JPH04210173A - 電磁弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はガソリン中、又はガソリン雰囲気中で用いるの
に好適な電磁弁に関する。

〔従来の技術〕

ガソリンエンジン用気化器に用いられる電磁弁で、ブリ
ードエアの流量を制御して、気化器からエンジンに供給
する混合気の空燃比を調節するものが広く使用されてい
る。　この種の電磁弁は励磁による磁力や、励磁を断っ
たときのスプリングの力で可動鉄心等の可動部材を移動
させて弁の開弁を行なう構造になっており、開閉作動時
に可動部材を固定の案内部材に対して相対的に摺動する
。

そして慴動部分に連通してその奥に可動鉄心と固定鉄心
の間に形成された空間（スペース）が存在している。

（発明が解決しようとする課題〕 上記従来の技術では、使用中の温度変化で前記空間内の
空気が膨張・収縮する呼吸作用によって、気化器のエア
ブリード通路内のガソリン蒸気が前記摺動部を通って空
間内に浸入して液化したり、電磁弁を通過する空気流量
が少ないときに気化器の燃料通路からガソリンが逆流し
て摺動部や空間部内に浸入することがある。　そして通
路によるコイルの発熱等の温度上昇でガソリンの低沸点
成分が蒸発し、粘度の高い高沸点成分（重質成分）だけ
が残る。　その結果、可動鉄心等の可動部材が粘着又は
固着して、電磁弁が正常に作動しなくなり、始動不良や
エンジン不調・エンスト等を発生させるという問題点が
あった。　そして、このような粘着や固着は、低温にな
るほど重質成分の粘度が高くなるために、起き易い傾向
にある。

そこで、本発明は前記摺動部や空間部内にガソリンが浸
入しないようにして、前記問題点を解消できる電磁弁を
提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明の電磁弁は、相対的
に移動する部材同志の隙間のうち、流体通路として作用
しない部分に、温度による粘度変化が比較的小さく、化
学的に安定でかつガソリンとなじみにくいオイルを入れ
たことを特徴とする。

オイルとしてはシリコンオイルやフッ素オイル等のオイ
ルを入れることができる。

〔作用〕

隙間に入れたシリコンオイルやフッ素オイル等のオイル
がガソリンの浸入を阻止する。　これ等のオイルは可動
鉄心と固定鉄心の間の空間内にも入れられるため、従来
技術でみられた空間内の空気の膨張・収縮による呼吸作
用もなくなり、この点からも、ガソリンの浸入を防止す
る。　又、これ等の液体は温度による粘度変化が小さく
、かつ化学的に安定しているので、低温時でも電磁弁の
動作に悪影響をせず、長時間の使用でも変換しない。　
又、摺動部の摩擦１摩耗を減少し、防錆の作用をする。

〔実施例］ 第１図の実施例は、二つのソレノイド・コイルを備えて
おり、これ等のソレノイド・コイルの励磁の組合せを選
択することでブリード・エアの流量を零・小流量、大流
量の３段階に調整できる多段電磁弁であり、その基本構
造は本願出願人が先に提案した実願平１−５４２８９号
の多段電磁弁と同じである。

この電磁弁は、気化器のスローエアブリード通路に用い
られ、自動車の通常運転常態においてはブリード・エア
の流量を零とし、減速時の燃料カットの際には小流量と
し、エンジン停止時には大流量に切換えてラン・オンを
防止するのに用いられる。

第１図で、第１固定鉄心１２と第２固定鉄心２２は同軸
に配置され、各固定鉄心１２．２２の周囲には第１ソレ
ノイド・コイル１１、第２ソレノイド・コイル２１が配
置されていて、両ソレノイド・コイル１１゜２１は共通
のボビン７に巻回され、しかも両ソレノイド・コイル１
１．２１に通電した場合、それ等の磁束が同一の向きに
なるように構成されている。

ボビン７の内孔内には第１固定鉄心１２に対向して第１
可動鉄心１３が、第２固定鉄心２２に対向して第２固定
鉄心２３がそれぞれ往復可能で、かつ各ソレノイド・コ
イル１１．２１に通電すると各固定鉄心１２゜２２に吸
引されるように配置されている。　第１可動鉄心１３に
は第１０ツド１５の右端が圧入固着され、該第１０ツド
１５の左端にはゴムの第１弁体１６が嵌着されている。

　同様に第２可動鉄心２３には第２０ンド２５が圧入固
着され、該第２０ツド２５の左端にはゴムの第２弁体２
６が嵌着されている。　２８は筒形の第２ガイドで前記
第１０ツド１５の内周面に嵌着され、この第２ガイド２
８の内孔内に前記第２０ツト２５が摺動可能に挿入され
ている。　ボビン７と第１および第２固定鉄心１２．２
２の間にはＯリング９および１０が挿入され、ソレノイ
ド・コイルへの燃料（ガソリン）の浸入を防止している
。

