1及び第2実施例におけるレートセンサ系の
構成を示すブロック図である。
【図10】第1乃至第4実施例における角速度不感帯付
与の特性を示す図である。
【図11】第1〜第4実施例におけるステップトラック
制御回路の構成を示すブロック図である。
【図12】第1〜第4実施例における追尾モード切替系
の構成を示すブロック図である。
【図13】第1〜第4実施例における方位探索制御回路
の構成を示すブロック図である。
【図14】第2及び第4実施例におけるアンテナ系の構
成を示すブロック図である。
【図15】第3及び第4実施例におけるレートセンサ系
の構成を示すブロック図である。
【図16】第3及び第4実施例における角速度オフセッ
ト補正の効果を示す図である。
【符号の説明】 a  アンテナ b  アンテナ方位制御手段 c  衛星方位入力手段 d  移動体方位入力手段 e  相対方位演算手段 f  移動体速度演算手段 g  追尾モード決定手段 h  移動体方位入力切替手段 i  第一方位データ入力手段 j  角速度検出手段 k  第二方位データ入力手段 l  第一の加算手段 m  積分手段 θSN  衛星の絶対方位 θSV  衛星の相対方位 θVN  移動体方位 θAV  アンテナ方位 10  アンテナ 20  レートセンサ 22  エレクトロニクスユニット 26  アンテナ系 28  衛星方位系 30  第一方位データ演算系 32  レートセンサ系 34  移動体方位レジスタ 36  追尾モード切替系 38  方位探索制御回路 42,46,50  加算器 78  第一方位データ演算手段 82  第一低域ろ波手段 84  角速度検出手段 86  第二低域ろ波手段 88  ゼロ点オフセットレジスタ 90  加算器 92  不感帯付与回路 116  移動体速度演算手段 118  追尾モード決定手段 144  アレイアンテナ 150  温度検出手段 152  アドレス発生器 154  ゼロ点オフセット記憶手段 156  ゼロ点オフセットレジスタ 500  角速度不感帯 600  角速度オフセット補正前の旋回角速度610
  角速度オフセット補正後の旋回角速度CD  キャ
リア検出信号 v  移動体の速度

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  送信及び/又は受信に係る方位が可変
    のアンテナと、アンテナの方位をアンテナ指令角に応じ
    て制御するアンテナ方位制御手段と、衛星の絶対方位を
    入力する衛星方位入力手段と、移動体の方位を入力する
    移動体方位入力手段と、衛星の絶対方位及び移動体の方
    位から衛星の相対方位を求めアンテナ指令角としてアン
    テナ方位制御手段に供給する相対方位演算手段と、を備
    える移動体に搭載されるアンテナ追尾装置において、移
    動体の速度を求める移動体速度演算手段と、移動体の速
    度及びその精度を判別し、当該速度及びその精度が所定
    の水準以上の場合には第一の追尾モードを、これ以外の
    場合には第二の追尾モードを、追尾モードとして選択決
    定する追尾モード決定手段と、追尾モードとして第一の
    追尾モードが選択された場合には第一の移動体方位デー
    タを、第二の追尾モードが選択された場合には第二の移
    動体方位データを、それぞれ選択し、移動体の方位とし
    て移動体方位入力手段に供給させる移動体方位入力切替
    手段と、移動体の位置及び時刻に基づき移動体の方位に
    対応する第一方位データを求める第一方位データ入力手
    段と、移動体の旋回速度を検出する角速度検出手段と、
    移動体の旋回角速度に基づき移動体の方位の増分に対応
    する第二方位データを求める第二方位データ入力手段と
    、第一方位データと第二方位データとを加算して第一の
    移動体方位データを求める第一の加算手段と、移動体の
    旋回角速度を積分して第二の移動体方位データを求める
    積分手段と、を備えることを特徴とするアンテナ追尾装
    置。
  2. 【請求項2】  請求項1記載のアンテナ追尾装置にお
    いて、移動体の速度がほぼ零であるときの角速度検出手
    段の出力をゼロ点オフセットとして格納するゼロ点オフ
    セットレジスタと、角速度検出手段の出力をゼロ点オフ
    セットに基づき補正し、移動体の旋回角速度として積分
    手段に供給する第二の加算手段と、を備えることを特徴
    とするアンテナ追尾装置。
  3. 【請求項3】  請求項1記載のアンテナ追尾装置にお
    いて、角速度検出手段の動作温度を検出する温度検出手
    段と、温度検出手段により検出された動作温度に応じて
    角速度検出手段の出力を補正する角速度オフセット補正
    手段と、を備えることを特徴とするアンテナ追尾装置。
  4. 【請求項4】  請求項2又は3記載のアンテナ追尾装
    置において、第二の加算手段又は角速度オフセット補正
    手段により得られる移動体の旋回角速度が零近傍の値で
    ある場合に当該旋回角速度に零を設定することにより、
    移動体の旋回角速度についての不感帯付与処理を施して
    積分手段に供給する不感帯付与回路を備えることを特徴
    とするアンテナ追尾装置。
  5. 【請求項5】  請求項1記載のアンテナ追尾装置にお
    いて、第一方位データ入力手段が、第一方位データを低
    減ろ波し第一の加算手段に供給するディジタルフィルタ
    である第一低域ろ波手段を有し、第二方位データ入力手
    段が、角速度検出手段の出力である移動体の旋回角速度
    を低域ろ波し第二方位データとして第一の加算手段に供
    給するディジタルフィルタである第二低域ろ波手段を有
    し、第一低域ろ波手段の伝達関数が、角速度検出手段及
    び第二低域ろ波手段の組み合わせの伝達関数と、移動体
    の方位に対して相補的な特性であることを特徴とするア
    ンテナ追尾装置。
  6. 【請求項6】  請求項1記載のアンテナ追尾装置にお
    いて、電源投入、ブロッキング等の所定の場合に所定角
    度刻みの探索角を移動体の旋回角速度に代え積分手段に
    供給し、移動体の方位の探索を通じて衛星の相対方位を
    求める方位探索制御回路を備えることを特徴とするアン
    テナ追尾装置。
  7. 【請求項7】  請求項6記載のアンテナ追尾装置にお
    いて、アンテナの受信出力からキャリアを検出し、キャ
    リアが検出された場合にはキャリア検出信号を出力する
    復調器を備え、追尾モード決定手段が、キャリア検出信
    号の有無に応じて追尾モードを決定する手段と、キャリ
    ア検出信号がない場合に方位探索制御回路に方位探索を
    実行させる手段と、を備えることを特徴とするアンテナ
    追尾装置。
  8. 【請求項8】  請求項1記載のアンテナ追尾装置にお
    いて、アンテナが、アンテナ指令角に応じビーム方向が
    切り替えられることにより電子的に方位が変化する電子
    制御型アンテナであることを特徴とするアンテナ追尾装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5537122A (en) * 1994-07-22 1996-07-16 Japan Radio Co., Ltd. Tracking array antenna system
US5594460A (en) * 1994-11-16 1997-01-14 Japan Radio Co., Ltd. Tracking array antenna system

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