JPH0416128Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、クーラー、とくにカー・クーラー
用クーリング・ユニツトに関する。

この明細書において、「前」とはクーリング・
ユニツトの風入口および風出口における風の進行
方向をいい、「後」とは逆方向をいうものとし、
第１図において左側が「後」、右側が「前」にあ
たる。

従来の技術 従来のクーリング・ユニツトは、並列状の冷媒
通路を有する蛇行状偏平管および蛇行状偏平管の
各直管部間にコルゲート・フインが介在させられ
ている蒸発器と、蒸発器が収められているケーシ
ングよりなりかつ風が冷媒通路全体に直交状に後
から前へ１回だけ流されるようになつている。

考案が解決しようとする課題 上記蒸発器における偏平管の並列状通路には、
冷媒が分かれて平行に流れているが、冷媒の分流
のうち風の入側に近い程蒸発量が多く、風の出側
に近い程、風の入側ですでに熱交換が行なわれて
いるため蒸発量が少なくなる。したがつて、風の
入側に近い分流では、流れの前半で蒸発が終つて
しまう反面、風の出側に近い分流では、流れの終
りに至つても蒸発が不完全な状態で残つていると
いう問題があつた。

この考案の目的は、偏平管の並列状冷媒通路を
平行に流れる冷媒を全体的にみてほぼ均一に蒸発
させうる熱交換効率のよいクーリング・ユニツト
を提供することにある。

課題を解決するための手段 この考案によるクーリング・ユニツトは、上記
の目的を達成させるため、並列状の冷媒通路を有
する蛇行状偏平管および蛇行状偏平管の各直管部
間にコルゲート・フインが介在させられている蒸
発器と、蒸発器が収められているケーシングより
なりかつ風が冷媒通路と直交状に流されるクーリ
ング・ユニツトにおいて、ケーシングの前壁と蒸
発器との間に風通過用間隙が、同後壁と蒸発器と
の間に風通過用後間隙がそれぞれ設けられ、風入
口が冷媒導入ヘツダの存在する側に偏して後壁
に、風出口が冷媒排出ヘツダの存在する側に偏し
て前壁にそれぞれ設けられ、後壁から蒸発器に向
かつてのびている少なくとも１つの後仕切板と、
前壁から蒸発器に向かつてのびている少なくとも
１つの前仕切板とが、風入口から風出口に至る風
を蛇行状に流すように交互に配されているもので
ある。

作 用 この考案は、ケーシングの前壁と蒸発器との間
に風通過用間隙が、同後壁と蒸発器との間に風通
過用後間隙がそれぞれ設けられ、風入口が冷媒導
入ヘツダの存在する側に偏して後壁に、風出口が
冷媒排出ヘツダの存在する側に偏して前壁にそれ
ぞれ設けられ、後壁から蒸発器に向かつてのびて
いる少なくとも１つの後仕切板と、前壁から蒸発
器に向かつてのびている少なくとも１つの前仕切
板とが、風入口から風出口に至る風を蛇行状に流
すように交互に配されているから、冷媒導入ヘツ
ダから偏平管の並列状の冷媒通路に分かれて流入
した冷媒は、冷媒排出ヘツダに至つてそこで集め
られるまでに、順次蒸発器の後側から入つて前側
にぬける風と、折返して前側から後側へぬける風
と、さらに折返して再び後側から前側にぬける風
というように、流れ方向が変わる風により交互に
熱交換されるから、並列状の冷媒通路を平行に流
れる冷媒は全体的にみてほぼ均一に蒸発すること
になる。

実施例 この考案の実施例を、以下図面を参照して説明
する。

図示のクーリング・ユニツトは、並列状の冷媒
通路２を有する蛇行状偏平管３および蛇行状偏平
管３の各直管部間にルーバ５付きコルゲート・フ
イン４が介在させられている蒸発器１と、蒸発器
１が収められているケーシング１０よりなる。そ
して、風Ａが冷媒通路２と直交状に流されるよう
になされており、ケーシング１０の前壁１０ｂと
蒸発器１との間に風通過用間隙１５が、同後壁１
０ａと蒸発器１との間に風通過用後間隙１６がそ
れぞれ設けられ、風入口１１が冷媒導入管８の接
続せられている冷媒導入ヘツダ６の存在する側に
偏して後壁１０ａに、風出口１２が冷媒排出管９
の接続せられている冷媒排出ヘツダ７の存在する
側に偏して前壁１０ｂにそれぞれ設けられ、後壁
１０ａから蒸発器１に向かつてのびている１つの
後仕切板１３と、前壁１０ｂから蒸発器１に向か
つてのびている１つの前仕切板１４とが、風入口
１１から風出口１２に至る風Ａを蒸発器１の一側
部１ａ、中央部１ｂおよび他側部１ｃと順次蛇行
状に流すように交互に配されている。

後仕切板１３は後壁１０ａと風入口１１とが交
わる角に、前仕切板１４は前壁１０ｂと風出口１
２とが交わる角に、それぞれ仕切度合を調節しう
るように回動可能に取付けられており、風量およ
び風出口の温度を調節できるようになつている。

上記実施例では、後仕切板１３および前仕切板
１４が各１つであるが、この数を適宜増加しても
よい。

考案の効果 この考案のクーリング・ユニツトによれば、冷
媒導入ヘツダから偏平管の並列状通路に分かれて
流入した冷媒は、冷媒排出ヘツダに至つてそこで
集められるまでに、順次蒸発器の後側から入つて
前側にぬける風と、折返して前側から後側へぬけ
る風と、さらに折返して再び後側から前側にぬけ
る風というように、流れ方向が変わる風により交
互に熱交換されるから、偏平管の並列状の冷媒通
路を平行に流れる冷媒を全体的にみてほぼ均一に
蒸発させることができ、熱交換効率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す水平断面図で
ある。 １……蒸発器、２……冷媒通路、３……蛇行状
偏平管、４……コルゲート・フイン、１０……ケ
ーシング、１０ａ……後壁、１０ｂ……前壁、１
１……風入口、１２……風出口、１３……後仕切
板、１４……前仕切板、１５……風通過用前間
隙、１６……風通過用後間隙、Ａ……風。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 並列状の冷媒通路２を有する蛇行状偏平管３お
   よび蛇行状偏平管３の各直管部間にコルゲート・
   フイン４が介在させられている蒸発器１と、蒸発
   器１が収められているケーシング１０よりなりか
   つ風Ａが冷媒通路２と直交状に流されるクーリン
   グ・ユニツトにおいて、ケーシング１０の前壁１
   ０ｂと蒸発器１との間に風通過用間隙１５が、同
   後壁１０ａと蒸発器１との間に風通過用後間隙１
   ６がそれぞれ設けられ、風入口１１が冷媒導入ヘ
   ツダ６の存在する側に偏して後壁１０ａに、風出
   口１２が冷媒排出ヘツダ７の存在する側に偏して
   前壁１０ｂにそれぞれ設けられ、後壁１０ａから
   蒸発器１に向かつてのびている少なくとも１つの
   後仕切板１３と、前壁１０ｂから蒸発器１に向か
   つてのびている少なくとも１つの前仕切板１４と
   が、風入口１１から風出口１２に至る風Ａを蛇行
   状に流すように交互に配されているクーリング・
   ユニツト。