第１０ツド１５は圧縮ばね１４によって第１可動鉄心１
３を第１固定鉄心１２から引き離す右方向に付勢され、
第２０ツド２５は圧縮ばね２４によって第２可動鉄心２
３を第２固定鉄心２２から引き離す左方向に付勢されて
いる。　第２固定鉄心２２の磁極面および／または第２
可動鉄心２３の磁極面には非磁性材のメツキが施され、
このメツキは磁路の空隙として作用する。　１７は第１
ソレノイド・コイル１１と第１可動鉄心１３の間に設け
た強磁性体からなる環状の第１プレート、２７は同様に
第２ソレノイド・コイル２１と第２可動鉄心２３の間に
設けた強磁性体からなる環状の第２プレートである。

１は筒形のケース、２はケース１と同軸に設けられた筒
形のバルブハウジング、２ａはバルブハウジング２の左
端部に形成された隔壁状のシート部で、該シート部２ａ
には大径流路３が開口され、又、バルブハウジング２の
側部には複数の流出口４が設けられている。　１８はバ
ルブハウジング２の内周に嵌着した筒形の第１ガイドで
、該第１ガイド１８の内側に前記第１０ソド１５が摺動
可能に挿入されている。　第１０ツド１５は中空状に形
成され、その左端部には小径流路１５ａが、側面には開
口１５ｂが形成されている。　　１６ａは第１弁体１６
の中央に明けた貫通孔である。

８は第２ソレノイド・コイル２１の右側のケース１内周
に設けた強磁性体からなる環状プレートで、さらにその
右側には樹脂プレート３工が隔壁として設けられている
。　樹脂プレート３１の右側には０リング３２を介して
ブツシュ３３がケースｌに嵌合され、ブツシュ３３の内
孔にカバー３４で保護されたターミナル３５が設けられ
、ハーネス３６によって外部電源に接続される。

３７はシリコンオイル又はフッ素オイル等の、温度によ
る粘度変化が比較的小さく、化学的に安定でかつガソリ
ンとなじみにくいオイルで、可動部材である第１．第２
可動鉄心１３．２３、第１．第２０．７ド１５．２５、
第２ガイド２８と、固定部材であるボビン７、第１．第
２固定鉄心１２．２２、第１ガイド１８との間の隙間や
空間に満たされている。　そして、このオイル３７は、
電磁弁の流体通路（ブリードエアの通路）として働く部
分である大径通路３、貫通孔１６ａ、小径通路１５ａ、
開口１５ｂ、流出口４等には悪影響しないように、第１
図における第１ガイド１８の左端から右側の隙間や空間
に入れである。　又、このシリコンオイル等のオイル３
７は低温でも電磁弁の作動に悪影響を与えない程度の粘
度のものを用いている。

次に上記のように構成された多段重６ｊｌ弁の作用を説
明するが、−例として自動車のガソリン内燃機関の気化
器のブリード・エアを調整する場合について述べる。

通常走行運転のため、ブリード・エアを零流量にする場
合、図示しないイグニッションスイッチをオンにして第
１ソレノイド・コイル１１を通電状態にし、第２ソレノ
イド・コイル２１を非通電状態のま−とする。　第１ソ
レノイド・コイル１１の励磁により、ケース１．第１固
定鉄心１２．第１可動鉄心１３．第１プレー目７からな
る磁路に磁束が生じて第１可動鉄心１３が圧縮ばね１４
に抗して第１固定鉄心１２に吸引され、第１弁体１６が
シート部２ａに圧着される。　このとき第２可動鉄心２
３と第２０ツド２５は圧縮ばね２４に付勢されて左方に
移動し、第２弁体２６が小径流路１５ａを閉じた状態と
なり、空気流量は零となる。

次に減速時の燃料カットの場合、第１ソレノイド・コイ
ル１１は通電状態のま＼、第２ソレノイド・コイル２１
にも通電する。　第２ソレノイド・コイル２１の励磁に
より、ケース１．第２プレート２７゜第２可動鉄心２３
．第２固定鉄心２２．プレート８からなる磁路に磁束が
生じ、第２可動鉄心２３が第２固定鉄心２２に吸引され
、第２可動鉄心２３が第２０ツド２５と共に右方図示の
位置まで移動して、第２弁体が第１０ツド１５から離れ
るため、小径流路１５ａが開く。　従って空気は大径流
路３および小径流路１５ａから流入して開口１５ｂを経
て流出口４から流出する。　このため小流量の空気が流
れる。

