JPH0416387A - 多数回印字熱転写シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は熱転写シートの改良に関し、更に詳しくは同一
の熱転写シートで多数回の印字が可能な新規な熱転写シ
ートに関する。

（従来の技術及びその問題点） 従来、コンピューターやワードプロセッサーの出カブリ
ントを熱転写方式によって印字する場合には、基材フィ
ルムの一方の面に熱溶融性インキ層を設けた熱転写シー
トが使用されている。

この従来の熱転写シートは、基材フィルムとして厚さ１
０〜２０μｍのコンデンサ紙やパラフィン紙の様な紙或
いは厚さ３〜２０μｍのポリエステルやセロファンの様
なプラスチックのフィルムを用い、ワックスに顔料や染
料等の着色剤を混合した熱溶融性インキ層をコーティン
グにより設けて製造したものである。

これらの従来の熱転写シートを用いて被転写紙に印字す
る場合には、１回の印字によってその印字部分のインキ
層は全部転写される為、熱転写シートの同一箇所で再度
印字することは不可能であり、従って印字の長さとほぼ
同一の熱転写シートを消費し、その分の基材フィルムは
全て再使用出来ず、非常に不経済であるという問題があ
る。

この様な問題を解決する方法として、基材フィルム上に
無機粒子等とバインダーとからなる多孔層を形成し、該
多孔層内に溶融性インキ層を含浸させたものが知られて
いる。しかしながら、かかる熱転写シートの場合には１
回目の印字は高濃度であるが、２回目以降が急激に印字
濃度が低下し実用化の域には遠いものであった。

従って本発明は、多数回印字可能で且つ印字回数に従っ
て急激に印字濃度が低下しない実用性に優れた多数回印
字熱転写シートを提供することである。

（問題点を解決する為の手段） 上記目的は以下の本発明によって達成される。

即ち、本発明は、基材フィルムの一方の面に熱溶融性イ
ンキを含む多孔層を形成し、該多孔層の空隙率が基材フ
ィルム面から表面に向かって減少していることを特徴と
する多数回印字熱転写シートである。

（作　　用） 溶融性インキを保持している多孔層の空隙率を基材フィ
ルムから表面に向かって減少させることによって、印字
濃度の低下の少ない多数回印字が可能となる。

（好ましい実施態様） 次に好ましい実施態様により本発明を更に詳しく説明す
る。

本発明で用いられる基材フィルムとしては、従来の熱転
写シートに使用されていると同じ基材フィルムがそのま
ま用いること力咄来ると共に、その他のものも使用する
ことが出来、特に制限されない。

好ましい基材フィルムの具体例としては、例えば、ポリ
エステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネー
ト、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、
アイオノマー等のプラスチック、コンデンサー紙、パラ
フィン紙等の紙類、不織布等があり、又、これらを複合
した基材フィルムであってもよい。

この基材フィルムの厚さは、その強度及び熱伝導性が適
切になる様に材料に応じて適宜変更することが出来るが
、その厚さは、好ましくは、例えば、２〜２５μｍであ
る。

上記基材フィルムの一方の表面に多孔層を形成形成する
方法としては、（１）熱転写時の熱によって溶融したり
軟化したりしない粒子とバインダ樹脂とから形成する方
法、（２）ポリエーテル型又はポリエステル型等のポリ
ウレタン等の樹脂をジメチルホルムアミド（ＤＭＦ）等
の水溶性有機層剤に溶解した溶液を基材フィルムに塗布
後、水で脱溶剤して多孔層とする方法、（３）ポリウレ
タン等の樹脂の有機溶剤溶液の中に水を乳化させた乳濁
液を基材フィルムに塗布後、先ず有機溶剤を蒸発させて
乳濁液をゲル化させ、次いで水を蒸発させて多孔層を形
成する方法等がある。

上記方法はいずれも多孔層の形成方法として公知であり
、これらの公知の方法がいずれも本発明で使用すること
が出来、特に上記（１）の方法では形成される多孔層の
空隙率は層全体として均一となるので、本発明では、粒
子とバインダーとの比率を変えて複数層積層することに
よって基材フィルム側から表面に向かって空隙率を減少
させることが出来る。空隙率の減少率としては、基材フ
ィルム側を１とした場合、表面の空隙率が０．３〜０．
６となる範囲が好適である。

又、上記（２）及び（３）の方法では、脱落剤及び脱水
の関係で必然的に基材フィルム側の空隙率が大きく、表
面に向かって空隙率が小さ（なるので、１層の多孔層を
形成すればよく（勿論複数層を積層させてもよい）、本
発明において好ましい方法である。

上記多孔層の全体としての空隙率は３０〜８０％程度が
好ましく、空隙率が上記範囲未満であると、空隙に収容
させるインキの量が少なくなり、一方、空隙率が上記範
囲を越えると、多孔層自体の強度が不足するので好まし
くない。又、多孔層の厚みは２〜５０μｍ程度がよく上
記空隙率との関係で決定される。

上記多孔層に収容する熱溶融性インキは、着色剤とビヒ
クルとからなり、更に必要に応じて種々の添加剤を加え
たものでもよい。

この着色剤としては、有機又は無機の顔料若しくは染料
のうち、記録材料として良好な特性を有するもの、例え
ば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪
色しないものが好ましい。

又、非加熱時には無色であるが加熱時に発色するものや
、被転写体に塗布されているものと接触することにより
発色する様な物質でもよい。シアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックを形成する着色剤の外に、他の種々の色の
着色剤をも用いることが出来る。これらの着色剤の使用
量はインキ中で約２〜９０重量％を占める使用割合が一
般的に好ましい。

ビヒクルとしては、ワックスを主成分とし、その他ワッ
クスと乾性油、樹脂、鉱油、セルロース及びゴムの誘導
体等との混合物が用いられる。

ワックスの代表例としては、マイクロクリスタリンワッ
クス、カルナバワックス、パラフィンワックス等がある
。更に、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子
量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロ
ウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワック
ス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、−都度性
ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等種々のワッ
クスが用いられる。

上記インキを前記多孔層に含浸保持させる好ましい方法
としては、多孔層の形成と同時に含浸させる方法、多孔
層の形成後にその表面から溶融又は溶解したインキを含
浸保持させ、含浸後必要に応じて加熱して溶剤を揮発乾
燥させ、インキのみを多孔層中に保持させる方法等が挙
げられる。

基材フィルム上に多孔層を形成する方法、熱溶融インキ
を含浸させる方法としては、ホットメルトコートの外、
ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビアリバ
ースコート、ロールコートその他多（の手段等が挙げら
れる。

本発明においては、インキを保持している多孔層上に未
着色の前記ワックスからなる表面層を形成してもよく、
この表面層によって印字時の被転写材の地汚れを防止す
ることが出来る。

基材フィルムに熱に弱い材料を用いる場合、サーマルヘ
ッドに接する側の表面に、サーマルヘッドのスティッキ
ングを防止する層を設けることが好ましい。スティッキ
ング防止層は、耐熱性のある樹脂と熱離型剤又は滑剤の
働きをする物質とを基本的な構成成分とする。

本発明をカラー印字用の熱転写シートに適用出来ること
は云うまでもないから、多色の熱転写シートも又本発明
の範囲に含まれる。又、熱転写プリンターとしてはライ
ン或はシリアルタイプのいずれにも適用することが出来
る。

（実施例） 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。

尚、文中、部又は％とあるのは特に断りのない限り重量
基準である。

実施例１ 厚さ３．５μｍのポリエチレンテレフタレートのフィル
ムを基材フィルムとし、その一方の面に下記の組成の多
孔層形成用材料（Ａ）を乾燥時厚み４μｍになる割合で
塗工及び乾燥し、同様にして多孔層形成材料（Ｂ）を乾
燥時厚み４μｍになる割合で塗工し、更に５０℃で３日
間エージングを行なって、空隙率８０％のＡ層と空隙率
８０％の８層との２層からなる多孔層を形成した。

芝孔１」朋ｖ１１扛Ａ チタン酸カリウム短繊維（ティスモＤ、天場化学製、長
さ１０〜２０μｍ、繊維径０．２〜０．３μｍ、真比重
３．３）　　　　　　　　　５容量部線状餡和ポリエス
テル樹脂（バイロン２８０　、　東洋紡製）　　　　　
　　　　　　　　１０容量部メチルエチルケトン／トル
エン（１／１）５０容量部 灸ｍ葎Ｖ引顆社旦 チタン酸カリウム短繊維（ティスモＤ、天場化学製、長
さ１０〜２０μｍ、繊維径０．２〜０．３μｍ、真比重
３．３）　　　　　　　　　６容量部線状飽和ポリエス
テル樹脂（バイロン２８０、東洋紡製）　　　　　　　
　　　　　　１０容量部メチルエチルケトン／トルエン
（１／１）５０容量部 次に下記成分からなる熱溶融性インキを１２０℃で６時
間混練したものを、インキ温度１２０℃のホットメルト
ロールコート法により、上記多孔層上に６ｇ／ｒｒ？（
乾燥状態）の割合で塗布して含漫保持させ本発明の熱転
写シートを得た。

悲旦殿ユヱ之ヱ１ カーボンブラック（ダイヤブラックＧ、三菱化成製）　
　　　　　　　　　　　　　１５部エチレン／酢酸ビニ
ル共重合体（ＥＶＡフレックス３１０、三井ポリケミカ
ル製）　　　８部パラフィンワックス（パラフィン１５
０Ｆ、日木精蝋製）　　　　　　　　　　　　　５０部
カルナバワックス　　　　　　　　　２５部上記の熱転
写シートを用い、被転写紙として上質紙を使用し、市販
のサーマルヘッドを使用して同一の熱転写シートで５回
の熱転写を行ったところ、繊維の脱落は全くな（，２回
目以降の印字濃度は１回目を１００とすると、１００（
２回目）、９７（３回目）、９３（４回目）、８９（５
回目）となり、印字濃度の低下は僅かであった。

実施例２ 実施例１と同じ基材フィルムを用い、その表面にポリエ
ステル型ポリウレタン樹脂の３５％ＤＭＦｆ＠液を、成
膜後１０μｍの厚みになる様に塗布し、続いて水／ＤＭ
Ｆ＝７０／３０の凝固浴に２０℃で５分間浸漬してゲル
化させ、続いて５０〜６０の温水中で完全に脱ＤＭＦを
行い、更に１２０℃で乾燥させて多孔層を形成し、他は
実施例１と同様にして本発明の熱転写シートを得た。

尚、上記多孔層の空隙率は表面付近が３０％程度で基材
フィルム付近は９０％程度であった。

印字回数　　１　　２３４５ 印字濃度　１００　１００　　９８　　９５　　９０（
効　　果） 以上の如き本発明によれば、溶融性インキを保持してい
る多孔層の空隙を基材フィルムから表面に向かって減少
させることによって、印字濃度の低下の少ない多数回印
字が可能となる。

他１名

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）基材フィルムの一方の面に熱溶融性インキを含む
   多孔層を形成し、該多孔層の空隙率が基材フィルム面か
   ら表面に向かって減少していることを特徴とする多数回
   印字熱転写シート。
2. （２）多孔層が多孔質ポリウレタン層である請求項１に
   記載の多数回熱転写シート。