次に運転停止時のラン・オン防止の場合、第１ソレノイ
ド・コイル１１にのみ通電して流量零の状態が実現され
ている状態でイグニッションスイッチをオフにすると、
両ソレノイド・コイル１１と２１の何れも非通電となる
。　従って第１可動鉄心１３と第１０ツド１５は圧縮ば
ね１４に付勢されて右方に移動し、第１弁体１６がシー
ト部２ａから離れ大径流路３を開く。　一方、第２可動
鉄心２３は圧縮ばね２４に付勢され、第２弁体２６が第
１０ツド１５を介して第１弁体１６を図の左方へ押すが
、圧縮ばね１４の力が圧縮ばね２４より強く定めである
ので第１弁体１６がシート部２ａから離れて大径流路３
を開く。

従って大流量の空気が流入口３から流出口４を経て図示
しない燃料通路へ流れ込み、燃料の流れを遮断して高温
状態の内燃機関におけるラン・オンを防止する。

オイル３７は、両可動鉄心１３と２３の間の空間Ａや、
両圧縮バネ１４と２４のまわりの空間や、これらの空間
につながる隙間（摺動部の隙間も含む）に満たされるた
め、ガソリンの浸入を阻止又は防止する。

第２図乃至第５図は、電磁弁にシリコン・オイル等のオ
イル２７を入れる手順を説明する図で、オイル３７は電
磁弁の組立工程の途中で、第１ロツド１５や第２０ソド
２５の表面をオイル３７でぬらすことで電磁弁内の隙間
に満たす。

第２図に示すように、槽３８にシリコン・オイル等のオ
イル３７を入れておき、このオイル３７に、第１可動部
アセンブリ３９と、第２可動部アセンブリ４０との一部
を図示のように浸す。　第１可動部アセンブリ３９は前
述のように、第１可動鉄心１３．第１０ッド１５．第１
弁体１６及び第２ガイド２８とを一体的に組立てたアセ
ンブリ、第２可動部アセンブリ４０は第２可動鉄心２３
と第２０ツド２５と第２弁体２６１を一体的に組立てた
アセンブリである。　このようにオイル３７に一部分を
浸した第２可動部アセンブリ４０を引き上げ、その表面
にシリコン・オイル等のオイルが付着したま一１第３図
のコイルアセノブ１月１に、第４図に示すように組付け
る。

なお第４図では図示されていないが、第２可動部アセン
ブリ４０の表面には、その上部を除いて、オイル３７が
べっとりと付着している。　次に第１可動部アセンブリ
３９を槽３８のオイル３７中から引き上げ、その表面に
オイル３７がべっとりと付着したま＼第５図のように、
コイルアセンブリ４１と第２可動部アセンブリ４０とに
嵌装し組み付ける。　　こうすることで、両可動鉄心１
３と２３との間の空間Ａに符号３７で示すようにオイル
が満たされ、この空間Ａに連通する圧縮ばね２４のまわ
りの空間にもオイル３７が入る。

さらに、第５図の組立工程のあと、他の部品を組み付け
て、電磁弁を第１図の状態に完成させることで、オイル
３７は、他の隙間部分、例えば圧縮ばね１４のまわりの
空間や、第１０ソド１５の外周と第１ガイド１８の外周
との摺動部にも浸入し、これら摺動部にガソリンが浸入
するのを防止する。

第１図の実施例における粘着防止効果を従来技術の電磁
弁と比較した加速試験の結果を第６図に示す。　加速試
験は電磁弁を気化器に組み付け、エアブリード通路に１
日１回自動車燃料用のガソリンを注入し、注入直後から
数時間の間を１２０°Ｃに、残りの時間を常温（外気温
）にする２４時間１サイクルのテストパターンを１５回
（１５日間）繰り返し、その途中、１日１回ずつ常温時
に電磁弁の最低作動電圧をチエツクした。　従来技術で
は、短時間に作動電圧が上昇して破線の規格値を越えた
が本発明のものでは１５サイクルを過ぎても増加の傾向
は殆どみられなかった。

〔発明の効果〕

本発明は上述のように構成されているので、ガソリンの
浸入を確実に防止でき、ガソリンの重質成分による可動
部の粘着又は固着というトラブルを未然に防止できる。

又、作動部、特に摺動部に付着するシリコン・オイルや
フッ素オイル等めオイルが摺動部の摩擦を減らし、摩耗
を防止するため、電磁弁の最低作動電圧の上昇を抑える
と共にその再現性が良くなり、作動耐久性が向上する。

　又、防錆効果の面からも信軌性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の一部縮断正面図、第２図乃至
第５図は本発明の電磁弁の組立工程を説明する異なる態
様での継断面図、第６図は本発明の電磁弁と従来技術の
電磁弁との加速試験結果を比較して示す線図である。 ３７・・・オイル

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、相対的に移動する部材同志の隙間のうち、流体通路
   として作用しない部分に、温度による粘度変化が比較的
   小さく、化学的に安定でかつガソリンとなじみにくいオ
   イルを入れたことを特徴とする電磁弁。 ２、オイルがシリコンオイルであることを特徴とする請
   求項１の電磁弁。 ３、オイルがフッ素オイルであることを特徴とする請求
   項１の電磁弁。